著者
丸山 伸 小塚 真啓 中村 素典 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.173, pp.31-36, 2006-07-13
被引用文献数
1

複数のアドレスを同時に利用して通信を行うSCTPによる接続に対して、動的にIPアドレスの増減を行うための拡張であるmSCTPは、トランスポート層におけるモビリティ実現技術として知られている。しかしmSCTPは仕様上の制約によりアドレス増減の通知を連続して行うことが出来ないため、ハンドオーバにおいて本来は不必要なはずの長い時間が必要となったり、相互に通信可能なアドレスを取得したにもかかわらず接続を維持できない場合が発生したりする。本研究においては、アドレス増減の通知の再送を複数個まとめて送信できるようにmSCTPを拡張する手法を示し、この変更により複数のアドレスが連続して増減した際においても、通信できるアドレス対が存在する限り実用的な時間内で確実にハンドオーバできるようになることを示す。
著者
小塚 洋司 重松 靖 細井 雅敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11
被引用文献数
3

近年、我が国における癌患者の中で肺癌、乳癌患者数は増加する傾向にある。これらの癌に対し、これまでは主に外科的治療が行なわれてきた。しかし、特に乳癌の場合、癌の進行度によっては乳房温存療法が行なえない場合がある。このため放射線治療との併用としてのハイパーサーミア(温熱療法)の役割は大きく、その中でも無侵襲型で深部加温が可能な治療法が望まれている。また、筆者らはこれまで体内脂肪層を発熱させることなく深部加温を可能にする無侵襲型誘導加熱アプリケータを構成し、検討してきた。その結果、このアプリケータの無侵襲性と加熱特性が胸部癌に対し有効であると判断されるに至った.本報告では、このアプリケータを胸部癌に適用した場合の、アプリケータの配置や磁気遮蔽板の使用による加熱領域の制御法について理論、実験の両面から検討した結果について述べる。
著者
吉田 譲 小塚 アユ子 角田 卓哉 松本 貴澄 関口 敦 石田 徹 新浪 博
出版者
The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine
雑誌
体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.116-119, 2008-06-01
被引用文献数
2

メインローラーポンプと別ローラーポンプで分離送血を施行した場合に、メイン流量と関係なく、人工肺から空気を引き込まず安全に施行するために、メインポンプを短絡し、リザーバから人工肺に連続的に流量が確保できるシャント回路2種類(1.弁入りシャント;6mmφチューブにディスク型一方向弁を組み入れた回路、2.2本掛けシャント:6mmφチューブのシャント回路と、6mmφチューブにダックビル型一方向弁を組み入れた分離送血回路を、同時に2本掛けした回路)を試作し、空気引き込みの可能性について実験的に検討した。メインポンプを停止し、分離送血ポンプ流量を300~700mL/minと変化させたときの空気引き込みの有無を確認したところ、両シャントとも空気引き込みは認めなかった。弁入りシャントではディスク弁の開放運動が容易で吸引負荷が少ないこと、2本掛けシャントでは流入抵抗のあるダックビル弁を回路内抵抗として組み入れたことで適度な陽圧となり空気引き込みが防げた。シャントに適正な一方向弁を組み入れることで空気の引き込みはなく、臨床で使用できる可能性を認めた。
著者
小塚 洋司
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.1096-1102, 2004-11-01
参考文献数
13
被引用文献数
3

