著者
佐原 奈々美 中村 俊彦 逢沢 峰昭 大久保 達弘
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.102-109, 2018-08-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
43
被引用文献数
2

亜高山帯落葉樹林の実生の発生・定着におけるコケ群落の役割について明らかにするため,日本中部の亜高山帯において常緑針葉樹林の伐採約60年後に成立した落葉広葉樹優占林の森林構造および実生・稚樹の発生・生育状況についての調査を行った。その林分ではダケカンバ等の落葉広葉樹が高木層・亜高木層に優占し多量の種子を生産しているにもかかわらず低木層以下では落葉広葉樹よりシラビソやオオシラビソ等の常緑針葉樹が優占していたことから,今後この林分の常緑針葉樹林への遷移が示唆された。林床では地表面でカニコウモリ型とコミヤマカタバミ型の草本群落,また倒木上ではキヒシャクゴケ型とタチハイゴケ型のコケ群落が存在した。倒木上の2種類のコケ群落では多くのシラビソとオオシラビソの実生・稚樹がみられ,その高さと年齢はキヒシャクゴケ型よりタチハイゴケ型で高かった。シラビソとオオシラビソの実生・稚樹の成長を調べ,またシラビソの種子落下および播種試験を実施した結果,コケ群落による落下種子の捕捉および発芽床としての効果が確認され,亜高山帯林での常緑針葉樹の実生・定着に倒木上のコケ群落が大きな役割を果たしていることが明らかになった。
著者
宮原 ひろ子 Miyahara Hiroko 毛受 弘彰 Menjo Hiroaki 桑名 宏輔 Kuwana Kousuke 増田 公明 Masuda Kimiaki 村木 綏 Muraki Yasushi 中村 俊夫 Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.16, pp.57-64, 2005-03

This paper presents the variation of solar activity during the Maunder Minimum (1645-1715 AD) deducted from radiocarbon content in tree-rings. Radiocarbon is produced by the galactic cosmic rays, which are modulated by the solar wind and the interplanetary magnetic field in the heliosphere. The production rate of radiocarbon, therefore, reflects the state of solar magnetic activity. Most distinct index of solar magnetic activity it the group sunspot number. The variations of sunspot number have shown clear cyclicity since the 18^<th> century with average length being about eleven years. The sunspots, however, have once almost disappeared during the period of 1645-1715 AD due to extraordinary weakening of solar activity. This period has been called as the Maunder Minimum. There is no remarkable cyclicity in the sunspot variations. We, therefore, investigated the cyclicity of radiocarbon content in tree rings from the Maunder Minimum in order to clarify the characteristics of solar activity during this period. We compared two radiocarbon records obtained newly by our group and by Stuiver et al. The results of frequency analyses have shown that solar magnetic reversals had maintained through the Maunder Minimum and that the length of the "eleven-year" cycle was stretched to 13-15 years.
著者
中村 俊郎 税所 篤快 伊藤 暢人
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.363, pp.44-48, 2014-12

過疎の故郷で義肢装具メーカーを起業し、世界から注文を受ける優良企業に育て上げた中村俊郎・中村ブレイス社長。映像授業を活用し、途上国の教育を支援しようと世界各地で奮闘する税所篤快・e-Education創業者。以前から中村社長は税所さんにアドバイスを送り続…
著者
中村 俊哉
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.249-256, 2012-06-30
参考文献数
33
著者
南 雅代 鈴木 和博 中村 俊夫 池田 晃子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

キツネは50年ほど前まで里山の至る所に生息していた最もポピュラーな野生動物であり、愛知県豊田市の市街地から北東に約17 km離れた山間集落である小手沢にも、1960年代初めまでは多くのキツネが生息していた。しかし、キツネは1960年代後半から次第にいなくなり、現在では全く目撃されなくなっている。そこで、本研究では、小手沢集落の旧地蔵堂の解体(2010年1月17日)中に床下から見つかったキツネ遺骸の歯および骨の14C濃度から、それぞれ誕生および死亡年代を求め、キツネが里山から消えた時期を明らかにすることを目的とした。このキツネの遺骸の脇には1971-1983年版のチキンラーメンの袋が見つかっていることから、キツネが消えた時期を解明する鍵になると推察された。本発表においては、14C年代測定の他、C・N・Srの安定同位体比の測定も行ない、キツネの食性を推定することにより、キツネが里山から消えた原因も考察する。
著者
中村 俊一郎 寺西 武夫 青木 美珠代
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.461-467, 1982 (Released:2007-07-05)
参考文献数
21
被引用文献数
3 8

