著者
佐藤 正之 小久保 康昌 葛原 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MUS,[音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.131-137, 2004-11-05

音楽性幻覚の一例を通して、音楽の脳内機構について考察した。患者は75歳、女性、右利き。2002年8月4目夕方、突然、「夕焼け小焼け」が頭の中で鳴り出し、以降、会話中や歌番組を見ている時以外、起床直後から就寝するまで持続.自分で唄を唄うと止まるので別の曲を歌っていたところ、代わ引こその曲が聞こえるようになった.最終的には「夕焼け小焼け」を含めたそれらの曲が、順番に流れてくるようになった.旋律にはすべて歌詞がついており、患者自身か有名歌手の声であった.お囃子が伴奏に付き、曲の進行につれて合いの手の間隔が次第に短くなった.診察上、意識清明、聴力正常。血液・髄液検査正常。聴性脳幹反応・脳波正常。頭部MRI・SPECT正常。本例より以下の二点が示唆された:(1)旋律と伴奏、音色の脳内過程は(少なくとも一部は)異なる、(2)馴染みの旋律の受容と表出は(少なくとも一部は)異なる脳内過程を有する.
著者
西原 茂樹
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.69-84, 2013-09-30 (Released:2016-08-04)
参考文献数
12

本稿の目的は、明治末期から昭和初期にかけての甲子園野球関連言説を読み解き、当時において「甲子園野球」という独特の対象が構築されていく有様を明らかにすることである。 「純真」は1920~30年代の甲子園野球関連言説において頻繁に使用された用語である。これは当初は主催者である新聞社により、選手や関係者が努めて遵守すべき「標語」として位置づけられており、必ずしも甲子園野球のあり方そのものを表現するものではなかった。しかし1920年代半ば以降、様々な論者が最高峰たる東京六大学野球と対比しつつ甲子園野球を言説化していく中で、「純真」は六大学野球とは一味違うこのイベントの魅力を表現し得る用語として捉え直され、その結果、それを核として定型化された一連の「物語」が構築されることとなった。 そこから窺えるのは、存続の危機に晒された明治末期の野球界が生き残りをかけて確立させた「規範」としての「青年らしさ」が、草創期の甲子園大会の運営においても重要な前提となっていたこと、そして昭和初期に商業化の一途を辿る六大学野球への批判が拡大する中で、「青年らしさ」を正しく体現し得る「他者」として甲子園野球を捉える見方が定着し始めたことである。
著者
田中 康裕 鈴木 毅 松原 茂樹 奥 俊信 木多 道宏
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.614, pp.113-120, 2007
被引用文献数
6 16

This article studies the openness of Community-Cafes by means of analysis of the narratives described by 3 masters. In this article, the openness of the place is defined as follows: It is a place where people can enter freely, but also can be and interact with other people if they want. This article clarifies 10 aspects of the openness of Community-Cafe. 3 managers have their own thought about the management, relationship and interaction. But there are many common aspects in their thought. And the relationships that the manager has formed with people enable some aspects of the openness to appear.
著者
井上 慧 松原 茂樹 長尾 確
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-7, 2015-03-13

議事録を閲覧して議論内容を振り返ることは,今後の活動を円滑に行うための有効な手段である.研究室のゼミのような,ある研究テーマについて定期的に議論する種類の会議では,発表者は議事録を閲覧して今後の課題を確認する必要がある.そこで本稿では,今後の課題となる助言や要望 (以下,課題発言) を議事録から自動抽出し,発表者に提示する手法を提案する.提案手法では,発言の属性や言語的特徴などを利用して,発言が課題発言であるか否かを統計的に判定し,課題発言を抽出する.また,抽出結果から課題発言リストを自動生成し,発表者に提示する.発表者は,リスト上の課題発言にタグやメモを付与することにより,課題の進捗状況を管理できる.実験によって,提案する抽出手法の効果を確認した.
著者
外山 勝彦 小川 泰弘 松原 茂樹 角田 篤泰 BENNETT F・GEROGE Jr. 松浦 好治
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

本研究は,計算機による法制執務支援システムの開発を目的とし,特に,膨大な数の法令文書の構造化により,法令改正に伴う法令統合作業の自動化,高度化,迅速化が可能であることを明らかにする.本年度は,法令自動統合システムの実現と検証に関して,次の研究を行った.1.法令文書用DTDの拡充前年度に引き続き,わが国の法令文書の構造化のための文書型定義(DTD)を拡充した.特に,表,改正規定など,法令文書中に出現する複雑な構造を定式化する手法を明らかにした.2.法令文書自動タグ付けツールの拡充前年度までに開発した法令文書自動タグ付けツールを拡充したDTDに対応させるとともに,スクリプト化により使い勝手を向上させた.3.法令自動統合システムの実現と検証法令自動統合システムのプロトタイプを開発した.また,同システムの動作検証のために,法律17本(改め節965,改正箇所4,355)の新規制定時バージョンから一部改正法令に従って自動統合を繰り返し,現行バージョンと比較する実験を実施したところ,原データの誤植に伴うエラー,文字列の置換において,置換箇所の前後の文脈に注意して実行しなければならない場合を除き,良好な結果を得た.4.構造化法令データの蓄積主要法令101本の日本語原文および英訳,および,昭和22〜23年に新規制定された法律約300本について,構造化法令データを作成,蓄積した.なお,前者の構造化には,上述のタグ付けツールを用いた.
著者
松原 茂樹 江川 誠二 加藤 芳秀
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構 一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.125-129, 2007
被引用文献数
2

