著者
岩本 拓也 小倉 加奈代 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-150, no.16, pp.1-8, 2012-10-25

恋人間の愛着行動 (いわゆる 「いちゃいちゃ」) は,幸福感を得るためや相手との関係をより良いものにするために重要な行為である.恋人達の多くは,常に愛着行動をとりたいと願っている.しかしながら公共空間では,目の前にパートナーがいるにもかかわらず愛着行動を行うことができない.従来の恋愛支援技術の研究は,遠距離恋愛者を対象に研究開発が進められてきたが,近距離恋愛者に対しても支援すべき課題が残されていると考える.そこで我々は,公共空間内での対面状況において,周囲に不快感を与えることなく愛着行動を行えるメディアの研究開発を進めている.本稿では,このメディアの実現に向け,どのような種類の行動を伝え合うことが有効かに関する基礎的検証を行う.
著者
小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.98-111, 2006-01-15
参考文献数
13
被引用文献数
4

日常の対話では,対話参加者全員が単一の話題を一定時間共有し,その話題に関連がある発話を行う必要がある.しかも,基本的に話し手は1 人だけで他は聴き手となることが求められるため,今交わされている話題とは直接に関係ないが,何か興味深い話題やすばらしいアイディアを思いついたとしても,それを思いついたときにすぐ話すことは許されない.その結果,せっかく思いついた内容そのものを忘れてしまうことがしばしば起こる.このように,音声対話は非常に効率が悪い側面を有している.そこで本論文では,リアルタイム・マルチスレッド対話を容易に実現可能とする音声コミュニケーションシステムを提案する.試作システムChaTEL を用いて被験者実験を行ったところ,本システムで採用した相手指定/先行発言対応機能により,これらの機能を持たない単純な音声コミュニケーションシステムよりも1 秒単位でのスレッド数,分岐数,最大同時存在スレッド数,複数スレッド同時存在の継続時間がいずれも多くなることを確認し,本システムにより音声でのマルチスレッド対話が可能となることが明らかとなった.We usually have to share single topic-thread in an everyday conversation for a while and to talk about what is related to the current thread. Moreover, we have to keep a rule of turntaking: there can always be only one speaker and the others should be listeners. Therefore, it is impossible for people who do not have "turn" to talk about what they want to talk even if they think of interesting topics or good ideas. As a result, regrettably, they often forget the topics or ideas. Thus, such a daily conversation has an inefficient aspect. Hence, in this study, we develop a novel communication system to achieve "multi-thread voice communication", named "ChaTEL". We show results of experiments with subjects for evaluating our system. Based on the results, we confirmed that, with using ChaTEL, a number of threads, a number of adjacent pairs, maximum number of concurrent threads and the duration of multithreaded conversations are more or longer than those of a simple voice communication system. Consequently, we can conclude that ChaTEL facilitates the multi-threaded conversations.
著者
高橋 巧一 満倉 靖恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.J126-J132, 2015 (Released:2015-02-25)
参考文献数
12

本論文では,高速化および高精度化を目的とした新たな顔特徴点検出手法を提案する.提案手法は,形状回帰モデルと呼ばれる多段構造の顔特徴点検出手法に基づくものである.従来の形状回帰モデルにおいて,顔特徴点検出のための特徴量は経験的に設計されており,多段構造を持つ形状回帰モデルの全体構造の最適化は考慮されていないという問題点が存在する.そこで我々は,特徴量の設計においてSIFT記述子に着目し,形状回帰モデルに適した特徴量の選択を行うとともに,形状回帰モデルの全体構造を適応的に設計することで推定精度が向上することを示す.さらに,入力画像の輝度勾配の積分画像を用いることで,提案手法は高速動作が可能であることを明らかにする.実験では,顔特徴点検出のデータセットを用いて推定精度を評価するとともに,従来手法と比較することで,提案手法の有効性を検証する.
著者
宗 哲 朝倉 安彦 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.510, pp.91-95, 2000-12-08
参考文献数
12
被引用文献数
5

