著者
小倉 孝誠
出版者
東京大学仏語仏文学研究会
雑誌
仏語仏文学研究 (ISSN:09190473)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.171-186, 1991-06-30

菅野昭正先生退官記念特集号
著者
熊倉 伸宏
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.61-67, 1997-09-08
参考文献数
11
被引用文献数
3

ホスピスや在宅ケアにおいて患者は、単に延命に始終する治療を拒否し、いかに死ぬかを自分の意志で選ぶことができるようになってきた。この目的のために「死ぬ権利」が、患者の自己決定権を根拠として導入された。しかし自己決定権の原型は、Mill JSが「自分自身、その身体とこころに対しては個人に主権がある」とした点にある。ここに新たな問題が生じてきた。もし「死ぬ権利」が「死の選択権」を意味するのならば、耐えがたい心理的苦痛から逃れたい者が、論理的に「自殺する権利」を主張できる可能性が生じたからである。そのような考えから「自殺する権利」が主張され、致命的薬物を使用し、あるいは「自殺マシーン」を用いて自殺幇助する医師が登場した。この論文では、「死ぬ権利」を持続的植物状態、末期状態、自殺の3つの臨床類型に分けて比較検討し、その構成概念と正当化論理の異同を論じ、「死ぬ権利」の現在的な定式化を試みた。結論的には、1)医療行為として主張される「自殺する権利」と個人への医療の不可侵性としての「死ぬ自由」を区別する必要性を示し、2)「死ぬ権利」を「死の選択権」としてではなくて、「死が切迫した状況下において疾病過程によって患者の主体消滅が不可避な場合に、死に方を選択する権利」と定式化して論じた。この定式化によって、安楽死と自殺幇助の間に想定すべき明確な差異について論じた。
著者
高倉 耕一
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.221-228, 2008-07-30 (Released:2008-08-08)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In recent years, computer hardware has become more powerful and more popularized. Software for specialized data processing, such as statistical analysis, is also becoming common as a result of the open-source movement. These changes have made some novel statistical techniques more accessible. Typical examples are the randomized test and the Monte Carlo method, which are now used frequently by some skilled researchers. Among average users, however, the use of such techniques is not common. In the present paper, I present these techniques and the R codes necessary to estimate parameter distribution with the Monte Carlo method.
著者
米倉 裕希子 作田 はるみ 尾ノ井 美由紀
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.77-84, 2013-03

これまでの障害児の家族研究は親の障害受容が中心的課題であり,親は子どもの障害にショックを受けながらも,再起に向かうというプロセスを踏むといわれてきた.しかし,受容の定義が曖昧で,科学的な検証がなされないまま一方的に家族に受容を押し付けてきた.このような問題意識にたち,すでに統合失調症患者の家族研究で確立されている家族の感情表出(Expressed Emotion,以下EE)研究に着目し,科学的かつ客観的手法を用いた家族研究を行ってきた.本研究では,幼児と学齢児の子どもの家族のEEおよびQOL の違いについて比較し,発達段階における家族支援のあり方について示唆を得る.【方法】EE評価には,簡便な質問紙であるFamily Attitude Scale(FAS)を,QOL 評価にはSF-36v2 を使用した.【結果】分析対象者は,幼児の家族8名,学齢児の家族32 名だった.幼児および学齢児の家族の2群で,FASおよびSF-36v2 の下位尺度それぞれにおいて,独立したサンプルのt検定をおこなった.FAS では有意な差はなかったが幼児の家族は学齢児の家族より低い傾向がみられた.一方で,QOL は全般的に学齢児のほうが幼児より高く,下位尺度の「全体的健康感」では有意に低かった.【考察】先行研究では,EE と子どもの行動上の問題との関連が示唆されている.幼児期では,子どもの行動特性や行動上の問題があまり表出されておらず,EE が低い傾向にあると思われる.一方で,QOL の全ての項目で学齢児の家族は幼児の家族より高く,「全体的健康感」では明らかに高かった.これは,幼児期より継続的にサービスを利用してきたことが影響していると推察される.以上の結果から,これまで言われていたようなショックから再起へという一方向的なプロセスを踏むのではないことが示唆された.しかし,対象者数が少ないため,一般化は難しく今後追試調査が必要である.
著者
浅倉 稔生
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.1-17, 1988-12-20

