著者
千葉 さおり 佐藤 彰博 浅田 一彦
出版者
弘前医療福祉大学紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学紀要 (ISSN:21850550)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.65-72, 2015-03-31

臨床実習においてコミュニケーション能力の低下などによって、指導者から不適格とされる学生が増えている。そこで、作業療法士・言語聴覚士を目指す学生と実習指導経験者のコミュニケーション・スキルの違いを明らかにすることを目的とした。本学医療技術学科1・2 年生(学生群)と指導者(指導者群)を対象に、コミュニケーション・スキル尺度ENDCOREs(藤本・大坊、2007)を用いてコミュニケーション・スキルを測定した。得られたデータを全項目得点平均値、下位尺度毎の平均値、サブスキル毎の平均値の差について2 群間での比較を行った。さらにクラスタ分析によって得点パターンの分類を行い、学生・指導者と各クラスタの関係をχ2独立性の検定によって分析した。その結果、下位尺度毎の比較では他者受容のみが学生群において有意に高かった。また、得点パターンは3 つのクラスタに分類されたが、学生・指導者と各クラスタの関係に統計学的な差はなかったことから、両群のコミュニケーションの対象の違いが影響している可能性が考えられた。限定的な学生の対人関係において、自己のスキルについて振り返りや気づきがされにくいと考えられるため、自己のコミュニケーションについて振り返る機会を設けたり、社会と関わる機会を作ったりすることが必要であると考えられた。
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.957-966, 2009-07-01
被引用文献数
9 1

Three channels, which will cease to be used for analog satellite broadcasting in July 2011 and 4 channels of the BS-17 19, 21, and 23ch, which were assigned to Japan at the WRC-2000, will be used for new digital broadcasting services after 2011. In these channels, a new broadcasting system called "Advanced Digital Satellite Broadcasting System" will be available as well as the current ISDB-S one. The new system can increase transmission bit rate by 30%compared with the current ISDB-S system by using LDPC codes and a roll-off factor of 0.1. The Association of Radio Industries and Businesses (ARIB) conducted evaluation tests to acquire its C/N-BER and synchronous performance as well as confirm how well the TMCC signal functions. Demonstrative tests to transmit Super Hi-Vision were also performed. The tests were done using a satellite simulator and a real satellite transponder. The tests showed that the system performed very well, and the details are reported here.
著者
佐藤 彰彦
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.439-459, 2013 (Released:2014-12-31)
参考文献数
30
被引用文献数
2 6

社会学広域避難研究会富岡班では2011年秋から, 東京電力福島第一原発事故に伴い避難を余儀なくされた福島県富岡町民への聞き取り調査を進めてきた. その後, 当事者団体が実施するタウンミーティング事業を中心とした支援にかかわるなかで, おもに次のことが明らかになってきた. (1)避難者が抱える問題はきわめて広範かつ複雑であること, (2)しかしながら, こうした問題が政策の現場では正確に認識されていないこと, (3)そのため, 現行の政策が必ずしも十分な被災者救済に繋がっていないこと, (4)一方で, 地域復興に向けた政治的決定が急速に進み, 原発避難者 (以下, 強調箇所以外では「避難者」という) が抱える問題は深刻化の一途を辿っていること, (5)その背後には地方自治を取り巻くわが国の法制度と, (6)問題の深刻化を後押しする世論の存在を否定できないこと.これらは, 現行の復興政策が据えている前提 (早期帰還と原地復興) と避難者が直面している問題 (生活再建と長期スパンでの帰還) との間の乖離故に生じており, このままでは現行政策の破綻, あるいは, 避難元自治体の消滅すら現実に起こる可能性もある. この状況を改善するためには, 避難元自治体のコミュニティの維持・存続, そこから町行政を通じた政策過程への回路, 世代や家族のライフスタイルを考慮した長期政策が必要である.
著者
佐藤 彰彦
出版者
福島大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究では、原発被災地域における行政と住民、さらには、世論や国の政治ほかの外部作用等に焦点を当てつつ、原発被災地域ならびに被災者を取り巻く構造的な問題の解明を試みたものである。被災者の<生活/暮らし>、これらと政策との<媒介>や<接合>に注目した分析を行った。主に避難者の発話データ分析から、1)「あらゆる社会関係の喪失」という問題、2)その根底にある放射能に対する不安と疑念の存在、3)当事者ニーズと乖離した政策アジェンダ、4)その帰結としての政治・行政不信の継続などの問題が構造的に明らかとなった。
著者
佐藤 彰一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

