著者
桃井 昭好 佐藤 茂雄 中島 康治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.472, pp.37-42, 2004-11-20

ストカスティックロジックを用いた1000ニューロンハードウェアシステムの構築を行った。ストカスティックロジックは確率密度変調された1bitのデジタルパルス列を用いて演算を行う。そのため、バイナリロジックに比べて回路面積を小さく実現でき、さらにアナログ回路に比べて外部ノイズ耐性が高い回路を実現できる。また、確率的な動作に起因するノイズを利用することでネットワークの性能を向上させることができる。今回、我々は1000ニューロンシステムの詳細、及びシステムの測定結果についての報告を行う。
著者
指山 浩志 辻仲 康伸 浜畑 幸弘 松尾 恵五 堤 修 中島 康雄 高瀬 康雄 赤木 一成 新井 健広 星野 敏彦 南 有紀子 角田 祥之 北山 大祐
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.440-443, 2010 (Released:2010-07-02)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

症例は53歳の男性.工事現場のコンクリートから突出した鉄筋の上に座り受傷した.その後肛門痛があったが軽度であったため3週間放置し,症状悪化後近医を受診,外傷性直腸損傷による直腸周囲膿瘍の診断にて当院紹介入院となった.入院時は肛門痛著明で歩行困難であり,脱水状態であった.直腸指診では直腸後壁側に半周性の直腸壁欠損があり,外傷性直腸穿孔の診断で,双口式人工肛門を造設し,直腸周囲膿瘍のドレナージ術を施行した.未治療の糖尿病があり,膿瘍の改善が不良で治療に難渋したが,直腸穿孔部が閉鎖していることを確認の上,術後7カ月後人工肛門を閉鎖した.杙創性直腸穿孔は通常受傷後直ちに治療される場合が多いが,経肛門的な直腸損傷の場合,症状が乏しい場合があり,本症例のように受診が遅れることがある.受診の遅延は治療の難渋につながり,合併症の頻度を高めるため,早期の診断,治療が予後の改善には重要である.
著者
木村 睦 中島 康彦 ZHANG Renyuan 松田 時宜 羽賀 健一 徳光 永輔
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

人工知能は、未来の社会の中心となる技術であるが、巨大なサイズと膨大な電力が問題である。ニューロモーフィックシステムは、脳の模倣で、コンパクト化・低消費電力化が期待できる。そこで、我々は、超コンパクト・超低パワーの『リアルニューロモーフィックシステム』の研究を、アーキテクチャ:単一アナログデバイス/マテリアル : アモルファス金属酸化物半導体/アルゴリズム:局所的学習則の3つの観点から進めている。本研究では、上記の新技術を導入したニューロモーフィックシステムの動作を、シミュレーション・実機で確認し、実用的かつ人間の脳と同様な超コンパクト・低パワーの汎用人工知能の可能性を検討する。
著者
中島 康佑 永田 和之 大下 智也 村木 亮介 有道 真久 平岡 有努 林田 晃寛 吉鷹 秀範 坂口 太一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-87, 2017 (Released:2017-07-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1

経皮的心肺補助管理中に発生する合併症の一つに、溶血がある。溶血発生要因の中に、遠心ポンプの過剰な揚程(陽圧・脱血回路圧[陰圧])運用が言われており、適切な評価・対応が重要であると考えられる。しかしながら、当院においても明確なcut off値の基準が定められていない。そこで2012年から2015年までの経皮的心肺補助を必要とした101例を対象とし、管理1日目の血液検査結果において溶血と記録されたものを溶血有とし、後ろ向きに溶血発生要因に関する因子の検討を行った。結果、溶血有と記録された症例は27例(26.7%)であった。溶血無群と比して、溶血有群において、有意に高い遠心ポンプ揚程(512.9±181.8mmHg、333.4±120.1mmHg;p<0.0001)、脱血回路圧(陰圧)(-317.6±170.9mmHg、-156.7±108.0mmHg;p<0.0001)を認め、溶血の独立リスクの一因子と考えられた。また、これらの因子のreceiver-operator curve解析を行うと揚程430mmHg以上、脱血回路圧(陰圧)-270mmHg以下が溶血リスクのcut off値として算出された。更に溶血有群において急性腎障害発生率(60%[14/23]vs. 13%[7/52];p<0.0001)と有意に上昇していることからも、溶血回避を含めた対策が重要であると考えられた。
著者
北村 孝寛 中島 康貴 生野 岳志 山本 元司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.87, no.898, pp.20-00295, 2021 (Released:2021-06-25)
参考文献数
15

