著者
森田 光宏 内田 諭 高橋 有加
出版者
The Japan Society of English Language Education
雑誌
全国英語教育学会紀要 (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.129-143, 2019-03-31 (Released:2020-04-01)
参考文献数
35

Morphological knowledge is essential for expanding vocabulary. Considering that textbooks are the main source of English-language exposure for leamers in Japan, it is important to know to what degree these leamers are exposed to affixes and affixed words therein. This study aims to show the number of types of affixes and affixed words contained in Japanese junior high school textbooks. By adding more affixes and allophones than previous studies, the results of this study indicated that both the types and tokens of prefixes and suffixes in the textbooks are limited, thus suggesting that textbooks alone may not be sufficient, and that other materials and/or explicit instructions are needed to improve learners' morphological knowledge. Junior high school English teachers may utilize the information provided by this study to decide which affixes should be used for explicit instruction. Some implications for teaching affixes are discussed.
著者
白井 千香 内田 勝彦 清古 愛弓 藤田 利枝 上谷 かおり 木村 雅芳 武智 浩之 豊田 誠 中里 栄介 永井 仁美 矢野 亮佑 山本 長史
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.292-304, 2022-10-31 (Released:2022-11-18)
参考文献数
7

保健所は2022年 4 月時点で全国に468か所設置されており,「地域保健法(1994年)」に基づき,健康危機管理の拠点となる役割をもち,災害時や感染症対応には主体的に関わることになっている.新型コロナウイス感染症対応が始まってから,自治体はこの 2 年半,第 1 波から第 7 波の現在に至るまで,流行状況およびウイルス変異及び重症度等に応じて,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき様々な感染症対応に模索を繰り返してきた.基本的には全国的に共通する感染症対応業務(相談,検査,発生届受理,入院調整,患者の移送,健康観察,積極的疫学調査,入院勧告や就業制限通知等)を行うが,都道府県単位で,感染症の発生状況や医療資源の違いもあり,具体的な業務内容や方法は全国一律ではなく,現実的には地域の実情により,それぞれの自治体で工夫されてきた.流行状況を振り返ると,第 1 波,第 2 波,第 3 波は全国的に行動制限を要請され,PCR検査の需要と医療体制の供給がミスマッチであった.新型コロナウイルスは変異以前の特徴として呼吸器機能を低下させる病原性を持ち,有効な薬剤やワクチンがまだ普及せず,診療可能な医療機関も不足していた.第 4 はα株で高齢者の施設内感染で医療提供が困難となり,第 5 波は東京オリンピックの後でδ株の変異ウイルスが主となり,首都圏での流行が目立った.第 6 波および第 7 波はο株が中心で感染性が高く,病原性は低いが感染者数の急増かつ膨大なため,保健所の能力を大きく上回る対応が求められた.全国的にどこの自治体でも保健所の負担軽減策について外部委託も含めて対応するようになった. 2 年半の間に厚生労働省からの通知も多く,全国保健所長会は要望や提言などの意見活動も行った.日本は自然災害の多い国であるが故に,健康危機管理として災害や感染症においては,保健所が平時から備えとしての仕組みづくりや危機発生時の対応,被害からの回復という過程において,主体となることが期待されている.新型コロナウイルス感染症対策で得た教訓を生かしパンデミックとなりうる感染症対策を地域単位で行っていくため,住民の命と健康を維持する「保健所」を,医療機関や福祉施設等と有機的に連携し,持続可能な社会の枠組みとして活かしていくことを提言する.
著者
小野 くに子 坂本 薫 郡 俊之 内田 勇人
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.21-30, 2023-01-25 (Released:2023-01-31)
参考文献数
30