この研究は、西洋中世初期における最重要の歴史的存在であったフランク国家がいかにして形成されたかを、西ローマ帝国が体現した後期古代から、初期中世の時代相への移行についての新たな理解を基軸に据えて考察し直したものである。新しい論点として浮上したのは、西暦394年のアルボガストのクーデタの挫折により、フランク人首長層がローマ帝国内で30年間にわたって成し遂げた栄達の時代が終わり、以後約半世紀にわたって断片的な動静しか伝来しておらず、この50年間のフランク史の解明が、この主題にとって決定的に重要であるという点である。これまで注目を集めてこなかった、フン族とフランク人との関係史を深めるのも重要である。
著者
佐藤彰美 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.入口及窓之部, 1915
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.1-6, 2008-12-11
参考文献数
8
被引用文献数
5

2011年7月のBSアナログ放送の終了により解放される3チャンネルと2000年の世界無線会議(WRC-2000)で新たに追加割り当てされた4チャンネルが新たなデジタル放送に利用可能となる。これらのチャンネルでは従来のISDB-Sに加え、2008年7,月に情報通信審議会から答申された高度衛星デジタル放送方式も利用可能となる。本方式では、LDPC符号と低ロールオフ率0.1を採用し、伝送容量をISDB-Sに比べ30%以上拡大できる。ARIBでは本方式の審議の過程で機能と性能を確認するため、擬似中継器と放送衛星を用いた実証実験を行った。本稿ではこの実証実験の詳細について報告する。
著者
藤巻 遼平 中田 貴之 塚原 英徳 佐藤 彰典 山西 健司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.45-46, 2008-03-13

