著者
〓 永湖
出版者
東北大学
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-74, 1994-09-30

従来の談話分析は、研究の対象となりやすい話し手の表現を中心に行われた。本稿では、談話の構造で、聞き手の行動の中に見られる談話を潤滑にするための要素の一つである「相づち」を分析する。その結果、相づちの表現は「聞いているという信号」「理解しているという信号」など六つの機能を持っていることが分かった。また談話の流れの中で果たす相づちの機能に重点をおくことによって、新たな談話の型を見出し得ることを示した。
著者
矢澤 信雄 平澤 〓
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.214-226, 2003-08-06

本研究の目的は,LC(life cycle)全コスト指標を新たに定義し,それを客観的判断指標とした政策形成のあり方について検討をおこなうことにある。事例として各種発電技術をとりあげ,LC全コスト指標の推計をおこなった。推計結果から政策形成のあり方にかかわる次の示唆が得られた。太陽光発電と風力発電のLC全コストは,他の発電技術のLC全コストより極めて大きい。また,太陽光発電および風力発電のLC全コストは,その約8割以上が政策コストによって占められている。発電設備の普及ないし,公的支出による研究開発投資の削減をめぐる政策のあり方の検討が重要である。また,火力のレベルにまでこれらを下げるには,さらに建設費の低減ないし発電効率の一層の向上も必要である。原子力と水力は最も低コストの発電技術であり,火力の約半分程度以下である。原子力発電のLC全コストにおいては,廃棄コストが約1割と,他の発電技術に比べて廃棄コストが大きな割合を占めている。これを,安全性を低下させずに削減することが,これからの研究開発政策課題として重要である。火力発電のLC全コストにおいては,環境コスト,特に二酸化炭素処理コストが占める部分が5割以上を占めている。これを低減させることが,今後の研究開発課題として重要である。
著者
河〓 豊
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.436-432, 2004-12-20
著者
城谷 峰〓
出版者
密教研究会
雑誌
密教文化 (ISSN:02869837)
巻号頁・発行日
vol.1954, no.28, pp.25-45, 1954-09-20 (Released:2010-03-16)
参考文献数
3
著者
渡邊 將司 〓井 省三
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.353-361, 2005 (Released:2006-12-01)
参考文献数
30
被引用文献数
10 7

本研究の目的はジュニア競泳選手の短距離泳パフォーマンスに影響を及ぼす要因を分析するとともに, それらが年齢に伴ってどのように変化するかを明らかにすることである. 被験者は8~10歳, 11~12歳, 13~14歳, 15~18歳の4グループに区分された8~18歳の男子114名, 女子130名である. パフォーマンス (個人の50m泳のベストタイム) には体格, 筋力, 柔軟性, ストローク効率が強く影響していると仮定した. 11項目の測定値に因子分析を実施し, 体格因子, 筋力因子, そして柔軟性因子を抽出した. 因子分析から抽出された3因子とストローク効率で構成される重回帰モデルに多母集団の同時分析を性別, 年齢群別に実施した. 男女とも14歳以下では, ストローク効率のパフォーマンスへの影響が最も強かった. 15歳以上では, 男子は筋力因子のパフォーマンスへの影響が最も強くなり, 女子では体格因子が最も強くなった. 競技歴がストローク効率に及ぼす影響は小さかった. この結果, ストローク効率のパフォーマンスへの影響は低年齢で強く, 年齢とともに弱まるが, 反面, 体格因子と筋力因子は低年齢で影響が弱く, 年齢とともに強まることを示唆している.
著者
村上 雄一 服部 達彦 内田 〓
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.1945-1948, 1969-09-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
8
被引用文献数
5

エチレンと酢酸から酢酸エチルを常圧気相流通法で直接合成する反応において数種の触媒を検討した。活性の順序は多孔性イオン交換樹脂(Amberlyst15)>ケイタングステン酸-シリカゲル>リン酸-ケイソウ土>ゲル型イオン交換樹脂(AmberliteIR-120)であった。ケイタングステン酸触媒は200℃ではかなりの活性をもつが,活性の経時低下が著しかった。200℃以上ではかえって酢酸エチル収率は低下し,代ってアセトンの生成が急激に増加した。多孔性イオン交換樹脂触媒ではほとんど副反応なしに,140℃,SV175hr-1,エチレン対酢酸モル比5以上でほぼ平衡収率(59%)で酢酸エチルを生成した。エチレン対酢酸モル比の影響が大で,この比が大きいほど酢酸エチル収率が大きく,酢酸の反応抑制作用が見られた。原料中の水の抑制作用はさらに強く,エステル収率を低下させた。140℃では10時間までこの触媒の劣化はほとんどないが,150℃ではかなりの劣化が観測された。通常のゲル型樹脂は活性を示さず,使用後は完全に崩壊していた。
著者
〓橋 英恵
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.315-324, 2006 (Released:2008-01-25)
参考文献数
27

