著者
中村 敏秀 相澤 哲 Toshihide NAKAMURA Satoshi AIZAWA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.179-186, 2006-01

日本のソーシャルワーク教育は多くの課題を抱えている。本稿では特にソーシャルワークとケアワークについての関係の明確化とソーシャルワーク実習教育の内容について論考した。そして、次のような結論を得た。ソーシャルワークとケアワークの定義は統合されるべきである。教育はこれを前提に行われるべきである。またソーシャルワーク実習教育は実習時間を大幅に増やすことと、実習指導者の資格認定が必要である。その結果、大学等での社会福祉教育はより実践的なものになろう。
著者
難波 精一郎 桑野 園子 中村 敏枝
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.p29-34, 1978-01
被引用文献数
47

The present experiments were made to establish a relation between the overall judgment and the instantaneous judgment of the sound which continues over a long period. We have an impression of loudness of sound every moment, at the same time we may judge the overall loudness after some period passed. The overall loudness may be said to be a kind of summation of the loudness at each moment. To find the relation between them is very useful to expect the overall loudness. For this purpose, we have developed a new method, continuous judgment by category. Five subjects with normal hearing ability judged the impression of the sound of each moment using 7 categories from very noisy to very calm by touching one of the 7 micro-switches on the response box corresponding to each category. The stimuli used were nine kinds of road traffic noise with 1 minute duration recorded on a magnetic tape. They were reproduced by a tape recorder and presented to each subject through amplifier and loudspeaker. The responses of the subject were continuously recorded on the recorder. To obtain the overall judgment, two methods were used, semantic differential and the method of adjustment. In the experiment using semantic differential, the subjects were asked to judge the overall impression of the stimuli using 7 categories of three adjective scales, "noisy-calm", "clear-hazy" and "bass-treble", after listening to 1 minute stimulus. As for the method of adjustment, the result of our previous experiment was referred. The findings are as follows : (1) The coefficient of correlation between trials of each subject was so high that method of continuous judgment by category can be said to be reliable. Moreover, the subjective interval between categories was confirmed to be equal by Torgerson's law of categorical judgment. (2) High correlation was found between the sound level and the category scale of continuous judgment of the subjects at every one second (r=. 968). (3) The effect of the preceding stimulus was examined by calculating Leq averaging over 1 sec to 5 sec preceding to the judgment. 2 sec-averaged Leq showed the highest correlation with judgment. This fact suggests that the instantaneous judgment may be affected by the preceding stimulus and determined by averaging the sound level during 2 sec preceding to the judgment. (4) Though the overall judgment showed a high correlation with the average of instantaneous judgment of each changing stimulus, the latter showed a trend to be underestimated in the stimuli composed of 1 or 2 vehicles. This difference could be modified by excluding the judgment of the background noise from averaging. This fact suggests that the overall loudness is mainly determined by the prominent part of signals, and supports our previous finding that the overall loudness of level-fluctuating sound shows a high correlation with L_&lt10&gt or Leq, which are affected by the upper level of the sound. (5) From the findings of these experiments it was found that the overall loudness can be estimated by the instantaneous judgment or the instantaneous sound level. Our new method, continuous judgment by category, can be applied to any stimulus with longer duration. We would like to try it in the future.
著者
中村 敏和
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
巻号頁・発行日
2011-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第4025号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
著者
中村 敏子 木村 玄次郎 富田 純 井上 琢也 稲永 隆
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.1407-1413, 1995-11-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
16

血液透析の導入が必要である患者では, 高血圧や肺水腫等のため, 適正な体液量レベルの体重 (DW) をあらかじめ推測することが重要である. しかし, これまでは, DWを決定する絶対的な基準がないため, 実際にどの体重レベルまで除水すればよいのかを推定することは困難であった. そこで, 1977年から1987年の間に当施設で血液透析に導入し転院し得た慢性腎不全患者190例を対象として, 導入時の体重変化の程度と性別, 年齢, 原疾患, 血圧, 胸部X線 (CTR), 心電図などを調べ, DWまでの除水量や体液量是正後の血圧の推定が可能かどうか検討した. 導入期の体重 (iBW) と転院時の体重 (mBW) の差をとり, それを後者で除したものを体重変化率 (%ΔBW) とした. 導入期の収縮期血圧 (iSBP) と維持期の収縮期血圧 (mSBP) の差をとり, それを前者で除したものを収縮期血圧変化率 (%ΔSBP) とした. 性別や年齢は%ΔBWや%ΔSBPに影響を与えなかった. 導入時心電図所見を左室肥大とST変化により4段階に分けスコア化した (ECGスコア). %ΔBwはiSBP, CTR, ECGスコアと相関し, 慢性糸球体腎炎では糖尿病性腎症に比し低値を示した. iSBPは慢性糸球体腎炎では糖尿病性腎症や腎硬化症に比し低値であった. %ΔSBPは, iSBPやECGスコアと有意な相関を示し, 慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症では腎硬化症に比し高値であった. ECGスコアは慢性糸球体腎炎では糖尿病性腎症や腎硬化症に比して軽度であった. このように, 透析導入時に必ず施行される諸検査 (血圧, 心電図, 胸部X線) を利用して, 導入時の体重増加がDWの何パーセントであり, DWまでどの程度除水すべきなのか, 維持期には血圧がどのレベルまで低下するのかをも, 推定することが可能であることが示唆された.
著者
久保 雅義 中村 敏
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第69回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.108, 2022 (Released:2022-08-30)