本稿は故障事象の検出問題に関し,A)各属性(時系列データ)の性質が異種多様,B)故障事象の学習事例が少数,C)故障事象とは無関係な属性が多く含まれる,という実応用でしばしば直面する状況で,高精度な診断を可能とするアルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムの特徴は,1)各属性の時系列を異常スコアの列へ変換し各属性の異常スコアベクトルによって各故障を特徴付ける,2)故障時および正常時の異常スコアベクトルを利用して適切な属性を選択する,という2点からなる.実験では自動車の実データに対して提案アルゴリズムを適用し,その有効性を確認した.
著者
佐藤 彰治
出版者
釧路工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本報告書は、夏期に濃霧が多発し低温・高湿となり、冬期には豊富な日射が得られる北海道東部太平洋沿岸地域と対象として、サンルームの調温調湿効果を明らかにするための実態調査と実測・実験を行い、それらから得た知見をまとめている。第一章は、研究に至る背景、申請研究の目的、研究対象地域について述べている。第二章では、釧路市西部地区のサンルーム付住宅居住者を対象として、特に熱環境に関わる項目を中心としたアンケート調査の結果を報告している。当地域におけるサンルーム付設の満足度は全体的に高いことが分かった。特に、サンルームの間口が広い場合、冬期の暖房燃料削減、居間温度の低下抑制の効果とともに、夏期の濃霧による不快感の軽減効果を生活体験として実感している住戸が多かった。第三章では、既存付設温室付き住宅の夏期および冬期の温湿度実測結果に基づき、サンルームによって居間空間にもたらされた熱環境的な効果についての検討結果を報告している。釧路地域における大型サンルーム付き住戸の濃霧期の測定結果から、サンルームの設置によって、隣接する居室の温湿度環境に好影響を及ぼすことが分かった。冬期の快晴日の簡易型および大型サンルーム内の温度は外気温よりピーク時で20度以上上回っており、隣接居室への熱的好影響が期待できるものと推察された。第四章では、実験用サンルーム(ビニルハウス)を作製して行った温湿度実測の結果と、そこで確認された結果に基づいて行った調湿のための追加実験の結果について報告した。遮光屋根が居室の温度上昇に及ぼす弊害や、地盤面の露出によるサンルーム内の過度の湿度上昇が明確になり、地盤面の防湿・調湿実験によって相対湿度の低減や水蒸気量上昇の抑制効果を明らかにすることができた。
著者
繪内 正道 羽山 広文 森 太郎 瀬戸口 剛 本間 義規 林 基哉 佐藤 彰治
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本申請研究の目的は、冬をポジティブに捉えている子供達が、何時の時点で冬をネガティブに考えるようになるか、それに影響を与えている大人の側では、冬に対してどの様な適応状況にあるか、北方圏域における小学生や成人を対象にしたアンケート調査を通じて、経時的推移の実態把握を量ることにある。下記の「冬への適応に関する6軸の項目」に関わって、日本(札幌・盛岡・仙台)、カナダ(Waterloo, Gatineau)、フィンランド(Espoo)、ロシア(Knabarovsk)、中国(Harbin)においてアンケート調査を実施した。1.Enduring Winter(冬を忍耐する)、2.Tolerating Winter(冬を大目に見る)、3.Accepting Winter(冬を受け入れる)4.Respecting Winter(冬に期待する)、5.Appreciating Winter(冬に感謝する)、6.Celebrating Winter(冬を祝賀する)6項目合わせて、100%とするアンケート調査の実施例はなかった。この6軸項目を拠り所にして小学校学童や成人を対象にアンケート調査を実施することにより、言語や文化な違いを超えて、北方圏域で生活する人々の『冬の捉え方』を相互に分かり合い、共通の尺度を共有することは、冬とどの様に向き合い、冬期の屋外活動とどの様に取り組むのか、のシナリオが見出された時、積雪寒冷な地域に望まれるこれからのライフスタイル、特に微気候計画に基づいた街づくり(コミュニティーづくり)や省エネルギーのあるべき姿が明らかになり、これからの建築環境計画や都市計画に欠かせない基礎資料となる第一部では、日本の小学生(低学年)は、冬をポジティブに捉え、大人になるに従ってネガティブになる。カナダの小学生も冬をポジティブに捉えるが、成人は2面的になっていた。フィンランドは小学生も成人も冬をポジティブに捉え、ロシアや中国(Harbin)では、冬を受は入れるという心理特性にあることが分かった。また、対象地域において学童や成人の外套下の温湿度測定・就寝時の寝室の温湿度測定の結果を取りまとめ、検討を加えた。第二部では、札幌で行われたInternational Forum CREATION OF BETTER OPEN SPACES IN COLD REGIONS のProceedingsを収録した。このフォーラムでは、北方圏域における公開空地のあり方や学童の冬の屋外活動の実態を対象に、発表・討議を行い、Winter Citiesに求められる公開空地等の基本的な都市計画は如何にあるべきか、についてディスカッションを行った。更に、学童の冬の屋外活動を誘発するためワークショップを行い、学童による屋外活動を活発にする施設の提案や、研究者・都市計画家・建築家・行政官による屋外活動を誘発するためConcepts, Strategies, Toolsに関わった基礎的なディスカッションの結果を取りまとめた。
著者
佐藤 彰一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的はこの時代の行政文書の使用態様を明らかにすることにより、いかに文書に依存するところ大きかったかを実証的に明らかにし、その国家性の根拠のひとつを明示することであった。西ローマ帝国消滅後の西欧で、豊富な伝来史料を有するのはイタリアであり、東ゴート期、ランゴバルド期を通して、文書による統治実践は基本的に維持された。だが微視的に見ると、そこには文字記録作成とそれらの保存管理への親妥の変動もあった。7世紀初めには行政文書作成の退潮が見て取れるが、それはN・エヴェレットの研究によれば、美文への嗜好の弱化が根底の原因として挙げられる。セナトール貴族の文字文化の審美的探究が、実は最も日常的で、凡庸な記録形態である行政実務文書が日々生産される現実を下支えしていたとするその所説は、ランゴバルド王国だけでなく文字文化一般の理解にとっても、非常に示唆的である。西ゴート国家は、行政文書を一点も残していない。この事実は長く西ゴート国家が行政文書を作成する伝統を持たなかったのがその理由と考えられたが、1967年にマドリッド国立文書館で偶然西ゴート国王文書の断片と思しき数点の羊皮紙が発見された。僅かの断片的記録しか伝来していない理由として、人為的かつ体系的破壊が想定されている。西ゴート国家に独自な文書形態として、地中から出土する粘板岩に刻まれたいわゆるスレート文書がある。これは西ゴート国家における公文書の存在形態と、密接な関係が考えられる。重要なのは西ゴート国家においても統治実践面で、文字記録が用いられていたことが確実と思われる。アングロ・サクソン七王国の一つであるマーシア国家で作成された「トライバル・ハイデジ(TH)」は、国家的賦課をになう地域とその負担量を一覧にした記録である。現存の三写本は全て後代の写しであり、原本は存在していない。またこの種の記録は孤立したものではあり得ないが、周辺的文書は一切現存していない。THがその最終帰結であるところの、個別税査定に始まる一連の文書作成プロセスをが解明するのが今後の課題である。現時点ではこの文書に内在する情報の性格に依りながら、論理的想定として、この時代のイングランドに紛れもなく実務的文字記録作成の慣行が実在した事実を確認することで満足しなければならない。
著者
佐藤 彰一
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究の課題は、約20年前に「発見」されたメロヴィング末期の7世紀末にフランスのトゥールのサン=マルタン修道院で作成された所謂「会計文書」を可能な限り多角的に解析し、史料的にきわめて限られているこの時期の西欧における社会構造を明らかにし、また農業生産の具体的な水準などを確定することであった。作業の手続きとして、まず第一にこの文書の書冊学的、古書体学的分析を行い、これがおそらくはローマ後期の租税関係文書の系譜を引く、トゥールの市政文書に由来するものであろうという仮説を提示した。第二に、「文書」に記載されている地名の比定を行った。これはフランス国土地理院から発行されている地誌図ならびに18世紀に作成された「カッシ-ニの地図」を用いた。続いて農民一人ひとりが納付している穀物貢租の種類と量から、その生産量を割り出し、更に貢租と翌年の種播き用の種籾などを控除した消費可能な穀物の扶養力を、カロリー計算とパンによる摂取形態とで総合的に判断すると1世帯当たりの家族成員が約4人で平均値であったことが知られる。農民の家族形態は、明らかに核家族形態が中心であった。第四に、穀物の栽培形式と生産量から、三圃農法の実践如何の点を検討し、トゥール地方では夏穀の大麦が播種期を徐々に繰り下げる形で春穀に転化し、三年輪作システムが中規模経営の農民層から始められたらしいことが窺われる。
著者
佐藤 彰治 絵内 正道 横平 昭
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.69, no.581, pp.15-20, 2004
被引用文献数
3 1

