著者
新田 哲夫 木部 暢子 久保 智之
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究期間を通じて、福岡県宗像市鐘崎から移住し、閉鎖的な社会を保ってきた輪島市海士町の「言語の島」の様子について、海士町のルーツ問題、アスペクト形式「ヨル」、語末母音と助詞の母音融合、アクセント体系、人称詞等について、考察を行った。移住と言語の関係について、ルーツの側の言語がどんどん変化していく一方で、移住先の言語がむしろ古形を保存する興味深い現象が見られた。その一方で能登方言の特徴を取り込みながら、閉鎖的な社会の中で独自の変化を遂げた特徴の存在も明らかになった。
著者
楊 学虎 冨永 茂人 平井 孝宜 久保 達也 山本 雅史
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.227-234, 2009-04-15
参考文献数
18

タンカン果実の連年安定生産技術改善のための基礎的知見を得るために、'垂水1号'を供試して、果実発育、着色、果汁成分、砂じょうの発育および呼吸活性の時期別変化を調査した。果実は7〜12月にかけて旺盛に肥大し、それには7〜11月にかけての砂じょう重の増加が大きく寄与していた。12月以降、果実肥大は低下した。じょうのう当たりの砂じょう数は7月には収穫時とほぼ同数であった。砂じょう長は8〜2月まで緩やかに増加した。砂じょうの呼吸活性は7〜11月にかけて急速に減少し、11月以降はほぼ一定であった。果皮の着色は10月から始まったが、果肉の着色より遅れた。糖度(Brix)は10月から増加し、それは主要糖であるスクロースの増加によるものであった。グルコースとフルクトースの含量は低かったが、収穫直前にわずかに増加した。滴定酸含量は8月に最高値を示した後、12月まで急激に減少した。12月以降は1%前後で推移した。滴定酸含量は果汁中で90%以上を占めるクエン酸の変化と一致した。クエン酸以外にリンゴ酸が検出されたが、リンゴ酸含量は終始低かった。
著者
久保 誠 クボ マコト
出版者
聖学院大学
巻号頁・発行日
2013

本論(指導教員・鵜沼 裕子教授 / 清水 正之 教授)
著者
久保田 剛司 松本 博
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成28年度大会(鹿児島)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.189-192, 2016 (Released:2017-10-31)

本研究では、植物に好印象を持つ集団と好印象を持たない集団に分けて心理・生理反応の比較検討を行った。実験は豊橋技術科学の一室をオフィスと見立て、植物の有無のを変更条件として、アンケート調査、唾液アミラーゼ活性値、フリッカー値、心拍を測定した。結果、唾液アミラーゼ活性値、自覚症及びLF/HFの差違を確認できた。本実験条件では、植物に好印象を持たない集団には良好な影響を及ぼさないことがわかった。
著者
武田 直人 久保 雅昭 渡辺 裕之
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P1124-C4P1124, 2010

【はじめに】<BR> 平成21年8月24日~26日の3日間にわたり、三県省道スポーツ交流事業(以下、三県省道)によるサッカー交流試合が開催された。平成16年度から実施しているこの事業は、3地域の青少年に国際交流の機会を提供し、相互理解を深めるとともに、国際性豊かな青少年の人材育成を図ることを目的に実施している。我々は大会前の練習試合と合わせた全4試合のメディカルサポート(以下、サポート)を行った。今回、三県省道での活動内容とサポート結果を検討したので報告する。<BR><BR>【方法】<BR> 本サポート前に参加した理学療法士は2名であり、ともに同年8月に開催された第40回関東中学校サッカー大会のサポートに参加していた。その経験をもとに再学習を行い、事前準備を行った。大会期間中は理学療法士2名で、全日程で会場に1名のスタッフを配置した。今回のサポートではチームから要請があった場合に対応することを原則として、スタッフはベンチにて待機し、試合前のテーピング、水分補給のインフォメーション、試合中の救護活動(応急処置、救命処置など)、アフターケアを中心に活動を行った。<BR><BR>【対象】<BR> 神奈川県内において17齢以下で選抜された男性選手17名を対象とし、サポート前に本研究の目的、個人情報の使用方法を口頭にて説明し、同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR> 大会期間中の全対応件数は25件であり、各内訳は以下のとおりである。対応時期は、試合前12件、試合中9件、試合後4件であった。試合中に熱中症が2件発生し、障害部位は、足関節7件、下腿部5件、大腿部2件、殿部3件、腰部3件、肘関節1件、手関節1件であった。障害部位の比率としては、足関節約29.2%、下腿部約20.8%、大腿部約8.3%、殿部約12.5%、腰部約12.5%、肘関節約4.2%、手関節約4.2%であった。また、熱中症は全体の約8.3%であった。対応内容は、テーピング7件、アイシング12件、ストレッチ5件、筋力増強訓練1件、止血処置1件、飲水指導1件、問診1件であった。<BR><BR>【考察】<BR> 障害部位の比率としては足関節・下腿部が多く、また大腿部・臀部を含めると約70%の障害が下肢に発生している結果となり、サッカーの競技特性を示す結果となった。対応としてはアイシングとテーピングが大部分を占めたため、RICE処置やテーピングの技術向上が重要であると思われた。また、各所属高校が選手権大会前の合宿や強化トレーニングを開始した時期と今回の三県省道の日程が重なっていたため、選手個人の疲労も蓄積していたと思われる。そのことからも、試合前の水分補給のインフォメーションやアフターケアとして適切なアイシングやストレッチ指導の重要性が連日の試合でのパフォーマンス低下の予防となり、障害予防にもつながるのではないかと考えられた。また、気温が30°C近くであったことなどから大会側へ飲水タイムを設けるよう働きかけたり、障害予防の観点から水分補給の方法の資料を配布したりするなど、対応内容の工夫が必要であると考えられた。
著者
久保川 淳司 佐々木 博司 大久保 嘉人 餘利野 直人 横山 隆一 田辺 隆也
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. B (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.138-144, 1993

