著者
渡邉 幹夫 中野 愛子 飯田 貴雄 松塚 文夫 宮内 昭 岩谷 良則
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第34回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.27, 2006 (Released:2006-09-01)

【目的】以前我々は、自己免疫性甲状腺疾患(AITD)患者の甲状腺組織内においてCD4+細胞の比率が減少し、CD4+細胞上のFas発現が増加していることを見出した。今回、特にCD4+CD25+調節性T細胞(Treg)がAITDの甲状腺内でアポトーシスによって減少している可能性を考え、CD69とFoxp3を用いたより厳密なTregサブセットを解析した。【方法】バセドウ病患者15名、橋本病患者5名、健常人10名を対象とし、治療目的で摘出したAITDの甲状腺組織より分離した甲状腺浸潤単核球と、同一患者および健常人の末梢血より分離した単核球を用いて、Tregサブセットの解析およびアポトーシス細胞の検出をflow cytometryにより行った。【結果】AITDにおける甲状腺浸潤CD4+CD25+細胞の比率は末梢血と比べて低下しており、さらに厳密なTregサブセットであるCD4+CD25+CD69-細胞やCD4+CD25+Foxp3+細胞の比率も甲状腺内でに低下していた。甲状腺浸潤CD4+細胞には末梢血に比しアポトーシス細胞が多く、特にCD4+CD25+細胞にアポトーシスがより高頻度に誘導されていた。【結論】AITDの甲状腺ではTregがアポトーシスによって減少している可能性があり、甲状腺内におけるTreg比率の減少が、AITDの発症や病態に関係している可能性が示唆された。
著者
髙附 亜矢子 石田 豊 垣渕 和正 櫻井 直樹 村田 芳行 中野 龍平 久保 康隆
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.197-206, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
38
被引用文献数
2

収穫後の短時間近赤外光照射(中心波長850 nm,100 μmol・m−2・s−1,5分間)が3種の葉菜の重量減少と気孔開度および外観品質に及ぼす影響を調査した.リーフレタス,ホウレンソウ,コマツナに貯蔵前1回または毎日,近赤外光を5分間照射し,ポリ袋密封包装または有孔ポリ袋包装を行い,10°C暗所に保存した.いずれの葉菜でもポリ袋密封包装と有孔ポリ袋包装にかかわらず,貯蔵3日後の近赤外光照射区の重量減少率と気孔開度は無照射区と比較して小さくなり,照射区では外観品質も優れた.その効果は近赤外光1回照射区より毎日照射区の方が大きくなる傾向を示した.有孔ポリ袋に包んだ葉菜類を10°C下で暗所および明所に保存し,近赤外光照射の効果を経時的に調べたところ,いずれの条件でも近赤外光照射による蒸散抑制,外観品質保持効果が確認された.その効果は1回照射よりも毎日照射区で優れ,特に,ホウレンソウでその効果が大きかった.本研究の結果は収穫後の短期間近赤外光照射は流通中の葉菜類の付加的な品質保持技術として応用できる可能性を示すものである.
著者
小池 道広 坂上 恭助 鶴田 進 中野 和幸 石坂 正文 清水 文泰
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
学術講演会論文集
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.811-814, 2009-08-18

We carried out the investigation on deterioration of stainless steel piping by the passing of 8 years. Though Stainless steel pipes could expect high durability, it could confirm that the intentional maintenance was necessary for housing type fittings and valves. From now on, making the maintenance technique that unnecessary related construction or suspension ofwater supply time can be restrained to a minimum will become the subjects.
著者
中野 靖夫 前田 恵三 和泉 嘉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.433, pp.21-28, 1998-11-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

これまで、キーボードの操作履歴の分析により、プログラム作成過程を解明してきたが処理過程における学習者の状況認知や意思決定が不明であった。そこで、非反応測定法によりBASICプログラム作成中のキー入力デ-タを収集するとともに、発話思考法によって発話データを収集し、両者の情報を統合してプログラミングにおける状況認知と処理過程を明らかにすることを試みた。本研究は中学生2名の状況認知と処理過程について報告する。
著者
平井 辰典 中野 倫靖 後藤 真孝 森島 繁生
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.J251-J259, 2012 (Released:2012-06-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2

