著者
上甲 覚 沼賀 二郎 藤野 雄次郎 増田 寛次郎 平田 蘭子 前田 平生
雑誌
日本眼科學会雜誌 (ISSN:00290203)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.1181-1185, 1995-10-10
参考文献数
20
被引用文献数
5
著者
宮原 栄治 池尻 公二 前川 宗一郎 吉田 康洋 矢加部 茂 朔 元則
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.1984-1988, 1992-07-01
被引用文献数
11

1979年1月から1989年12月までに経験した大腸低分化腺癌25例について臨床病理学的に検討した.低分化腺癌は大腸癌全体(600例)の4.2%であり,高分化腺癌と比較し右側結腸に発症する割合が多い傾向(p<0.05)があったが,右側および左側結腸癌症例において,生存率に有意の差を認めなかった.5年生存率は,低分化腺癌全体で18.6%で,高・中分化腺癌と比較し,有意に不良であった(p<O.O1).低分化腺癌では,大腸癌取扱い規約上,stage IV,V症例が17例と高度進行例が多く,このため予後不良であると考えた.しかし,stage II,IIIの比較的早期の症例で5年生存率を比較してみても,低分化腺癌では22.6%であり,高・中分化腺癌と比較し予後の違いは明白であった(p<0.01).つまり,大腸の低分化型腺癌では単に手術時すでに高度に進行している症例が多いということのみならず,その生物学的悪性度が予後に大きく関与していると考えられた.
著者
小林 良岳 佐藤 友隆 唐野 雅樹 結城 理憲 前川 守
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.605-616, 2001-06-01
被引用文献数
5

連続して使用しているシステムでは, その上で実行中のプログラムに変更を行うことは困難である.しかし, 性能の向上やバグの除去による信頼性の向上を考えたとき, ソフトウェアに対する変更は必要不可欠である.実行中のプログラムの一部を動的に差し替えたり拡張するには, 実行状態及び内部状態を監視する手段が必要であり, 更に, 変更時には新しいモジュールにその状態を反映してやる必要がある.そこで, 我々は状態再現を伴ったソフトウェア部品の変更が可能なOS「彩(Aya)」の実装を行っている.我々の手法では, 状態監視のためにプログラマがソースコードに変更を加える必要はなく, Portalと呼ばれる状況監視のためのコードをコンパイル時に自動生成し, それをOS側で管理する.これにより, プログラム作成時のミスを軽減することができると考えられる.また, 状態の監視は差替え要求時にのみ動的に行うため運用時のオーバヘッドを削減できる.本論文では, Ayaで実現されている動的再構成のための要素について述べる.また, 評価を行いPortal組込みによるオーバヘッドは, 実用に耐え得る範囲であることを示す.
著者
武田 豊彦 鈴木 裕介 稲津 邦平 坂元 照男 前川 秀幸
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.p395-401, 1989-06

Cephalothine sodium (CET-Na) in crystals can be obtained by freezing the aqueous solution and subsequent warming at a fixed temperature for facilitating crystallization prior to vacuum application for drying. The product has, however, been found to unavoidably contain traces of the amorphous CET-Na, which causes a rapid color development during storage. By using thermal analysis, differential scanning calorimetry (DSC), electric conductometry, and polarized light cryomicrographic techniques, the solubilities in water, freezing point, eutectic point, and melting behavior of CET-Na in aqueous solution were investigated. The investigation demonstrated that CET-Na in supersaturated aqueous solution is very stable, and that seeding with microcrystalline CET-Na to the supersaturated solution and subsequent cooling of the mixture till its freezing point gives neither any evidence for crystallization nor for growth of the seed crystals. The freeze-drying of CET-Na in the supersaturated solution after seeding has been demonstrated to give crystalline CET-Na contaning neither of amorphous nor of quasicrystalline form.
著者
稲垣 栄洋 栗山 由佳子 前島 固女 石上 恭平
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.235-238, 2007-08-31
被引用文献数
3 4

撹乱依存型絶滅危惧植物のミズアオイとオオアブノメの大規模な群落の保全を図るために,省力的な撹乱方法として湿地ブルドーザの活用を試みた。湿地ブルドーザの撹乱により,3月撹乱,6月撹乱ともに,ミズアオイとオオアブノメの発生が誘発される傾向が認められた。また,ミズアオイとオオアブノメの出現率は,湿地ブルドーザによる大規模な撹乱作業と,市民による手作業の撹乱作業とで差異が認められなかったことから,湿地ブルドーザの利用は,群落保全の手法として有効であると考えられた。ただし,夏季以降に3月撹乱区ではヒメガマ,6月撹乱区ではイヌビエが優占し,ミズアオイやオオアブノメの出現率は低下したことが問題点として残された。
著者
杉原 俊一 田中 敏明 宮坂 智哉 前田 佑輔 泉 隆 伊福 部達
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