In modern industrialized societies, it is mandatory to supply uninterruptedly high quality electric energy with modest cost while preserving better environments. This can only be realized through very sophisticated power system operations that compromise several contradictory factors stemming from economy, security and environment. Since these factors are in trade-off relationships to each other, they should be treated as such. A class of problems that simultaneously satisfy several criteria in trade-off relationships are called &ldquo;multi-objective optimization problems&rdquo;. Optimal power flow (OPF) has been regarded as the most powerful means to obtain such system operation plans, it only optimizes a single objective function.<br>This paper proposes an efficient solution methodology for a class of multi-objective optimal power flow problems which makes use of a heuristic search method. An optimal solution can be found in the proposed heuristic search method based on local information on a preference index which is arbitrarily chosen out of a given set of objectives. This circumvents the exhaustive evaluation of all non-inferior solutions which is needed in the existing multi-objective OPF algorithm proposed by the authors, thus dramatically reducing the solution time. The proposed method has been coded and applied to the IEEE 57 node test system. Simulation results have demonstrated the possibility of utilizing this method in on-line environments.
著者
久保川 淳司 大久保 嘉人 佐々木 博司 横山 隆一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. B (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.239-245, 1998

As the necessity of high quality electric power supply is increasing, it has been required to make up sophisticated power system operations in which several requirements stemming from economy, security and environmental aspects should simultaneously be satisfied. In general, a problem of satisfying several noncommensurable criteria is called a multi-objec-tive optimization problem. Although the most powerful means to obtain desirable system operations is optimal power flow (OPF), a straightforward application of the conventional OPF optimize only one objective and the remaining objectives must be treated as constraints. However, since such objectives are in trade-off relationships each other, it is necessary to develop an efficient multi-objective OPF.<br> In this paper, we shall propose a solution method of multi-objective OPF by means of fuzzy coordination. In the first step, the degree of satisfaction of Decision Maker on each objective would be maximized with a pre-specified member-ship function. The membership function would be updated in accordance with the DM's preference information and target value of the objective function. The degree of satisfaction will be improved step by step by updating the membership functions. Finally, the saticificing solution for the Decision Maker would be obtained. The proposed method has been applied to the IEEE 57 and 118 test system, producing successful results.
著者
辻 佳子 林 俊孝 久保 浩之
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.6, pp.57-68, 2005-03

有機性廃棄物の堆肥化。有機性廃棄物として、柿選果場で廃棄されるくず柿、ジュースエ場から排出されるウーロン茶滓、キャベツの収穫残渣、ユズの加工時に廃棄されるユズ絞り滓、および生ゴミ(給食残飯)を主原料とし、高速発酵処理機(エヌ・アイ・テクノ(株)製バイオメイトBM600-S)を用いて堆肥化処理を行った。1.くず柿、ウーロン茶滓、ユズ、生ゴミの堆肥化において、石灰窒素の添加によるpHの調整が堆肥化促進に有効であった。2.ウーロン茶滓の堆肥化において、pH等の条件を整えても堆肥化処理期間は23日では不十分であった。3.キャベツなど水分含有率の多い原材料の堆肥化では、オガクズが水分調節剤として有効であったこのとき、C/N比よりも混合初期の水分調節に重きをおいて混合割合を決めるとよい。和歌山県内における生ゴミ堆肥の品質実態。1.県内で処理されている生ゴミ堆肥は、成分のばらつきが大きいが、未熟な生ゴミ乾燥物の状態で有機質肥料的な性質をもったものが多かった。2.生ゴミ堆肥を乾物で1/10a施用する場合、塩分、油分の上限はそれぞれ、堆肥乾物あたり5%、10%であった。県内で処理されている生ゴミ堆肥において、塩分の最大値は2.28%で問題ないが、油分の最大値は13.79%で問題となる可能性がある。
著者
倉 尚樹 岡 孝和 安藤 哲也 石川 俊男 久保 千春 吾郷 晋浩
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.297-303, 2004-04-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
18

