著者
伊藤 恭子 永野 伸郎 高橋 伴彰 石田 秀岐 田ヶ原 綾香 塚田 美保 野原 ともい 岡島 真理 野原 惇 星 綾子 溜井 紀子 安藤 哲郎 筒井 貴朗 新田 孝作 佐倉 宏 小川 哲也
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.475-482, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
22
被引用文献数
2

【目的】リン吸着薬の処方錠数が, 服薬アドヒアランスおよび血清リンに対する影響を検討する. 【方法】リン吸着薬処方中の外来維持血液透析患者229名にアンケート調査を実施し, 処方錠数および患者背景との関係を解析した. 【結果】リン吸着薬の月間処方錠数の中央値は210錠/月であり, 単剤処方者は50%であった. 処方錠数が多い群は, 年齢が若く, 透析歴が長く, 血清リンが高値であり, 処方錠数は血清リンと正相関した. アドヒアランス不良者は30~40%であり, 「飲み忘れる」患者, 「残薬がある」患者, 「飲む量を減らしたい」患者は, 処方錠数が多く, 血清リンが高値であった. 処方錠数増加により, 「残薬がある」, 「量が多い・とても多い」と回答した患者が増加し, アドヒアランス不良者は, 「量が多い・とても多い」と感じる割合が多かった. 【結語】リン吸着薬処方錠数の増加にともない服薬アドヒアランスが低下し, 血清リン高値と関連する.
著者
片倉 光宏 吉田 登美男 岡本 途也
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.49-55, 1969 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7

In order to find out the most suitable sound quality and sound volume for the hard-of-hearing people with nerve impairment, we investigated the relation of frequency pattern and sound level to articulation score and comfortableness.The frequency pattern was one that compensated for a patient's individual hearing loss by “mirroring” his audicgram, and flat one.The results were as follows.1) The maximum syllable articulation scores were more than 60% for almost all subjects even if the hearing loss was at the range of 60-80dB.2) The “mirroring” was especially succesful for the subjects with the maximum articulation scores at the range of 40-80% (in the flat frequency pattern).3) For the subjects with hearing loss less than 40 dB, the most comfortable level was nearly equal to the sound level which gave the maximum articulation score. On the other hand, for the subjects with hearing loss more than 40dB, the sound level which gave the maximum articulation score was higher than the most comfortable level, occasionally it reached uncomfortable level (in the flat frequency pattern).4) The difference between the most comfortable level, uncomfortable level in binaural listening and those in monaural listening was about 6 to 7 dB.
著者
作田耀子 塚原康仁 村瀬結衣 仲倉利浩 杉浦一徳
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.373-379, 2014-07-02

インターネットを活用してイベントを支援し,参加者により充実したものを提供する取り組みは試行として様々な形で行われている.近年のコスプレイベントでは,参加者の中での既存のコミュニティと統合的な情報不足により,交流に関して閉鎖的な空間となりつつある.初対面の相手同士で,当日に確認できる情報は実際の外見の情報のみであり,交流を支援するような情報共有環境は構築されていない.本研究では,コスプレイベント活動支援環境COSUEの実現と評価を行った.イベント開催前にCOSUEに参加者情報を登録し,イベント開催前と開催中に個々の携帯電話から情報共有を実現する相互支援環境を構築した.初期実験では,参加者の当日のコスプレ作品,キャラクター,コンテンツの嗜好,楽しみ方のタイプの情報を提供する.その上でタイプが合う者同士をマッチングし,その情報の共有を行う.実際のコスプレイベントを想定した実験場面において,参加者に本システムを使用させ,その結果から評価を行った.初期実験では参加者のタイプを明確にし,その情報を活用する事で情報共有環境を実現した.交流履歴と参加者のタイプの相関は見られなかった.またイベントの特徴上,イベント中に携帯を確認しにくいため,サイネージなどを活用した情報共有基盤の必要背景を確認した.今後タイプの定義と情報の提供方法について検討する必要がある.
著者
浅倉 有子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.11, pp.15-32, 2015-03-13

新発田藩溝口家が担った延宝9 年(天和元年、1681)と貞享2 年(1685)の二度の高田在番について、その役務の内容を検討するとともに、役務の遂行にあたってどのような文書が作成されたのか、またそれらがどのように管理されていったのかについて、検討した論文である。検討の結果、文書は八つの契機と内容により作成されることが判明した。第一に①在番下命による情報収集、②在番を担当する家臣の選定と、逆に言えば留守を預かる家臣の選定に関する文書、③高田への行軍史料、④高田到着後の担当場所の決定、請取、人員配置関係の史料、⑤在番業務中の必要な文書や絵図、⑥在番の財政関係史料、⑦在番中の諸事留書等、⑧後任大名への引継書類である。This article discussed zaiban of Takada (controlled Takada-han through staying there) which was conducted twice by the Mizoguchi family of Shibata-han in 1681 (9th year of Enpo, simultaneously 1st year of Tenna) and in 1685 (2nd year of Jokyo). The article investigated what their services were, what kinds of documents were created, and how the documents were managed.
著者
山本 哲夫 朝倉 光司 白崎 英明 氷見 徹夫 小笠原 英樹 成田 慎一郎 形浦 昭克
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.971-979, 2005-10-20
被引用文献数
7 3