【はじめに】半側空間無視(USN)の空間認知には複数の座標系の関与が考えられ,我々はHMD(Head Mounted Display)による視覚呈示方法を用い,身体を中心に対象物の方向を位置づける身体中心座標と身体以外の対象物,または参照枠を中心に位置づける物体中心座標を人工的に作り,机上検査と動作分析より空間認知の障害として捉えたUSN障害像について検討を進めている.先行研究ではHMDを用いて座標系の違いにおける無視状況の変動を報告した.本研究は異なる座標条件でのより詳細な検討を試みるため,HMDの評価に加え,眼球運動および頭部・体幹運動の同期計測を含めた新しい検査システムを開発した.そこで本システムを用いた症例検討として左USNに対する評価・治療へのHMD応用について報告する.<BR>【症例紹介】被験者は研究内容を理解し同意を得られ,右脳梗塞後遺症により左USNを有する62歳男性である.石合らによる日常生活動作・訓練場面におけるUSN評価では10項目中7全項目で無視症状を認めた.<BR>【方法】机上検査には行動性無視検査(BIT日本語版)の線分抹消試験を用いた.被験者は椅座位を基本測定肢位とし,1)通常の机上検査,2)上方に固定した小型CCDカメラで机上の検査用紙のみを撮影しHMDの眼鏡状液晶ディスプレーに投影する物体中心条件,3)小型CCDカメラ内蔵のHMDで机上の検査用紙を投影する身体中心条件,の3条件で検査を実施した.更に2)・3)に関して,(A)HMDに投影する映像を画面の両端を基準に左右方向に75%および60 %に縮小した条件,(B)映像の左側に点滅する矢印を表示する条件の画像修正で検査を実施した.分析方法は線分抹消試験の中央列4本を除き紙面を左と右に2分割し,抹消した線分の抹消率を求め,各条件について比較検討した.また,検査前には超小型CMOSカメラを搭載した重量85gのヘッドユニットで両眼球運動を撮影し,検査中はデジタルビデオカメラを用い体幹・頭部の運動を同時記録した.<BR>【結果】通常検査と物体中心の抹消率は共に左紙面は0%,右紙面は各々100%で,身体中心は左紙面抹消率89%,右紙面抹消率94%であった.物体中心(A)の右縮小60 %は同様の傾向を示し,更に(B)により左紙面の末梢率が上昇した.身体中心でも(A)に(B)を加えると左紙面の末梢率が上昇した.通常検査時の眼球運動では左側への眼球運動を認めず,物体中心条件の(A)では頭部は縮小方向への回旋位で保持し,身体中心では縮小方向に係わらず左回旋位での保持を認めた.<BR>【考察】HMD使用に加え眼球・頭部・体幹運動分析により,通常検査に比べよりUSN障害度を統合的に評価できるシステムを構築した.また,画面縮小,注意喚起用矢印などを加工してHMDによる視覚情報呈示を行うことにより無視環境を改善させ得る可能性が示唆された.<BR><BR><BR>
著者
天野 俊康 今尾 哲也 竹前 克朗 岩本 晃明 馬場 克幸 山川 克典 中澤 龍斗 吉田 勝美 杉森 裕樹 田中 利明 方波見 卓行 田中 政巳 テストステロン軟膏共同研究グループ
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.25-29, 2007-01

男性更年期障害(LOH)で暫定的指標として定めた値である血中総テストステロン(TT)3.18ng/ml, 遊離型テストステロン(FT)10.0pg/ml未満を示した50名(年齢34~81歳)を対象としたが解析可能は36名であった。調査項目のCut off値を定め, 男性更年期障害の症状スコア(AMS)総得点50点未満の軽/中等症25名と50点以上の重症11名, TT3.18ng/ml以上の高値12名と未満の低値24名, FT7.3pg/ml(YAM値の50%)以上の高値20名と未満の低値16名, FT9.1pg/ml(YAM値の60%)以上の高値7名と低値20名を重症度分類で2分割し比較した。男性ホルモン軟膏使用前後におけるAMS, 国際勃起機能スコア(IIEF5), 健康調査票(SF-36)変化ではAMSの心理ドメイン, SF-36の体の痛み(BP), 社会生活(SF), RE日常的役割においてAMSスコアが高い重症群に, より改善が見られ有意差を認めた。また, TT値の高値群においてSF-36のBPに, より改善が見られたがその他に有意差は認められなかった。
著者
河田 恭郎 Santosa Andrew E. 前川 守
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. PRO, [プログラミング]
巻号頁・発行日
vol.97, no.45, pp.37-42, 1997-05-21

我々が進めてきていたEuniceプロジェクトのEunice97言語を概観する。Eunice97はプロトタイプによるオブジェクト指向言語であり、リレーションをファーストクラス・オブジェクトとして扱えるのが最大の特徴である。通常のオブジェクト指向言語では組み込み機能となっている類型化/個別化リレーションもリレーションの一つであり、それによってメタプログラミング機能が提供される。リレーションは階層的に定義できる。リレーションを利用することで、概念モデリングが容易になり、また、用途に応じたリレーションを用意することで、記述がより正確になる、などの利点が得られ、ソフトウェア開発の上流工程からの支援をめざすEuniceプロジェクトの目的も合致する。
著者
梶本 裕之 川上 直樹 前田 太郎 舘 [ススム]
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.120-128, 2001-01-01
被引用文献数
55

