著者
山本 裕二 木島 章文 福原 洸 横山 慶子 小林 亮 加納 剛史 石黒 章夫 奥村 基生 島 弘幸
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では,スポーツにおける対人運動技能の制御・学習則を解明する.対人運動技能とは,眼前の他者と連携や駆け引きを行う技能と,連携や駆け引きを通して互いに成長し続ける技能の両方を指す.これは様々なスポーツに共通の重要な技能であると考えられるが,従来は個の運動技能のみが扱われており,対人運動技能の制御・学習則は未知である.そこで本研究では,二者が連携や駆け引き,二者が連携して他の二者と駆け引きする対人運動技能の制御・学習過程の調査・行動実験からそこに潜む規則性を見つけ,数理モデルを構築して制御・学習の本質を理解し,ロボットに実装してその妥当性を検証する.
著者
上田 博唯 小林 亮博 佐竹 純二 近間 正樹 佐藤 淳 木戸出正継
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.87-97, 2006-01-15
被引用文献数
10

ユビキタス環境における対話型ロボットインタフェースの対話戦略を提案する.近い将来,ユビキタス環境は多種多様なホームサービスをユーザに提供すると期待されている.しかし,サービスの複雑化・多機能化にともない,用意されたすべてのサービスをユーザが把握することは困難となる.そこで,この課題を解決するために,ユーザの状況理解を補助し,サービス実行のきっかけとなるユーザ発話を誘導することができる,連想しりとり型対話戦略を提案する.この対話戦略は,ユーザが何気なく発話したキーワードをもとに関連する知識をしりとり的にユーザに提供することで,サービスのきっかけとなる発話をユーザから誘導する.ロボットは木構造で表現された知識を持ち,関連のあるキーワードを連想する.音声対話システムを試作し,対話のみを行う評価実験と実際にユビキタス型住宅での生活実験の中での評価実験を行った結果,連想しりとり型対話戦略の正当性を確認することができた.This paper presents a new dialog-strategy for an interactive robot interface in home network (so-called ubiquitous environment). In this environment the users can receive more intelligent services provided by many networked appliances. However it becomes more difficult for users to understand the whole services. In this paper we propose the associative shiritori dialog strategy. An interactive robot continuously tries to obtain a keyword that triggers the service through the shiritori like word game the conversation with the user. In this dialog-strategy, the interactive robot has the tree-structured knowledge that consists of keywords that are associated with the real world and services. Using this tree-structured knowledge, the robot chooses a matched keyword in the user's previous talked sentence. Then the robot construct the next utterance by using the tree-structured knowledge. By this mechanism, the robot can obtain the user's needs while the user feels that he/she has a natural conversation with the robot. We developed an interactive robot dialog system to evaluate our proposed strategy. Through the experiment, the robot showed its ability to obtain proper key words that trigger the meaningful services.
著者
手老 篤史 中垣 俊之 小林 亮
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, 2007

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。研究会報告
著者
高安 浩平 村井 妙 安野 恭平 小林 亮介 池田 智武 上家 潤一 代田 欣二
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.105-111, 2016 (Released:2016-07-09)
参考文献数
19
被引用文献数
1

8歳,未去勢雄の右側大腿部皮膚に発生した小腫瘤を骨外性粘液性軟骨肉腫と診断した。組織学的に腫瘍は小葉構造を示し,血管に乏しく粘液性基質に富んでおり,腫瘍細胞は多形性で特徴的細胞索を形成していた。免疫染色で腫瘍細胞はvimentin,S-100a,neuron-specific enolaseおよび synaptophysin に陽性を示した。切除手術6ヵ月後には再発や転移を認めなかったが,15ヵ月後には右大腿部から腹部に亘る大きな再発腫瘍と多発性肺腫瘍を認め,剖検により,これらの腫瘍が原発腫瘍と同様であり,軟骨や骨を侵襲していない事が確認された。
著者
上田 哲男 中垣 俊之 中垣 俊之 高木 清二 西浦 廉政 小林 亮 上田 哲男 高橋 健吾
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

