著者
内田 昂 磯山 直也 Guillaume Lopez
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.876-879, 2017-06-21

我々は物事に集中して取り組む能力として「集中力」という言葉を用いることがあるが,集中力は様々な要素が含まれることから定量化することができず,無意識下に変化する集中状態を常時把握することも困難である.集中状態を推定する手法として体動情報や生体情報を用いたものが提案されてきたが,双方を同時に用いた集中状態の推定は未だ行われていない.そこで,本研究では従来研究で用いた体動情報に加え,生体情報として脈波を使用した単一デバイスによる集中状態の推定手法を提案する.本手法を用いることで,自身の作業態度を振り返り,作業環境などを省みる機会を与えることができる.勉学中のデータを使用した教師あり学習を行い,学習結果に対し交差検証を行った結果,推定に十分な精度を得ることが出来た.また,集中状態評価を複数人で行うことで85.5%の精度を得ることができ,本手法が有効であることを確認した.
著者
石川 匡子 内田 詩乃 佐藤 春香 伊藤 俊彦 渡辺 隆幸
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.105, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】生活習慣病のため,減塩が推奨されており,おいしさを損なわない減塩には,うま味や風味の付与が有効だと言われている。日本の伝統調味料である魚醤はその両方を有しており,減塩に効果があるのではないかと考えた。しかし魚醤は魚種や製造法により,その特性は多種多様である。本研究では市販魚醤の成分分析,官能評価を行い,減塩に対する魚醤の効果について検討した。 【方法】市販魚醤33種を用い,塩分,アミノ酸,有機酸、グルコース測定を行った。香りをSD法により評価した。有機酸及びアミノ酸組成に特徴的な5種類の魚醤を塩分濃度0.8%に調整し,一対比較法にて官能評価を行った。また,醤油ベースのお吸い物と魚醤を添加したものを2点比較法にて評価し,調理への利用についても検討した。 【結果】各魚醤の製法は,魚介類と塩のみを原料としたもの,これらに麹や酵素を加えたものの2種に大別された。魚介類と塩のみで製造された魚醤の塩分濃度は,25%以上と高かった。一方麹や酵素を添加した魚醤は20%未満と低かった。アミノ酸はいずれの魚醤もAsp,Glu,Gly,Ala,Leu,Lysが多く含まれていたが,麹添加魚醤のGlu量はわずかに少ない傾向がみられた。グルコース濃度は麹添加魚醤で高かった。香りは魚介類と食塩のみで製造したものは,製品毎に独特の香りが感じられたが,麹添加魚醤は麹由来の甘い香りであった。官能評価の結果、GluやAlaが多い魚醤はうま味や甘味が強く,乳酸が多い魚醤は酸味が強く感じられた。一方,乳酸量が多くてもGluやAlaが多い魚醤では酸味が弱く感じられた。うま味や甘味が強い魚醤はお吸い物に添加した場合,好ましく感じられる傾向にあり,魚醤の添加量を工夫することで,減塩調味料として料理への利用が期待できる。
著者
明田 修 天野 貴文 内田 裕丈
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.23-28, 2007-06-30 (Released:2009-05-29)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

In this study, the analysis system of evacuation action at the time of flood was developed using GIS. The system applied the network analysis which considers multiple refugees and shelters simultaneously and searches the shortest paths through the network links from halfway of the links. Moreover, the evacuation action was simulated in detail by linking network analysis and flood analysis. As a result, it was shown that the analysis system is applicable to plan suitable evacuation routes and shelters, and enlighten the residents on the importance of early evacuation.
著者
日下 あかり 内田 由紀 田邊 輝真 世良 俊樹 多田 昌弘 伊関 正彦 竹崎 亨 楠 真二 山野上 敬夫
雑誌
第46回日本集中治療医学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-02-04

