著者
小塚 良孝
出版者
愛知教育大学
雑誌
教養と教育 (ISSN:24335339)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.10-18, 2018-10-31

2011年度から外国語活動が小学校で必修になったことなどを受けて、愛知教育大学では2011年度よりeラーニングを導入した。以来、授業の教材や学生の自主学習教材として活用しつつ、eラーニングのより効果的な利用法を模索しているところである。本論では、2016年度後期から導入しているアルク社のNetAcademy Nextの利用状況に焦点を絞り、利用者へのアンケート調査の結果などを基に、その成果と課題を振り返り、より効果的で適切な利用に向けての方策を検討する。
著者
益崎 裕章 小塚 智沙代 屋比久 浩市
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.665-674, 2012 (Released:2012-11-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

世界に冠たる長寿の島,沖縄が日本屈指の肥満県,糖尿病県に転じ,平均寿命の凋落が続いている(沖縄危機).軽度肥満の段階から糖尿病発症リスクは7倍に上昇することが知られており,過剰な脂肪組織の前には生活習慣の地道な改善努力も虚しいものとなる.人類が誕生してから今日までの歴史を1年に置き換えたカレンダーの中で “飽食の時代” は最近のわずか3分間の出来事である.人類の祖先は繰り返す寒冷と飢餓,旱魃を生き抜くため栄養や塩分が得られるときに蓄えて逃さない仕組みを構築してきた.生命の知恵の結晶ともいえる省エネ・倹約体質が,今日の飽食・高塩分・運動不足・ストレス社会でメタボリックシンドローム急増の基盤となっている.
著者
小塚 陽子 小野 真知子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編 (ISSN:09153098)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.39-46, 1994-03-05

南九州の重要な畑作物である甘しょの用途拡大を図るため,甘しょを調理素材として再評価することが必要である.甘しょの家庭料理あるいは調理済み加工食品としての用途はてんぷらや大学いもなどに極めて限定されていたが,近年新しい特性を持つ系統(低でんぷん,低糖分甘しょ等)が育種され,新食品素材として新しい調理法の開発が可能となってきた.さらに最近の健康食指向が高まりつつあることに伴い,ビタミン・ミネラル等が豊富に含まれている甘しょを手軽な形で摂取できることが望ましいと考える.甘しょには,カロチン系統と呼ばれるβ-カロテンを多く含有しているだいだい他の品種,またアントシアン系統と呼ばれるアントシアン色素を多く含有している紫色の品種,一般的によく知られている黄色品種ほか,数多くの品種が存在している.これらの品種の中から,第一報においては黄色系統の甘しょを鶏肉ソーセージに添加したものについて報告した.今回新たに開発された低でんぷん甘しょは水分音量が多く,ジュースに向く品種と考えられている.これらの品種の完全利用を目的とし,ジュースヘの調理音吐の検討ならびに,より付加価値の高い加工食品の開発を試みた.品種間の評価,官能検査等を行い,多少の知見が得られたので報告をする.
著者
阿部 広和 大須田 祐亮 井上 和広 森 鉄矢 古川 章子 石岡 卓 中島 久三子 小塚 直樹
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Bb1176-Bb1176, 2012

