著者
茂原 信生 小野 寺覚
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.95, no.3, pp.361-379, 1987 (Released:2008-02-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1

鎌倉材木座遺跡(鎌倉時代~室町時代)から出土したイヌ(最小個体数30体)のうち,成獣8体(オス6,メス2)の頭蓋を中心に調査し,他の時代の犬骨と比較検討した。材木座犬骨は繩文犬より額段が小さく原始的である。頭蓋最大長の平均値は,繩文時代の田柄貝塚犬骨の平均値を上回っている。長径が大きくなっているわりに高径や幅径は大きくなっていない。この点で高径や幅径が大きいより後代の中世•近世犬骨とは異なっている。頑丈で,プロポーションは繩文時代犬骨とよく似ている。日本古代犬の体の大きさは繩文時代から鎌倉時代までに変化したが,頭蓋のプロポーションは,鎌倉時代よりあとの時代に大きく変化したと推測される。
著者
肥塚 隆 深見 純生 淺湫 毅 丸井 雅子 小野 邦彦 橋本 康子 デュルト ユベール 藤岡 穣 デュルト ユベール 藤岡 穣
出版者
大阪人間科学大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

研究成果の概要:東南アジアの遺跡や博物館等に遣されているヒンドゥー教や仏教の造形芸術資料を渉猟し、それらを過去の王朝、民族、あるいは現在の国ごとに分類して検討するのではなく、東南アジア全体を一まとまりとする歴史体系の中で総合的に位置づけて考察するための基礎資料の集成に努めた。特筆すべき成果としては、分担者の深見純生が東南アジアのモンスーン航海の確立が4世紀前半にさかのぼることを明らかにした点である。
著者
小野 伸一郎
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究は現在までに活躍した女子長距離選手を対象に,選手のBMI(Body Mass Index)と競技記録の関係分析から競技記録が最も高くなるBMI(至適BMI)を推定し,女子長距離選手のウエイトコントロール指標の提案を行うことを目的とする.本年度に得られた成果の概要は以下のとおりである.なお,成果(1)については高校女子選手を,成果(2)については中学女子選手を対象とした.成果(1):高校女子の800mから5000mまでの競技においては,競技距離の延長に伴いBMIの影響が大きくなり,等確率楕円より推定した至適BMIは,800mでは17.5,1500mでは17.6,3000mでは17.0,5000mでは16.8を示し至適BMIは小さくなる関係が示唆された.高校女子中長距離種目には,それぞれ競技成績を最もよく引き出すことのできる至適なBMIが存在するのではないかと考えられる.成果(2):中学女子の等確率楕円より推定した至適BMIは,800mでは17.4,1500mでは17.2であった.また,BMIと最高記録との関係による回帰分析より推定した至適BMIは,800mレースでは17.5,1500mレースでは17.8であり,中学女子種目にも競技距離ごとの至適BMIが存在する可能性が示唆された.計画にあげた「女子マラソン選手の至適BMI推定」については平成12年度に成果発表をおこなう予定としている.また,「BMIと体脂肪率との関係分析」に関しては現在データ収集している.
著者
小内 透 野崎 剛毅 濱田 国佑 佐々木 千夏 小野寺 理佳 小内 純子 品川 ひろみ 新藤 慶 新藤 こずえ
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

かつてアイヌの人々への差別は激しかった。とくに学校での差別が多く、差別を嫌い上級の学校へ進学せず条件の悪い職に就く傾向が強かった。その結果、個人所得が低くなり、結婚して子どもが生まれると、世帯所得の低さが子どもの進学にマイナスの影響を与えていた。そのため、アイヌの人々は経済支援や教育支援に対して強い要望をもっている。しかし、一般の住民は差別を解消したり、アイヌ文化を振興したりすることに対しては積極的に支持するものの、アイヌの人々だけを対象にした経済支援や教育支援については否定的であった。今後のアイヌ政策はアイヌの人々と一般の住民の間にある意識のずれを考慮に入れる必要があることがわかった。
著者
井ノ上 寛人 小野田 望 佐藤 美恵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.753-761, 2013-03-01

