著者
浅倉 むつ子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

研究成果の概要:雇用分野における複合差別禁止法理が有する差別の是正・救済可能性を明らかにするために、近年のイギリス、EU、日本の雇用差別をめぐる立法動向と判例法理について研究した。これら一連の研究から、イギリスの2010年平等法が各種の差別是正について効果をあげていること、日本にも存在するマイノリティ女性の複合的差別状況の解決を図る方法としては包括的差別禁止立法の構想が重要であることが明らかになった。
著者
石倉翠葉 著
出版者
俳諧誠道社
巻号頁・発行日
1934
著者
倉田 耕輔
出版者
静岡県警察科学捜査研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

3Dプリンタで拳銃を作成する場合、市販されているモデルガンやエアガンの3Dデータを元に作成されることがあると考えられる。本研究では、「撃鉄を稼働させるバネ」に着目し、3Dデータの段階で、モデルガンキャップや紙火薬等を撃発する機能を有しているか否かの判断が可能か検討した。実験として、モデルガンの機関部を開け、撃鉄バネの代わりに「ねじりバネ」を用いて撃鉄を作動させた。この時の撃鉄の動きを高速度ビデオカメラで撮影し、この映像から時間と撃鉄の角度の関係を測定した。使用したねじりバネは、バネ定数の大きいものと小さいものの二種類である。次に、モデルガンのフレーム、撃鉄等の寸法、重量を計測し、FEMソフトウェアであるSolidWorksを用いて3Dデータを作成した。作成した部品をソフトウェア上で組み合わせ、撃鉄の動きをシミュレートし、時間と撃鉄の角度の関係を求めた。ただし、撃鉄を作動させるバネのバネ定数は、実験で用いたねじりバネのバネ定数を計測し設定した。実験で求めた時間と撃鉄の角度の関係とシミュレーションで求めた時間と撃鉄の角度の関係を比較すると、バネ定数の小さいバネを使用した場合は両者の関係に開きが見られたが、バネ定数の大きいバネを使用した場合については両者の関係は比較的近い結果となった。この違いは、撃鉄とフレーム間の摩擦に起因するものと考えられた。摩擦の影響を少なくするためには、シミュレーションで設定した摩擦に係るパラメータの精度を上げ、バネ定数を大きくしていくことで対応することが可能と考える。よって、実験を重ね、本モデルの各パラメータの精度を上げることで、3Dデータの段階でモデルガンキャップや紙火薬等を撃発する機能を有しているか否かの判断ができる可能性があることが示唆された。
著者
小笠原 英樹 形浦 昭克 朝倉 光司 松井 利憲
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.726-736, 1999
被引用文献数
6

北海道における代表的な花粉症は従来からイネ科花粉症が知られているが, 最近はシラカンバ花粉症の増加が知られ, 特に, 札幌地方においてはそれが顕著である。著者らはシラカンバ花粉の飛散数と気象条件との関連について統計学的に検討した。また, 1997年の札幌地方における主な空中花粉の飛散状況について調査し, 過去のデータとの比較を行った。その結果, 気象条件とその翌年のシラカンバ花粉の総飛散数との間には密接な関連が示唆され, 特に, 5月から6月にかけての気象条件が重要であると考えられた。また, 湿度と強い負の相関を認め, これが花芽の育成に影響を与えている可能性が示唆された。主な空中花粉の飛散状況は, 3月下旬よりシラカンバなどの樹木花粉が飛散し始め, 6月にはイネ科花粉, 8月下旬頃からはヨモギ属花粉の飛散をそれぞれ認めた。イネ科花粉の飛散数は減少の傾向を示した。
著者
永倉仁史
雑誌
アレルギーの臨床
巻号頁・発行日
vol.14, pp.138-142, 1994
被引用文献数
6
著者
出口 博則 山口 富美夫 坪田 博美 嶋村 正樹 榊原 恵子 倉林 敦
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

7種のセン類,2種のタイ類,1種のツノゴケ類を含む,10種類のコケ植物について,葉緑体ゲノムの全塩基配列を新たに決定した.これまで,セン類は,タイ類やツノゴケ類と比べ,葉緑体ゲノムの構造が大きく異なっていると考えられていたが,セン類の系統基部に位置する分類群では,タイ類やツノゴケ類と非常によく似た葉緑体ゲノム構造をもつことが分かった.進化を通じておきたいくつかの遺伝子の欠失イベントは,セン類の主要分類群の分岐順序を考える上で有効な系統マーカーとなることが示唆された。高等植物の葉緑体で知られる,線状ゲノム分子,多量体ゲノム分子がコケ植物にも存在することを初めて明らかにした.
著者
水戸 和幸 相賀 健 板倉 直明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.211, pp.25-28, 2010-09-21