セルリー種子の発芽促進に対するベンジルアデニン(BA), ジベレリン(GA3又はGA4)及びポリエチレングリコール(PEG)6000溶液処理の効果を調査した. またホウレンソウ種子ではPEG処理の発芽促進効果とともに, 処理後の乾燥貯蔵の可能性を調査した.1. セルリー種子は20°Cを越えると発芽率が低下した. 発芽促進剤としてはBAが有効で, GA4も効果があるが, GA3は無効であった.BAとGA4とを併用すると最も有効であった.2. セルリー種子はPEG処理によって発芽速度が早まり, 又25及び30°Cでの発芽率が上昇した.3. 処理期間は7日間でも大きな効果が見られたが, 14日間処理すれば効果は更に増大した.4. 処理温度は, 種子ロットによって, 15°Cが好適な場合と, 20°Cが好適な場合とがあった.5. PEG処理中に光線を与えることによって, 処理効果が増大した.6. PEG溶液中にBAを加えることによって処理効果が増大した. しかしGA4を加えても効果の増大は見られなかった.7. ホウレンソウ種子もPEG処理によって発芽速度が早まり, 30°Cでは発芽率も増大した.8. ホウレンソウ種子をPEG処理後, 7日ないし14日間貯蔵した時, 発芽率の低下は見られず, 発芽速度の減少も僅少にとどまった.
著者
中村 俊
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, 1989-10-16
被引用文献数
1

現状の機械翻訳システムは完全翻訳とは程遠い.商用化された機械翻訳システムの一つであるATLASIIの弱点を分析すると,以下のような点が挙げられる.1.慣用表現に弱い.2.複文重文に弱い.3.前編集,後編集が不可欠である.これに対して, ATLASIIはユーザカスタマイズ機構により,いくつかの補強をおこなっている.a.ユーザによる単語,熟語登録ができる.b.専用文法を選択すれば,語句解釈,表現が変えられる.c.多義語に対する訳語を学習させられる.しかし,登録できる熟語は,完全に同じ表記でないと使えない.専用文法そのものはユーザ登録できない.このカスタマイズ機構は,複文,重文にはほとんど無力である.ユーザカスタマイズ機構が十分でないために「いつも同じ前(後)編集ばかりする」という不満がでる.実際,ATLASIIは,技術文,特にマニュアル翻訳を実用化目標にしているが,このような文書は,定型的表現が多い上に,その分野特有の慣用表現も多い.上記の機構で救えない表現は,何度でも同じ誤訳をしてしまう.慣用的,定型的表現は,名詞を置き換えるだけで翻訳可能な場合が多い.そこで簡単な対訳テンプレート対により定型文を翻訳する機構が欲しくなる.これは,そのような機構をATLASIIに組み込む試みである.
著者
中村 俊彦 楡井 秀夫 中村 香織
出版者
日本景観生態学会
雑誌
国際景観生態学会日本支部会報 (ISSN:1345532X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.64-66, 1997-05-09 (Released:2011-03-18)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
中村 俊夫 太田 友子 山田 哲也 Nakamura Toshio Ohta Tomoko Yamada Tetsuya
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.26, pp.150-155, 2015-03

It is well known that ages of ancient iron artifacts can be measured by using carbon contained in the iron artifacts. As a simple method of carbon extraction from iron artifacts, a normal quartz tube is used for metal iron combustion at the temperature of 1000℃ for about 15 hrs. We tested the quartz tube method of metal iron combustion successfully for metal iron in fine fragment forms and reported the results previously. In Japan, iron rust samples are commonly excavated from archeological sites of the Kofun period and after. We have tested to collect carbon from iron rust samples successfully by the quartz tube method of iron-rust combustion at 850℃ for 3 hr. We have experienced that quartz tubes were broken twice during combustion: at 900℃ for 8 hr and at 850℃ for 3 hr. 14C age, 524±25 BP, was obtained for an iron rust sample from a ruin of Fe manufacturing site worked at 1850s in Saga city, Saga Prefecture, Japan. The 14C age was too old compared with the estimated age of the site. 14C ages were also obtained for three rusty nail samples as 2949 -3244 BP. The results suggested a possibility of modern carbon contamination in considerable amount during rust process of metal iron that was produced by using coal as a heating fuel as well as material to reduce iron oxide ore.名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム報告
著者
中谷 亮介 満田 正樹 稲葉 静香 早田 修平 中村 俊介
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.28-32, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
3