We present a method that can automatically annotate when and who is appearing in a video stream that is shot in an unstaged condition. Previous face recognition methods were not robust against different shooting conditions, such as those with variable lighting, face directions, and other factors, in a video stream and had difficulties identifying a person and the scenes the person appears in. To overcome such difficulties, our method groups consecutive video frames (scenes) into clusters that each have the same person's face, which we call a “facial-temporal continuum,” and identifies a person by using many video frames in each cluster. In our experiments, accuracy with our method was approximately two or three times higher than a previous method that recognizes a face in each frame.
著者
市橋 直樹 中谷 明美 中野 一郎 鹿野 由紀子 前田 学 森 俊二
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, 1991

37歳,女性.左手に軽い瘙痒を伴う辺縁隆起性紅斑出現.遠心性に拡大し数日で消退.同様な紅斑が全身に出没するようになり,他に,関節痛,朝の両手指こわばり感,両眼瞼腫瘍出現,精査加療のため入院.抗核抗体高値,低補体血症,免疫複合体高値,抗SS-A抗体陽性,抗SS-B抗体陰性.Sjogren症候群などを考え,生検.表皮基底層に液状変性なく,真皮上層の血管周囲に核塵形成を伴ったリンパ球を主体とする細胞浸潤を認めた.同部の免疫蛍光染色は,真皮表皮境界部に沿って顆粒状に抗IgG抗体陽性.抗IgA抗体も同様に陽性.以上より蕁麻疹様紅斑で初発したSLEと診断.尿検査成績より腎障害を疑い腎生検を行ったところ,全体として基本構造の改築,メザンギアル領域の拡大を認め,びまん性糸球体腎炎の像を呈していた.腎組織の免疫蛍光抗体染色では,毛細血管からメザンギアル領域にIgGの沈着を認めた.
著者
二木 功治 西尾 和三 會田 信治 岡林 賢 中野 泰 竜崎 崇和 大曽根 康夫 鹿住 祐子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3637-3639, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
5
被引用文献数
3 7

症例は64歳,女性.咳嗽を主訴に近医受診.胸部CT上,多発小結節影および気管支拡張像が認められ,当院紹介受診した.気管支洗浄液にて抗酸菌陽性となり16S rRNAおよびrpoB遺伝子の相同性からMycobacteruim shinjukuenseと同定された.本菌株はTranscription Reverse-transcription Concerted method(TRC法)で結核菌群偽陽性を示した.クラリスロマイシン,リファンピシン,エタンブトール3剤併用療法を開始し,画像所見および自覚症状の改善が得られた.
著者
溝尻 顕爾 高嶋 彰 湯川 忠彦 中野 正行
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Supplement1, pp.774-782, 1989-11-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
8

14C-標識7432-Sをラットに20mg/kg経口あるいは5mg/kg静脈内投与したときの血漿濃度と排泄について検討した。1. 経口投与後の血漿中放射能濃度は投与後30分で最高濃度平均9.18μg equiv./mlに達し, 以後速やかに減少した。血漿中放射能の大部分は未変化体の7432-Sであり, 7432-S-trans濃度は極めて低かった。2. 経口投与時の7432-Sの薬動力学的パラメーターはTmax 24分, Cmax 7.44μg/ml, t1/2 52分であった。静脈内投与時の7432-Sのt1/2は17.3分であった。3. 経口投与後24時間に投与放射能の平均約47%が尿中に, 平均約46%が糞中に排泄された。尿中放射能の大部分は7432-Sで, 7432-S-transあるいはその他の代謝物は極めて少なかった。4. 経口投与後24時間までの胆汁中放射能排泄率は平均約8%と少なく, 少量の代謝物が認められたが大部分は7432-Sであった。5. 7432-Sの吸収部位は小腸上部および中部で, 胃, 盲腸, 結腸ではほとんど吸収されなかった。6. 7432-Sは小膓では比較的安定であったが, 胃では7432-S-transへの転換が認められた。7432-S-transは吸収されず, 7432-Sが選択的に吸収されると思われた。ラットに経口投与したときの消化管吸収率は約50%と推定された。