著者
山地 久美子 室崎 益輝 陳 來幸 近藤 民代 相川 康子 松岡 悦子 田間 泰子 山中 茂樹 磯辺 康子 小針 進 小林 郁雄 長 志珠絵 アンベッケン エルスマリー 金 千秋 垂水 英司 津久井 進 野呂 雅之 林 勲男 山崎 栄一 白 〓浩 韓 栄恵 陳 亮全 邵 珮君 LAURIE Johnson
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は日本、韓国、台湾、米国の自然災害被災地(阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、江原道、ソウル市、台中市、高雄市、台北市、ニューオーリンズ市、サンフランシスコ市等)において主に被災者と支援者、行政、メディアを対象としたインタビュー及び資料収集調査を実施し、災害復興・防災体制におけるジェンダー課題を国際比較調査から明らかにした。さらに、研究成果を基に東日本大震災直後から政策提言・意見書を提出し、法制度・政策の改善につなげた。調査概要はジェンダーと災害復興ホームページ(http://genderdisaster.net/)において確認できる。
著者
小田 史郎 清野 彩 森谷 〓
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.245-254, 2001-04-01
被引用文献数
1 1 3

The present study was aimed to survey the relation between habitual exercise and the quality of nocturnal sleep. Questionnaires on exercise behavior and sleep were given to 452 male and female unuversity students. The questionnaires included such questions as; on their habitual exercise the kind of exercise, duration and frequency of doing the exercise, the period of continuation, rating of perceived exertion (RPE) and subjective feeling of their exercise load for health (heavy, suitable, light). TMIN Life Habits Inventory were conducted to ascertain the quality of sleep. The results of all the students showed that they were more likely to experience insufficient asleep period (64.6%), were not refreshed in the morning (40.0%), found unbearable daytime napping (38.5%). The student group with habitual exercise (n=237) showed significant "more easily fall asleep" (p<0.05) and" more insufficient asleep period" (p<0.05) tendencies than the group without habitual exercise. Further, three groups divided by their subjective feeling toward their exercise load showed some significantly different quality of sleep. The students who felt that their habitual exercise was "suitable" or "light" showed better sleep, with reference to frequency of naid-sleep awakening and deepness of sleep, as compared with students who felt that their exercise was "heavy" (p<0.05). These results indicate that suitable or light habitual exercise might facilitate better quality of sleep while heavy exercise which strongly activate the sympathetic nervous system, pose a risk to disrupt sleep.
著者
加藤 孝久 崔 〓豪 田浦 裕生 田中 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ナノスケールの有機分子膜はナノインプリント、MEMS,磁気ディスクドライブなどのマイクロ・ナノシステムにおいて、摩擦摩耗特性、耐食性、離型性などを改善するために用いられている.有機分子保護膜を用いてマイクロ・ナノシステムを長寿命化するためには、有機分子と固体表面とで強い吸着性が必要である.有機分子と固体表面との吸着特性は、固体表面における吸着サイトの面密度に依存しており、固体表面の制御が重要因子である。一方、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は、高硬度、低摩擦、耐摩耗性、耐薬品性を有する材料であり、磁気ディスクドライブの保護膜、工具や金型の表面処理等に実用化されている。本研究では、固体保護膜としてDLC膜上に有機分子を高密度かつ強く吸着させることで、高耐久性ナノスケール保護膜システムを開発することを目標にする。固体表面は以下の二つの観点で制御した。ひとつは、表面改質から潤滑膜固定まで連続したナノ表面処理システムを開発することでDLC表面を清潔に保った状態で有機分子を固定する方法である。真空中一環プロセスでDLC膜の作成と有機分子の吸着を行うことで、空気中の有機汚染物により、DLC表面の吸着サイトがターミネートされることがなくなり、より_0多くの分子がDLC表面に吸着できる。もうひとつは、DLC膜の組成を制御することでDLC膜表面上における吸着サイトの面密度を上げる方法である。DLC膜は作成時、炭化水素ガスを原料として用いるが、原料ガス中に窒素、シリコンなどを含むガスを混合することで様々な組成を有するDLC膜の作成が可能である。DLC膜中に種々の元素を添加することで、その表面組成も変化し、吸着サイトの面密度を制御することが可能になる。本研究では、表面改質から潤滑膜固定まで連続したナノ表面処理システムを開発することで潤滑分子の高い吸着性を実現した。また、様々な組成を有するDLC膜の表面に有機分子を吸着させることで、DLC膜の組成の違いによる潤滑分子の吸着特性を明らかにした。
著者
本多 〓
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.73-91, 1972-12-25