【はじめに、目的】 脳性麻痺児の移動手段は個々により多種多様にも関わらず,移動に関する研究の多くは歩行に焦点を当てたものである.移動時のエネルギー効率に関しても,歩行時のエネルギー効率を算出している報告が多くみられる.しかし,障害の重症度を表すGross Motor Function Classification System(GMFCS)レベル3-4の脳性麻痺児の多くは学校や地域で車いすを用いて移動している.そのため,GMFCSレベル3-4の脳性麻痺児においては,歩行によるエネルギー効率の把握が日常生活における移動方法のエネルギー効率をみているとは必ずしも言えない.本研究の目的は,脳性麻痺児における手動車いす駆動時のエネルギー効率と歩行時のエネルギー効率をGMFCSレベルごとに分け,比較し検討することである.【方法】 対象は,痙直型脳性麻痺児21名(男性11名,女性10名,平均年齢13.5±3.4歳)とした.内訳は,GMFCSレベル2-4の児が各レベルごと7名であった.移動方法は,GMFCSレベル2の児は独歩,レベル3-4の児は手動車いすであった.エネルギー効率の測定は5分間の安静座位後,1辺10mの正方形のコース上を5分間,対象児の最も快適と感じる速度で歩行・手動車いす駆動させた.歩行時・手動車いす駆動時のエネルギー効率は,Total Heart Beat Index(THBI)を用いて求めた.THBI(beats/m)は,5分間総心拍数(beats)/5分間総移動距離(m)で算出した.心拍数の測定には,Polar RS800CX (Polar Electro社,日本)を使用した.統計処理は,GMFCSレベルごとのエネルギー効率を比較するために一元配置分散分析と多重比較検定を行った(有意水準5%).また,群間の差の大きさをみるために効果量(Cohen's d)を算出した.効果量は,0.2≦d<0.5で軽度,0.5≦d<0.8で中等度,0.8≦dで高度と効果量が高くなるほど群間の差が大きいとされている.一元配置分散分析と多重比較検定はSPSS version 19.0,効果量はG Power3.1を用いて算出した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は札幌医科大学倫理委員会の承認を得て,保護者・対象者に説明を行い,同意書を得て行った.【結果】 THBI(beats/m)は,GMFCSレベル2で2.75±0.75,レベル3で1.99±0.21,レベル4で3.0±0.87であった.GMFCSレベルごとのエネルギー効率を比較するために一元配置分散分析を行ったところ,有意な主効果が得られた(F<sub>2,18</sub>=4.254,p=0.031).Games-Howellの方法でpost-hocテストを行ったところ,GMFCS レベル3と4で有意な差が見出された(P=0.049).GMFCSレベル2と3,3と4間の効果量はd=1.37,1.60と大きかったが,レベル2と4間の効果量はd=0.32と小さかった.【考察】 GMFCSレベルが低下するにつれて,歩行時のエネルギー効率は低下するとされている.しかし,GMFCSレベル3の児は車いす駆動で移動することにより,GMFCSレベル2の児における歩行時のエネルギー効率よりも効率よく移動できた.GMFCSレベル2と4間では,効果量が小さいためエネルギー効率にあまり差がないと言える.GMFCSレベル4の児における歩行時のエネルギー効率はレベル1-3の児よりも大きく低下するため,手動車いす駆動で移動することで効率よく移動できることが示唆された.また,有意差はなかったがGMFCSレベル3と4間では,効果量が大きくサンプルサイズを増やせば有意差が生じる可能性がある.つまり,車いす駆動時のエネルギー効率も粗大運動能力により変化する可能性が示唆された.しかし,GMFCSレベル4の児はばらつきが大きいため,手指の操作性を評価するManual Ability Classification System(MACS)などで詳細に評価していく必要があると考える.【理学療法学研究としての意義】 日常生活の移動方法として用いられている手動車いす駆動時のエネルギー効率を把握することで,エネルギー効率の改善を目的とした理学療法介入の一助となると考える.
著者
小塚 良允 田村 博昭 清水 保 長谷川 美知子 田中 熟 日高 敏男 鳥浜 慶熈 杉山 陽一 石井 奏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.684-686, 1975

近年における抗生物質の開発進歩には目覚しいものがあり, 各種感染症に対してあるいは汚染手術の術後感染予防に対して著明な効果を期待できるまでに至つている。しかし, その投与方法に関しては, 未だに慣用的な要素が多く, 今後の研究の余地が残されている。抗生物質の本来の効果を期待するには, 薬剤の濃度と起炎菌の感受性との関係を解明した上での正しい投与法をおこなう必要がある。<BR>産婦人科領域における術後感染症として最も重要なのは, 子宮頸癌-広汎子宮全摘除術における骨盤死腔炎である。私どもは, この種の手術にさいして, 子宮全摘除後の骨盤死腔内に, Sodium cophalothin (商品名, ケプリン, 以下CETと略す) の粉末29を散布し, 術後骨盤死腔炎の予防効果を挙げている。今回, CET2g骨盤死腔内投与後の血中濃度を測定し, 術後の抗生物質の投与方法について検討する機会を得たのでその成績を報告する。
著者
小塚 雄民
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.503-508, 1992