経皮電流刺激により皮膚感覚を提示する触覚ディスプレイを提案する.過去の多くの皮膚感覚ディスプレイでは言語報告によって表される種々の感覚(圧覚, 振動覚, 手触り等)を表現するTop-downの設計法がとられてきたが, それらの感覚は各種感覚受容器の活動を組み合せた結果であるため, こうして設計されたディスプレイはある限られた感覚を提示するにとどまっていた.これに対して我々の方針は, 感覚神経をその種類別に刺激するというものである.種類別刺激が可能であれば, それらを組み合せることであらゆる感覚を生成することができるだろう.これらの刺激を, 視覚との類似性から「触原色」と呼ぶことにする.刺激手段として皮膚表面からの電気刺激を用いる.電気刺激自体の歴史は古いが上記のような原色作成の試みはなく, 多くが単なる特殊感覚のad-hocな生成に終わっている.本論文では受容器選択的刺激のための二つの方法を提案する.一つはアレー状電極を用い, 各電極の重み付け変化で刺激深度を変化させる手法である.もう一つはこれまでの経皮電気刺激が陰極電流を刺激として用いていたのに対し, 陽極電流を使うことで神経軸索の方向に選択的な刺激を行う手法である.
著者
相原 玲二 藤田 貴大 前田 香織 野村 嘉洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3889-3897, 2002-12-15
被引用文献数
36

本論文では,ノードがネットワークを越えて移動しても同一アドレスを使用して通信を開始・継続することができる,インターネット上の新たなアーキテクチャとして,Mobile IP with Address Translation(MAT)を提案する.移動透過性実現のため,MATではノードを識別するIPアドレスを,ノード識別子と位置指示子に区別して扱い,両者をIP Address Mapping Server(IMS)により対応づける.通信相手がMAT対応ノードか否か(アドレス変換の要/不要)の判断およびIMSの探索にはDNSを用いる.MATはIPv4,IPv6いずれにも対応でき,きわめて多数のノードが移動ノードとなる場合にも対応できる.本論文ではMATアーキテクチャについて述べ,プロトタイプ実装および評価などにより,MATは許容できるオーバヘッドで移動透過性を実現可能であることを示す.In this paper,we propose a new architecture providing mobility support in the Internet,called Mobile IP with Address Translation (MAT).Mobility support means that communications to/from a mobile node can be started and continued without changing its IP address whenever the node moves through networks.To realize mobility support,a node supporting MAT has two IP addresses corresponding to a node identifier and a locator of the node.These two addresses are mapped by an IP Address Mapping Server (IMS).We use the Internet DNS to distinguish whether a node is supporting MAT or not,and to search IMSs.MAT can be applied to both IPv4 and IPv6,and has an advantage in the case that there are many mobile nodes.We describe MAT architecture and show mobility support of MAT by implementation of a prototype system and its evaluations.
著者
前田 和利
出版者
駒澤大学
雑誌
駒大経営研究 (ISSN:03899888)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.161-180, 0000
著者
喜田 宏 伊藤 壽啓 梅村 孝司 藤田 正一 前出 吉光 中里 幸和 高田 礼人 岡崎 克則 板倉 智敏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

ウイルスの病原性発現機構を宿主側の要因を詳細に解析することによって究明することを目的とした。そのため、ウイルス感染によって誘発される宿主細胞由来病原性因子の検出を試みた。インフルエンザウイルス感染発育鶏胚の奨尿膜を超音波破砕し、その可溶性画分をニワトリの静脈内に注射した。ニワトリは汎発性血管内凝固により数分以内に斃死した。この致死活性はヘパリンを静脈内に前投与することによって抑制されたことから、本因子は血液凝固に関与する物質と推定された。陰イオン交換体を用いた高速液体クロマトグラフィーおよび塩析法によって病原性細胞因子を濃縮精製する系を確立し、粗精製致死因子をマウスに免疫して、モノクローナル抗体11クローンを作出した。ニワトリの鼻腔内にインフルエンザウイルス強毒株と弱毒株を実験感染させ、経過を追及した。強毒株はウイルス血症を起こしたが、弱毒株はウイルス血症を起こさなかった。すなわち、強毒株を接種したニワトリでは全身臓器の血管内皮細胞でウイルス増殖が起こり、血管炎を招来した。強毒株の標的が血管内皮細胞であることが明らかになった。損傷した血管内皮細胞から血液凝固因子ならびにサイトカインが放出された結果、汎発性血管内血液凝固を起こし、ニワトリを死に至らしめるものと結論した。この成績はインフルエンザウイルス感染鶏胚奨尿膜から抽出した細胞因子がニワトリに血管内凝固を起す事実と一致する。汎発性血管内血液凝固症候群は様々なウイルス感染症で認められる。したがって、この細胞因子はインフルエンザのみならず他のウイルス感染症においても病原性発現に重要な役割を果たすものと考えられる。ウイルス感染症の治療法を確立するため、本致死因子をコードする遺伝子を同定する必要がある。