文字のデザインは,ICT技術の発達に伴い,自動化及び多様化しつつある.視覚的効果を考慮して文字をデザインすることをレタリングなどというが,そのデザインには,線の太さなど,フォントを種別する基本要素の他に,遠近法や絵画的奥行手掛りに基づいた高次の要素がある.しかし,奥行表現を伴うレタリング文字のデザイン要素は多い上,専門のデザイナがどのような観点や原則に基づいて文字に装飾を施しているかは十分に検討されていない.そのため,奥行表現を活用するなど,構造が複雑なレタリング文字を工学的にデザインする上で必要とされる知見は非常に乏しいのが現状である.これらの背景から,本研究は,奥行表現を伴うレタリング文字のデザイン原則について整理することを目的に,印刷メディアから収集した文字試料を特徴分類した.調査の結果,収集した試料は12パターンに分類されるとともに.「陰」と「影」を組み合わせた表現は禁則的であることなどが示された.また,これらの原則は,映像やWebコンテンツなど,他の情報通信メディアにおいても成り立つと考えられた.
著者
岡田 忠司 杉下 朋子 村上 太郎 村井 弘道 三枝 貴代 堀野 俊郎 小野田 明彦 梶本 修身 高橋 励 高橋 丈夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.596-603, 2000-08-15
被引用文献数
29 194 25

医薬品として販売されているγ-アミノ酪酸製剤(合成GABA製剤)は,脳代謝促進作用があり,脳梗塞・脳出血後遺症等,脳血管障害の諸症状の改善や血圧上昇抑制効果が認められている.また最近の医学分野の研究では,更年期障害や初老期の自律神経障害にみられる精神的症状の緩和にも効果があると報告されている.<br>本試験では,コメぬかから分別製造した「GABA蓄積脱脂コメ胚芽」を用いて,更年期及び初老期の被験者20名に対する効果をプラセボとの比較にて検討した.<br>その結果,更年期及び初老期に見られる抑うつ,不眠,イライラ,不定愁訴の自律神経障害の改善に,GABA蓄積脱脂コメ胚芽が高い効果を示すことが明らかになった.またこのほかに,高血圧症や肝機能の改善作用も示され,服用に伴う副作用も全く見られなかったことから,毎日摂取できる機能性食品素材として高い利用価値を有していることも明らかになった.

1 0 0 0 家持と恋歌

著者
小野寺静子著
出版者
塙書房
巻号頁・発行日
2013
著者
佐多 恵悟 松山 開 坂口 裕一 中山 茂 小野 智司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.84-93, 2014-03-28

近年,Span Programに基づく論理式評価の量子アルゴリズム(Span-Program-based Quantum Algorithm: SPQA)が注目されている.SPQAに適した量子クエリ計算量が少ない最適なSpan Programの導出は,一般的な手法が見つかっておらず,対象となる論理式ごとに専門家が試行錯誤的に導出している.特に,入力ビットが多い論理式では行列の要素数が指数関数的に増加するため,導出が困難である.本研究では,量子クエリ計算量が少ない最適なSpan Programの導出を最適化問題として定式化し,進化計算を用いて近似解を導出する手法を提案する.In recent years, Span-Program-based Quantum Algorithm (SPQA) for evaluating Boolean formulas has been paid attention. However there has been no general method to derive optimal span program, which make the quantum query complexity of SPQA the least, and only professionals can derive for each formula through trial and error. Especially, it is difficult to derive span program for a formula with many input bits because number of elements of its matrix will increase exponentially. This paper proposes a method for optimal span program derivation, which formulates the problem as an optimization problem and solves it by evolutionary computation.
著者
小野 栄一 筒井 澄栄 蔵田 武志 大西 正輝 尾形 邦裕 植山 祐樹
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