コラージュデルムは水溶性コラーゲン, スクワラン, ゲリチルレチン酸ステアリル, γ-オリザノールを主な構成成分とする全身用保湿クリームである。<BR>乾燥性皮膚疾患患者20名を対象として, 使用試験によりコラージュデルムの有効性・安全性を検討した。その結果, 90.0%の症例に改善がみられ, 対照とした尿素軟膏とほぼ同等の成績を示した。<BR>角層水分含有量測定試験では, コラージュデルムは, 尿素軟膏に比べて, 30分後および2時間後とも有意に高い水分含有量が認められた。<BR>コラージュデルムは乾燥を主訴とした軽度から中等度の乾燥性皮膚疾患に有用であると考えられる。
著者
小塚 晃透 辻内 亨 三留 秀人 福田 敏男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.1654-1659, 1997-10-25
参考文献数
18
被引用文献数
13

超音波の放射圧によるカを利用して, 微粒子を非接触でマニピュレートする手法について, 実験的に検討を行った. 四面形振動子とその焦点位置に設置した反射板間で水中に定在波音場を生成し, 懸濁したアルミナ粒子を投入したところ, 振動子中心軸上に粒子を捕そくすることが可能となった. 更に, 周波数を変化させることで中心軸上を1次元的に移動し, そのときの周波数増分を選択することにより, 整列した粒子群を分離できた.捕そくした粒子は, サブミクロンの分解能で数ミリメートルの距離を移動させることが可能である.
著者
正能 千明 荻野 拓也 我妻 朋美 小塚 和豊 大林 茂 小川 真司 原 行弘
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI2166, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 リズミカルな下肢のペダリング運動が、健常人の上肢筋を制御する脊髄の反射弓と皮質脊髄路の興奮性に影響を及ぼすことは報告されている。しかし脳卒中片麻痺患者における報告及び実際の上肢機能(パフォーマンス)への影響に対する報告は無く、これを明らかにすることは機能訓練を行う上で重要と考えた。今回、脳卒中片麻痺患者に対する自転車エルゴメーター駆動が麻痺側上肢の痙縮及びパフォーマンスに与える影響について、駆動前後での上肢機能と神経生理学的評価により検証した。【方法】 対象は当院リハビリテーション科に入院あるいは通院中である慢性期の脳卒中片麻痺患者5名(男性3名、女性2名、平均年齢:50±21.9歳)。疾患の内訳は脳梗塞1名、脳出血4名で、左片麻痺4名、右片麻痺1名、発症からの期間は平均2619日(273~8408日)、Stroke Impairment Assessment Set-Motor(SIAS-Motor)上肢近位3:1名、4:1名、上肢遠位1b:5名。利き手は右4名、左1名。Modified Ashworth Scale(MAS)は前腕・手関節・手指grade1~2。本研究への除外条件は重度の高次脳機能障害と手関節・指関節の関節可動域制限、運動の支障となる重度な合併症を有するものとした。 上記対象者5名に対し、自動車エルゴメーター駆動前後に上肢の機能評価と神経生理学的評価を行った。 自転車エルゴメーター(コンビ社製エアロバイク75XL)の設定条件として、乗車姿勢は肘関節屈曲位にて両手でハンドルを保持した座位で、座面はペダルが最下位の時膝関節軽度屈曲となる高さとした。