【背景】2018年7月の西日本豪雨においては、広島県でも各地で土砂崩れ、河川の氾濫などにより甚大な被害が発生した。土砂災害の被災者で軽微な挫創から破傷風を発症した1症例を経験したので報告する。【臨床経過】70歳台、男性。土砂崩れにより自宅が倒壊し、およそ3時間後に土砂の中から救出され当院へ搬送された。全身の土砂を洗浄後に検索を行ったが、大きな外傷を認めず、両膝の約2cmの挫創を洗浄・縫合し、破傷風トキソイドワクチンを投与して救命センターへ入院とした。感染兆候を認めず一般病棟へ転棟し離床を進めていたが、入院10日目に呂律困難および嚥下困難を自覚、入院11日目からは開口障害が出現した。破傷風と診断し、抗破傷風ヒト免疫グロブリン1500単位を投与、ICUへ入室しペニシリンG300万単位×6回/日投与を開始した。その後も開口障害と嚥下障害は進行し、唾液を嚥下できず吐き出すようになり、入院13日目に開口制限は0.5横指まで増悪、経口摂取を中止し経鼻胃管による経腸栄養に切り替えた。入院16日目頃より開口障害は改善傾向となり、21日目に経口摂取を再開し経鼻胃管を抜去、後遺症なく36日目に自宅退院となった。【結論】軽微な創傷からでも、あるいは明らかな外傷がない場合でも、破傷風を発症する可能性があることは知られている。本症例は比較的軽微な挫創であり、受傷後6時間以内に初療がなされ、破傷風トキソイドワクチンが投与されたにもかかわらず破傷風を発症した。土砂災害による外傷患者に対しては、過去の予防接種により十分な抗毒素抗体価が期待できる場合を除き、外傷の程度や受傷からの時間によらず積極的な破傷風予防・治療が必要と考えられた。
著者
斎藤 勇哉 Peter A. Wijeratne 鎌形 康司 Christina Andica 内田 航 明石 俊昭 和田 昭彦 堀 正明 青木 茂樹
出版者
日本磁気共鳴医学会
雑誌
日本磁気共鳴医学会雑誌 (ISSN:09149457)
巻号頁・発行日
pp.2023-1790, (Released:2023-05-25)
参考文献数
28

Corticobasal syndrome (CBS) and progressive supranuclear palsy (PSP) are sporadic atypical parkinsonian disorders associated with 4-repeat tauopathies. These neurodegenerative conditions closely overlap in their clinical information, pathology, and genetic risk factors ; therefore, it is difficult to accurately diagnose CBS and PSP. Recently, an unsupervised machine-learning technique, called Subtype and Stage Inference (SuStaIn), has been proposed to reveal the data-driven disease phenotypes with distinct temporal progression patterns from widely available cross-sectional data. To clarify the differences in the temporal white matter (WM) degeneration patterns between CBS and PSP, this study applied SuStaIn for fractional anisotropy (FA) in regional WM, which was sensitive to WM degeneration, based on cross-sectional brain diffusion MRI (dMRI) data. We obtained dMRI data from 15 healthy controls, 26 patients with CBS, and 25 patients with PSP. FA was calculated after fitting the diffusion tensor model to the corrected dMRI data for susceptibility and eddy-current induced geometric distortions and inter-volume subject motion. SuStaIn was applied to the cross-sectional regional WM tract FAs to identify both the disease subtypes and their trajectories with distinct WM degeneration patterns. To assess the performance of SuStaIn, the classification accuracy and sensitivity for CBS and PSP were calculated. SuStaIn revealed that the CBS degeneration started from the fornix and stria terminalis (FSTs) and corpus callosum (CC), followed by the posterior corona radiata (PCR), posterior thalamic radiation (PTR), and cerebral peduncle (CP), and subsequently extended to the cingulum. Finally, it reached the superior cerebral peduncle (SCP) and corticospinal tract (CST). In contrast, the PSP degeneration started from the SCP and cingulum, followed by the CST, and subsequently extended to the FST and CC. Eventually, it reached the PCR, PTR, and CP. Accordingly, SuStaIn classified CBS and PSP with 0.863 accuracy (sensitivity : CBS, 0.885 ; PSP, 0.840). The results suggested the utility of SuStaIn for classifying patients with CBS and PSP and identifying temporal WM degeneration patterns in patients with CBS and PSP.
著者
林 潤 吉村 幸浩 内田 徹郎 前川 慶之 貞弘 光章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1531-1537, 2013 (Released:2014-12-27)
参考文献数
11

