著者
久保 純子 須貝 俊彦
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.11_24-11_27, 2019-11-01 (Released:2020-03-27)
参考文献数
8
著者
久保 快哉 室谷 洋司
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
日本鱗翅学会特別報告
巻号頁・発行日
no.3, pp.67-77, 1967

1) 1965年4月,中華民国台湾省において,ヒョウマダラTimelaea maculata formosana Fruhstorferの幼生期の観察を行なった。野外において生態観察を行なう一方,材料を飼育することによって幼生期の形態についても研究した。2) 産卵は概して背丈の低いニレ科のタイワンエノキCeltis formosanaの葉に1卵ずつ行なわれる。幼虫は静止する際に胴部をゆるやかなN字形に彎曲させる習性を有する。3) 卵および若齢幼虫からの飼育は,室内で行なったが,卵期約6日,幼虫期約30日,蛹期約14日であった。4) 幼生期の形態について判明したことは,(a)卵の概形はコムラサキ亜科Apaturinaeのものと大差ない。約25本の隆起条がある。産卵直後の卵の色彩はクリーム色である。径0.92mm,高さ0.94mm。(b)終齢(5齢幼虫はナメクジ状であり,腹部第3~6節でもっとも肥大する特異な形態を有する。体色は淡緑色で,亜背線と気門線は黄白色であり,他に斑紋や突起はない。体長29mm位。(c)蛹の色彩は淡緑色で隆起部分は黄褐色をおびる。全面に白粉を装う。体長18mm位。左右に著しく扁平であり,他のコムラサキ亜科の蛹と比較して小さく且つ,背稜は非常に凹凸が激しい。
著者
久保田 敬介 根本 俊男
出版者
文教大学大学院情報学研究科
雑誌
情報学ジャーナル = Journal of Information and Communications (ISSN:21856850)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-14, 2014-03-01

本研究は,三重県四日市市の期日前投票所設置について,住民の移動距離の観点から定量分析を行い考察を与えた.具体的には,施設配置問題に対する代表的な最適化モデルであるp-medianモデルとp-enterモデルを利用することで最適配置を導出し, 現在の配置及び配置数について分析を行った.また,より現実に近い投票所配置を考慮して現状にある四日市市の代表的施設1箇所をそのままの配置にした上で他の施設の最適な配置場所の導出に取り組んだ.その結果,現状の期日前投票所の設置数に対する,増設の効果,削減の妥当性,再配置の有効性などを示すことができた. This study analyzed the locations of early voting places in Yokkaichi city (in Mie prefecture, Japan) from an operations research perspective. Proposing optimal locations for early voting places make it more convenient for local residents and this could increase the voter turnout. In this study, by applying the p-median model and p-center model, we calculated optimal locations and examined current locations and the number of early voting places. In order to design early voting locations more realistically, we placed the main early voting places in their current locations and estimated the optimal locations of other early voting places. As a result, we identified that the current locations of early voting could be improved.
著者
手塚 和佳奈 佐藤 和紀 大久保 紀一朗 久保田 善彦 堀田 龍也 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.9-16, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

本研究は,メディアや情報に対して大学生がもつステレオタイプやバイアスに関する実態調査を実施した.質問紙は,【メディアへの接触頻度】,【画像情報のステレオタイプ的解釈】,【メディアを介した情報の流通が人々の行動に与える影響】,【バイアスとメディアの関係が人々の行動に与える影響】に関する質問で構成した.大学生51名からの回答を分析した結果,①背景情報を手がかりに画像情報をステレオタイプ的に解釈する人は1割程度,②メディアを介した情報の流通が人々の行動に与える影響に言及できる人は3割程度,③バイアスとメディアの関係が人々の行動に与える影響に言及できる人は1割程度であった.
著者
井野 千代徳 稲村 達哉 岸本 麻子 岸本 由里 久保 伸夫 山下 敏夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.840-843, 1997-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11

食事に関連し耳下腺腫脹, 顔面紅潮, 喘鳴などを主訴とする症例を報告した. 患者は35歳女性で医師. CTでは異常所見なく, 耳下腺造影でも大きな異常は認めなかつたが造影後に著しい耳下腺腫脹と顔面紅潮, 呼吸困難が出現した. 初診時の耳下腺唾液は混濁などなく清明であり, その塗沫にて多数の好酸球をみとめた. アレルギー性耳下腺炎と診断したが, その原因としてヨードを疑つた. 報告されている類似疾患のなかでもヨードが疑われた例があり, ヨードと唾液腺との関係についても考察を加えた.
著者
久保田 真弓 鈴木 有香
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.45-57, 2021 (Released:2021-10-29)
参考文献数
10