我々はすでに, エポキシ樹脂に酸化チタン32phrおよび炭素粒子1phrを含有した損失材料を用い, 50〜110GHz帯において, ミリ波用電波吸収体を実現している.本研究では, この材料を用い, さらに5GHz帯において複素比誘電率を測定し, 電波吸収体を実現することを試みた.この結果, 5GHz帯においてもその複素比誘電率は, ほぼ無反射曲線上にあることを確認するとともに, その結果から設計・製作した電波吸収体は, 暑さ3.82mmにおいて, 最大吸収量40〜45dB程度, およびTE・TM両偏波に対し, 0°〜35°程度の入射角度範囲において, 20dB以上の吸収量を示すことが確認できた.
著者
大倉 比呂志
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.886, pp.2-12, 2014-08-01
著者
小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.98-111, 2006-01-15

日常の対話では, 対話参加者全員が単一の話題を一定時間共有し, その話題に関連がある発話を行う必要がある.しかも, 基本的に話し手は1人だけで他は聴き手となることが求められるため, 今交わされている話題とは直接に関係ないが, 何か興味深い話題やすばらしいアイディアを思いついたとしても, それを思いついたときにすぐ話すことは許されない.その結果, せっかく思いついた内容そのものを忘れてしまうことがしばしば起こる.このように, 音声対話は非常に効率が悪い側面を有している.そこで本論文では, リアルタイム・マルチスレッド対話を容易に実現可能とする音声コミュニケーションシステムを提案する.試作システムChaTELを用いて被験者実験を行ったところ, 本システムで採用した相手指定/先行発言対応機能により, これらの機能を持たない単純な音声コミュニケーションシステムよりも1秒単位でのスレッド数, 分岐数, 最大同時存在スレッド数, 複数スレッド同時存在の継続時間がいずれも多くなることを確認し, 本システムにより音声でのマルチスレッド対話が可能となることが明らかとなった. : We usually have to share single topic-thread in an everyday conversation for a while and to talk about what is related to the current thread. Moreover, we have to keep a rule of turntaking : there can always be only one speaker and the others should be listeners. Therefore, it is impossible for people who do not have "turn" to talk about what they want to talk even if they think of interesting topics or good ideas. As a result, regrettably, they often forget the topics or ideas. Thus, such a daily conversation has an inefficient aspect. Hence, in this study, we develop a novel communication system to achieve "multi-thread voice communication", named "ChaTEL". We show results of experiments with subjects for evaluating our system. Based on the results, we confirmed that, with using ChaTEL, a number of threads, a number of adjacent pairs, maximum number of concurrent threads and the duration of multithreaded conversations are more or longer than those of a simple voice communication system. Consequently, we can conclude that ChaTEL facilitates the multi-threaded conversations.
著者
名倉弓雄著
出版者
毎日新聞社
巻号頁・発行日
1974
著者
西野 由記 江上 いすず 後藤 千穂 野路 公子 石井 貴子 森 みどり 小倉 れい
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.39-47, 2004-04-01