障害により体が不自由な車いす利用者の体型に合い、着崩れせず、動きを妨げない等、障害に配慮された衣服が必要だが、従来の衣服作製技術は立位姿勢が基本で、座位姿勢ではない。そこで、座位姿勢の衣服作成支援のため、衣服を着た座位姿勢での非接触・接触3次元体形計測システム、衣服圧が測定できて自由に座位姿勢を変えられるダミーを研究・試作した。また、試着の負担軽減のため、RGB-Dカメラによる非接触3次元計測にて衣服CGモデルを作成し、アパレルCAD等によるシミュレーションのような実時間で試着結果を可視化するため、体の動きの認識結果に応じて衣服CGを変形させAR技術で重畳表示する手法を開発した。
著者
中野 修治 竹嶋 美夏子 小野 美咲
出版者
中村学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

フィトケミカルの抗癌作用の分子機序を異なったサブタイプの乳癌細胞で解析するとともに、一次予防へ応用可能かどうかをEMS誘導乳癌モデルラットで検討した。用いたフィトケミカルはイソフラボン、クルクミン、リコペン、ノビレチン、レスベラトロールで、すべて乳癌細胞に抗癌作用を示した。その分子機序はフィトケミカルによって異なるが、増殖とアポトーシスに関連する細胞内シグナル蛋白に働き、増殖抑制とアポトーシス誘導により発揮されることが判明した。動物モデルではイソフラボンやリコペンは乳癌発症を抑制することがわかった。フィトケミカルは乳癌の一次予防に効果があるだけでなく、癌の増殖・進展を抑制する可能性がある。
著者
小野 清美 飴野 清 原 量宏 奥田 博之 秋山 正史 柳原 敏広
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

成育医療は妊娠中から出産後まで、母親から胎児、新生児、小児、キャリーオーバー、思春期、成人に至る一連のサイクルに係わる疾患に関する医療であり、これらを一括し連続で診ていく医療である。この成育医療の中では専門家の壁はなく対象者のニーズに応じた医療となってきている。しかし、周産期医療のレベルではわが国でも極めて高くなっているが、母親と子どもをとりまく環境はこの20年の月日の中で、技術の革新、情報化に伴い大きく変わってきた。女性の高学歴化、自立、家事労働の合理化、ライフスタイルの変化、相対的な労働人口の減少などにより、働く女性の増加に伴って、多様性のある女性の健康と人権(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)やりプロダクションサイクルの問題にも対応する必要性が生じ、総合的な施策が言われるようになってきた。こうした成育医療の観点から妊娠と車の問題は、乳幼児の事故防止や救急医療体制などからチャイルドシート(以下CRS : child restraint system)は大きな社会問題となり、ついに2000年(平成12)4月1日から着用の義務化となった。そこで、本研究は法制化の前年の状況・法制化された年・その後の状況(平成11年から13年まで)までのCRSを取り巻く状況を考察し、緊急時および母子保健の視点で"母子保健システムの支援体制"の私案を発表し助産婦の取るべきマネージメントの重要性を導いた。具体的な展開の一例として母親学級にアプローチし、「命」と「心」に向けた模擬授業の実践を本学助産婦コースの学生に実施し、バーチャルリアリティの授業の開発をした。
著者
岡村 信幸 安保 尚美 青野 美和 江口 倫由 吉井 久乃 小野 行雄 八木 晟
出版者
和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌 (ISSN:13406302)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.114-118, 2002-06-20
被引用文献数
1 1

Daio-kanzo-to is a Kampo medicine for acute and chronic constipation which consists of a combination of rhubarb and glycyrrhiza. The contribution of rhubarb is to provide a purgative effect, due to the presence of sennosides. Sennoside A is known to decompose on heating during decoction. Therefore, it is said that Kampo decoctions containing rhubarb rather do not have to be boiled for a long time when targeting the purgative activity of sennoside A. This study was performed to clarify the relationship between decocting times of rhubarb and purgative activity. The variation of sennoside A content in rhubarb during the decocting times of 5 to 240 min was shown to be almost the same as that of Daio-kanzo-to. Compared to sennoside A content between powder and cut rhubarb during the period of decoction, the time when the maximum dissolution was reached had significant differences (powder: 10 min, cut: 40 min). Each purgative activity of powder and cut rhubarb decoctions was in proportion to sennoside A content. Kampo decoctions are generally prepared with cut crude drugs. Therefore, we concluded that usual decoction (40 min) is most suitable for Kampo medicines containing rhubarb to use for constipation.
著者
小野 浩一 河野 友香 荒川 美樹
出版者
駒澤大学文学部心理学科
雑誌
駒澤大学心理学論集 : KARP (ISSN:13493728)
巻号頁・発行日
no.2, pp.131-138, 2000-03

