著者
手塚 正教 小野 伴忠 伊東 哲雄
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.556-561, 1995-08-15
被引用文献数
2 12

ダイズの主要なタンパク質である7S及び11Sグロブリンの組成比の異なる6種類のダイズを用いて豆乳を調製し,粒子組成,フィチン含量,カルシウム及びマグネシウムに対するタンパク質の溶解度などについて測定し豆乳の凝固との関連を検討した.<BR>(1) 6種類の豆乳いずれも,加熱処理によりタンパク質よりなる大粒子が減少し,中粒子が増加した.しかし,7SグロブリンリッチのGILMでは中粒子の増加が少なかった.<BR>(2) 11Sリッチの刈系434は塩化カルシウム濃度6-8mMでタンパク質溶解度が減少し,ミヤギシロメも同様であった.IOMは6-10mMで,刈系423とナンブシロメ+オクシロメは8-10mMで,7SリッチのGILMでは10-12mMで減少した.<BR>(3) 各豆乳の塩化カルシウムによるタンパク質溶解度減少時のpHは,7SリッチのGILMではpH 5.9,他の5種類の豆乳ではpH 6.1付近であった.<BR>(4) 各豆乳に塩化マグネシウムを加えた場合,タンパク質溶解度の減少開始のモル濃度は塩化カルシウムとほぼ同様であったが,その減少割合はゆるやかであった.<BR>(5) 各豆乳のタンパク質溶解度が減少するpHは塩化カルシウムよりも塩化マグネシウムの方が約0.1 pH高かった.<BR>(6) 豆乳のフィチン含量が多いほど塩化カルシウムを加えたときのpH低下は大きいことが示された.
著者
小野 雄三
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.588-591, 1992-06-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ホログラフィック光学素子は一つの光学素子技術として確立し,回折型光学素子と総称されるようになってきている.リソグラフィー技術を用いたディジタルブレーズ化技術,フォトポリマーを中心とする複製用材料技術,屈折光学系の色収差補正やリソグラフィーへの新応用提案,光ディスクヘッドへの実用化など,最近のホログラフィック光学素子技術の進展を展望する.
著者
小野田 亮介
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.367-378, 2014

社会的領域理論では,思考の基盤となる概念を「道徳」,「慣習」,「個人」の3領域に区別する。そして,実際の問題に対して人は3領域のいずれか,あるいは複数領域に基づく「領域調整」によって判断や行為を行うと考える。そこで本研究では,説得を目的とした意見文産出において,児童が説得対象者に合わせていかに領域調整を行うかについて検討した。まず,予備実験を実施し,本実験で用いる校則に関する意見文課題の適性を評価し,分析枠組みとなる理由づけカテゴリを作成した。本実験では,小学校4年生の1学級30名を対象に意見文課題を実施した。説得対象者として,校則に関する知識量の多い「親友」と,知識量の少ない「転入生」を設定し,(1)説得対象者に合わせた児童の領域調整の特徴,(2)領域調整に対する児童の困難感,の2点について検討した。その結果,転入生に対しては慣習領域の理由が多く産出され,親友に対しては個人領域の理由が多く産出されていた。また,説得に困難さを感じる児童ほど,領域調整によって質の異なる理由産出を行う傾向が認められた。以上より,児童は説得対象者に応じた領域調整の必要性を認識し,説得対象者に合わせた理由産出をしていることが明らかになった。ただし,領域調整の必要性を認識することで,かえって多様な理由を産出できない児童がいることも示された。
著者
小野 昌彦 小林 重雄
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.37-45, 1999-09-30

小学5年生女子不登校(10歳)に対して、再登校行動の形成を目的として介入を実施した。そして、その有効性と問題点の検討を行った。 本症例は、不登校発症前の要因として、社会的スキル、特に書三張的スキルの欠如が考えられた。主養育者が祖母から母親に交替した後、彼女の対人関係困難場面からの回避行動を母親が強化的対応をしてしまったことにより、不登校が誘発されたと考えられた。彼女が家庭に滞留する行動が、母親からの世話やき、電話掛けといった強化刺激が提示され、維持されていると分析された。 彼女への介入として、かかわりの形成、社会的スキル訓練、体力訓練、学習指導、単独通室訓練、親指導が導入された。2期(2ヶ月間)、9セッションの介入の結果、再登校が開始した。予後も良好であった。 かかわり形成が困難な事例の場合、行動アセスメント項目として、友人関係における正の要因が何であるか、欠如しているか、習得の可能性や手順はどうかが問題となる。
著者
山下 泉 宮津 誠 宮武 泰正 小野沢 敏弘
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.267-270, 1988-07-18
被引用文献数
3