今回,院内急変対応時に薬剤師に求められる役割を見出し,急変対応に必要な知識および技能の習得を目的として,医師および看護師を対象に急変対応時の薬剤師の必要性についてアンケート調査を行い,薬剤師を対象に院内急変対応シミュレーション研修や急変対応アクションカードの作成,急変対応に関するアンケート調査を行った。8割以上の医師,看護師が院内急変時に薬剤師が必要と回答し,急変対応時に薬剤師に期待する役割として,「使用薬剤の提案」,「薬剤の搬送」,「薬剤の取り出し」,「使用薬剤の記録」の4つの項目が主にあげられた。取り組み前は院内緊急コールに駆け付けることができていなかったが,取り組み後は全症例に対して薬剤師が介入できていた。今回の取り組みにより急変対応における薬剤師の役割が明確となり,急変対応への積極的な参画が可能となった。
著者
中村 俊夫
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.171-183, 1995-08-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
60
被引用文献数
6 4

1950年頃にLibby(1955)によって開発された14C年代測定法は,現在,地質学,地球科学,環境科学,考古学,文化財科学などさまざまな分野で利用されている.この45年の歴史をもつ放射能測定(14Cの放射壊変で放出されるβ線を検出し,14C濃度を知る方法)による14C年代測定法に対し,加速器技術を取り入れた新しい14C年代測定法(加速器質量分析法)が約15年前に開発され,現在全世界で活躍している.ここでは,名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計を用いた14C年代測定の現状を概観し,測定される14C年代値の信頼度をさらに向上するための検討課題について,すなわち,試料の採取,試料調製,加速器質量分析法による14C濃度測定などの14C測定上の問題,および14C濃度から14C年代値の算出,その暦年代への較正に至るデータ処理上の問題点について議論する.さらに,14C年代測定法と他の年代測定法との比較について紹介し,タンデトロン分析計の利用の実情と将来計画について概説する.
著者
北川 信 古家 和彦 中村 俊一 鈴村 恵太
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.672, pp.145-154, 2001-03-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14
被引用文献数
3 5

明石海峡大橋ケーブルの防食方法として, ケーブル内部に乾燥空気を送り込み, 内部水を強制的に排除させる送気乾燥システムを世界で初めて適用した. 本システムの導入に際し, 乾燥空気を送気した小型ケーブル試験体の腐食試験結果を, 送気しなかった試験体と比較することにより, 送気乾燥システムの防食効果を確認した. さらに, ケーブル試験体から除湿された水分を計測することにより, 内部水が除湿されるプロセスを定量的に把握し, 除湿メカニズムを明確にした. また, 湿度および付着塩分が亜鉛メッキ鋼線の腐食におよぼす影響を室内実験により調査し, 送気システムによる亜鉛メッキ鋼線の耐久寿命を推定した. その結果, ケーブル内を相対湿度60%以内に保てば, きわめて長期の耐久性が得られることを見い出した.
著者
中村俊康
雑誌
臨整外
巻号頁・発行日
vol.31, pp.169-176, 1996
被引用文献数
2
著者
中村俊康
雑誌
日手会誌
巻号頁・発行日
vol.11, pp.206-210, 1994
被引用文献数
4
著者
山田 哲也 Yamada Tetsuya 塚本 敏夫 Tsukamoto Toshio 小野 直俊 Ono Naotoshi 小田 寛貴 Oda Hirotaka 中村 俊夫 Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター 天然放射性元素測定小委員会
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.10, pp.87-96, 1999-03 (Released:2010-05-25)

第11回名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム(平成10 (1998)年度)報告 名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計第1号機の研究実績と1号機,2号磯の利用計画
著者
中村 俊定
出版者
文教大学女子短期大学部文芸科
雑誌
文藝論叢
巻号頁・発行日
vol.13, pp.20-21,