著者
今泉 吉典
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan (ISSN:05460670)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.17-22, 1961-10-05 (Released:2010-08-25)

An imperfect body with a complete skull of Crocidura dsinezumi orii Kuroda 1924, was found in a stomach of Trimeresurus okinavensis, which was colleced in July, 1960 by Mr. T. Morita and Dr. K. Koba at Yuwandake, Amami-Oshima, Japan. It is the second and unique specimen of orii, because this form has only been known by a type, a skin and an imperfect skull, collected in 1922 and destroyed by fire in 1945. The second specimen, adult male, is easily distinguished from russula, sodyi, tanakae, thornasi, dsinezumi, umbrina, chisai, shantungensis, watasei and tadae by relatively longer fur of the back (6.0-6.5 mm against 2.5×5.0 mm), decidedly larger claws of manus (2.7 mm against 1.1-1.8 mm), much shorter braincase (nearly circular against oblong), and posteriorly located posterior border of anteorbital foramen and anterior extremity of orbit. Therefore, this form may not be a subspecies of dsinezumi but a distinct species, Crocidura orii, peculiar to the small island.
著者
今泉 寿明
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.29-48, 1995-06-10 (Released:2017-07-18)

シャーマニズム性を有する伝承的占い遊戯「こっくりさん」の知識、体験、解釈に関する初めての広域実態調査を1992年に実施した。静岡県、愛知県、徳島県、沖縄県に在住する一般成人2,000名に調査票を配付し、1,636名(20〜69歳)の解析用データを得た。知識獲得と遊戯体験は概ね学齢期(7〜18歳)に限定され、遊戯形態は学校ないし家庭・地域社会での集団型が大部分を占めていた。知識の性差はめだたないが、体験は女性の方にやや高率にみられた。年齢、性別を問わず心霊現象という解釈よりは科学的な解釈の方が優勢であった。 1930年代から現在までの「こっくりさん」流行史は社会変動と関連しており、安定伝承期(1930〜1945年、昭和初期〜敗戦)、低迷期(1946〜1973年:本土の戦後復興〜高度経済成長/沖縄の本土復帰前)、興隆期(1974〜1992年:本土の高度経済成長以降/沖縄の本土復帰後)に区分されることが示唆された。
著者
平野 信一 中田 高 今泉 俊文
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.17-30, 1979-05-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
38
被引用文献数
3 8
著者
今泉 敦美 小川 亞子 鄭 飛 田熊 公陽 阪元 甲子郎 松崎 航平 丸田 健介 矢野 佑菜
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】長時間の精神作業や精神的ストレス負荷は,眠気の誘発と共に意欲・集中力の低下をもたらす。また,尾上ら(2004)は脳が疲労することにより前頭前野の血流低下がみられることを報告している。脳の疲労回復に効果的なものとしてアロマセラピー,ガムを噛むなどが挙げられているがそれらの効果を比較した文献は見当たらない。本研究の目的は,閉眼安静・ガム・アロマセラピーの3つの項目のうち短時間で脳の疲労を改善する手段を比較検討することである。【方法】対象は健常若年成人9名(男性3名,女性6名,平均年齢22.3±1.4歳)。脳表の血流変化は,光トポグラフィETG4000(株式会社日立メディコ製)を用い,国際10-20法に準じて脳疲労関連部位である前頭前野に3×3のプローブを設置した。今回,脳の疲労回復方法として3つの方法(閉眼安静,アロマセラピー,ガムを噛む)を用い,また脳を疲労状態にさせるため2桁の100マス計算を施行した。方法は1.10秒間安静,60秒間100マス計算を30秒の休憩をはさみ2回施行。その間NIRSによる脳血流量の測定を行う。2.30秒間安静後被験者は3つの方法をそれぞれ5分間実施。(1)安静:光を遮断した室内で閉眼し,5分間の安静をとる。(2)アロマセラピー:香りは精油(レモングラス)を匂い紙に浸したものを被験者より約3cmの距離で吸入させる。(3)ガム(ミディアムタイプ):メトロノームを用いて毎分60回の頻度で5分間咀嚼する。3.その後1分間安静をとり,その間にNIRSによる脳血流量の測定を再度行う。統計学的解析は,SPSS(Ver.21)を用いて多重比較検定を行った。なお,有意水準は5%未満とした。【結果】3つの課題において,閉眼安静がアロマセラピーとガムに比べて左右の背側前頭前野のoxy-Hb量が最も増加した。安静の次にoxy-Hb量の増加がみられたのはガムであり右側背側前頭前野において増加がみられた。また,アロマセラピーは他項目に比べ増加率は少なかったが,左側上部前頭前野のoxy-Hb量の増加が見られた。【結論】本研究では,3つの課題が大脳皮質前頭前野の脳血流に与える影響についてNIRSを用いて脳血流量の変化を比較・検討した。閉眼安静時に最も脳血流の増加がみられた。理由として,高橋ら(2003)は,入眠前になると,副交感神経が活発になり血管が拡張すると報告している。このことから,5分間の閉眼安静による視覚遮断,室内を暗くすることにより睡眠に近い状況に持っていくことで,副交感神経が活発になり心身・身体ともにリラックスできたことで脳血流量増加に至ったのではないかと推測される。また石黒ら(2013)は,測定部位である前頭前野は運動学習の課題遂行性の改善に重要な役割を果たしていると報告している。今後の課題として,臨床において閉眼安静が運動学習効率化に活かせるのかを検討していきたい。
著者
小坂 英輝 楮原 京子 今泉 俊文 三輪 敦志 阿部 恒平
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.493-504, 2013-11-01 (Released:2017-12-08)
参考文献数
16