In 418 third- through sixth-grade students at Elementary School N in Osaka City (218 boys and 200 girls) and all 567 students at Junior High School S in Osaka City (281 boys and 286 girls), a self-administered questionnaire was conducted to ascertain the consumption status of school lunch in one day in December 2017 (rice, milk, chicken teriyaki, miso soup, and daikon stew), lifestyle habits, mealtime dietary education at home, and early childhood experience with school lunches/daycare meals. With a focus on mealtime dietary education at home, its associations with lifestyle habits and early childhood experience with school lunches/daycare meals were analyzed and investigated.Dietary education, such as various mealtime manners the students received during meals at home, was shown to be associated with exercise habits, breakfast habits, and early childhood experiences with school lunches/daycare meals. Both elementary and junior high school students who possessed proactive exercise habits were indicated to have received various dietary education during meals at home. Giving guidance and providing educational activities on the association between exercise and physical/mental health were suggested to be linked to the awareness of health at home and improvement in eating behavior. In order to cultivate a healthy minds and bodies of the students, and establish desirable lifestyle habits by increasing the interest in dietary education at home, a reform of the dietary environment during early childhood with consideration for the family’s socioeconomic status is important.
著者
萩原 政夫 林 泰儀 中島 詩織 今井 唯 中野 裕史 内田 智之 井上 盛浩 宮脇 正芳 池田 啓浩 小沼 亮介 熱田 雄也 田中 勝 今村 顕史
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.3-8, 2023 (Released:2023-02-11)
参考文献数
19

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株流行期において,当院血液内科外来通院中に感染し,発症した11症例について報告する。化学療法が施行中の5例中4例が中等症-II以上となり,内2例はその後重症化し死亡に至った。一方で未施行の6例では1例のみが中等症-IIに進行するも重症化は免れ,残り5例は軽症から中等症-Iに留まった。モノクローナル抗体治療薬が発症から8日以内に投与された4例は全て生存し,投与がされなかった1例と投与が遅れた1例はSARS-CoV2 IgG抗体価が低値のまま死亡に至った。変異株の中では比較的重症化率の低いとされるオミクロン株の感染においても血液悪性疾患,特に化学療法によって免疫不全状態にある場合の重症化リスクは依然として高く,特異抗体の獲得が不十分あるいは大幅に遅延することがあり得るため,抗ウイルス薬に加えて積極的な抗体療法が予後を改善する可能性がある。
著者
Cabral Horacio 垣見 和宏 内田 智士
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

We will first develop a series of T-cell targeted mRNA-loaded nanocarriers. These nanocarriers will be optimized for stability, targeting and protein production in vitro.Promising formulations will then be tested in vivo. to determine the targeting efficacy to the CD8 T cells, the production of CAR T cell in situ and the antitumor activity against models of leukemia and solid tumors. Finally, we will check the toxicity of the treatments.
著者
辻野 睦 内田 基晴 手塚 尚明 高田 宜武
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.184-195, 2020-05-15 (Released:2020-05-29)
参考文献数
39
被引用文献数
2 2

全国12のアサリ漁場干潟における線虫類の分布と形態的特徴について底質環境およびマクロベントス現存量との関係を調べた。線虫類の生息密度は有機物量が多く粒径が細粒部に偏り,バクテリア生菌数が多く還元的な干潟で高いと言えた。線虫類の体長や体幅は底質の粒度組成および酸化還元電位といった物理化学的な環境と関係していることが示された。線虫類とマクロベントスの湿重量には正の相関関係があり,線虫類の現存量が高いと考えられる底質環境の干潟では,アサリを含むマクロベントス現存量も高くなる傾向が認められた。
著者
安部 厚志 若旅 正弘 石橋 清成 岡本 善敬 内田 武正 山本 哲
出版者
脳機能とリハビリテーション研究会
雑誌
Journal of Rehabilitation Neurosciences (ISSN:24342629)
巻号頁・発行日
pp.222402, (Released:2022-12-28)