1.植栽による遮音施設の開発のために,その基礎研究として緑地の防音機能について各種の調査と実験とを行った.2.実態調査は東京都内の大緑地について,指示騒音計,高速度レベルレコーダーを用いて音の分布を測定し,なお重要な地点では24時間測定を行った.実験には,125, 250, 500, 1,000, 2,000, 4,000, 8,000の各周波数毎に音を発生させ,各種条件下の樹木を通過させてその減衰度を調べた.3.大緑地(明治神宮境内)の実側で常時発生している80ホン前後の騒音が,森の中央部では40ホン前後となり,また季節的にみれば,夏季には45ホン以下の静穏地域が最大に拡がり,冬季にはその面積が縮少することよりみて,樹木の存在が遮音に役立ち,また樹葉が防音に大きく関与していることが認められた.4.同一樹種が100m以上連続する樹林での実験によれば,高い周波数帯の音ほどカットされやすく,その減衰曲線は急カーブとなる.5.アベリア(Abelia grandiflora)では,1,000Hzにおいて100ホン前後の音を70ホンに低下させるために,植栽のない場合(アスファルト舗装)60mを要したが,林の中では17mで足りた.6.各種の生垣の遮音効果試験によれば,樹種や周波数により影響を受けるが,例えば2,000Hzの音が,アオキ(Aucuba japonica)の厚さ35cmの生垣を通過すると,4.6ホンの低下がみられた.7.コンクリートなどの壁体の反射音に対する植栽の効果をみると,樹種と植栽の厚味によって異るが,例えばカイズカイブキ(Juniperus chinensis var. kaizuka)の4列植では,1,000Hzの音では2.2ホン,8,000Hzの音では5.9ホンそれぞれ低下した.8.交通騒音に対する実態調査では,道路は周辺地域と同一レベルにある場合よりも,高いか低い場合に周辺地域における音の減衰度は大きい.9.道路際に設けられた高さ1mの土塁上に,草丈約1mの密生したススキ(Miscanthus sinensis),ヨモギ(Artemisia vulgaris var. indica),クズ(Pueraria hirsuta)などの草木またはつる性樹の植生が加わる程度でも,その背後では10ホン前後の低下がみられた.10.道路際で80ホン前後の騒音を,環境基準に準拠して50ホン前後に低下させるためには,大面積の緑地を設ければもちろん可能であるが,そのための幅を多くとれない場合には,まず道路を周辺地域より低くし(切通し道路),その法肩(斜面上端)に小土塁,コンクリート塀などの構造物と植栽とを組合せた複合施設を施せば,30ホン前後の騒音の減衰を得ることば困難ではない.
著者
〓刀 卓 青井 真 中村 洋光 藤原 広行 森川 信之
出版者
日本地震学会
雑誌
地震. 2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.243-252, 2008-03-31
被引用文献数
5
著者
〓崎 静夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.51-59, 1988-07-20
被引用文献数
9

本研究は, (1)従来の代表的な教師の意思決定モデルがもつ弱点を指摘する,(2)新しい意思決定モデルを提案し,その具体例を記述する, (3)新しい意思決定モデルがもつ授業研究と教師教育への示唆を明らかにする,の3つを目的としている.本研究で提案している意思決定モデルは,次のような特徴をもっている.(1)授業計画と授業実態との比較において教師が認知するズレの程度とその原因に応じて,3つの意思決定過程が仮定されている.(2)教師の意思決定と授業についての知識および教授ルーチンとの関係が記述されている.(3)教師の授業計画と相互作用的意思決定との密接な関係が示されている.さらに,このモデルの具体例が2つ提示されている.1つは授業内容決定の例であり,もう1つはマネージメント決定の例である.
著者
村川 〓
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学航空研究所集報 (ISSN:05638097)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.97-108, 1958-09

数種類の成分の洋白の板について低温焼鈍の効果をしらべて,300℃から450℃にわたって焼鈍硬化による硬さの極大が二つの温度で起ることを見出した.この温度は洋白板に与えた(冷間加工による)内部歪み及び成分によってかなり著しく左右されることがわかった.精密バネ材料として洋白板を使うときには(冷間加工の前の中間焼鈍温度は約650℃として)上述の二つの温度のうち高温側の温度より少し低い温度で低温焼鈍を行なうことが望ましい.鉛を含有する洋白板の被切削性を良くするには中間焼鈍温度を約800℃とすることが望ましいことがわかった.精密バネ材料として役に立つ洋白板の顕微鏡組織を圧延面を検鏡面としてしらべると,その結晶粒は統計的に(双晶が圧延されたものは別として)細長くないが,被切削性の良い洋白板のそれは圧延方向に細長いものが多いことがわかった.以前の純銅板の低温焼鈍に関する研究を続行して,以前よりもっと純粋な銅(99.99%Cu)の板について焼鈍効果を研究した結果,この度も明らかな低温焼鈍による硬化が見られた.この硬化が0.01%以下の不純物によると考える根拠は発見し難い.したがって完全に不純物のない純銅の板でも焼鈍硬化が起ると結論することができる.焼鈍硬化の機構としては析出硬化とは結び付けないで,焼鈍のために内部歪みが緩和しようとしてdislocationが移動して結晶粒界の附近でdislocationが移動し難いような配置をとると考える方が実験的事実とよく調和する.黄銅及び洋白の板に於ける焼鈍硬化も同様に考えることができる.
著者
神田 〓子 西村 肇 千葉 検事
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.348-354, 1962-10-10