巨大なアメーバ様細胞である真正粘菌変形体の特徴を活用し、細胞に秘められたる計算の能力を引き出す実験を行うと共に、その計算アルゴリズムを細胞内非線形化学ダイナミクスに基づいた数理モデルを構築し、解析・シミュレーションした。(1)粘菌による最短経路探索問題(スタイナー問題、迷路問題)の解法:粘菌を迷路内に一面に這わせ、2点(出入り口)に餌を置く。粘菌は餌に集まりながら迷路内に管を形成するが、迷路内の最短コースを管でつなぐ(迷路問題を解いた)。粘菌を限られた領域内で一様に広がらせて、何箇所かに餌を置き、領域内部での管パターンの形成を見る。2点の場合、最短コースで結ぶ管が、3点の場合、中央で分岐したパターンが、4点の場合、2箇所で3つに分岐するパターンというスタイナーのミニマム・ツリーが形成された。(2)粘菌における最適ネットワーク(最短性、断線補償性、連絡効率)設計問題:粘菌の一部を忌避刺激である光で照射し管形成をみた。粘菌は危険領域を短くし、丁度光が屈折(フェルマーの定理)するように、管を作った。このように管パターン形成には環境情報をも組み入れられている。複数個に餌を置くと、最短性のみならず、一箇所で断線しても全体としてつながって一体性を維持する(断線補償性)という複数の要請下で管形成をすることがわかった。(3)管構造の数学的表現と粘菌の移動の数学的表現:振動する化学反応を振動子とし、これらが結合して集団運動する数理モデルを構築した。全体の原形質が保存されるという条件、粘菌の粘弾性が場所により異なるという条件を入れることで、粘菌の現実に合うような運動を再現することができた。(4)アルゴリズム:管は、流れが激しいとよりよく形成され、逆に流れが弱いと管は小さくなっていく。この管形成の順応性を要素ダイナミクスとして取り入れ、グローバルな管ネットワーク形成の数理モデルを構築した。迷路問題、スタイナー問題、フェルマー問題等実験結果のダイナミクスまでもシミュレートできた。
著者
神保洋介 岡本秀輔 小林亮太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.361-363, 2011-03-02

近年、ソーシャルネットワーキングサービス (SNS) の中でも、Twitter は特に注目を集めている。我々は、Twitter のリアルタイム性の高さに着目し、Twitter に投稿されたメッセージの中から、文化祭を楽しむ上で有効な情報のみを抽出し、ユーザに提供するサーバを構築した。2010年度秋に行われた文化祭においてつぶやきを抽出して、出店、イベント内容で分類し、人気の単語と統計情報などを提供した。本発表ではこの結果を受けて、リアルタイム情報の収集と文化祭に有効な情報の提供において Twitter を使用することの有効性を考察する。
著者
本多 樹 小林 亮太 中尾 敬
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PM-027, 2021 (Released:2022-03-30)

身体内の生理状態に対する感覚のことを内受容感覚という。自身の内受容感覚にどの程度気づくことができると思うか(内受容感覚の気づき)や,正確に検出することができるか(内受容感覚の鋭敏さ)には個人差があることが知られており,この2つの個人差には関連がないことが報告されている。発表者らは内受容感覚の気づきを測定する尺度として日本語版BPQ-BA超短縮版を作成したが,内受容感覚の鋭敏さとの関連は未検討である。内受容感覚の気づきや鋭敏さには文化差があることが示されているため,本邦におけるこれら2つの指標間の関連は,海外における報告とは異なる可能性がある。そこで,日本人の大学生62名を対象に検討を行った。参加者は日本語版BPQ-BA超短縮版への回答と,内受容感覚の鋭敏さを測定する2つの課題(心拍カウント課題,心拍弁別課題)を実施した。その結果,心拍弁別課題の成績との関連においては弱い正の関連がある傾向が認められたものの(心拍カウント課題 rho=-0.07 p=.61;心拍弁別課題 rho=0.22, p<.10),内受容感覚の2つの指標間には関連がないという海外の報告と概ね一致した結果が認められた。
著者
小林 亮介 Ryosuke Kobayashi
出版者
学習院大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究 = Journal of Asian cultures (ISSN:13449850)
巻号頁・発行日
no.13, pp.21-52, 2011-03-31

