著者
塩谷 彰浩 大久保 啓介 福田 宏之 小川 郁
出版者
The Japan Laryngological Association
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.69-73, 2002
被引用文献数
1

Juvenile laryngeal papillomatosis develops between the ages of 6 months and 4-5 years and runs a multiple and recurrent clinical course. There were 61 patients with laryngeal papillomatosis treated at Keio university hospital during the 20-year period between May 1981 and May 2001, of whom 20 patients were under the age of 15 at onset. The average number of repeated operations they received was 18.1, showing the pronounced multiple, recurrent trend of this disease. Treatment is basically laryngomicrosurgery using a CO<SUB>2</SUB> laser, and attempts should be made to conserve normal mucosa as much as is practicable as well as to improve phonation and respiratory function, in addition to targeting the total resection of the tumor. As the human papilloma virus, which is etiologically responsible for the formation of papillomas, grows in the mucosal epithelium, it is in principle, sufficient to vapolize the epithelial layer alone, avoiding a deeper intervention than is required. Tracheostomy should be avoided wherever feasible because it may cause tumor dissemination. Development of effective adjuvant therapy, besides surgery, is also generally anticipated. Efficacy of interferon-&alpha; in this disease has been demonstrated and indole 3 carbinol (I3C), a major component of cabbage, and the antiviral agent cidofovir are also currently used. Independently, we focused on Chinese medicines, prescribing this type of herbal medicines in anticipation of their effects for contraction of residual tumor and preventive effects against recurrence. It is worth noting that favorable results have been observed in 6 of the 10 patients receiving Chinese medicines whose therapeutic responses could be evaluated.
著者
浜村 武広 久保内 昌敏 青木 才子 吉田 治 江島 光彦 酒井 哲也
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.182-187, 2012-04-15 (Released:2012-12-01)
参考文献数
23

アセタールコポリマー (Co−POM)の硝酸(HNO3)水溶液下における腐食機構とそのモデル化について検討を行った.劣化度合は,質量および分子量変化によって評価した.硝酸水溶液における質量変化は,潜伏期間後に直線的に減少した.SEC測定結果から,HNO3水溶液によるCo-POMに対する腐食は表面近傍を主体に進展し,内部は初期状態を維持していたことから,その腐食形態は腐食層形成型と一致した.加水分解反応によるCo-POMの腐食速度式は,試料表面の分子量低下から得た反応速度定数を用いて算出した.次に,質量変化(湿潤−乾湿試料)を用いて,HNO3水溶液のCo−POM内への拡散係数を求め,これによって得られる試料内の経時的な濃度分布変化と先の腐食速度式を組み合わせることにより,Co−POMの腐食速度を数値解析により求めた.解析結果と実験結果はおおむね良好な一致を示し,この手法で速度論的なモデル化を行うことが可能であることを示した.
著者
久保 弘文
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.85-87, 1996-06-30
被引用文献数
1

Terebralia palustris (Linne, 1767) has hitherto been known only by dead shells excavated from shell midden of ancient remains before 2000 to 6000 years in Okinawa-jima Island. Living specimen has never known up to this date. Unexpectedly, I collected a single living specimen of this species from mangal of Takazato River, northwestern coast of Okinawa-jima. Is this a transplantation from elsewhere or descendant from ancient stock?
著者
奥井 誠人 本田 稔 田中 豊 久保田 啓一 熊田 純二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.47, pp.9-16, 1992-07-23

Narrow-MUSE is a system which NHK has developed for a simulcast ATV system in the United States. Adopting the same multiple subsampling technique as used in the MUSE system, and the new modulatin scheme, the Narrow-MUSE can deliver a high-resolution picture in the 6-MHz bandwidth without causing intereference with existing NTSC services. ATV laboratory tests conducted by the ATTC and ATEL were completed in February 1992. The good performances of Narrow-MUSE in interferernce, and picture/audio quality were confirmed by the results of the tests.
著者
久保 秀文 中須賀 千代 多田 耕輔 宮原 誠 長谷川 博康 小野寺 学
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.161-164, 2013-08-01
参考文献数
9

