- 著者
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小幡 哲史
中村 敏枝
河瀬 諭
片平 建史
安田 晶子
谷口 智子
正田 悠
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第5回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.27, 2007 (Released:2007-10-01)
演奏者は複数人で演奏を行う際,演奏音やそれ以外の感性情報を用いて,演奏を合わせていると考えられる。本研究では特に演奏者が使用する呼吸情報に注目した。演奏者はお互いのタイミングを合わせることや,楽曲の構造上,演奏者が息継ぎをするためなどに,呼吸情報を使用していると考えられるが,このような点について定量的に分析した研究例は数少ない。そこで本研究では2人のバイオリン奏者による演奏実験を,対面条件と非対面条件で実施し,演奏音と演奏者の呼吸情報の使用について定量的に分析した。その結果,対面条件においてのみ2人の演奏者が呼吸情報を使用する箇所や,対面,非対面に関わらず2人の演奏者が呼吸情報を使用する箇所が見られた。このことから,演奏者は演奏を行う際に呼吸情報を使用してお互いのタイミングを合わせていることや,楽曲の構造上,演奏者自身のために呼吸情報を使用していることが示唆された。