旭川医大式膝装具は内側型変形性膝関節症に対して処方される。今回処方後5年以上経過した40例50膝のうち, 死亡の5例, 行方不明の6例を除く29例37膝の長期成績を調査した(フォローアップ率82.9%)。処方時年齢は平均63.6歳。変形性膝関節症の病期分類ではIV期以上の重症例が19膝を占めていた。経過観察期間は5〜9年, 平均6年6か月であった。また処方後平均1年5か月の前回調査結果と比較した.装具装着率では前回調査23例31膝(83.8%)と高かったが, 今回調査では11例16膝(43.2%)に低下していた。装具使用群では, 除痛効果は保たれているが高齢化による歩行能力の低下が認められた。病期の重症度と成績との間に関連は認められなかった。
著者
藤田 和之 高嶋 和毅 伊藤 雄一 大崎 博之 小野 直亮 香川 景一郎 津川 翔 中島 康祐 林 勇介 岸野 文郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.1, pp.120-132, 2013-01-01

我々は多人数でのコミュニケーションを支援するための情報環境Ambient Suiteを提案し,検討を進めている.Ambient Suiteは部屋全体が入出力機能をもったシステムであり,様々なセンサにより会話の状態を推定し,また,この状態に応じて,床や壁に配置されたディスプレイ群を連携させて様々な情報を表示することで会話の活性化を目指す.本研究では,Ambient Suiteを立食パーティの場面に適用したAmbient Party Roomを実装し,これを用いた初対面の男女6人による会話実験を行った.この結果,本システムが会話の状況を十分に推定可能な性能を有し,情報提示により会話を活性化させられることが分かった.
著者
尾板弘崇 山田浩史 谷本輝夫 小野貴継 佐々木広
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014-OS-130, no.21, pp.1-7, 2014-07-21

近年,クラウドサービスは,課金額に応じて必要な計算リソースを利用することができるため,設備投資をせずに大規模なデータ処理が可能となる.クラウドサービスを提供する企業 (クラウドサービスプロパイダ) はサーバに仮想マシン (VM) を使用していることが多い.一方,マルチコアプロセッサが広く普及してきており,ひとつのチップ上に搭載されるコア数は現在も増え続けている.マルチコアプロセッサを搭載したマシン上で VM を立ち上げる場合,VM に割り当てる仮想 CPU(vCPU) 数は適切に分配する必要がある.vCPU を多く与えてもアプリケーションの中には並列性が頭打ちになるものがあり,性能が上がるとは限らず,少なすぎてもアプリケーションの並列性を生かせず,性能が出ない.そのため,適切に分配しない場合,無駄な課金やマルチコアプロセッサの非効率な利用につながってしまう.本研究では,クラウド環境においてマルチコア CPU 上で動作する VM の挙動を解析し,マルチコア CPU を効率よく動作させるための VM の集約方法や仮想マシンモニタ (VMM) が提供すべき資源管理手法確率のための足がかりとする.解析は,VM に割り当てるコア数を変化させながら,クラウド環境で動作するワークロードを模したベンチマーク [1] を動作させ,ワークロードのリソース使用率を観察する.具体的には,機械学習 (Data Analytics),キーバリュー型ストレージ (Data Serving),グラフマイニング (Graph Analytics),Web 検索 (Web Search) のワークロードを動作させる.実験の結果,クラウドサービスで実行されるワークロードには,vCPU 数を増やすともにスケールするもの,ある vCPU 数まではスケールするが,それ以降は変わらない,あるいは,逆に性能が下がってしまうもの,vCPU 数にかかわらずスケールしないものがあるということが明らかになった.
著者
小野 重亮
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.102, no.970, pp.556-557, 1999-09-05