After the collapse of the Qing Empire in 1912, the Republican China asserted its authority over the whole of Tibet. The Dalai Lama government, in turn, also claimed independence and planned to unify Tibetan borderlands overlapping Chinese provinces. Therefore, Eastern Tibet, located between Tibet and China, inevitably became a central issue of this border dispute. Previously, many scholars have examined this dispute from the perspective of the historical process of the binary relationship between China and Tibet and from that of the history of the Chinese frontier policy. However, they have rarely focused on the indigenous Tibetan leaders who actually ruled Eastern Tibet. My paper examines the development of tripartite relationship between Qing Empire, Dalai lama government and indigenous leaders in Eastern Tibet, by clarifying the Kingdom of Derge(sDe dge), De ge Tusi(徳格土司), was committed to the Dalai Lama government and the Qing Empire during the late nineteenth and early twentieth centuries. To do this, I based on primary materials in English, Chinese and Tibetan。 This historical process of the Derge Kingdom shows us part of the radical change of Eastern Tibet from the intermediate region between China and Tibet to the front line that both governments planed to unify.
著者
小林 亮
雑誌
玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
巻号頁・発行日
no.18, pp.19-32, 2019-03-31

地球市民教育(GCED: Global Citizenship Education)は,国連の専門機関ユネスコがESDとともに主幹教育プログラムとして位置づけている重要課題である。本論文は,認知面,社会情動面,行動面で地球市民性に求められる能力を分析しながら,地球市民教育が多元的アイデンティティの育成を通じて,視点取得と対話のスキルに基づく国際的な葛藤解決能力の開発に向けた効果的なアプローチであることを論証することを目的としている。日本人としての国民アイデンティティと地球市民アイデンティティが矛盾なく共存しうるだけでなく,グローバル人材として必要な複眼的思考の獲得のために自己の多元性が有効であることが議論された。
著者
小林 亮介 臼井 玲子 代田 欣二
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.199, 2008 (Released:2008-12-27)
参考文献数
2
被引用文献数
2 1
著者
小林 亮介 山本 宏 貝沼 修 趙 明浩 鍋谷 圭宏 伊丹 真紀子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.743-748, 2015

症例は33歳,男性.労作時のめまい・動悸を自覚し,近医受診しHb 7.3g/dlと貧血を指摘された.十二指腸水平部に2型腫瘍を認め,十二指腸癌の診断で,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織診断では,小円形細胞の増殖を認め,免疫染色では,MIC2,NSE陽性で,筋原性マーカーや上皮性マーカーは陰性であった.さらに,Ewing肉腫と同じ染色体転座も認め,末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍peripheral primitive neuroectodermal tumor(pPNET)と診断した.術後は化学療法を行い,現在術後4年無再発生存中である.pPNETは四肢や胸壁などに発生する軟部腫瘍で,近年,Ewing肉腫と共通した染色体転座を有することが判明し,Ewing肉腫ファミリー腫瘍と総称される.腸管原発の発生は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
原田紗希 西田承平 小林亮 鈴木昭夫 伊藤善規
出版者
医薬ジャーナル社
巻号頁・発行日
pp.687-692, 2017-02-01

医療過誤の減少に向けてさまざまな取り組みが行われており,薬剤師はその職能を生かして医療安全に貢献することがさらに強く求められている。薬剤に関連する過誤(メディケーションエラー)は最も典型的な医療過誤であり,指示伝達ミス等のコミュニケーションエラーは過誤の主な発生原因の一つである。実際に岐阜大学医学部附属病院において発生したメディケーションエラーを解析したところ,インスリンスライディングスケール(SSI)に関連する過誤の多くに,指示伝達ミス等のコミュニケーションエラーが関与していた。そこでSSIに関連する過誤の減少を目指して,薬剤部,糖尿病代謝内科および医療安全管理室が協働で院内統一の指示記載様式(テンプレート)を作成した。本報告ではSSIの院内統一テンプレート導入までの経緯と導入後の効果について紹介する。
著者
小林 亮 中垣 俊之 三浦 岳
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

真正粘菌が鉄道網のような輸送ネットワークと等価なネットワークを形成する能力があることを実験的に示し、その数理モデルを構築することによって、ネットワークの新しい設計手法を提案した。また、卵割初期における空間的配位の決定や、肺や血管網の分岐構造の形成において、情報がどのような機序で働いているかを記述するモデルを提案した。これらの研究を通して、生物の構造形成と情報を結ぶしくみを記述する数理的手法を開発した。