エイズ(AIDS:Acqired Immune Deficiency Syndrome)は,いまアメリカ,ヨーロッパで大きな社会問題となっている。はじめは,男性の同性愛者,麻薬使用者,血友病など血液製剤の使用者に限られていたが,最近では,ホモでも,麻薬使用者でもなく,血液製剤を使用したことのない,一般の成人,新生児の間にもエイズ患者が増加してきたからだ。1981年に最初のケースが発見されて以来,患者数は,うなぎのぼりに増え,1988年2月現在,アメリカの患者数は54,723人となり,そのうち30,715人は,すでに死亡している。このほか症状はないが,すでにエイズウイルスに感染している人の数は,アメリカだけで100〜150万人に達するといわれている。抗体陽性者の数は,世界中で1,000万人いるといわれ,このうち何%が,エイズの症状を発現するかについて,これまでの予想では,30〜40%といわれてきたが,最近では,16年間のうちに,100%がエイズ症状を発現するという予測が統計学的計算から出されている。エイズの増加は,単に患者の問題にとどまらず,医療費,生命保険の支払い,学校や職場での受け入れ拒否などの問題にまで発展してきている。ある町で,「あのレストランの料理人はホモだ」という噂がたっただけで,客数が減って倒産し,その影響はそこに融資していた銀行にまで波及している。エイズ患者はなるべく外来で治療することになっているが,それでも一人1,000万円以上の医療費がかかり,医療保険会社の支出が急増している。このため,医療保険や生命保険への加入者に対する血液検査が真剣に講じられるようになった。このような事態は,日本ではまだ起っていないが,外国旅行者が増加し,接客業が大幅に容認されている日本でも,エイズがいつ爆発的に増加するか予断を許さない状態にある。本講演では,エイズ患者の症状,病気の経過,治療の状況を患者の写真とともに,説明するほか,エイズ研究の最新の進歩について解説し,はじめにのべたエイズの社会的影響についてもアメリカの現状を報告する。エイズ患者の増加で,最大の影響を受けるのは,医療保険,生命保険会社であり,そのような事態にそなえて,今のうちにとっておくべき対策についても触れることにする。
著者
川中 翔 西田 京介 倉島 健 星出 高秀 藤村 考
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.35, pp.121-126, 2012-05-10

Twitterを情報源としてユーザ属性を活用したブランド特徴分析手法を提案する.提案法ではツイートから抽出するブランドの特徴語と,自己紹介文から抽出するユーザの属性語の共起から,ブランドの特徴語毎に関係の強い属性語を獲得する.提案法は,特に新しい点として,周囲のユーザから該当する属性語推定手法を含む.Twitterの実データを用いた実験において、属性語推定手法はランキング手法に比べ良い結果を示した.提案法は,限定的な実験ながら,属性語推定を行うことで,特徴語と関係の強い属性語を数多く獲得することを可能にした.
著者
倉本 義夫
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.727-755, 2007-02-20

単独の電子は,質量・電荷・スピンで特徴付けられ,その性質は定量的によくわかっている。しかし,このような電子が多数集まると,非常に豊かで思いがけない性質を示す。固体中に凝縮した電子が示す超伝導,強磁性,分数量子ホール効果などはその例である。単独の電子の固有状態は,自由空間では平面波であるが,多数の電子の固有状態は必ずしも平面波ではない。すなわち斥力相互作用が強いと,平面波状態は不安定になり,多数の電子は自発的に局在する。この状態は,電子の結晶とみなせる。それでは逆に,平面波状態(フェルミ液体状態)は電子間の相互作用があっても生き残れるか,と問うこともできる。実はこの答えは単純ではない。その際,系の次元性が本質的に重要になる。この講義では,量子多体系としての電子系が示す興味ある性質を理解するために,単純な例から出発して重要な基本概念を説明する。特に,近藤効果,朝永・ラッティンジャー流体,モット絶縁体,動的有効場などを直感的に理解できるようにしたい。また,できるだけ最近の実験結果を含む新しい例題を選んで,量子多体系に関する最先端研究の現状がわかるようにしたい。
著者
加藤 隆 神崎 利佳 東倉 洋一 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.167, pp.43-48, 1995-07-21
参考文献数
3

本研究では、顔と声を同時に記憶する際の文脈情報の効果について検討した。まず顔と声を対提示して記憶させ、その後、顔と声それぞれの再認テストを行った。テストには記銘時と同じ刺激が文脈情報として与えられる条件、異なる刺激が文脈情報として与えられる条件、全く文脈情報が与えられない条件の3条件があった。顔、声ともに同一文脈による再認の促進効果は認められなかったが、異なる文脈情報が与えられると再認が抑制された。一方、記銘時に提示されなかった顔はいずれの文脈でも見ていないと正しく反応できたが、声は文脈情報が与えられないと提示されていなくても聞いたと反応する傾向があった。実験の結果を顔と声の記憶における情報統合の観点から考察した。
著者
土屋 誠司 佐竹 純二 近間 正樹 上田博唯 大倉計美 蚊野 浩 安田昌司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.3, pp.95-102, 2006-01-13
被引用文献数
6