症例は21歳女性,37℃台の微熱が主訴であった.諸検査で発熱の原因となる身体的疾患を認めなかったこと,心理的ストレス状況下で症状が出現・増悪したこと,慢性疲労症候群の診断基準を満たさないことから心因性発熱と診断した.治療としてtandospirone 60mg/dayの投与と自律訓練法などの心身医学的治療を併用したところ,体温は徐々に正常化した.serotonin(5-HT)作動性の抗不安薬であるtandospironeは,5-HT_<1A>受容体を刺激し,5-HT_<2A>受容体の密度を低下させることで抗不安・抗うつ作用を示すといわれている.これらの5-HT受容体に対する作用は,体温を低下させる方向にも作用すると推測され,tandospironeは心因性発熱の治療薬の1つとして有用である可能性が考えられた.
著者
忍久保 洋
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.268-269, 2020-06-20 (Released:2021-06-01)
参考文献数
6

反芳香族化合物は不安定な化合物であるが,それを上下に接近させて重ねると芳香族化合物になり,安定化することが分かってきた。これまで,芳香族性の起源は二次元的なπ電子の広がりであると考えられてきた。しかし最新の研究により,2つの分子の間の三次元的なπ電子の広がりによっても芳香族性が生じることが示された。また,反芳香族化合物が芳香族化合物よりも互いに接近しやすいことも分かってきた。分子が近づいて電荷が移動しやすくなるため,有機半導体などへの応用が期待される。
著者
小室 友理奈 岡崎 あかね 髙野 ルリ子 大久保 紀子 桐谷 佳惠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.93, 2014 (Released:2014-07-04)

メーキャップにおいて肌色と同系色のメーキャップの色が肌なじみがよいとされる。しかし肌色と反対色のメイクをすると肌色がきれいに見える場合がある。本研究の目的は,メーキャップを施すことによって女性の肌色が元の肌色とどのように違った色味に見えるのか標準刺激と比較刺激の肌色を比較してもらうことで検証することである。実験刺激は標準刺激の顔刺激21個,比較刺激は楕円27個を用いた。またアイシャドウを施していない状態の標準刺激の肌色の見えを測定した。実験は経時比較実験と同時比較実験を行い,実験参加者16人が選択した比較刺激をa*,b*,Lvで表しアイシャドウを施していない標準刺激から差分を求めた。経時比較実験において,黄肌かつアイシャドウ橙のとき,対比現象が起きていた。同時比較実験において,黄肌かつアイシャドウ紫の時,同化現象が起きていた。新提案のメーキャップで,肌色とアイシャドウの同化現象が特に起きている組み合わせは,経時比較実験の赤肌にアイシャドウ黄,黄肌にアイシャドウ赤だった。これらから経時比較実験と同時比較実験ともにアイシャドウを施すことによって肌色の見えが違ってみえるということがわかった。
著者
西久保 智昭 小林 泰秀
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.50, 2011

本稿では柔軟片持ち梁のフィードフォワード外乱抑制制御系の設計問題において,指向性アクチュエータの効果を実験的に検証する.物理モデルおよび周波数応答実験に基づき以下の知見を得た:開ループのフィードバックパス伝達関数に対して位相遅れが増加する.次にモデル化誤差を考慮せずに求めたH∞補償器と仮想的補償器に基づき以下の知見を得た:補償器のピークゲインが抑制され,その数も少なくなる.
著者
久保田 幹子
出版者
日本評論社
雑誌
こころの科学 (ISSN:09120734)
巻号頁・発行日
no.147, pp.72-78, 2009-09
著者
久保庭 真彰
出版者
岩波書店
雑誌
経済研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.246-262, 2007-07

本稿は,転換点にあるロシア経済の成長を供給サイドと所得サイドの両面から分析することを主要なテーマとした試論である.まず,ロシア経済成長の油国際市場価格の動向への依存という側面と,独立性という側面をもつことを確認する.次に,伝統的成長会計によって供給サイドの考察を行う.これは,(1) Goldman-Sachs の BRICs レポートの批判的考察,(2) 独自のデータ構築にもとづくマクロ成長会計分析,(3) 再編成された産業連関表と資本ベクトルを利用した多部門成長会計分析から成る.さらに,倉林・クルビス・ステューヴェル・作間による交易条件効果の議論を理論的に整理し,ロシアにおける所得 (GDI) と GDP の成長連関を実証分析する.最後に,供給サイド成長予測からみると,ロシア経済が高成長を持続する潜在力を有していることを示唆する.