著者
早野 駿佑 長沼 篤 岡野 祐大 鈴木 悠平 椎名 啓介 吉田 はるか 林 絵理 上原 早苗 星野 崇 宮前 直美 工藤 智洋 石原 弘 小川 晃 佐藤 賢 柿崎 暁
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.113, no.5, pp.828-836, 2016-05-05 (Released:2016-05-05)
参考文献数
23

51歳女性.混合性結合組織病(MCTD)治療中,肝に径10~40mmの多発結節を認めた.限局性結節性過形成(FNH)が疑われたが,肝生検で結節性再生性過形成(NRH)様結節をともなう特発性門脈圧亢進症(IPH)と診断した.NRHなどの良性肝細胞性結節は,共通の原因を基礎に発生する類縁疾患で,近年門脈域形成異常症候群と呼ばれる.MCTDにNRH様結節をともなうIPHの合併はまれであり,今回報告する.
著者
細井 愛 佐藤 賢治 坂本 武也 親松 学
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.780-791, 2016 (Released:2017-01-13)
参考文献数
9

我が国の高齢化はとどまるところを知らず,医療・介護への要求は高まるばかりであるが,医療・介護資源は充足される兆しすら見えない。新潟県佐渡市は,高齢化率36.8%と抜きんでた高齢社会であり,医療従事者も高齢化している。要医療者の増加と病態の複雑化に対して圧倒的に少ない医療資源で対応しなければならず,提供できる医療の維持すら困難になりつつある。こうした問題に対応するため,平成25年から新しい地域医療連携ネットワーク,通称「さどひまわりネット」が稼働した。診療報酬明細情報を核に,電子カルテの有無にかかわらずすべての参加医療機関の病名・処方内容・処置内容・検体検査結果・画像結果を自動的に抽出し,相互に共有するシステムである。介護施設利用者が医療機関を受診する機会も激増しているが,医療と介護の間には,医療従事者の意識の問題などもあり,スムーズな情報の伝達がしづらいという問題が存在する。このたび,「さどひまわりネット」を用いて,介護側から利用者の日常生活動作や日常的なバイタルの情報を提供できる環境を構築する取り組みを開始した。本稿では医療と介護の機能的な連携を実現することを目的としてどのようなネットワークシステムを構築したかについて述べる。
著者
岡崎 隆哉 工藤 隆一 水内 英充 佐藤 賢一郎 熊井 健得 橋本 正淑
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.62-69, 1989-01-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
14

著者らは術中に腹腔洗浄細胞診を行った子宮内膜癌42例の標本を用いて, 腹腔洗浄細胞診と他の予後因子との関係について検討した.1) 細胞診施行症例は臨床進行期I, II, III期の症例で開腹時肉眼的に子宮外浸潤および被膜破綻のない症例に限った.2) 細胞診の陽性率は16.7%(42例中7例) で組織型, 進行期による陽性率の差は明らかでなかった.3) ヒステロスコープ施行例と非施行例の陽性率に差は認められなかった.4) 筋層浸潤に関しては, 組織学的に漿膜に達しない浸潤であれば筋層浸潤の深達度による陽性率に有意差は認められなかった.5) 病巣の占拠率に関しては占拠率が高いものほど高陽性率を示したが, 小さい病巣でも陽性となる症例もあった. また病巣が卵管角から離れた症例でも20%(3/15) が陽性であった.6) 陽性例7例すべてに追加治療を施行したが, 全症例が現在再発徴候なく生存している (最長6年0ヵ月, 平均3年7ヵ月).
著者
大塚 敏之 高木 均 豊田 満夫 堀口 昇男 市川 武 佐藤 賢 高山 尚 大和田 進 徳峰 雅彦 堤 裕史 須納瀬 豊 新井 弘隆 下田 隆也 森 昌朋
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.517-522, 2000-11-01 (Released:2009-10-15)
参考文献数
11

