著者
二宮 祐 小島 佐恵子 児島 功和 小山 治 浜島 幸司
出版者
独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構(旧 大学評価・学位授与機構)
雑誌
大学評価・学位研究 (ISSN:18800343)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-25, 2020-03-01 (Released:2020-03-30)
参考文献数
14

本論の目的は,「第三の領域」と呼ばれる分野で働く新しい専門職のキャリアと職務に関する意識に関して,ファカルティ・ディベロッパー,キャリア支援・教育担当者,インスティテューショナル・リサーチ担当者,リサーチ・アドミニストレーション担当者,産官学連携コーディネート担当者を事例として取り上げて,聞き取り調査の結果を分析することによって明らかにすることである。各分野で概ね共通して認識されていることは次の通りである。任期付雇用のために,必ずしも十分には目標を達成することができず,職能形成にも課題がある。また,求められる知識・スキルが多様であること,専門とは異なる仕事を任されること,そもそも仕事の目標さえ曖昧であったりすることゆえに,何が評価の対象とされているのかがわからず,専門職としてのアイデンティティが揺さぶられている。他方,裁量を発揮することは可能であり,やりがいを感じることもある。
著者
二宮 祐 小島 佐恵子 濱嶋 幸司 小山 治 児島 功和
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

「新しい専門職」は大学改革が推進されるなかで、主として米国の高等教育機関における新興専門職が参考とするべきモデルとされたうえで、日本への導入が図られた。ファカルティ・ディベロッパー、キャリア支援・教育担当者、インスティテューショナル・リサーチ担当者、リサーチ・アドミニストレーション担当者、産官学連携コーディネート担当者を対象とした聞き取り調査、質問紙調査の結果から、必ずしも十分には目標を達成することができず、職能形成にも課題があることが判明した。
著者
二宮 祐 小島 佐恵子 児島 功和 小山 治 濱嶋 幸司
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-20, 2017-03

高等教育改革において新しい役割を担う「専門職」の必要が生じている。本論ではそのうち,ファカルティ・ディベロッパー(FDer),キャリア支援担当者,インスティテューショナル・リサーチ(IR)担当者,リサーチ・アドミニストレーション(URA)担当者,産官学連携コーディネート担当者を取り上げる。これらの「専門職」は養成の制度化がいまだに不十分であって,他の隣接分野からの移動という事例も見られる。また,雇用のための予算が改革を推進するための時限付きの補助金であることが多いため,雇用期限が定められていたり,職位・給与が低位であったりするという特徴がある。The current higher education reforms in Japan have created a demand for new types of specialists who have had important roles in most universities since around 2000. This article focuses on Faculty Developers, Career Consultants, Institutional Researchers, University Research Administrators and Technology Licensing Managers among such new types of university-related jobs. Due to the lack of formal education systems to become one of these professionals, most of the candidates do not have enough knowledge and skills, and tend to come from related academic or business areas. When they are hired by universities, funds for their employment often come from government money budgeted for a time-limited and specific educational reform project. As a result, they tend to be hired for only a limited period of time, and/or their position and wage levels are usually lower than more traditional professions in universities.
著者
乾 彰夫 中村 高康 藤田 武志 横井 敏郎 新谷 周平 小林 大祐 本田 由紀 長谷川 裕 佐野 正彦 藤田 武志 横井 敏郎 藤田 英典 長谷川 裕 佐野 正彦 佐藤 一子 本田 由紀 平塚 眞樹 大串 隆吉 関口 昌秀 上間 陽子 芳澤 拓也 木戸口 正宏 杉田 真衣 樋口 明彦 新谷 周平 安宅 仁人 小林 大祐 竹石 聖子 西村 貴之 片山 悠樹 児島 功和 有海 拓巳 相良 武紀
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、変容する若者の学校から仕事への移行実態を把握するため、調査開始時点で20歳の若者の18歳時点から24歳までの間の就学・就労等をめぐる状態変化と、その過程での諸経験・意識等を、同一対象者を継続的に追跡するパネル方式で調査したものである。このような調査では対象者からの毎回の回答率を維持し続けることが最も重要であるが、本研究では中間段階で予定を上回る回答率を達成できていたため、調査期間を5年間に延長する計画変更をおこない、最終年度を待たず次課題繰り上げ申請を行った。調査は次課題期間にわたって継続する予定である。収集されたデータの中間的分析はおこなっているが、本格的分析は今後の課題である。
著者
乾 彰夫 佐野 正彦 堀 健志 芳澤 拓也 安宅 仁人 中村 高康 本田 由紀 横井 敏郎 星野 聖子 片山 悠樹 藤田 武志 南出 吉祥 上間 陽子 木戸口 正宏 樋口 明彦 杉田 真衣 児島 功和 平塚 眞樹 有海 拓巳 三浦 芳恵 Furlong Andy Biggart Andy Imdorf Christian Skrobanek Jan Reissig Birgit
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、代表者らグループが2007~2012年度に実施した「若者の教育とキャリア形成に関する調査」を踏まえ、①そのデータの詳細分析を行い、現代日本の若者の大人への移行をめぐる状況と課題を社会に公表すること、②他の先進諸国の同種データと比較することで日本の若者の移行をめぐる特徴と課題を明らかにすること、の2点を研究課題とした。①に関してはその成果を著書『危機のなかの若者たち』(東京大学出版会、410 頁、2017年11月)として刊行した。②に関しては海外研究協力者の参加の下、イギリス・ドイツ・スイスとの比較検討を行い、2017年3月国際ワークショップ(一般公開)等においてその結果を公表した。
著者
成瀬 尚志 崎山 直樹 児島 功和 笠木 雅史 髙橋 亮介 片山 悠樹 井頭 昌彦
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、ライティング教育においてはこれまでほとんど重視されてこなかったレポート論題の重要性を、インターネットなどからの剽窃を防ぎ、思考を促すという観点から研究した。第一に、剽窃を防ぐ論題の類型を分析し、剽窃を防ぐための具体的な論題案を開発することができた。第二に、アンダーソンらによる改訂版タキソノミー(教育目標の分類学)に対応させた「レポート論題タキソノミー」を開発し、授業設計と論題を関連付ける枠組みを提示した。