著者
上田 修一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.226-232, 2007-05-01 (Released:2017-05-09)
参考文献数
30
被引用文献数
3

BMからEBP,そしてEBL/EBLIPへという流れの中で,新しく始めた共同研究「エビデンスベーストアプローチによる図書館情報学研究の確立」では,研究におけるエビデンスとは何かの解明を目標に,図書館情報学研究における研究方法の再検討のためのワークショップの開催,EBL/EBLIPの導入などの活動を行っている。EBMに始まる根拠に基づいた進め方は広い支持を得ている。けれども,実際の場になると,検討すべき課題は多く,またエビデンスに対する考え方も多様である。
著者
桑田 修平 上田 修功
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.15, pp.153-162, 2007-10-15
参考文献数
20

確率モデルに基づく新たな協調フィルタリング手法を提案する.提案法は,評点済みのデータから算出されるユーザごとの評点分布,アイテムごとの評点分布,および全評点に対する評点分布が,予測対象の未評点データに対して同様に算出されるそれぞれの評点分布と類似しているとの仮定に基づき,評点済みのデータに対する各評点分布と未評点データに対する各評点分布との間の KL ダイバージェンスを最小化することにより予測値を求める.評点予測を個別に独立で行う従来法と異なり,提案法は予測対象の評点に対する予測値を互いに依存させ,予測対象の評点を一括して予測できるという特長を持つ.映画に対する評価データを用いた実験の結果,予測精度は従来の代表的手法とほぼ同程度であるが,計算時間の面で顕著な優位性を確認した.We propose a new collaborative filtering method based on a probabilistic approach. In the proposed method, we assume that the empirical marginal distributions of the ratings over users and/or items are similar to these corresponding distributions of unrated data. Based on this assumption, we try to predict unobserved ratings by minimizing the Kullback-Leibler divergence between both the rated and unrated rating distributions. In contrast to the conventional methods, which predict unobserved ratings individually and independently, our method predicts all unobserved ratings simultaneously and with mutual dependence. We evaluate the prediction performance and the computational time of our method by using real movie rating data, and confirmed that the proposed method could provide prediction errors comparable to those provided by the conventional top-level methods, but could significantly reduce the computational time.
著者
上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.265-271, 2002-04-01
被引用文献数
31
著者
南 友紀子 岩瀬 梓 宮田 洋輔 石田 栄美 上田 修一 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-180, 2016

<p>本研究では,van Deursen らの「デジタルスキル」を基礎に,従来の情報検索の専門的なスキルを組み込んだウェブ環境における情報検索スキルの現状を明らかにすることを目的とする質問紙調査を行った。2014 年8 月にオンライン調査を実施し,1,551 名から回答を得た。その結果,ウェブ環境で検索を行う人々は,(1)ブール演算子などの高度な情報検索技法は用いない,(2)ウェブ上の情報の形式は理解している,(3)検索語の選定に対する意識は高い,(4)一定の評価方針のもとに複数の検索結果を閲覧する,(5)インターネットから恩恵を受けていると感じている,ことが明らかになった。階層的クラスタリングにより回答者を8 クラスタに分割し,高い情報検索スキルを持つクラスタを特定した。この高能力者群は,比較的若く,男性が多く,学歴が高く,批判的思考能力と自己認識が高かった。高能力者群は全てのスキルの平均得点が最も高いが,検索技法に関するスキルのみ得点は大幅に低かった。</p>
著者
上田 修功 中野 良平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2512-2521, 1997-09-25
参考文献数
17
被引用文献数
30

最近, 汎化能力向上のための新たなアプローチとして, 同一タスクに対して複数の予測器を個別に学習した後, それらの出力の平均値(一般には重み付き平均)を予測値とするアンサンブル学習法が提案され実験的にその有効性が示されている. しかしながら, これまでアンサンブル予測器の汎化誤差に関する厳密な議論は十分になされていない. 本論文では, 回帰問題に焦点をあて, 一般のアンサンブル予測器の汎化誤差改善効果に関する数理的考察を行う. すなわち, 同一タスクに対して個別に学習させた任意の非線形予測器のアンサンブルによる汎化誤差を, 各予測器の推定値のバイアス, 分散, 予測器間の出力の共分散, 学習データのノイズの分散を用いて表し, 各々が汎化誤差に及ぼす影響を明らかにする. 次いで, 実用上興味深いケース(各予測器が同一モデルからなる等)について考察し, 計算機シミュレーションにより解析結果の検証を行う. 解析結果をもとに, 一つのデータセットのみが与えられているという実用上自然な状況下では, データセットを分割する方法では予測の精度向上は期待できないことを明らかにし, その場合の有効なアンサンブル学習法について言及する.
著者
上田 修一 武田 節夫 山脇 一郎 山下 純一 安本 三治 橋本 貞夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.125-131, 1982
被引用文献数
8

A hydroxylated metabolite of 1-(tetrahydro-2-furanyl)-5-fluorouracil (FT), 1-(trans-3-hydroxytetrahydro-2-furanyl)-5-fluorouracil (trans-3'-OH-FT, VIII) and its isomer, 1-(cis-3-hydroxytetrahydro-2-furanyl)-5-fluorouracil (cis-3'-OH-FT, VI), were synthesized and isolated at high purity. As compounds related to FT metabolites, 2, 3'-anhydro-1-(cis-3-hydroxytetrahydro-2-furanyl)-5-fluorouracil (2, 3'-anhydro-FT, V), 1-(2, 5-dihydro-2-furanyl)-5-fluorouracil (3', 4'-dehydro-FT, XII) and 1-(5-acetoxytetrahydro-2-furanyl)-5-fluorouracil (5'-AcO-FT, XI) were also synthesized. The antitumor activities of these compounds against sarcoma 180 and L 1210 were examined. The activities of cis-3'-OH-FT (VI) and 2, 3'-anhydro-FT (V) were found to be lower than that of FT. The activity of 5'-AcO-FT (XI) was the same as that of FT. 3', 4'-Dehydro-FT (XII) showed much greater activity than FT.
著者
山下 純一 山脇 一郎 上田 修一 安本 三治 采見 憲男 橋本 貞夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.4258-4267, 1982-12-25