観光急行「雪月花」は、赤い外観と大きな窓が屋根迄伸びた外観をもち、ミシュランシェフの監修のもと地元の食材を使った上質な食事サービスを提供し、山側と海側の風景を車窓を通して変化を楽しむオペレーションサービスを提供する優れた観光車両です。感染症の厳しい条件にも関わらず乗客数を増やすことができました。鉄道を愛する真の鉄道員の想いや努力の賜物であり、お客様のニーズをしっかりと捉え、これは鉄道を観光資源と捉え地域に貢献することに成功しています。
著者
中村敏子著
出版者
集英社
巻号頁・発行日
2021
著者
宇田津 徹朗 中村 敏夫 田崎 博之 外山 秀一
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

生産遺構土壌から安定的に検出されるイネを中心とした1年生イネ科植物に由来するプラント・オパールに含まれる炭素を利用して、生産遺構の年代決定を行う手法の構築に取り組んだ。その結果、年代の測定精度には検討の余地があるが、国内の生産遺構土壌については、土壌採取からプラント・オパール抽出、夾雑炭素除去、プラント・オパール中の炭素抽出、年代測定(AMS)までの各工程について、実用性や普及性を備えた条件や方法を決定でき、生産遺構の年代を測定する一連の手法を構築することができた。
著者
中田 誠司 増田 広 佐藤 仁 清水 信明 鈴木 和浩 今井 強一 山中 英壽 斉藤 浩樹 中村 敏之 加藤 宣雄 高橋 修 矢嶋 久徳 梅山 和一 篠崎 忠利 大竹 伸明 関原 哲夫 猿木 和久 鈴木 慶二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.9, pp.1483-1487, 1995-09-20
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

(背景と目的) 同一家系内に発生した前立腺癌患者の臨床病理学的特徴について検討した.<br>(対象と方法) 親子または兄弟に発生した7組 (14例, 親子2組, 兄弟5組) の前立腺癌患者 (F群) と, 1987~1993年の間に群馬県およびその近郊の病院で, 未治療の状態で発見された前立腺癌患者1,741例 (G群) を比較検討した. 両群の平均年齢が異なるため, 生存率は相対生存率を求めた.<br>(結果) 診断時年齢は, F群が54~86歳まで分布し, 平均68.1±8.5 (S. D.)歳, G群が47~97歳まで分布し, 平均74.2±8.3歳で, F群で平均年齢が低い傾向であった. 臨床病期, 組織学的分化度は, F群で早期癌の占める割合が高く, 低分化癌の占める割合が低い傾向であった. 予後は, 3年および5年相対生存率はF群で82.4%, 57.6%, G群で84.3%, 73.9%で, 5年の時点ではF群の生存率が低い傾向であったが, 全体的には両群の間にほとんど差はみられなかった. F群では死因の明らかな6例のうち4例 (66.7%) が前立腺癌死であるのに対し, G群では死因の明かな398例のうち前立腺癌死は224例 (56.3%) であった.家系の病歴に関しては, F群で前立腺癌の2人を除いた他の癌患者がいたのは6家系中3家系であった.<br>(結論) 家族性前立腺癌は, 診断時年齢が若く, 早期癌が多く, 低分化癌が少ない傾向であった.
著者
平野 陽子 古俵 孝明 五十嵐 敏明 松嶋 あづさ 川道 美里 小島 慶之 高橋 翠 松井 友里恵 渡瀬 友貴 山下 慎司 宇野 美雪 上谷 幸男 渡辺 享平 矢野 良一 塚本 仁 中村 敏明 岩崎 博道
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.502-508, 2017-09-10 (Released:2018-09-10)
参考文献数
9
被引用文献数
2