われわれは急性の閉塞に対してステント留置を行い一期的な切除手術が可能であったS状結腸癌の1例を経験したので報告する.症例は71歳,男性.北海道を旅行中に突然の腹痛を来して地域の病院へ入院となった.検査でS状結腸に腫瘤を診断されたが,患者が地元(山口県)での手術を希望したため閉塞に対して金属ステントが留置された.ただちに腹痛は消失し多量の排便を認め,その後当院へ紹介入院となった.S状結腸切除術が施行されたが術後経過は良好であり術後第10病日目に軽快退院した.患者は現在も再発徴候なく健在である.急性の大腸閉塞に対して術前の金属ステント留置は侵襲が少なく複数回の手術を回避することができ有用な方法と考えられる.
著者
佐中 孜 葛西 浩美 早坂 勇太郎 鈴木 利昭 久保 和雄 須藤 尚美 阿岸 鉄三 杉野 信博 太田 和夫
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.88-91, 1983

腎の排泄機能不全によって、体内に蓄積する蛋白結合能阻害因子(PB-Ix)は、他の物質と競合して、アルブミンと結合すると考えられている。今回の研究によって、馬尿酸および2a, 2bと命名された中分子物質と同定したPB-Ixは、HD、HFよりHDFによって比較的容易に除去された。但し、PB-Ix活性という観点からみると、それらの血液浄化法では、その改善を計ることができず、CAPDのみが活性値を正常値の近くまで回復させることができた。
著者
内藤 裕紀 飯村 かおり 福島 哉香 久保 俊介
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.408, pp.12-15, 2018-09

既存事業だけでは、じり貧になる。かといって新規事業に取り組むと失敗する──。この悪循環から脱する術(すべ)はあるのか。そもそも失敗とは一体何なのか。新規事業に関する根源的な問いを深掘りした。まずはゲームが主力の、ドリコムの内藤裕紀社長に失敗の定義を改めた経緯を聞こう。
著者
村田 光史 増淵 千保美 久保田 磨子 小伊藤 亜希子 齋藤 功子 池添 大 辻本(今津) 乃理子 田中 智子 中山 徹 藤井 伸生
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.256, 2003

【目的】高齢者の食生活の実態を明確にして、必要とされる食事支援のあり方を考察する。【方法】京都市中京区の2学区に在住する65歳以上の高齢者を対象に食生活に関するアンケート調査を直接聞き取り方式で実施した。時期は2002年9月、295人の協力を得た。【結果】現在の食事に「満足している」人が94%と多い一方で、調理を負担と感じている人が23%存在していた。日常的に惣菜を利用している人は34%、外食を利用している人は14%あり、高齢者の食生活に惣菜・外食利用が一定浸透していることが伺える。食事支援を希望すると答えた人は19%(56人)あったが、その多くが配食サービスを希望していた。他方で、普段1人で夕食を食べているのは、単身者だけでなく家族同居の高齢者にもややあり、会食や外食等、共食の機会を伴う食事サービスのあり方も検討する必要がある。その際、食事制限があったり、堅いものが食べられない高齢者の比率が高いことは十分な配慮を要する。また、「できる限り自分で調理したい」人も53%あり、調理支援や買い物代行等の支援の併用も望まれる。
著者
今井 透 遠藤 朝彦 吉村 剛 宇井 直也 大久保 公裕 藤倉 輝道 新井 寧子 余田 敬子 北嶋 整 相田 瑞恵 小津 千佳 酒主 敦子 森山 寛
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.427-438, 2005

東京都において, 観測史上最多のスギ花粉飛散を記録した20o5年に, 多施設共同でスギ花粉症に対するラマトロバンおよび抗ヒスタミン薬との併用療法を, 鼻症状およびQOLについて花粉症日記と日本アレルギー性鼻炎標準調査票 (JRQLQ No.1およびNo.2鼻眼以外の症状用) を用いて検討した。比較に際しては, 初期治療群と飛散後治療群に群別した。初期治療群では飛散後治療群に比較して, 鼻症状およびQOLともにスギ飛散ピーク時のスコアの抑制がみられ, 副作用は認められなかつた。作用機序の異なるラマトロバンと抗ヒスタミン薬との併用は, シーズン10,000個/cm2を超えるような大量飛散年においても, 飛散ピーク時の鼻症状ならびに患者QOLを改善することから有用な治療法であることが示唆された。
著者
阿波加 純 Minda LE Stacy BRODZIK 久保田 拓志 正木 岳志 V. CHANDRASEKAR 井口 俊夫
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.1253-1270, 2021 (Released:2021-10-30)
参考文献数
31
被引用文献数
9