触知案内図におけるピクトグラムの有効性について検討を行った.被験者は,晴眼者11名でアイマスクをして実験を行った.点図ディスプレイに7種類のピクトグラムを提示し回答を得るととともに,触察にて学習を行わせた.次に,同種でサイズの異なるピクトグラムを触察してもらい,正答率,確信度,認知時間,わかりやすさを評価した.学習前に関して,事前知識のあるピクトグラムの正答率は高く,学習時間は短かった.学習後に関して,サイズに関係無く正答率はほぼ100%であった.わかりさすさや認知時間は,サイズおよび複雑さにより変化し,図形の特徴の見つけやすさが関係していると推測された.
著者
宮久保 知和子 上野 達也 倉本 宣
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.553-556, 2001-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
31

絶滅が懸念されているカンエンガヤツリには, 突如大きな個体群を形成する現象が見られる。その現象を本種の種子発芽特性の点から解明するため, 実験室内において10の温度条件と4つの光条件を組み合わせ, 計40の条件区を設定して発芽実験を行った。その結果, 発芽には変温効果が認められ, 発芽に最適な温度条件下においては緑陰感受性は確認されなかった。本種に見られる現象は, 埋土種子集団の形成ののちの撹乱という環境の変化と, 変温効果による種子の裸地検出機構によるものであった。そのため, 本種の保全には埋土種子集団を含む浚渫土等が有効な材料となると考えられる。
著者
清水 公男 板倉 亨 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:02857901)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.61-80, 2010-02

カリーの本論文は『マクベス』の魔女とは何かを端緒として、エリザベス朝において激烈な論争となっていた神、悪魔、亡霊、魔女などの意味を、キリスト教神学ならびに新プラトン主義を核にして辿ったものである。魔女は民間信仰にとどまらず、古代異教の神の変容であり、新プラトン主義の流出宇宙論に由来するダイモーンに連なる。神学的背景から見た悪の形而上的な世界の意味が、多くの文献に依拠して、詳細に解明されている。
著者
山本 哲夫 久々湊 靖 縫 郁美 高田 竜多 平尾 元康 上村 正見 斎藤 博子 朝倉 光司 形浦 昭克
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.1086-1091, 1995-07-20
被引用文献数
10 3

シラカバ花粉, カモガヤ花粉, ヨモギ花粉, ダニの4種類のCAPを検査した650例に果物の口腔咽頭の過敏症状の有無を調べた.<BR>(1) シラカバCAP陽性例 <スコア2以上> 174例の16%に, 他のCAP陽性例 (253例) の2%に果物に対する口腔咽頭の過敏症が見られた.<BR>(2) シラカバCAP陽性例の13%にリンゴで症状が, 6%にモモで症状が見られ, ともにシラカバのCAPスコアーの高い方が多く, 他の例よりも多く, 花粉の感作の診断の参考となると思われた.<BR>(3) キウイの症状は, シラカバCAP陽性例の3.5%に, シラカバ以外のCAP陽性例の1.2%に見られたが, 有意差はなく, 必ずしもシラカバ花粉の感作を示すとは限らないと考えた.
著者
三輪 建二 倉持 伸江 柳澤 昌一
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

学校・家庭・地域の連携や地域コミュニティの再生などにおいて、社会教育が果たす役割は高まっている。しかし、社会教育主事等を養成する学部段階の社会教育主事課程や、社会教育職員の現職研修である社会教育主事講習は現状に見合ったものになっていない。「実践力」を養成する、アクティブラーニングを取り入れた社会教育主事課程や、実践の省察を組み入れた社会教育主事講習について改善を提言すると同時に、社会教育主事資格の汎用性を高め、「コミュニティ学習支援士」(仮称)の創出と社会教育主事資格との併用や関係性について提言を行った。
著者
稲垣 善之 倉本 惠生 深田 英久
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.103-112, 2010-09
被引用文献数
1