1995年4月から2002年の間に札幌市南区にある耳鼻咽喉科診療所を受診し4種のCAP (シラカバ, カモガヤ, ヨモギ, ダニ) を検査した例を対象にOASの有症率を調査した. そしてシラカバ花粉の感作とOASの関係を調べるとともに, イネ科やヨモギ花粉の感作とOASとの関係も調べた. シラカバ感作例843例のうち37% (378例) が問診上OASを有しており, 多くの原因食物 (リンゴ, モモ, サクランボ, キウイ, ナシ, プラム, メロン, イチゴ, カキ, ブドウ, トマト, スイカ, マンゴー, バナナ) に対しシラカバ陰性例より多く, またこの中でブドウとマンゴーとバナナ以外はいずれもシラカバCAPスコアの増加とともに有症率が上昇した. また原因食物の数もシラカバCAPスコアの増加とともに増大した. シラカバ感作例におけるOASの有症率は92年の調査より増加していた. シラカバ感作例において同じシラカバCAPスコアごとで比較すると, イネ科重複感作例はメロンとスイカとモモのOASが多く, ヨモギ重複感作例はメロンのOASが多い場合があった. シラカバ感作例においてロジスティック回帰分析を用い. OASの合併に影響する因子を調べると, シラカバCAPスコア以外には, 性別 (女性に多い) とダニCAP (陽性例に少ない) が有意であり, また原因食物別にはキウイとトマトに対するOASはヨモギ陽性例に有意に多かったが, イネ科に関しては有意差はなかった.
著者
大庭 隼人 宋 中錫 高倉 弘喜 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.465, pp.31-36, 2007-01-11

ネットワーク不正侵入検知システム(IDS)は誤検出が多く、ログが膨大になることが知られている。そのため、管理者の負荷を軽減すべく種々のデータマイニング手法や可視化手法が提案されている。現状ではそのテストデータにはKDDCup'99のデータが広く利用されているが、データが作成時期が古く現在のIDSログデータとは異なる点が多い。本研究では、京都大学に設置されたIDSのログデータを用い、両データの違いを明確化すると共に学習に基づく可視化手法を提案する。
著者
小谷 治子 日野 弘之 武市 知己 白石 泰資 小倉 英郎
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.473-478, 2005-11-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
9
被引用文献数
3

気管切開後に呼吸障害が再出現した重症心身障害者4例で, 原因とその対策を検討した.全例でカニューレ下端が気管狭窄部に接し, 同部に動脈性拍動を伴う肉芽が認められ, 3例で気管軟化症を合併していた.3例でカニューレ下端を病変部より口側固定に変更し (うち気管軟化症を伴う1例にはステントを併用), 経過は良好である.高度の気管軟化症を伴い, ステント留置のみを行った1例は気管腕頭動脈瘻のため死亡した.重症心身障害者の気管切開の合併症予防には, 解剖学的検討による長さや角度が適切なカニューレ選択が重要であり, 高度の気管軟化症がない場合は, 狭窄部や動脈近接部の口側に固定できる短いカニューレが適切であると考えられた.
著者
松倉 規 小阪 真二 國澤 進 澁谷 祐一 岡林 孝弘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.933-937, 2006-11-15 (Released:2008-11-04)
参考文献数
12

著明な好中球減少を伴う急性骨髄性白血病の治療前精査で胸部異常影を認め,手術にて肺非定型抗酸菌症と診断された症例を報告する.症例は55歳,男性.急性骨髄性白血病で血液内科入院中に左上肺野の腫瘤影を指摘された.気管支鏡検査では確定診断は得られなかった.画像上は肺癌や肺結核,肺真菌症などの感染症が疑われた.術前血液検査で白血球数1460/μl,好中球数226/μlと好中球減少が著明であった.白血病治療を早期に開始する必要があり手術を行った.術中針吸引にて肺非定型抗酸菌症と診断され左上区切除術を行った.術後G-CSFは使用せず,抗生物質はパニペネムと硫酸アミカシンの2剤を投与した.術後肺炎や創部感染などの合併症なく良好に経過した.
著者
小林 賢一 山崎 徹 今福 健一 塩川 克久 伊東 圭昌 名倉 英紀 石上 さやか 中山 舞美
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械力学・計測制御講演論文集 (ISSN:13480235)
巻号頁・発行日
vol.2013, pp."509-1"-"509-11", 2013-08-25

Most robot craft construction courses held by regional administrative organs are temporary events, so that it is very difficult to communicate between participants only in the event day. The purpose of our project is to construct the partnership among our small collaborations, such as small collaboration between NPO NPO-RIC and Kanagawa Univ, between Kanagawa Univ. and the after school daycare facility "Okaeri", and between Kanagawa Univ. and Trans Cosmos Ltd., and so on. In this paper, not only the robot craft construction course but also the process of collaboration among our organization with each different output are reported.
著者
阿部倉 貴憲 森下 進悟 山本 毅 杉浦 昇 稲垣 瑞穂
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.82, no.837, pp.15-00615-15-00615, 2016 (Released:2016-05-25)
参考文献数
14

As vehicle engines become lighter, smaller, and more powerful, stress prediction of the main bearings has become an important aspect of strength design measures for the cylinder block. To predict the stress of the engine main bearings under actual working conditions, a flexible multibody dynamics (FMBD) solver was developed with a built-in elastohydrodynamic lubrication solver for the main bearings. The dynamic behavior of the engine system under actual working conditions was then calculated and the results were used to calculate the stress. To reduce the stress calculation cost, rather than inputting the actual working load into a finite element model (FEM) of the whole engine as a boundary condition, the stress was calculated by inputting the dynamic behavior into a small FEM consisting only of the main bearing as a displacement boundary condition. Verification of the test results confirmed that this model is capable of highly precisely predicting the actual working strain of main bearing portions susceptible to fatigue-related fractures. It was confirmed that the developed model could predict the actual working strain if the highest natural frequency of the eigenmode utilized by the FMBD analysis was set to 50kHz or higher.