-色即是空.空即是色.-629年,秋八月,唐の玄奘三蔵は,長安を発ち仏法を求めて天竺(インド)に赴く.空に飛ぶ鳥なく,地に走獣,水草もなし.熱砂のタクラマカン砂漠を徒行し,氷雪春夏にも解けずといわれる標高七千メートルに迫る天山山脈を踏破して,天竺に至る苦行は想像を絶するものであったという.玄奘三蔵ときに29歳であった.16年の歳月を経て長安に戻った玄奘は,般若心経をインド語の原典から中国語に翻訳する.上記はその一仏説である.さて,磁性電波吸収体の主材料であるフェライトは,加藤与五郎,武井武雨博士によって,我が国で発明された誇るべき電気電子材料である.銅一亜鉛系のソフトフェライトが初めて作製されたのは,昭和5年のことであった.しかし,当時の未発達なエレクトロニクス技術環境下では,その実用化への道のりは,苦難の旅立ちにも似た険しいものがあったと伝えられている.本橋では,ソフトフェライトを中心とする電波吸収体技術について,基礎事項から説き起こし,電波吸収材としてのフェライト,電波吸収特性を支配する透磁率特性などについて述べた後,新しい電波吸収体の考え方として,筆者が提案している材料定数等価変換法について紹介する.とくに,電波吸収原理について,上記仏教哲理を踏まえての解説を試みている.
著者
池田 望 澤田 いずみ 小塚 直樹 山田 惠子 影山 セツ子 乾 公美
出版者
札幌医科大学
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
no.8, pp.59-65, 2005-12
被引用文献数
1

札幌医科大学保健医療学部教務委員会は、平成16年5月に、『大学が今後、組織的に学生にどんな支援ができるのか』を検討するための学生支援ワーキンググループを立ち上げた。検討に際し、学生の実態を知るために学生生活を『学業』、『経済』、『健康』面に分類し、全学生に対してアンケート調査を行い、今後の学生支援の方向性をさぐるための基礎データを得ることができた。その結果、1)専門科目への早期暴露の必要性、2)学業に関わる困難感を相談できる窓口の確保、3)奨学金や授業料減免制度などの受給機会を得やすくするシステムづくり、4)カウンセリング制度などの相談体制の周知徹底を図ること、などの課題が明らかとなった。さらに、アンケート調査から見えてきた学生の問題点について考察した。The committee of Educational Affairs of the School of Health Sciences established a Working Group for student support in May 2004 to determine what the school could do to support students systematically. The lifestyles of students categorized by educational, financial and health problems were investigated by a self-administered questionnaire survey. It was found that there was 1)a need for earlier exposure to advanced courses, 2)the establishment of a section for students to consult about academic problems, 3)the arrangement of a system making it easier to receive a scholarship or reduced tuition, and 4)the making sure the students are aware of counseling and consulting system. Some of the other issues of students are also discussed.
著者
小塚 良孝 建内 高昭
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育
巻号頁・発行日
vol.10, pp.38-40, 2010-03

本稿では、2005年度より本学全一年生を対象に年二回実施されてきたTOEICの結果の分析から、本学における今後の英語教育に関して留意すべき点を指摘する。
著者
井村 誠孝 小塚 淳 南 広一 田畑 慶人 守随 辰也 千原 國宏
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.481-486, 2002
被引用文献数
1

A horseback archery (called Yabusame in Japanese) is the traditional art of Japan that dates from the Heian Era (10th century). Since a horseback archery requires both horse riding skill and archery skill simultaneously, ordinary people cannot experience this excitement during their lifetimes. The authors extract essential elements from a horseback archery and reconstruct them in more simple style utilizing fusion of various sensors and movable L-shape immersive screens. The developed system enables ordinary people to enjoy the excitement of a horseback archery. Moreover, the authors import competition between two players into the traditional style of horseback archery so as to improve quality as entertainment.
著者
小塚 洋司
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.1159-1166, 1997-10-01
参考文献数
33
被引用文献数
23

Demand for ferrite EM-absorbers is going to increase, particularly in the field of EMC (electro-magnetic compatibility) technology. They are used for anechoic chambers, for example, and to prevent TV ghosting,forged echos in ships' rader signals, and EM-wave leakage from various electric devices. The fundamental principle for the construction of a ferrite EM-wave absorber is based on the idea of a "magnetic resistive sheet" backed with a conductive plate. However, various types of ferrite absorber that depart from this principle have been developed recently. For instance, double-layered absorbers, consisting of carbon and ferrite materials, and grid ferrite absorbers are widely used for anechoic chambers. EM-wave absorber consisting of a concrete panel and a ferrite plate, or of a concrete panel containing ferrite particles to prevent TV ghosting, have been developed as materials for building walls. These ferrite materials include, sintered soft ferrite, rubber ferrite, plastic ferrite, and by-product ferrite. This paper first describes the fundamental principle of a ferrite absorber's constraction and reviews trends in research on ferrite EM-wave absorbers. In response to recent broad EMC technology trends in EM-absorbers, simple methods for improving and changing the frequency characteristics of ferrite absorbers are introduced, such as the use of magnetized ferrite, ferrite combined with other materials, and ferrite with small holes.
著者
小塚 誠一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.443, pp.55-60, 2001-11-14