本論文では、図書館サービスとして論文作成支援環境を提供することを目的に、英文検索システムESCORTを提案する。ESCORTは、研究者が英語論文を作成する場面で参照するに相応しい英文用例を提示することにより、適切な英文作成へと研究者を導くことを目指している。英文検索環境としては、キーワードにより文を検索するシステムが提案されてきた。しかし、単に入力されたキーワードを含む文を検索するだけでは、利用者の要求に合致しない英文が多数提示されるという問題がある。それに対してESCORTでは、英文データベースに格納された英文の構文構造を参照することにより、ユーザによって入力されたキーワード間に構文的関係を見出すことができる英文のみを検索結果として提示する。コンピュータサイエンス分野の英語論文に掲載された約50万文を対象とした英語用例検索が実現され、実運用されている。
著者
早原 茂樹 芦原 評 清水 謙多郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-16, 1996-03-06

分散システムにおいて、複数のプロセスやプロセッサをメンバとして一括して制御、管理するグループ機構は、負荷分散やファイルレプリケーション等のシステムレベルのサービスから、分散データベース、グループウェア等のアプリケーションに至るまで、重要な用途を持つ。本論文では、グループは動的に変化し、グループの生成、消滅、メンバの加入、削除を繰り返すものとする。そのため、各メンバが、所属グループの最新のメンバシップを把握し、そのメンバシップを更新できる操作が必要となる。以下では、大規模広域分散システムへの適用を想定し、(1)大域的なロックやタイムスタンプを用いない、(2)メッセージの送受信順序の不一致に対応する、(3)特定の制御メンバを必要としない(完全分散型)、(4)更新操作は非封鎖型である、ことを特徴としたグループメンバシップ・プロトコルの方式を提案する。
著者
藤原 茂樹
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
芸文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
no.77, pp.86-102, 1999

正月十六日宴・踏歌・新薪奈良時代踏歌の俯瞰内教坊踏歌踏歌・歌儛所・皇后宮踏歌の禁制まとめにかえて井口樹生, 高山鉄男両教授退任記念論文集
著者
藤原 茂樹
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
no.95, pp.22-47, 2008

岩松研吉郎教授高宮利行教授退任記念論文集はじめに宴の役割琴歌・絃歌・催馬楽踏歌と催馬楽と広井女王 : まとめにかえて
著者
後藤 千尋 村川 公央 西原 茂樹 白石 奈緒子 北村 佳久 千堂 年昭
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.33-37, 2016 (Released:2016-06-13)
参考文献数
6

Objective: Pharmacist interventions are effective for appropriate medical management.  The Japanese Society of Hospital Pharmacists has recommended the “pre-avoid report” to foster appropriate pharmacotherapy since 1999.  The “pre-avoid report” format consists of two forms : “serious report” and “preventive report.”  The number of “preventive reports” has comprised about 90% of “pre-avoid reports.”  However, this format of the “preventive report” since 1999 has shown inadequacy due to changes in pharmacists’ ability.  In the present study, we conducted a re-modification of the “preventive report” format using an assay to create the present “preventive report” format.Methods: We retrospectively reviewed the pharmacists’ “preventive report” of the “pre-avoid report” from January 2014 to December 2014 in the Department of Pharmacy, Okayama University Hospital.Results: The present format included 101 cases of “others” in the “preventive report” format.  This “others” section consisted of “non-intervention of pharmacotherapy” (51%), “forget to stop pre-operation drugs” (14.7%), and “inadequate treatment (wrong administration day, unnecessary treatment).  These factors were not identified with the present format of the “preventive report.”Conclusion: In the present study, we suggested that it is necessary to revise the format of the “preventive report” to reflect.
著者
榊原 茂樹 譚 鵬
出版者
日本知的資産経営学会
雑誌
日本知的資産経営学会誌 (ISSN:27586936)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.6, pp.28-40, 2020-12-20 (Released:2023-05-01)

本論文は,国際統合報告フレームワーク(IIRC〈framework〉)が意図するように,統合報告書(IR)の発行が財務数値の株式価値関連性を追加的に高めたかどうかを,2004―2016年に初めて統合報告書を発行した日本企業を対象に検証した。 全サンプル企業を対象とした検証の結果は,非正規分布の株価データを正規分布へと補正する程度に応じて,異なった。すなわち,補正の程度が緩いケースでは,財務数値の価値関連性はIR の発行によって「追加的に」高まったが,さらに正規分布へとヨリ近付けると,財務数値の価値関連性の「追加的」増加は消滅した。 次に,全サンプル企業を製造業と非製造業に2 分割すると,製造業企業においては,正規分布への補正の程度に関わらず,財務数値の価値関連性の「追加的」増加が観察された。他方,非製造業企業については,補正を行うと財務数値の「追加的」価値関連性は消滅した。本論文の貢献は,IR の発行は製造業企業の株式投資家にとってヨリ有用性が高いことを示したことにある。