Six types of 5-fluorouracil (5-FU) derivatives were synthesized ; namely, 2,4-di-O-substituted, 2-O-substituted, 4-O-substituted, 1,3-disubstituted, 1-substituted and 3-substituted compounds. After oral administration of these compounds to rats, the blood levels of 5-FU were determined. Among O-substituted derivatives, a 4-O-substituted derivative was most easily activated to 5-FU and 2-O-substituted derivatives were next most easily activated. Among N-substituted derivatives, acyl and sulfonyl derivatives showed the highest 5-FU releasing abilities and 1-alkoxymethyl substituted derivatives showed low ability. N-Alkyl substituted derivatives were not activated to 5-FU. Several compounds which gave higher blood levels of 5-FU than that obtained with 1-(tetrahydro-2-furyl)-5-fluorouracil (Thf-FU), as well as same related compounds, were selected and their antitumor activities were examined. The 2-O-substituted derivatives, 2-butoxy-5-fluoro-4 (1H)-pyrimidone (11) and 2-benzyloxy-5-fluoro-4 (1H)-pyrimidone (19), were as effective as Thf-FU. The activities of 2,4-di-O-substituted derivatives, 2,4-dibutoxy-5-fluoropyrimidine (1) and 2,4-dibenzyloxy-5-fluoropyrimidine (6), against Ehrlich carcinoma and against sarcoma 180,respectively, were the same as those of Thf-FU. The 1-substituted derivatives, 1-ethoxymethyl-5-fluorouracil (49) and 1-(1-ethoxy-1-phenylmethyl)-5-fluorouracil (50), were found to be as effective as Thf-FU.
著者
小島 浩之 上田 修一 佐野 千絵 安形 麻理 矢野 正隆 吉田 成 内田 麻里奈 森脇 優紀 冨善 一敏 設楽 舞 野中 治 木部 徹 島田 要
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、記録媒体として紙に次ぐ歴史を有するにもかかわらず、これまで学術的な観点から調査・研究がなされてこなかったマイクロフィルムについて、図書館等への訪問実態調査(33機関)、および図書館と文書館への質問紙調査(大学図書館:1,378、都道府県立図書館:58、国立国会図書館:1、公文書館:75、大学文書館:88、専門図書館:380)を基軸とし、生産・出版・保存・活用・管理等の諸側面から総合的に分析した。
著者
上田 修功
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.91, pp.195-202, 2004-09-11
被引用文献数
3

パターン認識システムでは,汎化性能の高い識別器の設計が重要となる.において,性能を向上させるには,識別器の汎化性能を向上させるための学習法と,識別に有効な特徴の選択法,および異種情報の効果的な融合法が重要課題となる.本稿では,アンサンブル学習という視点でこれらの問題を解決するための方法論について最新の研究も交えて解説する.In patter recognition system, it is crucial to design a classifier with high generalization ability, Ensemble learning is one pronissing approach for the purpose. In this tutorial, representative ensemble learning methods are reviewed. Moreover, different information dusion methods are also explaind as a new type of ensemble learning.
著者
上田 修功 中野 良平
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.689-697, 1997-09-01
被引用文献数
9

1 0 0 0 OA 分担目録作業

著者
上田 修一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.636-638, 1986-12-01 (Released:2017-09-08)
被引用文献数
1
著者
國本 千裕 宮田 洋輔 小泉 公乃 金城 裕奈 上田 修一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.199-212, 2009

本研究は読書の行為に焦点を当て「読書とはいかなる行為であるのか」を明らかにすることを目的としている。既存の読書研究は,読書の対象や,児童や生徒に対する読書指導といった側面に焦点を当てるものが多かった。これに対して本研究は,個人の行う読書は様々な次元からなる行為であると考え,成人を対象として読書の次元を明らかにしようと試みた。20代から40代の計29名を対象にフォーカス・グループ・インタビューを5回実施し,発言を分析した結果,読書とは,対象(何を読むのか)に加えて,志向(なぜ・何のために読むのか),行動(どのように読むのか),作用(読んだ結果何を得るのか),場所(どこで読むのか)の五つの次元から成る行為であることが明らかになった。特に対象は,物理的媒体,ジャンル,内容評価といった観点からみられる可能性が示唆された。
著者
中野 允裕 石黒 勝彦 木村 昭悟 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.286, pp.197-204, 2013-11-12

本稿では,関係データ解析への応用を目的として,無限サイズを持つ行列の長方形分割を行う確率過程について議論する.関係データ解析法の一つとして、与えられたデータを行列として表現し、その行列を少数の長方形クラスタに分割する手法が広く利用されている。長方形分割を表す確率的生成モデルとして従来Chinese restaurant processの積やMondrian processなどが用いられてきたが,これらは限られたクラスの長方形分割しか表現することが出来なかった.より一般に任意の長方形分割を生成しうる確率モデルとしてGilbert tessellationが知られているが,これは統計的な振る舞いの解析が困難であることが知られている.そこで本稿では,有限確率モデルの無限拡張によって長方形分割のための確率過程を構成する方法を提案する.はじめに,確率過程構成の常套手段であるKomogorovの拡張定理を用いた方法を示し,その問題点を明らかにした後,より洗練された構成法として有限のベイズ階層モデルに関する射影系をOrbanzの拡張定理によって無限拡張する方法を提案する.