昭和35年7月における道東農民の食糧構成ならびに熱量,蛋白質の摂取状況を階層別に比較考察した。その結果を総括すると1.全般的に,米以外の穀類および牛乳の消費量が多く,米および肉,果実が著しく少ない。2.カロリー摂取は1人1日平均2,135cal.であり,この89.8%は植物性食品から得ている。D階層のカロリー摂取は1,805cal.で著しく低い。3.蛋白質は1人1日平均77.Og摂取しており,そのうち24.5g(31.5%)は動物性蛋白質である。動物性蛋白質の摂取量は低階層にゆくほど低くなり,特にD階層は少ない。
著者
小林 〓郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.896-905, 2006-12-05
被引用文献数
2

旧制東京文理科大学における朝永先生の極めて少数のクラスの学部学生の一人として,先生から受けた教育および卒業後,所謂「金曜コロキウム」において経験した厳しい研究指導を具体例に即して述べる.併せて先生の品格あって温く,ユーモアのセンス豊かなお人柄を紹介する.
著者
〓谷 要 小平 志乃 出山 悦代 後藤 政幸
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.111-122, 2003-03-31

キチンやキトサンと同じ2-アミノ糖を基本単位とする食物繊維糖鎖の一つである(1→4)-α-ポリガラクトサミンの化学修飾による新規機能分子化を検討した。(1→4)-α-ポリガラクトサミン2位のアミノ基を、穏和な水系緩衝溶液条件でボラン・ピリジン錯体を還元剤とする還元アミノ化反応により置換させた。置換基としては、マルトースやラクトースをはじめとするオリゴ糖を用い、種々の条件を検討した。還元アミノ化反応では、ポリガラクトサミン中のガラクトサミン残基に対するオリゴ糖のモル比に応じて、置換度が異なる生成物を得た。これらのオリゴ糖鎖導入ポリガラクトサミンを、三酸化イオウ・ピリジン錯体を硫酸化剤として、乾燥ピリジン中で硫酸化した。硫酸化生成物は極めて高い水溶性を示した。さらに、オリゴ糖鎖導入ポリガラクトサミンの分子構造を、コンピュータを用いた分子軌道計算、分子力場計算により推定した。計算結果から、オリゴ糖鎖が導入された場合、主鎖構造は僅かに湾曲した直鎖状となり、側鎖はほぼ完全に交互に位置する構造を取ることが予測された。らせん状の構造を取らなかったのは、主鎖構造の糖鎖間の結合様式によるものと考えられた。
著者
稲垣 耕作 嶋 正利 上田 〓亮
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.6-13, 2002-10-20
被引用文献数
3

漢字認識技術は,4半世紀にわたって,正解率99.9%の壁を破れずに停滞してきた。本論文はその困難な壁を破り始めたことを告げる最初の論文である。本論文では,パターン認識技術を複雑系進化という観点から見直すという立場からの考え方を述べる。半導体集積回路の集積度はMooreの法則のいう18ヵ月に2倍の向上を続けてきたが,現在はさらなる機能上のイノベーションを必要とする段階にさしかかっていると思われる。高度なパターン認識と人工知能技術によって,言語情報処理など実世界における情報文化に一層近い機能をコンピュータに付与することが1つの道であろう。我々の実験システムは印刷漢字を対象として,現在,基礎実験段階では単一フォントで99.999%以上の認識率を達成している。
著者
丸田 〓二朗 清水 正子
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, pp.465-468, 1964-09-20 (Released:2009-10-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

Authors could make clear that the total unsaturation of α, β-unsaturated organic acids (crotonic acid, acrylic acid, methacrylic acid and maleic acid) can be estimated quickly by the method using aqueous solution of bromine chloride prepared by acidifying the aqueous solution of potassium bromate and potassium bromide with hydrochloric acid.The iodine value of fatty materials containing isolated double bonds (oleic acid, methyl erucinate, olive oil, rape seed oil and sesame oil), and water insoluble acid samples such as cinnamic acid containing α, β-ethylene linkage were measured by the method using the solution of bromine chroride in glacial acetic acid. The results obtained in the analysis by the method were essentially similar to that of the Wijs method, except the results in the case of cinnamic acid. There is a remarkable agreement between the estimated iodine value of cinnamic acid and its theoretical value.
著者
渡辺 泰彦 公文 啓二 矢作 直樹 春名 優樹 林 英明 松井 淳〓
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.181-187, 1997-05-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
11

成人心臓血管術後の患者22名を対象にNO吸入療法を施行した.適応疾患は低酸素血症型呼吸不全,肺高血圧症,右心不全であった.低酸素血症型呼吸不全の患者において10ppm以下の濃度で酸素化能は著明に改善した.肺高血圧症例では有意の肺動脈圧の低下がみられたが,反応の程度は一様でなく,肺動脈組織の器質的変化の程度によると推察された.右心不全症例は左心補助心臓が装着され,左心拍出量に追従できない右心に対し右室の後負荷軽減目的に,また周術期に右室梗塞症を起こした症例に対しNO吸入療法を行なったが,混合静脈血酸素飽和度は有意に上昇し,右心房圧および肺動脈圧は有意に低下した.以上より心臓血管術後の上記病態に対するNO吸入療法は有用と思われる.