ライフスタイルの多様化,社会環境の変化に伴ない食行動や生活習慣が変化してきている.今回その中で,青年期における食行動や生活習慣こどのような変化が起こっているかを知るために,給食管理実習で作成した昼食を喫食した学生に対しアンケート調査を実施し,検討を行った.また給食管理実習で作られた昼食が喫食者の食行動や生活習慣にどのような教育効果を与えたのかを検討した.結果は,男女間では,給食管理実習で作成した献立を家で作りたいと思う項目においては男子より女子が高い数値(男子VS女子;平均値2.48 VS 2.89)となり,便通の項目においては女子より男子が高い数値(2.84 VS 2.25)となった.このことは男女の意識や生活スタイルからの違いの表れだと思われる.学年別においては,朝食の欠食や昨日の運動量の項目において,2年次生の方が1年次生より低い数値(1年次生VS 2年次生;平均値3.12 VS 2.81, 2.38 VS 2.12)となった.学科別では,全体的に栄養士コースの学生よりも生活科学科生の平均値が低く,生活科学科生に対する栄養教育のありかたを再検判する必要性を感じた.料理様式別では,全てにおいて和風料理が良い結果を出しており,昨今のヘルシー志向が伺える.女子学生全体の嗜好,生活習慣の質問項目の相関行列では,本学の給食を摂取するようになって食生活が変わったことが伺え,学生に対し給食管理実習の食事を通じて食行動,生活晋直の改善を促すことが出来だのではないかと思われた.このことより給食管理実習における喫食者に対する教育効果があることが示唆された.

2 0 0 0 OA 徳川の三舟

著者
佐倉達山 著
出版者
康文社
巻号頁・発行日
1935
著者
倉野 憲司
出版者
福岡女子大学
雑誌
香椎潟 (ISSN:02874113)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.40-43, 1957-12-25

2 0 0 0 OA 趣味の西洋史

著者
亀倉順一郎 著
出版者
洛陽堂
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1922
著者
倉島 研 金地美知彦 畑山 俊輝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.111, pp.125-130, 2004-11-06

被験者は同一の楽曲を様々なテンポで聴取した。被験者はそれぞれについて印象評定を行い、同時にテンポの好みの程度を判断した。印象評定に用いた44形容語について因子分析を行ったところ、「明るさ」「速さ」「くつろぎ」の3因子が抽出された。これらの因子は80bpmから240bpmのすべてのテンポ条件で抽出された。また被験者に最も好まれたテンポは160bpmから180bpmであった。これらのテンポの時、3つの因子の平均評定値は高い順に「明るさ」、「くつろぎ」、「速さ」となった。各因子の平均評定値がこのような順番となる時に好みのテンポという印象が生じると考えられる。Subjects listened to a musical piece with different conditions of tempos. They rated musical impression and preference every condition. We analyzed the data by factor analysis: we extracted three factors named as "Brightness", "Speed", and "Relaxation". These factors were extracted from all tempo conditions. The most favorite tempos were 160bpm and 180bpm. In these tempos, the three factors of "Brightness", "Relaxation", and "Speed" were plotted in decreasing order of the averages of rated scores. We suggested that the order of these factors would play an important role in producing feelings of favorite tempos.
著者
小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-151, no.19, pp.1-8, 2013-01-25

これまで多くのコミュニケーションメディアは,同期同室状態の対面対話を理想として研究開発されてきた.それゆえ,距離や時間,デバイスの問題に着目したコミュニケーションメディアの開発研究が主流であるといえる.著者らは,今日までに,対面対話における 「話者交替」 や 「単一話題維持」 の暗黙的規則によるメッセージ交換の非効率性や,我々人間が 「大事なこと,印象深いことは簡単には忘れない」 , 「どうでもいいことはすぐ忘れる」 ように日常の多種多様な情報を自然と整理整頓する思考特性のような人間の内的制約や特性に着目したコミュニケーションメディアの研究開発を行っている.本稿では,人間の内側に着目したコミュニケーションメディアにより,どのようなコミュニケーションが実現するかを述べ,次世代のコミュニケーションメディアの可能性を議論する. : We used to develop many communication tools with idealizing face-to-face conversations in synchronous and sharing one room. Thus, a policy of developing communication tools is to solve some problems of distances, times and features of devices. We have focused on internal limitation and features of human and we have made some communication media as media which have a goal of solving inefficiency of face-to-face conversations because of implicit rules of conversations as turn-taking and maintaining same topic and which have a goal of realizing arranging some information in our mind naturally. In this paper, we report what we can communicate using our proposed communication media and we discuss possibilities of next-generation communication media based on internal properties of human.