我々は,ユーザが視聴するTV番組の履歴を基に,ユーザの好むTV番組を推薦するシステムの開発を行っている.本システムは,EPGから得られる言語情報(番組タイトル,出演者名,番組概要文章)を利用して,ユーザの嗜好を推定し,ユーザが好むと思われるTV番組を推薦する.本研究では,システムをNICTのユビキタスホームにおける実サービスとして実装し,生活実証実験の中でテスト運用した結果に基づいて,その有用性とシステムがユーザの嗜好に与える影響などについて検討を行う.We developed a TV program recommendation system based on user's TV watching history. This system estimates user's interests using data of EPG such as TV program's titles, performer names and summaries of TV program, and then recommends the suitable TV programs for the user's interests. We implemented the system as one of application services in the Ubiquitous Home of NICT. In this study, we show the experimental results on the Ubiquitous Home and discuss problems about the influence of the system upon user's interests and the effectiveness of the system.
著者
石山 洋 佐藤 達策 片桐 一男 板倉 聖宣 中山 茂 吉田 忠 酒井 シヅ 菅原 国香 中村 邦光
出版者
東海大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

南蛮文化導入期から顧みると,直接日本へ渡来した文物や学術よりも訪中したイエズス会士の著書を輸入して学んだ西洋科学技術の影響のほうが日本の文明に与えたものは大きかった。中国語訳された書物は、日本の最高に知的レベルの高い人びとが学びやすかったからである。江戸時代の前期はその消化に費やされた。とくにマテオ・リッチの業績が大きな影響を与えている。第2期として,蘭学興隆期がくる。ここでは,オランダ語の原書を日本人が直接読み,訳した。その訳語には,中国語訳の先例を探し,できるだけ,それを採用する努力がなされた。新訳語を造ることには消極的であった。しかし導入された知識は科学革命以後のもので,イエスズ会士がもたらしたルネサンス時代の訳語だけでは対應できず,止むを得ず新訳語の造語もおこなわれた。その過程を追ってみると,始めは音訳で入れ,次ぎに義訳へ訳し直す傾向が見られる。また直訳を志向しつつ,既存の義訳の蓄積も活用する傾向も指摘されている。別に留意されるべきことは,アヘン戦争後,中国へ進出した英米のミッションの新教宣教師による中国文の西洋知識普及書の存在である。これを利用した清朝知識の著作も含め,わが国へ紹介され,19世紀の西欧科学技術導入に影響を与えた。明治に入って,外来学術用語は多方面に滲透し,乱立した。情報流通の必要上,とくに教育上,訳語の標準化が求められてきた。政府直接ではないが,学協会を通じて,権威側で進められた。1880年代から開始された数学部門の例もあるが,訳語の統一が活発化するのは20世紀以後である。そこには先例となる中国語訳への依存は見られず、むしろ中国人の日本留学者などの手で,日本語訳が中国語訳の中に定着したりしている。各種の事例で例証することができた。
著者
岩倉 具忠
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.1-17, 1997

Secondo Dante, la posizione dell'uomo nella struttura dell'universo corrisponde esatamente a quella del linguaggio umano. L'uomo infatti occupa una posizione intermedia tra gli abitanti del paradiso e gli animali inferiori. Gli angeli e i beati sono le "sustanze separate da materia", sicche'i minori e' grandi / di questa vita miran nello speglio / in che prima che pensi, il pensier pandi' (Par., xv, 61-63), Tale natura deriva dal fatto che nelle intelligenze celesti "l'affetto e il senno" corrispondono perfettamente (Par., xv, 74-76), per cui non hanno bisogno di avere il linguaggio. Per quanto riguarda gli animali inferiori, "dato che sono guidati dal mero istinto naturale, non fu necessario dotare neppure loro di linguaggio : e in effetti tutti gli animali appartenenti alla stessa specie hanno in comune gli stessi atti e passioni, sicche attraverso i propri possono conoscere quelli degli altri" (De v. e., I, ii, 5).Solo agli uomini e invece necessario un qualche segno insieme razionale e sensibile per la mutua comunicazione fra pensieri, perche lo spirito umano, in differenza di quello trasparente degli angeli, e gravato dallo spessore e dall′opacita di un corpo mortale (De v. e., I, iii, 1-2). Dopo la confusio linguarum, gli uomini mutarono le proprie lingue a loro arbitrio. Ogni lingua quindi, come i quattordici dialetti dell′Italia esaminati dal Poeta, e naturale poche si impara dalla madre, ma non e universale come il latino. Come e ben noto, Dante volle creare un volgare illustre, insieme naturale e universale. Ogni lingua e potenzialmente dotata della capacita di esprimere, ma spetta a ogni individuo di trasformare questa potenza in atto. Il cambiamento delle lingue storicamente manifestato e dovuto alla stessa natura dei mortali tanto instabili e corruttibili, pare essere puramente negativo, ma Dante ne rinviene invece un aspetto positivo, sostenendo che se un individuo disponesse del suo libero arbitrio per migliorare la propria lingua, riuscirebbe in fine a portarla a un alto grado di espressivita. Tuttavia, mentre un abuso del libero arbitrio conduce gli uomini alla dannazione, un suo buon uso li porta in Purgatorio. Abbiamo qui di nuovo un'immagine della struttura dell'universo riportata nell'orizzonte del linguaggio. Per Dante, creare una lingua nuova significava infatti espiare il "peccato originale linguistico" dell'uomo. Dante stesso, d'altronde, e riuscito con il suo strenuo sforzo individuale a raggiungere un linguaggio nel contempo naturale e universale, quasi paradisiaco, distaccandosi dal ristretto ambito linguistico e assumendo una prospettiva cosmopolita, grazie alla sua dolorosa esperienza dell'esilio.
著者
鍋倉 淳一 江藤 圭
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.135, no.3, pp.104-108, 2010 (Released:2010-03-14)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