Some regions along the coast in East Hokkaido have peculiar climates, with dense fog in summer and abundant sunshine in winter. The purpose of this paper is to propose how to effectively use a "sunroom" during summer and winter in these regions. Air temperature and humidity conditions were measured in both summer and winter within two detached houses in these regions containing a "sunroom". From these measurements, the following knowledge was acquired: 1) In summer, a large sunroom provides good environmental temperature conditions for a living room connected with it during the dense fog season. 2) In the case of a detached house built with a sunroom, it could be predicted that the heat loss through glazing doors situated between the living room and the sunroom greatly decreases in winter.
著者
佐藤 彰洋 畑 雅恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.94, no.295, pp.7-14, 1994-10-20

素数の平方剰余はLegendre系列と呼ばれ,良好な疑似乱数系列であることが知られている.また,数列Qと呼ばれる系列を利用した幾何学的な構成法も知られている.今回,この幾何学的な構成法に着目しLergendre系列の構造的な特徴を考慮し,与えられたLegendre系列の部分系列から系列発生に関する候補点を探索し,候補点から使用した素数pと部分系列の取り出し位置を求める手法を新しく考察した.この手法は筆者らが先に提案した方法よりさらに高速化できることが示された.この方法によれば計算時間がほぼpの1.1乗に比較し,一般の大さき素数の場合にも適用できる.また本手法が適用できるための素数,系列長,位置の関数について明らかにした.
著者
佐藤 彰洋 内匠 逸 畑 雅恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.95, no.590, pp.31-36, 1996-03-18
被引用文献数
1

素数の平方剰余はLegendre系列と呼ばれ, 良好な疑似乱数系列であることが知られている. また, その部分系列も良好な疑似乱数系列である. Legendre部分系列が与えられたときに, その生成に使われた素数を推定する新しい手法を考察する. 本手法は, 部分系列の取り出し位置か既知である場合に平方剰余の相互法則を用いて, 部分系列の生成に使われた素数を求める手法である. 本手法は特に短いLegendre部分系列に対して有効である. また, この特性をシミュレーションによって確認した.
著者
小倉 和貴 賀 小淵 佐藤 彰洋 長谷川 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.298, pp.33-38, 2006-10-12

本システムはSOINN[10]の特徴を利用して,オンラインで与えられるデータかち物体の色や形の概念,物体の動きの概念を追加的に学習できる.また,メンタルモデルを利用することで1つの発話例から語順のルールを学習し,文章を構成して発話したり,言語的な指示を解釈して行動することができる.従来手法では動きの学習,語順の学習のための学習データをバッチ的に与えているため学習時間がかかり,オンラインでの学習や追加学習が困難であったが,提案手法では1つの発話例から安定した学習を行うシステムを実現し,優位性が示された.
著者
須藤 明人 張 晨犁 坪山 学 佐藤 彰洋 長谷川 修
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1634-1647, 2008-06-01

ロボットの知能に関する研究の突破口となり得るパターン情報ベースの推論について,新たな手法を提案する.シンボルをベースとした既存の推論機を知能ロボットに適用する際には,( 1 )シンボル化装置の性能に限界があるという問題,( 2 )自律的なシンボルを生成する際に生じる問題,( 3 )シンボル化になじまないタイプのパターン情報が存在するという問題がある.本論文では,これらの問題の解決のためにパターン情報ベースの推論機が必要となることを指摘し,新しいパターン情報ベースの推論機を提案する.提案手法は,「連言,選言,否定を含む任意の形の論理式を扱うことができる」,「パターン情報を多値ベクトルで表現する」,「汎化性能をもつ」,「推論結果の重複を回避する」,「雑音への耐性をもつ」といった知能ロボットに適用する際に重要な機能を併せ持っている.これらの機能を実現するために,提案手法はオンライン教師なし学習手法であるSelf-organizing Incremental Neural Network(SOINN)や連想記憶モデルであるSOINN Associative Memoryを拡張したアルゴリズムを採用している.