小児に対する塩酸ランジオロールの使用報告は散見されるが, その有効性や投与量についてはいまだ明確ではない. 今回われわれは, 小児の心臓手術周術期に発生した頻脈性不整脈に対し, 塩酸ランジオロールを使用し良好な結果を得た 3症例を経験した. 各症例の背景や手術内容, また頻脈発作の出現時期やその種類などはいずれも異なっていたが, 血圧低下や徐脈などの有害事象をきたすことなく, 塩酸ランジオロールの持続投与により有効に頻脈性不整脈を抑制した. これまでの小児に対する使用報告からも, 塩酸ランジオロールは成人同様, 小児においても周術期の頻脈性不整脈に有効であることが示唆された.
著者
内田 貴
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1986

博士論文
著者
内田 晴久 吉田 加奈 菅 幹雄
出版者
一般社団法人 水素エネルギー協会
雑誌
水素エネルギーシステム (ISSN:13416995)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.29-34, 1998 (Released:2022-07-21)

As an example of estimating the environmental impact of hydrogen energy system, we calculated the emission of CO2 at hydrogen production and at transportation through gas pipelines. The emission was estimated using environmental I/O table. The CO2 emission depend strongly on the kind of primary energy. For the energy transportation, less emission was obtained in case of long distance transportation using tubes inadequate diameters than electric power transportation for the same amount of energy.
著者
上坂 健一郎 時田 英夫 森 猛 内田 大介 島貫 広志 冨永 知徳 増井 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.121-131, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
19

首都高速道路は50年以上に渡り重交通下で供用されており,鋼I桁橋の横構ガセットプレートまわし溶接部に多くの疲労き裂が発生している.それらのほとんどは止端に留まっており,バーグラインダで切削除去することで補修を行っている.UITはこれまで止端から発生する疲労き裂の予防保全対策として用いられており,施工が容易で高度な技能を必要としない.本研究では,鋼I桁橋の横構ガセットプレートを想定し,止端から発生した疲労き裂に対するUITの補修効果についてモデル試験体の疲労試験を行うことにより検討した.そして,作用する応力範囲が65N/mm2以下であれば,止端に留まるき裂に対して打撃痕の深さが0.23mm以上となるようにUITを施工することで,疲労寿命は溶接ままの継手の2倍以上になるという結果を得た.
著者
内田 丈聖 岡 美里 西原 健 坂谷 洋一郎 長田 隆
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00012, (Released:2023-05-11)

日向夏飲料の微生物学的安全性確保のために,原材料製造工程における日向夏搾汁について,各種細菌芽胞の汚染度を調べた.計11試料において,好気培養では51菌株,嫌気培養では12菌株を分離し,TABについては検出されなかった.また,分離した菌株のうち,Paenibacillus属細菌を最も多く検出し,その他Bacillus属,Paraclostridium属,Clostridium属細菌を得た,これより,これら細菌種が日向夏100%ジュース(pH3.1)中で発育できないため,殺菌指標菌として管理する必要はないことがわかった.今回の実験では検出できなかったTABだが,過去の変敗事例や本菌種の諸性質を考慮すると,殺菌指標菌として検討する必要がある.そのため,今後はTABによる日向夏100%ジュース中での発育試験を行い,発育する場合は,加熱殺菌指標菌として適切な加熱殺菌条件を設定して管理すべきと考える.また,さまざまな野菜汁や果汁を混ぜるミックスジュースでは,pHによってはPaenibacillus属が発育する可能性があるので注意が必要である.
著者
内田 立身 河内 康憲 渡辺 礼香 西原 利男 三宅 隆明
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.123-128, 1996 (Released:2009-04-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1

鉄欠乏性貧血に対する静注療法については,投与鉄量の計算式として,わが国では古くから中尾の式が用いられてきた。中尾の式は,日本人の循環血液量を80 ml/kg, 貯蔵鉄量を17 mg/kgとして計算するが,今回,51Cr法および血清フェリチン値からの検討で,循環血液量65 ml/kg, 貯蔵鉄量500 mgが妥当であると考えられ,これらに基づき鉄投与量を3.4×(16-X)/100×65×体重+500 mg(X: 治療前のヘモグロビン値)あるいは[2.2 (16-X)+10]×体重mgと設定した。現実にこれに基づいて治療を行ったところ,ヘモグロビンの回復も順調で,その後の減少も持続出血のない例では認められないことから,鉄剤の静脈内投与量は,少なめに見積もった上式が適当であると結論した。