This study reports a case of a paraplegic stroke patient who had difficulty walking with an ankle–foot orthosis, but was able to walk independently with a short knee–ankle–foot orthosis (semi-KAFO). A 34-year-old man presented with right hemiplegia due to left putaminal hemorrhage. At 143 days after the stroke onset, he could not obtain sufficient support for the paralyzed leg and required assistance during his walk with an ankle–foot orthosis because the knee joint of the paralyzed side was always flexed due to knee flexor hypertonia. Conversely, he was able to walk with a semi-KAFO under observation. He practiced putting on and taking off the semi-KAFO, standing, sitting, walking, and toileting with a semi-KAFO for three weeks. At 164 days after stroke onset, he was able to walk and toilet independently with a semi-KAFO. This study’s results indicate that a semi-KAFO is useful as a daily living orthosis for hemiplegic stroke patients who have difficulty walking with an ankle–foot orthosis due to increased knee joint flexor muscle tone.
著者
内田 良
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.61_2, 2016 (Released:2017-02-24)

リスク研究において、ゼロリスクは神話である。リスク研究の使命は、ゼロリスクを目指すことではなく、さまざまな活動のリスクを比較検討することから、とくにリスクが高いものについてそのリスクを低減していくことにある。スポーツ事故のなかでこの数年話題となった組(立)体操や柔道もまたそのような視点からリスクが検討されるべきであり、「安全な組(立)体操」「安全な柔道」こそが最終的な目標となる。 組(立)体操についていうと、近年、組み方の巨大化と組み手の低年齢化が進み、立体型ピラミッドの場合、幼稚園で6段、小学校で9段、中学校で10段、高校で11段が記録されている。頂点の高さ、土台の負荷、崩れるプロセス等において多大なリスクが想定される。実際に小学校において組(立)体操は、体育的活動のなかでは跳箱運動、バスケットボールに次いで負傷件数が多く、かつ実施学年((5~)6年生)や地域(実施していない学校や自治体もある)が限られるため、事故の発生率は高いと推定される。なお、低い段数でも事故が多く起きていると考えられることから、高低にかかわらず安全な指導方法を学校に伝えていくことが、私たちの課題である。
著者
ソジエ内田 恵美
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.2_177-2_199, 2018 (Released:2021-12-26)
参考文献数
29

戦後首相による所信表明演説を言説分析した結果, 終戦直後は, 「考えます」 「思います」 などの個人の内的意識を述べる “mental process” (心理過程) の割合が高かったが, 時代が進むと減少し, 次第に 「進めます」 「取り組みます」 と言った, 国民への約束や働きかけなど外的行動を表す “material process” (物質過程) が増加していた。この首相の言説変化を従属変数として, 経済の動向・メディアの発達・無党派層の増加の影響を重回帰分析によって検証した。その結果, ①高度成長期には, 首相演説はメディア普及率に最も強く影響を受け, 次に経済の動向の影響を受けた。②安定成長期も, メディアの普及率に最も強く影響を受け, 次に経済の影響を受けた。③バブル経済崩壊後は, メディア普及率に最も強く影響を受けたが, 同時に, 自民党分裂後に約50%に達した無党派層の急増の影響も受けていた。これらを解釈すると, 歴代首相は, 有権者に対してアカウンタビリティを果たさなければならないという意識が徐々に高まってきたと言える。そして, その首相の意識の変化には戦後一貫してメディアが最も強く影響してきたと, 本稿のデータは示している。
著者
松本 実紗 伊香賀 俊治 山川 義徳 内田 泰史 村上 周三 安藤 真太朗 満倉 靖恵 中島 侑江
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.137-140, 2018 (Released:2019-10-30)

寒冷暴露が脳機能に悪影響を及ぼすと仮定し、高知県梼原町在住の90名について、2016年度及び2017年度の冬季に住宅の温熱環境測定、対象者の血圧及び活動量測定、MRI 装置による脳機能検査、アンケート調査を実施した。多変量解析の結果、個人属性、生活習慣、血圧及び活動量を考慮した上でも、居間の床上1.1mの冬季室温が寒冷な居住者は全脳領域神経線維拡散度の得点が有意に低いことを確認した。
著者
箱崎 悠平 菅又 嘉剛 内田 まゆか 目黒 創也 多賀谷 信美
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.1877-1882, 2020 (Released:2021-03-31)
参考文献数
12