負荷は運動時間10分間、運動強度は年齢推定予測最大心拍数(220-年齢)の60%の値と自覚的運動強度(Borg2~3)を指標とし、リズミカルに駆動でき、連合反応を生じない回転速度(50rpm)とした。 評価方法として、上肢機能は(1)麻痺側手関節・手指の自動関節可動域を測定した。測定肢位は端座位とし、テーブル上に20cm台を置き両肘関節を前腕回内位にて接地した。測定方法は、手関節背屈・掌屈をゴニオメーターにて測定し、手指屈曲・伸展可動域は第2・第5指の指腹―手掌間距離にて測定した。(2)SIAS-Motor上肢近位・上肢遠位評価、(3)手関節・指関節MASの評価を行った。 神経生理学的評価は、誘発電位・筋電図検査装置(日本光電社製Neuropackμ)を用い、(1)麻痺側手関節の自動背屈時、長橈側手根伸筋(ECRL)と橈側手根屈筋(FCR)の表面筋電図を記録した。手関節自動背屈5秒間保持を6セット施行し、5秒間中の2秒間を導出してroot mean square(RMS)値を求めた。RMS6セットの平均値よりECRLとFCRのRMS比(主動作筋/拮抗筋比=ECRL/FCR比)を算出した。(2)麻痺側FCRのH波を導出し、さらに最大上刺激で得られたM波の振幅との比(H/M比)を算出した。【説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に従い、対象者に研究目的・内容・方法を事前に口頭で説明し、同意を得た上で実施した。【結果】 上肢機能評価では、自転車エルゴメーター駆動後全ての症例において、手関節掌背屈の自動関節可動域は15~35°増加、指腹-手掌間距離は0.5~2.5cm改善が認められた。SIASとMASでは明らかな変化は認められなかった。神経生理学的評価では、自転車エルゴメーター後ECRL/FCR比は11.11~83.55%の増加が認められた。また5名中FCRのH波を誘発できた3名のH/M比は自転車エルゴメーター後、8.2~27.36%減少を認めた。【考察】 今回の結果から、脳卒中片麻痺患者に対しリズミカルな下肢のペダリング運動は、上肢の自動可動域向上、主動作筋(ECRL)の促通、健常人と同様にFCRのH反射減弱の結果が得られた。 H/M比は脊髄反射弓の興奮性を示し、一般的に痙縮患者において増加すると言われている。リズミカルな下肢のペダリング運動は麻痺側上肢脊髄前角細胞の活動を抑制し、痙縮を減弱する作用があると考えられる。また主動作筋/拮抗筋比の増大より相反抑制が増強し、動作効率の改善により上肢の随意運動が向上したと推定できる。また、上肢と下肢の機能的連関が示唆されたが、メカニズムは不明瞭な点が多く、今後その解明が課題であるとともに、更に症例数を増やし検証していきたい。【理学療法学研究としての意義】 本研究より、慢性期の脳卒中患者に対する運動療法として、自転車エルゴメーター駆動は、麻痺側上肢の痙縮を即時的に抑制し、相反抑制を増強する効果がある事が示された。また自転車エルゴメーター駆動後、更に上肢の随意性促通訓練、巧緻性訓練等を連続して行う事は相乗効果を生み、訓練効果が期待できる可能性があると思われる。
著者
萬井 太規 宮城島 沙織 小塚 直樹 種田 健二 井上 貴博 佐藤 優衣 武田 賢太 浅賀 忠義
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.560-567, 2020 (Released:2020-12-18)
参考文献数
41