コロナ禍で急遽要求されたオンライン授業に不慣れな教員等を対象にZoom利用に関するワークショップが実施された。そこで本研究では,参加者の躓き要因をデザイン原則の観点から明らかにし,ワークショップの意義を提案する。異文化コミュニケーション学会が開催した1回2時間の初級(2回),中級(3回)の合計5回のワークショップを取り上げ,延べ参加者62名の躓き要因とデザイン原則との関連を分析した。ワークショップの内容は,初級レベル14項目,中級レベル12項目ある。そのうち,参加者の躓き要因は,「シグニファイア」,「制御感」,「想定外」,「重層構造」にまとめられた。「シグニファイア」による躓きは,記号や用語の使用方法であり,的確なフィードバックで解決する。一方,「制御感」「想定外」「重層構造」による躓きは,ユーザーの概念モデルの多様化が背景にあると考えられた。デザイナーが示すシステムイメージの変化にユーザーの利用習慣がついていけないのである。そこで,ワークショップでファシリテーターが参加者の潜在意識のレベルでの違和感を見抜き躓きに対応することで,デザイナーとユーザーの概念モデルのギャップを縮めることができることを提案した。
著者
大久保 教宏
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.467-490, 1998-12
著者
久保 純子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2007年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.94, 2007 (Released:2007-11-16)

■研究目的・方法 メコン川下流部(カンボジア平野)の微地形区分を行うとともに、洪水水位、土地利用、水利用特性などの地域性をとらえ、微地形区分を基本とした土地の統合的理解をめざした。 対象地域はプノンペン付近を中心に、空中写真判読とフィールド調査をもとに、ききとり等も一部で行った。 ■水位変化と稲作システム メコン川下流(カンボジア)平野ではモンスーン気候下にあり、メコン川の水位は雨季と乾季で10 m近く変動する。 カンボジアにおける伝統的な稲作システムは、1)天水陸稲、2)天水水田稲作、3)減水期(乾季)稲作、4)浮稲の4つに区分されるが、メコン川平野では2)3)4)がみられる。灌漑施設は少なく天水田が卓越し、収穫は通常年1回である。メコン川氾濫原やトンレサップ湖周辺ではしばしば稲刈りと田植えが隣接して見られるが、二期作はほとんど行われておらず、水位の微小な変化に従って減水期稲作が行われている。 ■対象地域の微地形 プノンペン付近ではメコン川、トンレサップ川、バサック川が交差して「チャトムック(四面)」と呼ばれている。 氾濫原部分は支川の緩勾配扇状地と台地に囲まれる。北西からトンレサップ川がメコン川に流入し(雨季はメコン川から逆流する)、平野北東からメコン川が流下し、チャトムックジャンクションを形成する。下流側はメコンの派川バサック川が南へ、メコン川は南東へ流下する。メコン川本流沿いには小規模な自然堤防がみられる。 氾濫原は河川沿いの低湿な部分と、やや高燥な「高位沖積面」に区分される。 ■緩扇状地、台地上の土地利用・水利用 雨季に天水水田稲作が行われる。小規模なため池が数多く作られる。水が得にくいため、「ポルポト水路」が現在も各地で利用されている。 ■メコン川などに沿う自然堤防地帯 自然堤防上は道路や集落が立地する。メコン川派川のバサック川沿いには「コルマタージュ」と呼ばれる流水客土のための水路が放射状につくられ、水路の周囲はシルトが堆積して人工の微高地が拡大し、畑作が行われている。 ■高位沖積面とメコン川沿い氾濫原 川沿いの氾濫原では雨季は湛水のため一部の浮稲のほかは耕作が行われない。高位沖積面との境界部では、微高地を縁取るように「トンノップ」と呼ばれる小規模な堤防を作り水をため、減水期稲作に利用される。 高位沖積面は大規模洪水時には浸水する。 ■微地形、洪水、土地利用 メコン川下流平野では、雨季と乾季の水位変動が大きく、川沿いの氾濫原では雨季のあいだ広い範囲が湛水する。このため、氾濫原の微地形条件に対応して湛水の状況が異なり、それぞれに対応した稲作システムが採用されている。 台地や扇状地上では夏季の天水に依存した稲作が行われる。バサック川沿いは流水客土(コルマタージュ)による耕地造成が明瞭である。氾濫原低地をとりまくように減水期稲作が行われ、これは雨季終了時の水位低下に従って移動する。氾濫原低地はもっとも長く湛水し、多くが湿地である。この部分は雨季の洪水流路でもある。これらは微地形ごとの水位変化に対応した持続的システムといえる。
著者
大久保 豪 斎藤 民 李 賢情 吉江 悟 和久井 君江 甲斐 一郎
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 = JAPANESE JOURNAL OF PUBLIC HEALTH (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1050-1058, 2005-12-15
参考文献数
30
被引用文献数
5