全球降水観測 (GPM) 計画主衛星搭載の二周波降水レーダ (DPR) は、2018年5月からKu帯とKa帯の双方でフルスキャン (FS) モードで運用されている。従来のアルゴリズムでは観測幅約125 kmの内側走査領域でのみ二周波処理していたが、FSモードにより、初めて観測幅約245 kmの全走査領域で二周波処理することが可能となった。本論文では、FSモードに対応するよう新たに開発したDPR レベル2のバージョンV06X実験アルゴリズムに含まれる降水タイプ分類 (CSF) モジュールについて述べる。CSFモジュールは、降水を層状性、対流性、その他の3つの種類に分類し、ブライトバンド (BB) 情報を提供する。 Ka帯Matched Scan (Ka-MS) モードとKa帯高感度 (Ka-HS) モードでレーダの感度が異なるため、1ヶ月間の統計では、内側走査領域と外側走査領域においてKa帯のみで一周波処理した各降水タイプの個数に大きな段差が見られた。しかし、二周波処理では、内側走査領域だけでなく外側走査領域でも降水タイプを適切に分類していることがわかった。BB数の統計では、二周波処理を行った場合、特に外側走査領域でBB検出率が大きく向上していることがわかった。 さらに、V06XではKu帯のCSFモジュールに関連する2つの問題、(a) スロープ法で再分類した層状性の降水において非常に大きな地表面降水強度が出現する場合があること、および、(b) BBピークを地表面エコーの上部であると稀に誤判定すること、を解決している。 V06Xでは、GPM DPRアルゴリズムのデータ構造が大幅に変更された。V06Xで導入された新しいデータ構造は、V07A以降にも採用される予定である。この意味で、本稿で概説するV06XのCSFモジュールは、将来の降水タイプ分類アルゴリズムの原型の役割を果たすことになる。
著者
広瀬 正史 重 尚一 久保田 拓志 古澤 文江 民田 晴也 増永 浩彦
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.1231-1252, 2021 (Released:2021-10-29)
参考文献数
58
被引用文献数
6

全球降水観測(GPM)計画主衛星搭載二周波降水レーダ(GPM DPR)による降水の統計は入射角に依存した系統的なバイアスによって過小評価となっている。5年間のGPM DPR Ku帯降水レーダ(KuPR)Version 06Aデータによる降水量は、衛星の直下付近における統計に比べて陸では7%、海では2%少ない。本研究では、直下付近の観測データを参照して、低高度降水強度鉛直分布(LPP)と浅い降水の見逃し(SPD)の影響を推定した。 はじめに、降水の構造的な特徴や環境変数で分類した直下付近のデータベースを用いてLPPを更新した。高標高域や中高緯度等、高度2km以下で下方増加傾向の降水プロファイルが卓越する場所では、LPP補正によって降水量が増加しており、全球平均降水量は5%増加した。続いて、降水頂2.5km以下の降水データの検出数に見られる入射角間の差異をもとに、SPDによる全降水量への寄与を推定した。SPDに関する影響はLPP補正の結果と同程度であった。本研究では、地表面クラッターの干渉しない最低高度と空間的に平均した浅い降水の割合に対するSPD補正のルックアップテーブルを作成し、3か月間の0.1度格子の統計にSPD補正を適用した。SPD補正の結果、浅い降水が卓越する亜熱帯の少雨域や高緯度の降水量が50%ほど増加した。これらの2つの補正により、陸の降水は8%、海の降水は11%増加することが分かった。北緯60度から南緯60度におけるKuPRの降水平均値を他のデータと比較すると、補正によって衛星・雨量計合成データとの差異は−17%から−9%へ、陸の雨量計のみのデータとの差異は−19%から−15%へと縮小した。