従来のイメージング技術では生きた動物の内部で起きている現象をサブミクロンの解像度でとらえることは困難であった.2光子顕微鏡はこのような生体現象を捉えることができる強力なツールとして注目を集めている.そこで,本稿では2光子顕微鏡の動作原理,特徴と,この顕微鏡を用いたin vivoイメージング応用例について紹介する.2光子顕微鏡の動作原理である2光子励起過程は対物レンズの焦点でのみ起きるため,また,近赤外光を用いるため,低侵襲性で組織深部の構造物を観察することができる.2光子顕微鏡はこのような特殊な励起過程を誘導するために必要なフェムト秒パルスレーザーや外部光路を有している.また,大脳皮質の構造物のin vivoイメージングを行うためには動物に対し,観察窓の形成手術(頭蓋骨を薄く削るthin skull法,または頭蓋骨を取り除くcranial window法)を行う必要がある.それぞれの手術法には長所と短所があるため,目的によって手術法を使い分ける必要がある.観察窓を作成した動物に2光子顕微鏡を適用し,神経細胞やグリア細胞のin vivo形態イメージングや,カルシウムイメージングを用いた機能イメージングなどを紹介する.
著者
小田倉 弘典
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.127-133, 2011 (Released:2011-08-02)
参考文献数
20

心房細動(AF)診療においては,患者の意向や感情を重視した意思決定が重要である.傾聴と支援を主眼とするAF外来が,意思決定において有用であったので報告する.対象は過去6年間の当院初診AF患者212例である.AF外来実施前の103例(非実施群)と後の109例(実施群)を比較した.AF外来は,患者の解釈モデルを聞き取るチェックシートと,ベネフィット,リスクを記載した補助的説明文書を用い,医師と看護師により約60分の予約制で実施した.両群間でAFの種類,年齢,死亡率,脳梗塞,大出血の発症率に有意差はなかった.小出血(非実施群14%,実施群5%),ワルファリン拒否(非実施群11.3%,実施群5.2%),カテーテルアブレーション拒否(非実施群70%,実施群30%)は非実施群が有意に多かった(p<0.05).レートコントロールへの移行(非実施群33%,実施群62%)は実施群で有意に多く,3ヵ月後のAF特異的QOL評価法3は実施群(51±8点)が非実施群(43±8点)より良好であった(p<0.05).患者の不安や疑問に対し傾聴し支援することが,意思決定に有用と考えられる.
著者
門倉 暁 伊藤 啓 宮本 武明 稲垣 博
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.419-425, 1981
被引用文献数
2

種々の可溶化羊毛ケラチンと2価銅イオンとの錯生成反応をゲル濾過法を用いて詳細に検討した. 試料としてシスチン残基にカルボキシメチル, α, β-ジカルボキシエチル, アミノエチル, およびスルホン酸基を導入した4種類の誘導体を調製した. ゲル濾過実験はSephadex G-25ゲルカラムを使用し, 溶出液に0.05M酢酸緩衝液を用い, pH 4.5~6.5の範囲で行った. 結合等温線は系のpHのみならず試料タンパク質間で非常に異なり, 導入された置換基の影響を強く受けることがわかった. 結合等温線から錯体の結合定数およびケラチンタンパク質の結合サイト数の算出はケラチンタンパク質中の結合サイト群を結合定数の大きい強いサイト群と小さい弱いサイト群の2種類に大別して行い, それぞれの結合パラメータを求めた. ケラチンタンパク質に導入されたアミノ基は非常に強いサイト群として作用するのに反し, カルボキシル基は比較的弱いサイト群を形成することがわかった.
著者
新倉俊一著
出版者
慶應義塾大学出版会
巻号頁・発行日
2004