In order to find effective movements on an office chair for preventing back pain, the paper measures EMG (electromyogram) signal and evaluates cognitive test. Core muscles of subjects on a balance ball are measured when there are forced movement and voluntary movement of the ball. The measurements show the forced movement and discontinuity movement on the ball is more effective in the meaning of muscle activity. The paper also studies the effect of movement with the balance ball on the efficiency of office workers. This is because, even if the movement is good for preventing back pain, it is not desirable to reduce work efficiency. Two cognitive tests, addition test and flanker test, are used to investigate the efficiency of office workers when the movements with the balance ball and no movements with normal chair in the view points of work reduction rate and correct answer rate. The results show the efficiency of office workers is almost the same as the case of movements with the balance ball and no movements with normal chair. Totally the study shows effective movements on the balance ball which activate the core muscle activity efficiently. It also shows the movement does not reduce the office work efficiency.
著者
永田 和之 中島 康佑 平岡 有努 有道 真久 大下 智也 村木 亮介 内藤 善隆 姫野 麻菜美 坂口 太一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.131-138, 2019 (Released:2019-07-03)
参考文献数
12

【背景】心臓外科手術後に術後高次脳機能障害(postoperative cognitive dysfunction:POCD)が発生することが知られており、その原因の一つとして人工心肺が関係するとの報告がある。【方法】人工心肺を使用した心臓弁膜症手術において術前・術後の認知機能テストを施行し得た連続160例を対象とした。術前後に4種類の認知機能検査を行い、少なくとも1つにおいて術後のポイントが20%以上低下するか評価困難な場合にPOCDと判定した。POCD発症に関連する因子を多変量解析にて検討した。【結果】POCDを発症したのは49例(30.6%)であった。発症群と非発症群を比較検討したところ、発症群は有意に年齢が高く、認知症と高血圧の既往が多く、HbA1c値が高値であった。また、発症群は人工心肺中の復温時間が有意に短く、復温時の灌流指標(Perfusion Index:P・I)、ヘモグロビン値、酸素供給量(DO2i)が有意に低かった。術後経過に関しては、発症群は有意に術後最高血清クレアチニン(Cr)値、術前後血清クレアチニン(Cr)値上昇幅が高く、術後挿管時間、ICU滞在日数、入院日数が長かった。多変量解析の結果、年齢(cut off値=72歳、AUC=0.71、OR=6.09、CI=2.40-15.5、P=0.0021)および35℃復温時のDO2i(cut off値=276mL/min/m2、AUC=0.79、OR=9.28、CI=4.22-20.4、P<0.0001)がPOCD発症の独立した危険因子であった。【考察】心臓手術後のPOCDは認知能力の低下だけでなく、術後経過に悪影響を及ぼす。特に高齢者の人工心肺管理においては、復温時のDO2iを適正に維持することが重要と考えられた。【結語】心臓手術後POCD発症の要因として、年齢および人工心肺復温時DO2iの関連が示唆された。
著者
壽田 祐大 金田 礼人 本田 功輝 中島 康貴 山元 元司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1P2-I02, 2021

<p>Mobile robots with both high trampling ability and low COT are required for hazard removal and disaster rescue in unstructured environments. In this paper, we present a Spider-Man inspired mobile robot that can brachiate using wires to overcome obstacles. The proposed mechanism has two wire injection mechanisms and winding mechanisms. By ejecting the two wires toward a ceiling and rewinding them, the robot can control its position and angle for brachiation. Then, by detaching one of the two wires, the robot starts brachiation and lands on a remote point. We build a prototype robot and experimentally verify that it can brachiate along the target trajectory.</p>
著者
板垣 信吾 光定 誠 城川 雅光 関 薫子 中島 康 横須賀 哲哉
出版者
島しょ医療研究会
雑誌
島しょ医療研究会誌 (ISSN:24359904)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.55-59, 2009 (Released:2021-07-12)
参考文献数
4

南鳥島は東京都小笠原村に属し,東京から約 2,000km 離れた日本最東端の離島である.当院は島しょ からの航空機搬送による救急患者受入れを行っているが南鳥島からの搬送は本邦における最遠距離搬送 と思われる.今回,同搬送の添乗医を経験し,その問題点について考察した.2001 年 1 月~09 年 3 月の 南鳥島からの離島緊急航空機搬送例全 6 例を対象とし,各症例について搬送要請から病院収容までの時 間の詳細を検討,他の離島(伊豆諸島および小笠原:平成 20 年搬送例)と比較した.搬送症例は 06 年に 1 例,08 年に 4 例,09 年に 1 例であり,診断は急性腹症 4 例,外傷 2 例であった.要請から航空機離陸 までの時間(lag time)及び総所要時間は他の離島と比べ極めて長くなっていた.遠距離であることに 加えて(1)複雑な事務手続き,天候不良等で lag time が通常の搬送より延長している可能性(2)添 乗医師到着後に再度診察や処置を行うことで現地滞在時間が延長している可能性が考えられた.対策 として(1)赴任前健診の強化(2)情報伝達の強化(3)事務要請経路の簡略化などが考えられた.
著者
加古 嘉信 吉村 晶子 小山 真紀 宮里 直也 関 文夫 中島 康 佐藤 史明
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.2_58-2_78, 2020

