著者
朝倉 敏夫 太田 心平 岡田 浩樹 島村 恭則 林 史樹 韓 景旭 岡田 浩樹 島村 恭則 林 史樹
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

東アジアのコリアン・ネットワークについて、既存の研究では明らかとなっていなかった、ないし否定されてきた3点が明らかとなった。越域性、多重性、主体性の3点である。この研究成果の主たる報告書、および現地還元活動として、『韓民族海外同胞の現住所―当事者と日本の研究者の声』(學研文化社、2012)を、韓国語にて出版した。
著者
石倉 弘樹
出版者
標準化研究学会
雑誌
標準化研究 (ISSN:13481320)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.75-88, 2003-03-30 (Released:2012-09-24)
参考文献数
2

専門家の直観とポートフォリオ理論を利用することにより,需要動向を見ながら生産を行う時間的余裕のないショート・ライフサイクル製品の最適見込み生産量を決定する数学モデルを提案した。このモデルは現実の販売を考慮し,製品間に需要の相関があることと,クリアランスセールで値引き販売されることを想定している。
著者
北川 隆吉 北島 滋 岩城 完之 帯刀 治 板倉 達文 柴田 弘捷
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、グロバリゼーション、イノベーション、インフォメーション・システム、コミュニティ・ストラクチャーの4方面から、我が国の社会変動を調査検討し、事態の展開の根本に存在する社会的ダイナミズムをあきらかにすることを目的とした。調査は、以下の二つの対象地域-東京圏と東海圏-を設定し進められた。〈東京圏〉(1) 東京都臨海副都心と周辺区(2) 千葉県・茨城県南「開発」地区(3) 埼玉県(県央)人口急増地域(4) 八王子を中心とする広域開発地域(5) 神奈川県央・新型工業都市の形成地域〈東海圏〉(1) 名古屋市と中部新国際空港地区(2) 豊橋市を中心とする「開発地区」(3) 岐阜県中濃人口急増地区(4) 浜松市を中心とする広域開発地域(5) 大垣市の新型工業都市への転換以上10地域を選んで、それぞれのうち二つを((1)-(1),(2)-(2)といった形)一対の対象地域として選定し、第1年度は東京圏、第2年度は東海圏を、そして最終年次の今年度は両者の追跡、補充調査をおこなった。その結果、本研究による知見は以下のとおりである。(1) 当初意図していた〈東京圏〉と〈東海圏〉の比較は、不可能との結論に達し、あらためて〈東京一極集中〉のもつ意味の重要さがあきらかにされた。(2) 比較が不可能なことは人口量、都市規模の違いだけでなく、産業・工業構造の根本的差異への着目を必要とさせ、いずれの地域にあって変動の直中にあり、本研究では、まさに変動過程の実態があきらかにされている。(3) こうしたことから、21世紀-おそらく2010年まで-に新しい変動が生まれつつあり、その中で都市・都市間連関、地域社会そのものの存立が問われようとしている。この点で、東京圏との対比でいえば、「東海」の分解・分極化の方向を見せ始めている。(4) なお、本研究では、上述の変動と、地域内における諸集団や個々人へのインパクト、また政治、行政、経済の諸機構・内部構造・リーダーシップ、イデオロギーといったものの変動との結びつきについては必ずしも十分でない。この点は今後の研究課題としたい。
著者
朝倉 塁 高橋 智幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1286-1290, 2010 (Released:2010-11-09)
参考文献数
3

Most of hydroelectricity development represented by the dam in our country has almost completed. In comparison with it, the use of ocean energy generation is still a development stage. For this reason, we aim at development of the small hydroelectricity device using a piezo-electric element, it will harness Kármán vortex street which occurred by put the object in flow. In this paper, we perform basic examination by numerical simulation and hydraulic experiment about the relationship between Kármán vortex street and the object shape in flow, and vortex-induced vibration. Then we will make generation experiment based on its results, and suggest suitable model of generation.
著者
田原 英一 犬塚 央 岩永 淳 村井 政史 大竹 実 土倉 潤一郎 矢野 博美 木村 豪雄 三潴 忠道
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.589-592, 2011 (Released:2011-10-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1