四国地域の標高の異なる2つのヒノキ林において、間伐区と対照区を設定し、落葉量の動態を5年間評価した(2002-2006年)。この地域には2004年に多くの台風が接近したが、この年の年間落葉量は台風前(2002-2003年)の1.17-2.25倍の値を示した。台風の影響は高標高域で低標高域よりも大きく、間伐区で対照区よりも大きかった。一方、台風後(2005-2006年)の年間落葉量は、台風前(2002-2003年)の1.05-1.41倍を示した。台風の影響は間伐林分で大きかったものの、台風後の回復は間伐区と対照区の間に差が認められなかった。高標高域では2004年の落葉時期(落葉が年間量の50%に達する時期)が早い傾向が認められた。一方、低標高域では2004年の落葉時期は変化せずに落葉期間(落葉が年間量の10%から50%に達するまでの期間)が長かった。この結果は、台風に対する落葉の反応が標高によって異なることを示す。すなわち、高標高域では、台風後直ちに落葉するが、低標高域では台風後にすぐには落葉せず、しばらく経過してから徐々に落葉した。これらの結果、ヒノキ人工林において台風後に落葉生産は速やかに回復しており、台風後に新しい葉の生産が急速に増加することが示唆された。
著者
花尻(木倉) 瑠理 内山 奈穂子 河村 麻衣子 緒方 潤 合田 幸広
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.133, no.1, pp.31-40, 2013 (Released:2013-01-01)
参考文献数
30
被引用文献数
14 26

In recent years, many analogs of narcotics have been widely distributed as easily available psychotropic substances and have become a serious problem in Japan. To counter the spread of these non-controlled substances, the Pharmaceutical Affairs Law in Japan was amended in 2006 to establish a new category; Designated Substances in order to more strictly control these substances. In April 2007, 31 compounds and 1 plant were first controlled as Designated Substances. Before 2007, the major compounds distributed in the Japanese illegal drug market were tryptamines, phenethylamines and piperazines. Alkyl nitrites, such as isobutyl nitrite and isopentyl nitrite, were also widely distributed. After they were listed as Narcotics or Designated Substances in 2007, these compounds, especially the tryptamines, quickly disappeared from the market. In their place, cathinone derivatives have been widely distributed, as well as different phenethylamines and piperazines. Additionally, in recent years, new herbal products containing synthetic cannabinoids have appeared globally. As at July 2012, 78 substances (including 1 plant; Salvia divinorum) were listed in the category of Designated Substances. They were 13 tryptamines, 17 phenethylamines, 11 cathinones, 4 piperazines, 23 synthetic cannabinoids, 6 alkyl nitrites, 3 other compounds and 1 plant. In this review, we show our survey of the spread of new designer drugs in Japan, focusing especially on synthetic cannabinoids and cathinone derivatives. Also, the prevalence and legal status of these substances in other countries will be presented.
著者
片倉 賢 ELKHATEEB A.M. ELKHATEEB A.M
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

ヒトや家畜のトリパノソーマ症は発展途上国で蔓延している原虫性疾患であるが、予防・治療薬の開発が進んでいないNeglected Tropical Diseases(NTD、顧みなれない熱帯病)である。申請者らは、安全で安価な治療薬の開発を目的として、薬用植物から天然の抗寄生虫活性物質を含む植物の探索を行った。その結果、ニガキ科の薬用植物であるBrucea javanicaに含まれるクアシノイド類が強力な抗トリパノソーマ原虫(Trypanosoma evansi)活性をもっていること、およびクアシノイドの構造と活性とに相関があることを明らかにしてきた。平成23年度は、クアシノイド類が原虫のどの器官を標的としているかを明らかにするためにbruceine類の安定同位体ラベル誘導体の合成を試みた。すなわち、重水素ラベル無水酢酸を用いて重水素ラベルbruceine Aとbruceine Cのアセチル誘導体を合成した(Elkhateeb et al, 2012)。これをトリパノソーマ原虫に作用させ、安定同位体顕微鏡システムを用いて観察した。その結果、解像度は薬剤のターゲット器官を認識できる程度であったが、蓄積した同位体ラベル化合物の検出にはいたらなかった。安定同位体ラベル誘導体の標識部位がアセチル基のメチル基のみであったことが原因と考えられたため、今後は安定同位体ラベル部位を増やし検出感度をあげることが必要である。