<p>災害応急活動にあたる救援部隊の現場対処能力強化は急務であり,警察,消防等の救助実動機関において救助訓練などの取組が進められている.それら検討にあたっては,実際の救助活動事例についての詳細な実態データを得ることができれば極めて有用である.そこで本研究では,平成28年(2016年)熊本地震において救助活動に従事した警察部隊に対して実態調査を行い,建物倒壊・閉じ込め現場における救助活動,すなわちConfined Space Rescueの活動対象となった建物の破壊程度,要救助者の閉じ込め位置,閉じ込め空間の寸法・形状および閉じ込め空間内の要救助者の状況を定量的に把握した.また,同時に,模型による状況再現手法を用いたヒアリングやその結果を踏まえた閉じ込め空間パターンチャートの開発などにより,木造倒壊建物内における救助活動の実態調査手法を開発した.以上により,これまで「不安定」「狭隘」「倒壊建物の下敷き」などの定性的・抽象的表現により把握されてきた建物倒壊・閉じ込め現場の状況をはじめとする救助活動の実態について,具体的な定量データとして明らかにし,今後の取組の推進に有用な基礎データとして整理できた.また,開発した調査票は,継続的な情報収集を可能とするための基盤として機関横断的な調査にも活用しうると考えられ,今後の知見蓄積ならびにそれを通じた災害救助体制強化への寄与が期待される.</p>
著者
加古 嘉信 吉村 晶子 小山 真紀 宮里 直也 関 文夫 中島 康 佐藤 史明
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.65-73, 2020

<p>In order to allocate a rescue team with suitable capability required for a site, it is important to relevantly assess the rescue difficulty of each site for efficient resource utilization in disaster response. In this study, we used the empirical data on rescue operations conducted at collapsed wooden building sites during the 2016 Kumamoto Earthquakes collected by<b> </b>National Police Agency, and analyzed on the relation between duration times of rescue operations and some factors such as building damage grades, scales of rescue sites, situations of victim entrapments, and so on. As a result, it was found that damage grades and space scales didn't affect much on duration times and the affecting factors of rescue difficulty were found to be the situations of entrapments; pressurization and configurations under the victims.</p>
著者
片山 晴善 酒井 理人 加藤 恵理 中島 康裕 木村 俊義 中右 浩二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.5 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.19-26, 2015-01-26 (Released:2017-09-22)

我々は、非冷却赤外検出器を応用した宇宙用赤外イメージャーの実証センサとして地球観測用小型赤外カメラ(Compact Infrared Camera: CIRC)を開発してきた。CIRCの主要目的は,東南アジア諸国やシベリアなどで頻発する森林火災の検知、火山観測、都市部のヒートアイランド現象の把握である。本稿では平成26年5月24日に打ち上げられた「だいち2号」に搭載のCIRCについてその概要と地上試験、および軌道上の性能評価結果等を紹介する。
著者
指山 浩志 辻仲 康伸 浜畑 幸弘 松尾 恵五 堤 修 中島 康雄 高瀬 康雄 赤木 一成 新井 健広 田澤 章宏 星野 敏彦 南 有紀子 角田 祥之 北山 大祐
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.466-470, 2009 (Released:2009-07-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

肛門部尖圭コンジローマ症例をHPVタイプにより分類し,疫学的,臨床的違いの有無について検討した.液相ハイブリダイゼーション法によりHPVのハイリスク型,ローリスク型の有無を調べえた166症例をHPVタイプ(ハイリスク:H ローリスク:L 陽性+ 陰性-)で分類すると,H+L+型39例,H+L-型2例,H-L+型97例,H-L-型28例であった.H+L+型は男性が多く,H-L-型は女性が多く年齢層が高いという傾向があった.居住地では,千葉北西部でH-症例,東京都内でH+症例が多く,疫学的違いがある可能性が考えられた.肉眼型では,H-L-型で散在型が多く臨床的な違いのある可能性も示唆された.HIV陽性例はH+L+型7例,H+L-型1例,H-L+型2例にみられH+症例で高率であった.術後の再発率は全体として33%であるが,HIV陽性例では67%と高く,免疫抑制状態が再発に関連すると考えられた.
著者
川田 研郎 河野 辰幸 中島 康晃
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.70-80, 2017 (Released:2017-01-20)
参考文献数
54

近年,欧米においてはバレット食道が急速に増加しており,本邦においても今後増加することが懸念されている.バレット食道を診断するためには,十分に食道胃接合部を伸展させ,下部食道柵状血管の下端もしくは胃の襞の上縁を確認し,胃から連続する円柱上皮を確認する.SSBEの表在癌は右前壁に多いとされ,まず通常内視鏡で発赤・凹凸不整の所見を見落とさないことが重要である.深達度診断には白色光観察に加え,画像強調内視鏡,拡大内視鏡,超音波内視鏡,食道造影が用いられる.凹凸のほとんどない0-Ⅱbや0-Ⅱa,基部にくびれを有する0-Ⅰ型,浅い陥凹を有する0-Ⅱc型は粘膜癌を示唆する.酢酸併用画像強調+拡大内視鏡は癌の側方伸展の診断に有用である.バレット食道癌の深達度診断は治療方針をたてるのに重要である.一部のT1a-DMM癌と粘膜下層癌には転移が見られるため,内視鏡治療の適応拡大は慎重に行う必要がある.