大柴胡湯が奏効した嘔吐の2症例を経験した。症例1は16歳女性。肺炎で入院中に嘔吐が出現。嘔吐,胸脇苦満などを参考に大柴胡湯を投与したところ,嘔吐は速やかに消失した。症例2は73歳女性。嚥下性肺炎の後,嘔気,嘔吐が出現。嘔吐に対し,胸脇苦満と便秘傾向を目標に大柴胡湯を投与したところ,徐々に消失した。古典条文の上で大量の生姜を含む大柴胡湯は,強力に嘔気を鎮めると考えられる。
著者
倉片 俊輔
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.68, no.566, pp.169-176, 2003
被引用文献数
1 1

This study aims to clarify architectural works of Chuta Ito (1867-1954) known as the first Japanese architectural historian and critic.This paper treats his 4 projects for Nishi-Hongwanji in the end of the Meiji era, and proves the characteristics of his architecture. Ito's projects are designed as fusion of various architectural styles, based on Historicism. The ornaments he loved (palmette, Kato-mado and Sumi-kazari) prove his tendency to making Inter-style architecture, for instance.
著者
横田 賀英子 大塚 祐輔 倉石 宏樹 和智 妙子 渡邉 和美
出版者
Japanese Association of Forensic Science and Technology
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.19-30, 2014

Characteristics of male offenders arrested in Japan for exhibitionism (<i>N</i> = 414) and features of their offences were investigated. In analyses, their behavioral consistency was also examined by focusing on 87 repeat exhibitionists. The results indicated that many offenders were well-adjusted persons: 71% were employed, 30% were married, and 23% were graduates. Moreover, 66% of the offences were committed in daytime, and 64% targeted victims aged 10-20 years. In 24% of cases, the distances between offenders' residences and crime scenes were less than one kilometer, whereas 40% of offenders lived over 5 kilometers away. In terms of behavioral consistency, offences in "trains or buses" and public spaces were shown to be consistent for repeated arrests, even after taking the occurrence rate into consideration by measures of adjusted standardized residual (ASR) and forward specialization coefficient (FSC), which is suggestive of behavioral consistency. Finally, less frequent behaviors, such as nighttime offences and offences targeting victims aged 30 years or older occurred less consistently in the series of offences. The results suggested that many exhibitionists rationally decided when and where to commit crimes, based on their calculation of risk and reward. The fact that many offenders were well-adjusted persons might be one of factors explaining offender's rational decision making. The findings in the current study can contribute to the police investigation to prioritize their investigative targets. The current research can form the basis of understanding of the nature of male exhibitionists.<br>
著者
松川 安樹 宮下 守 宮田 義一 朝倉 祝治
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.157, pp.1-9, 2010
参考文献数
16

冷温水や冷却水配管に使用した亜鉛めっき鋼管に,局部腐食による漏水トラブルが発生することが度々報告されている.この原因として,亜鉛と鋼の電位逆転現象が考えられているが,そのメカニズムと腐食対策は明らかにされていない.前報では,過去に行われた研究の歴史と筆者らが経験した腐食事例の解析結果から,水質の影響で亜鉛の電位が貴方向に変化することを示した.本研究では,亜鉛の電位が貴化する機構を電気化学的な測定により明らかにした.そして,これまでの研究で得た結果を基に亜鉛めっき鋼管に局部腐食が発生する要因を推察し,漏水トラブルを未然に防ぐ方法を提案した.
著者
松川 安樹 宮下 守 宮田 義一 朝倉 祝治
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.157, pp.1-9, 2010-04-05

冷温水や冷却水配管に使用した亜鉛めっき鋼管に,局部腐食による漏水トラブルが発生することが度々報告されている.この原因として,亜鉛と鋼の電位逆転現象が考えられているが,そのメカニズムと腐食対策は明らかにされていない.前報では,過去に行われた研究の歴史と筆者らが経験した腐食事例の解析結果から,水質の影響で亜鉛の電位が貴方向に変化することを示した.本研究では,亜鉛の電位が貴化する機構を電気化学的な測定により明らかにした.そして,これまでの研究で得た結果を基に亜鉛めっき鋼管に局部腐食が発生する要因を推察し,漏水トラブルを未然に防ぐ方法を提案した.
著者
山崎 浩 倉持 利明
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