【目的】本研究の目的は,5 つの運動機能領域の側面から,3 ~10 歳の児の歩行能力の特徴を明らかにすることであった。【方法】3 ~10 歳の定型発達児76 名と14 名の若年成人を対象とし,小児群は2 歳毎に4 群に割りあてた。対象者は,6 m の直線歩行路を快適な速度で歩くように指示された。三次元動作解析システムにて,歩幅,歩隔,ステップ速度,ステップ時間,支持脚時間,および遊脚時間を算出した。変動係数とSymmetry Index も算出した。これら歩行変数を5 つの機能領域に分類した(歩調,時間因子,左右対称性,変動性,および安定性)。各変数を年代間で比較した。【結果】歩調,時間,および左右対称性は,7 歳から成人と有意差を認めなかった。一方,変動性と安定性は,全小児群と成人群に有意差を認めた。【結論】成人の値と同等の値に到達する年齢は変数により異なり,特に歩行の変動性や安定性の領域は発達が遅い。

1 0 0 0 OA 愛知県年表

著者
小塚信次郎 編
出版者
小塚信次郎
巻号頁・発行日
1926
著者
小塚 晃 北川 慎介 南條 暢聡 辻本 良
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.81-86, 2020 (Released:2020-09-12)
参考文献数
20

富山湾では400年以上も前から定置漁業が盛んであり,暖水性の回遊魚を中心に漁獲してきた.主要漁獲物であるブリ, スルメイカおよびホタルイカについて,漁獲変動と海洋環境との関係を調べた.ブリでは,日本周辺海域の海水温の上昇 に伴い分布域がオホーツク海まで拡大し,2000年代後半以降に北海道の漁獲量が急増した.また,南下期である冬季の富 山湾への来遊状況は,12月に山形県沖が暖かく能登半島北西沖が冷たい水塊配置のときに好漁となる傾向が認められた. 富山県沿岸で1月~3月に漁獲されるスルメイカは,日本海北部海域の1月期における水温が低い年に南下経路が沿岸よ りとなり,漁獲量が多くなる傾向があった.日本海北部海域の水温上昇は,冬季の富山湾へのスルメイカの来遊量を減少 させる要因となると考えられる.ホタルイカでは,2008年まで,日本海における主産卵場である山陰沖の5月の水温が高 いと,翌年の富山湾漁獲量が多くなる傾向が認められた.しかし,2009年以降,山陰沖水温環境指標と富山湾漁獲量との 間の関係性が悪くなり,その要因の解明が必要となっている.これらの種は,東シナ海や日本海を産卵場とし,日本海を 広く回遊する.対馬暖流の勢力は,加入量や仔稚魚の分散にも関与し,富山湾への来遊は,日本海の水温や水塊配置に大 きく依存している.地球温暖化やレジームシフトによる海洋環境の変化により,日本海や東シナ海において産卵場や回遊 状況が変化し,長期的に富山湾の漁況が変化していくことが懸念される.
著者
成富 真理 畠 榮 福屋 美奈子 鐵原 拓雄 鹿股 直樹 小塚 祐司 森谷 卓也 定平 吉都
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.32-35, 2013 (Released:2013-03-13)
参考文献数
9

背景 : 腎原発悪性リンパ腫はまれである. 腎原発 MALT リンパ腫の 1 例を経験したので報告する.症例 : 59 歳, 女性. 4 年前, シェーグレン症候群と診断された. 健診の超音波検査で右腎に 24 mm 大の low echo 域を認め, CT, MRI で右腎に多発性の腫瘤がみられた. 徐々に腫瘤像の増大を認めたため, CT ガイド下針生検および捺印細胞診を施行した. 捺印細胞診では, 上皮細胞, 多数のリンパ球, 形質細胞, 赤血球を認めた. リンパ球は小∼中型で, 核は類円形∼楕円形, 核クロマチンは顆粒状, 小型で好酸性の核小体が 1 個みられた. リンパ球に異型はみられず, 腫瘍性よりも反応性によるものと考えた. 針生検標本では, 全体に小リンパ球・形質細胞浸潤が強く, リンパ球の尿細管上皮内侵入と思われる像も散見された. 個々の細胞異型は軽微であった. 免疫組織化学では B 細胞性マーカー陽性細胞がより多く認められた. PCR 法で, IgH 遺伝子再構成を認めた.結論 : 細胞診ではリンパ球の異型が弱く, 診断に苦慮した. 臨床所見や画像所見なども参考にし, 慎重に診断を行う必要があると考えられた.
著者
益崎 裕章 高山 千利 島袋 充生 松下 正之 小塚 智沙代
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

慢性的な高脂肪餌の摂取が食欲中枢の視床下部において小胞体ストレスを亢進させることにより、高脂肪餌への嗜好性をさらに高める悪循環の分子機構をマウス病態モデルで明らかにした。玄米含有餌を与えたマウスの解析から、玄米に特異的かつ高濃度に含有される生理活性物質、γオリザノールが経口摂取後、脳に移行し、小胞体ストレスを軽減する分子シャペロンとして機能することが明らかとなった。γオリザノールは高脂肪食によって糖尿病を来したマウスの膵島(インスリン分泌細胞)における小胞体ストレスの亢進を緩和し、β細胞の保護と機能回復に貢献することも明らかとなり、天然食品由来成分を活用する新たな医学応用の基盤が確立出来た。