本論では,平野側に大きく湾曲する形状をもつ逆断層のセグメンテーションを検討するために,北上低地西縁断層帯・上平断層群南端部に発見されていた断層露頭を精査した.また,断層露頭周辺の断層変位地形の記載をあわせて行い,断層活動履歴,平均上下変位速度および単位実変位量を求めた.断層露頭の断層は,新第三系の凝灰岩が段丘堆積物に対して48°以上の高角度で衝上する構造をもち,右横ずれ変位を伴う逆断層である.その断層活動は最終氷期後期以降に少なくとも4回,平均上下変位速度は0.3±0.1 m/千年程度,単位実変位量は2.4~3.4 mと推定される.これらの諸元は上平断層群中央部のそれらと同等であり,上平断層群南端は断層セグメントにおいて活動度が低くなるとされる断層末端の特徴を有しない.すなわち,湾曲という断層の平面形態は必ずしも断層セグメントの認定基準にならないことを示唆している.
著者
高橋 優太 今泉 洋 狩野 直樹 斎藤 正明 加藤 徳雄 石井 吉之 斎藤 圭一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.375-383, 2008 (Released:2008-06-28)
参考文献数
13
被引用文献数
7 5

2003年12月から2006年11月にかけて,日本海に面した立地である新潟市にて降水中に含まれるトリチウムと各種陽イオン濃度の測定を行った。これにより本研究では,これらの関連性を明らかにすることで,気団移動の解析への有効性について検討した。サンプルとなる月間降水は擬似浸透水型の採水装置を用いて集められた。この結果,以下のことが明らかとなった。(1)降水中のトリチウム濃度とカルシウムイオン濃度との間に相関性がある。(2)季節によって,降水起源気団の持つトリチウム濃度が異なる。(3)この傾向は大陸性気団において顕著に現れる。(4)降水中のトリチウム濃度は大陸性気団の降水と海洋性気団の降水との混合比によって決まると推定できる。

3 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.尊卑分脈(洞院公定), 1906
著者
櫻庭 京子 今泉 敏 筧 一彦
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.77-84, 2004-04-30 (Released:2017-08-31)
被引用文献数
1

A primary purpose of this study was to examine the difference in identification by Japanese and English listeners of vocally-expressed emotions (happy, sad, angry, and neutral) on the utterance "pikachuu" as generated by Japanese and American children. Both sets of listeners identified the emotions uttered by Japanese children better than those by American children, but the difference was not significant. A second purpose of the study was to examine the acoustic differences between the Japanese and American English children's productions of 'pikachuu.' The results showed that in expression of emotions, the dynamic range of F0 was similar in the two languages; however, the length of syllables varied, reflecting language-specific characteristics.