パソコンなどのコピーマシンの普及に加え、P2P通信ネットワークによる音楽ファイルの交換が始まり、音楽など開放環境で利用されるデータ型コンテンツの著作権保護が極めて困難になってきている。従来は、コンテンツの権利者と利用者と仲介事業者の三者の間で利害対立があり、妥協の産物としての著作権保護策はそれら三者を満足させるものではなかった。そこで、本稿では、それら三者の既得権益の維持を前提に、慣れ親しんだコンテンツ利用文化を損なわない著作権保護策として「三方一両得モデル」を提案し、その具体的な実現方法を示すと共にその適用効果について述べた。
著者
小塚 真啓
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では,特にエージェンシー理論の知見に基づき,法人所得課税を正当化する先行研究に着目し,当該先行研究の分析に課税権者を加えることにより,その帰結がどのように異なることになるのかを主として検討したところ,課税権者を含めた利益最大化(あるべき所得課税の実現)という観点からすると,パス・スルー課税に代えて法人所得課税を実施するということにより十分なエージェンシー・コストが削減されることはない,との結果が得られた。
著者
小塚 良孝
出版者
愛知教育大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、古英語期の散文作品における定形動詞と名詞目的語の語順の決定要因をコロケーションに着目して調査、分析した。分析対象とした文献は年代記(Anglo-Saxon Chronicle)や宗教散文(West Saxon Gospelsなど)などである。本調査から、コロケーションが語順に影響を及ぼしたと考えられる場合があることが明らかになり、古英語の語順研究にはコロケーションという観点も重要であることが指摘された。
著者
丸山 伸 小塚真啓 中村 素典 岡部 寿男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.80, pp.31-36, 2006-07-20

複数のアドレスを同時に利用して通信を行うSCTPによる接続に対して、動的にIPアドレスの増減を行うための拡張であるmSCTPは、トランスポート層におけるモビリティ実現技術として知られている。しかしmSCTPは仕様上の制約によりアドレス増減の通知を連続して行うことが出来ないため、ハンドオーバにおいて本来は不必要なはずの長い時間が必要となったり、相互に通信可能なアドレスを取得したにもかかわらず接続を維持できない場合が発生したりする。本研究においては、アドレス増減の通知の再送を複数個まとめて送信できるようにmSCTPを拡張する手法を示し、この変更により複数のアドレスが連続して増減した際においても、通信できるアドレス対が存在する限り実用的な時間内で確実にハンドオーバできるようになることを示す。SCTP is a transport protocol which handles multiple IP addresses for each end, and mSCTP ,which is an extention of SCTP, supports the dynamic modification of IP addresses of SCTP association after it is established. mSCTP is an realization technology of transport layer IP mobility. When the IP addresses changes one by one with a certain interval, the handover of mSCTP is carried out within a practical time. When multiple addresses are deleted and added continuously, there is a case that an unnecessary delay is caused becaused of the feature of mSCTP definition. We show in this research that when the IP addresses are modified continuously, as long as there is an address pair which can communicate exists, an extention of mSCTP to bundle multiple retransmission of packets which carry the information of IP addresses change together enables to handover within a practical time.
著者
小塚 裕介
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は電気抵抗を測定することで、酸化亜鉛における二次元電子の金属状態から絶縁体状態への転移を観測することである。極低温中において酸化亜鉛二次元電子に強磁場を印加することで、電気抵抗が急激に増大し、金属絶縁体転移が観測された。しかしながら、この抵抗増大の前後でキャリア濃度を反映するホール抵抗に異常は見られず、量子ホール絶縁体と呼ばれる、高移動度の低キャリア濃度系に特徴的な状態が実現されていることが明らかとなった