南米チリは世界有数の養殖サケ・マスの生産国であり、わが国はそのサケ・マスの主要な消費国である。チリに分布するサケ・マスにはヒトに寄生する裂頭条虫の感染が知られており、これらのサケ・マスを感染源とする裂頭条虫症の発生が懸念されている。本研究では、チリ南部のプエルト・モンのジャンキウエ湖、ならびにパンギプジ湖に生息するサケ属や在来魚における裂頭条虫幼虫の寄生状況等を調査した。その結果、ギンザケやニジマスに多数の裂頭条虫幼虫の感染が確認され、筋肉内からも幼虫が検出されたことから、チリでは広節裂頭条虫による感染源がサケ類と推定された。
著者
倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-28, 1997-02
被引用文献数
1

高温での炭化水素と窒素よりHCNを生成する過程を電算機シミュレーションした。適切な素反応群と反応速度定数とを用いればよいのであるが, 実験値は僅かであるのに対し, 計算に用いられる反応式, 速度定数は多数で任意性が極めて高く, 何らかの規制を加えないと, 極言すればどうにでも実験値と符合させることが可能である。このうち反応式は原系から生成系に至ると考えられる反応を一旦網羅し, 感度解析を行って不要なものを削除すればよいのであるが, この際, 反応式が素反応であるか, 逆反応が平衡定数から精確に算出可能であるかが大きな問題である。素反応性を確認する方式が確立されていないし, 多数の文献でも多くの矛盾が見られるので, 怪しい反応を取り込むことを避けるのが望ましい。また, 素反応として, 平衡定数より逆反応の速度定数を求める場合には生成熱の精確さが重要なので, これにも検討を加えた。一方速度定数についてはBaulchの推薦値があるものはこれを優先第一順位とし, それが見あたらない時にはMiller, その他の推薦値を, さらにそれも見られない場合には文献に頻出し, 多数の人が採択している速度値を用いることにした。しかし, CH_3+CH_3→C_2H_4+H_2の反応についてはWarnatz説とHidaka説とでは大差があり, その影響も極めて大きいので, ここでは両者を比較検討した結果, Hidaka説に従うこととした。これらの検討の結果, 可逆性に疑問のある場合には正方向のみの反応として, 簡素化を徹底し表8の機構を提案した。
著者
千葉 義郎 遠田 譲 海老原 至 福永 博 大平 晃司 山下 文男 会澤 彰 村田 実 倉岡 節夫 篠永 真弓 上原 彰史
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.896-900, 2011 (Released:2012-11-15)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

症例は, 20歳代, 男性. 2日前に職場でロッカー移動などの作業を行った. その後, 左上肢に腫脹·疼痛を自覚するようになり, 当院に紹介受診. 血管エコーで左鎖骨下静脈から左腋窩静脈にかけての血栓閉塞を認め, パジェット·シュロッター症候群(Paget-Schroetter syndrome; PSS)と診断した. 抗凝固療法を開始するとともに, ただちに静脈造影を行い, 引き続きカテーテル血栓溶解療法(catheter directed thrombolysis; CDT)およびバルーン拡張術を行った. 2回のCDTで良好な左上肢血流の改善が得られ, 軽快退院となった. PSSに対して早期のCDTが奏功した症例を経験したので報告する.
著者
嶋倉 邦嘉 長島 裕二 塩見 一雄 久能 昌朗 海老澤 元宏 赤澤 晃 飯倉 洋治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.522-529, 2003
被引用文献数
4

食物負荷試験(FPT)は食物アレルギーの重要な診断法の一つであるが, FPT用の標準抗原は開発されていない.本研究では,5種類の食物(牛乳,鶏卵,鶏肉,大豆および小麦)からスプレードライ法またはフリーズドライ法により粉末を製造し,FPT用抗原としての有用性をin vitroで調べた。SDS-PAGEでは,各粉末およびその原料の抽出液は同じまたは類似した泳動パターンを示した.食物アレルギー患児の血清を用いたELISAで分析したところ,各粉末抽出液の反応性と原料抽出液の反応性との間には良好な相関(r=0.853-0.978)がみられた。さらに,牛乳,鶏卵および大豆では,粉末抽出液および原料抽出液を固相化抗原として用いても阻害剤として用いても,ほぼ同じELISA阻害曲線が得られた.これらの結果から,各粉末は原料と同じアレルゲンを同レベルで含み,FPT用抗原として有用であると判断された.なお,粉末のアレルゲン性は-20℃または5℃貯蔵では18カ月以上安定であることも判明した.