近年では高齢化が進み,胃瘻造設状態患者の急性胆嚢炎に対する治療が増えると推測される.急性胆嚢炎を発症した胃瘻造設状態の患者では,鏡視下手術はポート配置や術野確保の困難性から敬遠される.今回,われわれは胃瘻造設状態患者の急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したので,その治療成績について報告する.症例の平均年齢は78.3歳,男性2例,女性1例で,全例入院あるいは施設入所中であった.1例は無石胆嚢炎,他の2例は胆石胆嚢炎で,後者に対し術前にPTGBDを施行した.全例,胃瘻部位に影響なく,通常の4ポート留置にて腹腔鏡下胆嚢摘出術が完遂された.平均手術時間,術中出血量および術後在院期間はそれぞれ143.3min,33.3mlおよび4.7日であった.術中偶発症および術後合併症は認められず,全例経過良好で以前の状態に回復した.胃瘻造設状態患者の急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術は安全に施行可能と思われた.
著者
清水 由紀 内田 伸子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.314-325, 2001-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16
被引用文献数
5 2

本研究では, 小学校に入学した児童が, 一対多のコミュニケーションにおける言語形態 (二次的ことば) やきまりの習得を含む教室ディスコースへとどのように適応していくのかについて検討した。1年生の4月と7月の朝の会において観察された相互作用を, カテゴリー分析と事例分析により比較した。その結果, 入学直後の教師による発話の指導は, 発話形態によって異なっていた。入学直後, 言い方や発話形式が完全に決まっている発話は, 教師が丁寧に説明や指示を行い, 児童がそれをそのまま繰り返していた。一方, 考えを伝える発話は, 教師が発話形式のモデルを示し, 児童がそれを積極的に取り込むという習得過程が見られた。そして7月になると, きまりに沿いながらも内容豊かで活発な児童主導の活動が行われるようになっていた。また仲間関係調査, 親に対するアンケート, 教師に対するインタビューより, このような適応過程は, 児童を取り巻く教師, 仲間との対人関係の成立と共に, 朝の会への関心の増加や, 教師による児童の状態の適切な認知により支えられていることが示唆された。
著者
海上 耕平 小木曽 智美 平間 崇 大木 里花子 別府 寛子 石渡 亜由美 内田 啓子
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.363-370, 2021 (Released:2022-02-23)
参考文献数
40

In Japan, organ donor shortage is a chronic problem in transplantation; therefore, the proportion of living-related organ transplantations is higher than that of deceased donor transplantations. For the development of living-related organ transplantation, guaranteeing the health of transplantation donors is crucial, and further donor evaluation and treatment after organ donation are required. Therefore, transplant physician intervention would be desired not only for recipient complication treatment but also for donor treatment throughout transplantation.
著者
植阪 友理 内田 奈緒 佐宗 駿 柴 里実 太田 絵梨子 劉 夢思 水野 木綿 坂口 卓也 冨田 真永
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.404-418, 2022-12-30 (Released:2022-12-30)
参考文献数
44
被引用文献数
1

自立的に深く学ぶ力の育成は,新教育課程において強調されている重要な教育目標である。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により,家庭で自ら学習する時間が増加したことから,以前にもましてこの力の重要性か゛高まっている。一方で,学習者はこうした力を十分に身につけていないという実態か゛ある。本研究て゛は,大学関係者と高校教員か゛連携し,新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけて休校中であった公立高校において,公立高校1年生33名を対象に,自学自習を支援する「オンライン学習法講座(全6回)」を実践した。本実践を開発するにあたり,オンラインならではの指導上の工夫を導入するとともに,オンラインを前提としない従来の指導法上の工夫をどのように統合すべきかについても検討した。講座を実施した結果,オンラインて゛の実施ではあったが,生徒に講座の趣旨か゛十分に伝わっている様子が確認されるとともに,高い満足度が得られた。また,一部の生徒ではあるものの複数の講座を統合的に利用する様子や,学校現場の指導法の変化も確認された。