3 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.貞丈雑記(伊勢貞丈), 1906
著者
今泉 容子
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究 文藝篇 (ISSN:03877523)
巻号頁・発行日
no.51, pp.232-173, 2007
著者
東郷 正美 長谷川 均 後藤 智哉 松本 健 今泉 俊文
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.111, 2010

ヨルダン高原の北西端部に位置するウム・カイスは、古代都市ガダラに起源もつ遺跡の町である。ガダラは63 BCのポンペイウスよる東方遠征後、デカポリスの中心的都市となって大いに栄えた。しかし、749年に起こったパレスティナ大地震によって壊滅し、以後再興されることはなかったとされる。749年の大地震は、死海トランスフォーム断層に沿う活断層帯の活動で生じたM 7クラスの地震とみられている(Marco et.al, 2003など)。<BR> ウム・カイス遺跡を調査する機会に恵まれた演者らは、749年大地震のガダラ壊滅への関与を示す明確な証拠を求めて、発掘調査で露出した多数のローマ円柱に注目し、その出土特性を調べた結果、以下のような知見を得た。<BR><BR> 1)底面の縁が欠けている円柱が多数見いだされる。<BR> 2)このような底面縁に欠損部が認められる円柱を、64例見つけたが、その 多く(53例)は、円柱表面に特徴的な溶食帯(ひとつの接線に沿い一定の幅 をもって柱の両端に達するように生じている)を伴っていた。<BR> 3)このような溶食帯が上記の底面縁欠損部と対置するように発達するもの が、36例もある。<BR> 4)倒れた方向が判定できる円柱が36例あった。それらの方向性に注目する と、12例がほぼ東西方向、13例が南北方向を示し、この2方向への集中度 が高い。残りの11例はいろいろな方向に分散している。<BR> 5)倒壊した円柱とローマ時代の生活面との間に、10~数10cm、ところによ ってはそれ以上の厚さを持つ堆積物が存在することが多い。<BR> 6)倒壊円柱包含層の年代を把握するため、その上・下位層準中より年代 測 定試料を採取して14C年代測定を試みたところ、1870±40yBP、1740 ±40yBP(以上、下位層準)、1760±40yBP、1730±40yBP(以上、同または 上位層準)とほぼ同時代を示す結果が得られた。<BR><BR> 上記1)の底面縁の欠損部は、円柱が倒れる際に支点となった部分にあたり、この時柱の全過重がここに集中することで破壊が生じて形成されたと推定される。上記2)3)の溶食帯は、円柱が倒れた後、風雨にさらされてその頂部(嶺線付近)から溶食が進行したこと、しかし、溶食は円柱全面に及ぶことなく、また、浸食量も大きいところでも深さにして1cm程度であることから、円柱はまもなく埋没したものと思われる。多くの事例が以上のように同じような痕跡をとどめていることは、建物の倒壊が同じ原因で一斉に生じたことを示唆する。<BR> 上記4)は、倒壊した円柱群に、大地震の地震動による倒壊を思わせる全体的に系統だった方向性が明確に認められないことを示している。上記5)は、建物の一斉倒壊事件に先立ち、ガダラは市街地への大量の土砂に侵入を許していたことを意味しており、この時にはすでに都市維持機能は失われていたことを表している。その時代は、上記6)から4C初頭を前後する頃と推定されるので、ガダラの終焉に749年パレスティナ大地震は無関係と考えられる。
著者
土原 健雄 井伊 博行 石田 聡 今泉 眞之
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.245, pp.755-765, 2006-10-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
26

釧路湿原を流れるチルワツナイ川流域に分布する湧水 (噴火口型・噴砂丘型) を形成する地下水の流動特性を, 地層及び水理水頭分布, 安定同位体比及び放射性同位体測定により明らかにし, その涵養域の推定を行った. 地層及び地下水水理水頭分布より, チルワツナイ川流域の湿原下には鉛直上向きの地下水の流れが存在し, その流れは粘土層の断層付近の亀裂を通じて湧出していると推定された. チルワツナイ川流域の地表水, 地下水及び釧路湿原に流入する河川水の水素, 酸素の安定同位体比の分布より, チルワツナイ川流域に多数分布する湧水は, 地形により識別される流域より上流に涵養域を持つと推定され, 釧路湿原の湧水環境の保全・管理を考える際には, 広域流動系の地下水の影響を考慮する必要があることが明らかとなった.また, チルワツナイ川流域の湧水及び湿原下の地下水のトリチウム濃度は自然発生レベルよりはるかに低く, 湿原内の湧水を形成する地下水は50年以上前の降水が涵養され循環してきたものであることが示された.

3 0 0 0 日本馬種畧

著者
今泉 六郎
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
大日本獸醫會誌 (ISSN:1883910X)
巻号頁・発行日
vol.1886, no.9, pp.1-21, 1886
被引用文献数
2

3 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.尊卑分脈(洞院公定), 1906

3 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.軍用記(伊勢貞丈), 1906