This paper examines (1) the profile of Dr. Kenzo Futaki, (2) why he advocated the abdominal breathing method, and the purpose and effects of the method, (3) how the Futaki breathing method is performed, and (4) how it compares with the Okada method. The Futaki breathing method involves abdominal breathing, and was originally advocated because anyone could use it. Futaki clearly indicated that his method was not original, but was inspired by, and borrowed from, Atsutane Hirata's method. Hirata's method is a return to an Eastern style of breathing technique, as compared to the practices of the time, which were largely Western-inspired training methods, i.e. with little emphasis on breathing at all. Futaki was a boy of frail constitution until he tried Hirata's method when he was 16-17 years old. He attributed his newfound health to this method. Later he became a doctor, and researched the method further. He found medical/scientific support for the Hirata method. The Futaki method, abdominal breathing, differs significantly from the Okada method, known as reverse breathing or chest-type breathing.
著者
橘 庸子
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編
巻号頁・発行日
vol.37, pp.71-85, 1997-03-31

各種甘味料(オリゴ糖・低カロリー甘味料A・低カロリー甘味料B・低カロリー甘味料C・低カロリー甘味料D・低カロリー甘味料E・低カロリー甘味料F)を砂糖の代りに利用した時,これらの甘味料は砂糖と同様の調理効果を示すかを,卵白の起泡性に対する影響を取り上げ考察した。特に焼菓子であるスポンジケーキにおける調理効果について砂糖との比較において検討したところ次の様な結果が得られた。1.各種甘味料は砂糖と同様,卵白の起泡に安定性を与えた。更にオリゴ糖・低カロリー甘味料A・低カロリー甘味料B・低カロリー甘味料C・低カロリー甘味料D・低カロリー甘味料E・低カロリー甘味料Fは砂糖より卵白の起泡性を高める効果がみられた。2.低カロリー甘味料Fは共立て法の場合は起泡性を著しく低下させた。脂肪による消泡作用を受けやすい様に思われる。3.共立法によりスポンジケーキを作製した時オリゴ糖を用いたスポンジケーキは砂糖のものより表面の焼色もつきやすく,仕上り形態も良くない,内部の状態も味に於いても好まれなかった。4.低カロリー甘味料A・Cを用いたスポンジケーキは砂糖のものより表面の焼き色がうすく中央が山のように盛り上り,低カロリー甘味料A・Eと同様の外観である,内部の状態,味も同様に悪く全体的に好まれなかった。5.低カロリー甘味料Bを用いたスポンジケーキは唯一砂糖に次いで仕上り形態もよく,表面の焼色は砂糖に比べ,ややうすいが内部の状態はあまり良い評価ではない,甘味は砂糖に近いことから好まれた。6.低カロリー甘味料C・D・Eを用いたスポンジケーキは加熱による甘味の減少で非常に悪い評価を得ている。7.低カロリー甘味料Fを用いたスポンジケーキは他と同様の方法で作製した場合,外観,食感共に良い結果が得られなかった。甘味料を小麦粉に混ぜる方法で作製した場合は他の低カロリー甘味料と同様の外観を得ることが出来たが,いずれにしても良い結果はえられなかった。8.低カロリー甘味料を用いた焼き菓子であるスポンジケーキは製品としても品質が悪く又官能的にも好まれなかったことは砂糖として使用出来ない結果であった。しかし今回はこの方法でそうであったが,作り方,配合等が製品の性状を右左すると考えられたことから今後の検討課題にしたいと考える。9.低カロリー甘味料を用いたスポンジケーキは,砂糖と同程度の甘味になるように各甘味料を使用する場合は,保存性の低いことが観察された。
著者
〓 基湖 徐 延徹 李 源哲 金 甲成
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.601-609, 2002-11-01
参考文献数
5
被引用文献数
3 1

韓国の伝統医学は「韓医学」と呼ばれており、特に韓国では韓医学の中でも漢方薬より鍼灸術に大いに期待しているのが現状である。韓国の医療体系は西洋医学と東洋医学の二本立て体制で、鍼灸士だけを養成する鍼灸 (専門) 大学はなく、韓医師と大学の韓医学部で漢方薬と鍼灸術に対して独占的な地位を占めている。韓医学では西洋医学と同様に6年間の大学教育と4年間の研修医制度をとり、世界唯一の鍼灸専門医制度を持っている。学会は大韓韓医学会が代表的な存在として最高上級機関であり、その傘下に鍼灸関連学会の大韓鍼灸学会、大韓薬鍼学会、大韓経絡経穴学会がある。最近、韓国と日本の問での鍼灸学術交流は国際東洋医学会の国際東洋医学学術大会、世界鍼灸学会連合の世界鍼灸学術大会などを通じて盛んに行われている。
著者
〓 錦華 大山 恭弘 小林 裕之 忻 欣
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.797-802, 2005-10-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

This paper presents a new method of improving the disturbance rejection performance of a servo system by estimating an equivalent input disturbance. First, the concept of equivalent input disturbance is defined. Next, the configuration of an improved servo system employing the new disturbance estimation method is described. Then, a method of designing a control law employing the disturbance estimate is explained. Finally, the positioning control of a two-finger robot hand is used to demonstrate the validity of the method.