マイクロ波やラジオ波を用いた凝固療法は肝癌に対する局所療法として広く行われるようになってきた.今回, 我々はマイクロ波やラジオ波による凝固効果を, イヌ及びブタを全身麻酔下に開腹した後肝臓にそれぞれの電極針を穿刺し通電することにより検討した.イヌを用いた実験では, 肉眼的にAZWELL社製マイクロ波, RITA社製ラジオ波及びBOSTON社製ラジオ波で凝固範囲が異なった.組織学的には, いずれも辺縁部に直後では出血を, 5日後では肉芽組織の形成が認められ明らかな差はなかった.ブタを用いた実験では, RITA社製ラジオ波のみの解析であるが, 組織学的に通電直後と6時間後では辺縁部に出血が見られ, 7日後では辺縁部に肉芽組織の形成が認められた.また, 通電時間による凝固範囲内の組織学的所見には差がなかった.したがって, 生体において, マイクロ波とラジオ波ともに良好な凝固効果が得られると考えられた.
著者
佐藤 賢一 佐藤 岩夫 中村 幸二
出版者
埼玉県農林総合研究センター
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-9, 2005 (Released:2011-03-05)

農業用塩化ビニル資材中に含まれる、フタル酸エステルのハウスにおける動態を調べた。土壌中におけるフタル酸エステルの分解性は大きく、2週間程で初期濃度の1/10に低下した。農業用塩化ビニルフィルムからの溶出は、温度が高くなると増加した。ハウス内の気中におけるフタル酸エステル濃度は定量限界以下か室内環境基準値程度であった。フタル酸エステルは、ハウス内でビニルフィルムに付着した水分に伴って動くと推定された。ハウス栽培のコマツナにおけるフタル酸エステルは、フタル酸ジエチルヘキシルで0.07?0.24mg/kgと比較的低濃度であった。塩化ビニルハウス内で作物を栽培しても、通常の条件下では、フタル酸エステルの付着が問題になることは少ないと考えられるが、塩化ビニル中のフタル酸エステルは、ハウス内の結露水に溶けることから、結露水に作物を触れさせないことが、フタル酸エステルの付着を回避するためには最も重要と考えられた。
著者
片山 ふみ 野口 康人 佐藤 賢一郎
出版者
日本読書学会
雑誌
読書科学 (ISSN:0387284X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.198-209, 2017-12-22 (Released:2018-02-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

This study explores experienced nursery teachersʼ sense of values of picture books by examining the process of how they select picture books in nursery schools. Then, we considered based on the previous studies of children book publishersʼstrategy towards nursery schools. “Sense of values”of picture books in this study refers to the total of selected policies,likes and dislikes,priorities,evaluation,etc. A lot of previous studies have treated nursery teachersʼpicture book selections,but it wasnʼt clear what kind of sense of values they had when they selected picture books. This study focused on these point.We interviewed six principals of public nursery schools. As a result,we found out how picture books in nursery schools were purchased. For example,there were no criterions for selecting picture books,nursery teachers had selected picture books in their preferences,they had a very small budget for buy picture books,and they generally bought picture books from specific publisher(Fukuinkan Shoten Publishers,Inc.)or Fukuinkan Shotenʼs agency(Kodomonotomosha). Nursery teachers valued the picture books published by Fukuinkan Shoten and they avoided digital books and books with characters. It was clear that the sense of values among the teachers were formed through the relationship between them and Fukuinkan Shotenʼs staff,by putting together organized the results of interview study and the analysis of records of the publisherʼs history. The findings suggests that there are“Teach”and“Be taught”relationships between the Fukuinkan Shotenʼs staff and nursery teachers. Therefore,we pointed out that the values of the publisherʼs staff,who are the educators and promorters of picture books have a potentially powerful effect to nursery teachersʼvalue formation process.
著者
佐藤 賢一
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.23-33, 2020-02-01

This paper introduces a mathematical puzzle book, Gobanjo, rediscovered on 2008. The radiocarbon dating on this book suggests that this puzzle book had been written on 15th century, which could be the oldest mathematical book in Japan. The Gobanjo shows us 6 types of puzzle utilizing go stones. The author summaries and translates these 6 types of puzzle into modern Japanese, i.e. Hyakugogenzan (Chinese Remainder Theorem), Shihoseki (counting the sides of square), Tonitarazu (addition and subtraction), Sassadate (simultaneous equations), Metsukeishi (guessing a hidden go stone), and Jugodate (3×3 magic square). Hitherto, as we had some knowledge about these puzzles except Metsukeishi, the author presumes the reconstruction of Metsukeishi utilizing the transposed matrix.