個体が,いくつかのカテゴリからなる行動を繰り返し自発するとき,それらの行動は一連の行動連鎖を形成する。その行動連鎖のあるものは不規則的なものであり,またあるものは,規則的で定型的な連鎖パターンを示す。行動連鎖パターンは,個体が他個体と相互に交流するような場面においても出現する。このような行動連鎖パターンの特性を記述する一つの方法に系列分析(sequential analysis; Bakeman and Gottman,1986,1997)がある。本稿では,系列分析の考え方と方法を簡単に述べた後,それを2者間のジャンケン・ゲームに応用してその有効性を確認した実験結果を紹介する。
著者
坂東 宏和 佐藤仁美輩 大即洋子 馬場 康宏 澤田 伸一 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.74, pp.41-48, 2006-07-08
被引用文献数
3 1

本稿では,パーソナルコンピュータを活用することにより,幼稚園の先生方の負担軽減,および 遊びの拡張を図ることを目的とした 幼稚園における活動的な遊びを支援するツールの設計と試作について述べる.具体的に,本稿では 従来から保育に取り入れられている遊びの一つである,様々な形で提供されるヒントを基に宝物を探し出す「宝探しゲーム」を支援するツールについて述べる.試作した支援ツールを幼稚園で試用した結果 園児の意欲的な行動や発言が多く見られるとともに,先生方からも好意的な意見を得ることができ,本ツールの有用性が示唆されたと考える.同時に,園児へのヒントの与え方,宝物を隠す場所など,先生方が事前に行う設定に関して,今後検討すべき課題が明らかになった.This paper describes about the design and trial production of a tool for active playtime in preschools, which by applying a personal computer will achieve pressure reduction of preschool teachers and will aim to expand the sphere of playing activity. Tb be specific, this paper describes about the educational supporting tools of the game "treasure hunt", which provides various hints about finding the treasure, often played by the traditional nursery system. The tool produced as an experiment was tried out at a preschool. As a result, there were many motivated, initiative actions and statements from the preschoolers observed. Also we received favorable remarks from the teachers as well. This suggests the usefulness of this tool. At the same time, it was found out problems to be solved when setting beforehand by teachers, for example how to give preschoolers hints and where to hide the treasure.
著者
諏訪 牧子 小野 幸輝
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.299-309, 2009 (Released:2009-12-28)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2 3

大量の生命情報データの情報洪水の中、バイオインフォマティクス技術の役割は高まり、実験上の大きなリスクを軽減し、実験の設計に資する情報を提供する形で貢献することが期待されている。この目的のもと、私たちは細胞膜に存在するGタンパク質共役型受容体(GPCR)を中心に、ゲノム配列から遺伝子を同定してそれらの機能解析を行うための計算パイプラインを構築し、その応用結果を網羅的な機能解析総合データベース(SEVENS)として練り上げてきた。このコア技術が共同研究の呼び水となり、その後循環発展的に展開しながら今日も続いている。この流れは、三つの要素(長期熟成されたコア技術、実験研究者との密な連携、技術インキュベーションを生む環境)を駆動力として進む研究の方向性と、進展の速いライフサイエンス分野の方向性の相互作用として進み続けるダイナミックな形態である。
著者
小野 清子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.957, pp.127-129, 1998-09-14

今年7月の参議院議員選挙で、私は東京選挙区から自由民主党の公認候補として立候補しました。結果は、残念ながら4人の当選枠に入れず次点で落選となりました。 1986年に参議院議員に初当選してから、私は2期12年にわたり国政の場で文教、環境の問題を中心に取り組んできました。