<b>目的</b>&emsp;介護予防事業における男性高齢者の参加割合は少ないと言われている。より効果的,効率的な介護予防事業の実施のために,男性の参加を促す必要があるが,その参加に関わる要因を検討した研究はこれまでに行われていない。本研究では,介護予防事業例の検討を通じて男性高齢者の介護予防事業への参加に関わる事業側の要因を探り,男性高齢者の参加を促進するために有益な知見を得ることを目的とした。<br/><b>方法</b>&emsp;平成14年 3 月に厚生労働省老健局計画課がまとめた『介護予防事例集』に掲載されている介護予防事業例を検討した。事例数は32自治体73事例である。事例集に掲載のない男女別参加人数,より詳細な事業特性について把握するために自治体への電話調査を行った。分析項目は内容,目的,対象者,周知方法,企画立案段階における地域高齢者の参画度,活動内容設定に関する参加者の参画度および地域特性である。男女別参加者数を把握できた事例のうち,参加者の少ない 1 事業と参加型の事業ではない 2 事業を除外した29事例を対象に男性参加割合と特性との関連を分析した。<br/><b>結果</b>&emsp;約50%は男性の参加割合が20%未満であった。総人口が 1 万人未満,高齢化率が20%以上,茶話・ふれあいサロン系の内容,当該年齢以上の住民全員対象,民生委員等へのチラシ配布による周知に該当する事業で非該当事業に比べて統計的有意に男性参加割合が低かった(<i>P</i><.10)。統計的有意では無かったものの,第 1 次産業就業人口割合が10%以上,転倒予防目的に該当する事業で男性参加割合が低く,教養,健康情報の講義という事業内容に該当する事業で男性参加割合が高い傾向がみられた。<br/><b>結論</b>&emsp;男性高齢者の介護予防事業への参加割合が低い現状が明らかになるとともに,茶話やふれあいサロンのような内容など事業要因との関連がみられた。今後は,より代表性の高い標本を用いた研究を行うほか,同一自治体における事業間比較や,地域住民調査により参加に関連する個人的要因の把握も通じ,男性高齢者が参加しやすい事業のあり方についてさらに検討を進めるすることが重要と考えられる。
著者
久保田 純 堂免 一成
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.74-79, 2014-02-10 (Released:2015-02-19)
参考文献数
9

Hydrogen production by water splitting using photocatalysts under the solar irradiation is one of the artificial photosynthetic process to obtain sustainable hydrogen energy from water using photon energy. The solar energy conversion efficiency of powder photocatalysts has reached to ca. 0.3%, which is equivalent to that of general agricultural plants. For water splitting photocatalysts, surface modification with co-catalysts frequently plays as one of the important roles. In this manuscript, we discuss the function of surfaces of cocatalysts on semiconductor photocatalysts, which accept photogenerated carriers from the semiconductor and catalyze hydrogen or oxygen evolution reaction.
著者
川久保 昌平 平島 健一
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.1011-1016, 1997-09-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
7
被引用文献数
3 3

Elliptical ring subjected to arbitrary load has not been studied until now, although the solution for circular ring is easy to obtain. The analysis of elliptical ring enclosed by conforcal two elliptical boundaries is much complicated. In this paper, the general solutions of isotropic elliptical ring for stresses and displacements are obtained by the method of Laurent series expansion of complex stress functions and some numerical examples are shown. The accuracy and the rate of convergence of the present method are then discussed based on these solutions.
著者
川久保 尚徳 林田 真 松浦 俊治 田口 智章
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.931-936, 2012
参考文献数
21

症例は3歳男児,墓石の下敷きになっている所を発見された.腹部造影CT検査で高度肝損傷と膵損傷を認めたため,加療目的に当院に搬送された.出血コントロールのため緊急transcatheter arterial embolization (TAE)を行い保存的に経過をみたが,その後肝内胆汁性嚢胞と膵仮性嚢胞を合併したため,経皮的肝嚢胞ドレナージ術および経皮経胃膵嚢胞ドレナージ術を施行した.肝嚢胞および膵仮性嚢胞はともに縮小した.ドレナージチューブ抜去後も肝嚢胞および膵仮性嚢胞の再形成を認めず,受傷後39日目に退院となった.小児における肝外傷および膵外傷の治療方針に関しては一定の見解は出ておらず,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
沼田 祐子 角濱 春美 大久保 暢子 早瀬 良 佐々木 杏子 三上 れつ 菱沼 典子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.95-103, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
24

根拠のある新しい看護技術の普及は看護にとって喫緊の課題である. この課題に対し, イノベーションという言葉がしばしば用いられるが, その意味するところはあいまいである. そこで本研究は, 根拠のある新しい看護技術の普及戦略モデルを構築するために, 現在の日本の看護における「イノベーション」の概念を明らかにすることを目的とした. 研究方法はRodgers (2000) の概念分析の手法を用い, 「イノベーション」「看護」を含む和文献15件を分析した. その結果, 日本の看護におけるイノベーションの先行要件は, 問題の存在に気づき, 解決するために新しい技術を採用する過程であり, その過程に作用する要因があった. 属性は既存の看護技術や行動様式にとり替わる根拠に基づく技術の内容であり, その技術が組織に取り入れられることが一次的帰結, 取り入れた技術の施行による成果が二次的帰結であった. 看護におけるイノベーションは, 先行要件から帰結まで, 新しい看護技術の普及過程を示すものであり, 普及に影響する要因を含むものであった.