In February 2015, we introduced a drug verification and quantity management system using personal digital assistants and medicine barcodes to prevent dispensing errors. We evaluated the effect of this system by comparing the number of dispensing errors and incident cases for one year before and after the introduction. The time required for dispensing was prolonged from about 28.4 seconds to 37.3 seconds per drug, about 1.3 times. The number of dispensing errors for one year before and after system introduction significantly decreased from 33.8 ± 4.7 per month to 5.8 ± 0.8 per month (P < 0.01). In addition, the number of incidents significantly decreased from 6.0 ± 0.9 per month to 3.2 ± 0.5 per month (P = 0.02). The system seems to be useful as a tool of medical safety measures because it significantly lowers the number of dispensing errors and incidents.
著者
川崎 修 神長 百合子 中村 敏子 岡 克彦 町村 匡子 林田 清明
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

フェミニズムを「現代市民社会論」の一環としてとらえ直すことを通じて、女性や家族をめぐる様々な問題を検討し、同時にポスト近代における新たな政治のあり方について研究を進めた。具体的には、以下の三つの観点から共同研究およびそれらの統合を行った。<1 基礎的研究>昨年度に続き、法学・政治学・現代正義論・政治思想史・法思想史・文学の各分野において,女性がどのように位置づけられてきたかを検討した。そこでは、多くの分野において女性をめぐる様々な問題が充分に検討されずに、理論的にも死角となってきていたことが明らかになった。この死角を埋めるべく、市民論・権利論などの視角から、女性や家族をめぐる問題を法や政治に取り込むためことを目指して研究を進めた。その過程で、女性や家族をめぐる諸問題は、それ自体として検討することは言うまでもなく、国際化と多文化主義の流れのなかで他のマイノリティーがかかえる問題とも関連させた上で、理論化すべきであることが強く意識されるに至った。<2 応用的研究>女性の政治参加のあり方・社会保障制度における女性の位置・差別と女性の問題・韓国の婚姻制度における諸問題・多文化主義と国家の中立性などの観点から、具体的な問題をとりあげ、既存の制度がかかえる問題点を明らかにするとともに、現代により相応しい制度のあり方の設計をも射程に入れた研究を行った。その過程で、個別の制度の検討・評価だけではなく、国際比較や比較法的研究や、例えば社会保障制度と民事的な扶養責任の関係などこれまで別の領域と見なされてきた問題・制度の間での比較・検討など、より多角的な研究が必要であることが痛感された。<3 研究の統合>今年度は,助成額が少額であったため、札幌・東京・名古屋を相互に訪問するなどの研究交流や、研究代表者・研究分担者が一堂に会しての研究会等は行えなかった。従って、情報の交換・各自の研究の統合は専らインターネット等を介してのものとなった。
著者
金井 将昭 中村 敏一 船越 洋
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.Suppl_69-Suppl_70, 2011

21世紀に入り、ヒトの情動障害や伴侶動物の行動異常は、社会活動に影響を与える疾患として益々重要性を増している。古くから、トリプトファン (Trp) 代謝が情動に影響することが知られているが、その分子機序の詳細は不明である。私達はTrp代謝からみた精神神経機能の解析を行うため、Trp代謝の中心酵素であるTryptophan 2,3-dioxygenase (TDO) の遺伝子欠損マウスを作製し、Trp代謝ならびに情動行動におけるTDOの役割を解析した。その結果、TDOは全身ならびに脳内Trp代謝の中心酵素として働き、不安行動ならびに海馬等の神経新生を修飾する生理的な調節因子であることが明らかになった。
著者
藤原 聡史 福井 康雄 伊達 慶一 齋坂 雄一 上月 章史 尾崎 和秀 中村 敏夫 志摩 泰生 西岡 豊
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.679-682, 2015-07-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
19

症例は84歳女性で高血圧症,関節リウマチ,逆流性食道炎がありcelecoxib,lansoprazoleなど内服中であった。発熱,下痢,血便が出現し,発症から17時間後に前医で腹膜刺激症状を指摘された。腹部単純CTで穿孔性腹膜炎が疑われ,当科に紹介された。腹部CTで結腸脾弯曲部からS状結腸にかけて壁外にair densityを伴う全周性の壁肥厚を認めた。虚血性腸炎による後腹膜穿通と診断し緊急手術を施行した。手術所見では下行結腸壁が菲薄化,穿孔しており,穿通部位を切除しハルトマン手術を施行した。病理組織学的検査でcollagenous colitisと診断された。celecoxib,lansoprazoleの内服を中止し,術後12ヵ月以後再燃なく外来経過観察中である。