1 0 0 0 OA 日田歴史

著者
小野藤太 著
出版者
小野藤太
巻号頁・発行日
1894
著者
小野 徹郎 石田 交広 下野 耕一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.469, pp.117-125, 1995
参考文献数
18
被引用文献数
6 4

Recently, more rational and economical design method has been required to the steel structural design. As one of the solutions, "Standard for Limit State Design of Steel Structures (draft)", based on the theory of reliability, was published in 1990. However, regarding design of the bracing member, this draft standard adopted basically the conventional design method, because there were not enough data to make a new design method. To obtain the applicable data to limit state design, the present study aims elaslo-plastic behavior of a steel column or beam with the bracing member. This paper represents results of its numerical analysis. Furthermore, mechanical properties of the bracing member is examined in the three kinds limit state, which are "Buckling Limit State", "Full Plastic Limit State" and "Deformation Capacity Limit State".
著者
永田 勝也 小野田 弘士 切川 卓也 大川 慶太 吉岡 英輔
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.79-79, 2007

近年,作業現場において,安全未確認など運転員のヒューマンエラー等による人身事故が多発しており,運転員への安全教育が不可欠である.本研究ではVR技術を活用した体感型運転員教育支援システムの開発を検討した.まず,運転員の人身事故事例を約1,000件収集し、人間工学の視点から分析を行った.その結果,安全未確認による手や指のはさまれ・巻き込まれ事故が最も多いことがわかった.そこで,そのような事故を疑似体感することのできる手をモデルとした試作機を製作した.その結果,指の上下に振動モーターを設置し,強くて短い振動と電気を右手の全ての指先に与えると効果的に挟まれた感覚を再現できることが判明した.さらに,運転員教育システムとしての効果も得られた.
著者
古川 敬之 青木 創 藤井 豊 二瓶 和美 鈴木 学 小野 憲一郎 平尾 秀博
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.29-34, 2014-12-26 (Released:2014-12-26)
参考文献数
12

A 9-year-old neutered female Miniature Dachshund had undergone lobectomy of the left frontal lobe for lung carcinoma followed by nine post-operative doses of carboplatin chemotherapy(250 mg/m2, every 3weeks). The dog was referred to the Japan Animal Referral Medical Center (Nagoya), because of lung masses in the opposite right middle and posterior lobes. Whole body contrast-enhanced computed tomography(CT)was performed and revealed lung solitary tumors in the relevant areas. No abnormal findings were observed in other lobes or intrathoracic lymph nodes. Since the possibility of metastatic lesions of lung carcinoma incompletely removed in the previous surgery was considered, we performed CT again on day 45 for evaluation of the new tumor progression. The size of both tumors increased, and right middle and posterior lung lobectomies were carried out on day 53. There were no adhesive lesions around the tumors, carcinomatous pleuritis, pleural fluid or hilar lymphadenopathy. While histopathology revealed high-grade lung adenocarcinoma with numerous mitoses, there was no evidence of intravascular invasion, suggesting complete resection. A tentative diagnosis of metastatic lung tumor(T2N0M1)was made. Adjuvant chemotherapy with carboplatin(250 mg/m2, for every 3 weeks)and piroxicam(0.3 mg/kg/3 days)was also given starting on day 21, and no evidence of recurrent lesions was observed on day 726 with a good health condition maintained. From these results, it is suggested that aggressive surgery plus adjuvant chemotherapy can be appropriate treatments for metastatic lung carcinoma.
著者
小野 一良
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.55, pp.20-28, 1958-05-10 (Released:2010-08-24)
参考文献数
3
被引用文献数
1

大都市付近の国鉄電車運転区間に発生した波状磨耗レールについて, その形状ならびに走行車両によつて軌道に生ずる衝撃および振動を測定した。これより波状磨耗の形状と車両のばね下重量の振動との関連を求め, かつ車両の型式ならびに列車速度が振動振幅ならびに衝撃の大きさに及ぼす影響を調査した。
著者
小野 文子
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.125-129, 2006-06-16

音楽の原点は,言葉を話すのと同じように自分の思いを音にのせ,人と人が繋がることであろう。人は「聴く」ことから音楽体験を始め,聴いた曲を「歌う」ことを試みる。「歌う」ことは音楽活動の基本である。