著者
三浦 輝 栗原 雄一 山本 政儀 坂口 綾 桧垣 正吾 高橋 嘉夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.195, 2019 (Released:2019-11-20)

福島原発事故により、放射性セシウム(Cs)を含む不溶性微粒子(Type-A)が環境中に放出された。Type-Aは134Cs/137Cs放射能比などから二号機もしくは三号機由来であると考えられている。その後、一号機由来と考えられる新たな不溶性微粒子(Type-B)が報告された。本研究では放射光X線を用いた分析により、Type-A、Type-B中に含まれるそれぞれのUの化学状態を調べることを目的とした。分析の結果、Type-B中のU粒子の大きさは数ミクロンであり、Ochiai et al. (2018) で報告されたType-A中のUを含むナノ粒子よりも大きいことが分かった。この違いはType-A中のU粒子が蒸気から生成されたのに対し、Type-Bではメルトから生成された可能性を示唆する。Type-Bにおいて、Uが検出される部分では燃料被覆管に用いられているZrも検出されることから、Type-BでもType-Aと同様にUはZrと共融混合物を形成していると考えられる。
著者
山本 政幸 石川 重遠 後藤 吉郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.258-259, 2009-06-20

This study concerns the development of Gothic types in the ninteenth-century U. S. A., focusing on the formation of American Type Founders Company, the biggest type vendor which was consolidated from twenty-three small foundries. It refers the old-taste Gothic types, produced by regional foundries, that aquired lower-case and Italic characters. Then it makes clear the process of amalgamation of foundries into ATF Company which had newly organised type design section. Last it concerns the work of Morris Fuller Benton and his type desgin especially about Gothic types including Franklin Gothic (1902), Alternate Gothic (1903), News Gothic (1908), and Lightline Gothic (1908).
著者
山本 政儀 白石 久二雄 星 正治 ZHMADILOV Z.
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

旧ソ連の核実験場セミパラチンスク周辺の住民被曝の特徴は、外部被曝(30-250cSv:1949-1992年間の民住民の総被爆線量)に加えてかなりの内部被曝(40-300cSv)を受けていることである。この内部被曝線量は、数学的モデルで推定されたもので検証が必須である。現在唯一、検証が可能と思われるのは、人体組織の骨中^<90>Sr測定以外ないのではないかと考えている。2001年から、内部被曝線量評価の一環として、核実験場周辺で亡くなられた方々の骨試料を提供していただき骨中のU, Pu,^<90>Srの測定を開始してきた。核実験場近傍の集落で被曝し亡くなられた方の人体試料について出来るだけ多くの試料を収集しデーターの蓄積を計ることが最重要である。本研究において、クルチャトフ研究所及びセミパラチンスク市内の大学病院との連携で、人骨試料(主に脊椎)約100試料を収集し分析した。Nこれまでに採取した試料を用いてPu, Uの逐次分析法を開発し、これまでに約50試料の分析を実施した。Pu-239,240及びU-238濃度は、灰化試料1g当たり0.005-0.23Bq/g,0.09-0.49mBq/gの範囲であった。分析した試料の大部分は、セミパラチンスク市内が多く、これらの値はこれまでに報告されているデーターとくらべて同レベルであった。しかし、核実験場近傍の試料で高い値を持つケースもいくつか見いだされた。Sr-90については0.05-0.13mBq/g-ashの値が検出された。↑標準人(70kg)、平均Pu-239,240濃度0.03mBq/g-ashを用いて50年間に受ける実効線量当量を試算すると、全て吸入摂取の場合には、12.3(難溶性Pu)〜42.7(可溶性Pu)μSv,全て経口摂取の場合に13.5-28.6μSvとなる。→現在、核実験場近傍の集落、モスチーク、ドロン、ズナーメンカ、サルジャールで長年住んでいて亡くなられた方の人体組織を分析しており、さらにデータの蓄積を積み重ねている。↓最終的に、実際のSr-90データとモデルから予想されるデータとの比較を行い、モデルの妥当性を検討する。モデルとの合致が得られない時には、その原因を解析し、新たなモデルを提示する。
著者
山本 政儀
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

陸地と海域の接合部である沿岸帯は物質の収支と循環が最も活発に演じられる場所であり,そこでの特に将来長きに亘り環境放射能影響をもたらす長寿命放射性核種,とりわけ超ウラン元素(ネプツニウム(Np),プルトニウム(Pu),アメリシウム(Am))の挙動を系統的・総合的により明確にすることは,環境保全の面からのみならず被曝低減化の面からも重要である。本研究は,イギリスのセラフィールド核燃料再処理工場からの放射性廃液で高濃度に汚染されているアイリッシュ海沿岸をフィールドにIV価のPuやIII価のAmと比べて堆積物に移行しにくいと言われているNpが,どのような堆積挙動をするかを解明することを主目的として実施したものである。主な成果を以下に述べる。(1)アイリッシュ海東部沿岸の堆積物について,^<237>Npを初めとして^<238>Pu,^<239,240>Pu,^<241>Pu,^<241>Am,更に^<99>Tcを測定し,汚染レベル・分布・蓄積量を明らかにした。(2)再処理工場からの1989年までの全^<237>Np放出量を初めて6-8TBqと推定した。(3)放出口からの距離と上記核種の蓄積量との比較から,^<239,240>Pu=^<241>Am<^<237>Np<^<137>Cs<^<99>Tcの順に堆積物に移行しにくいことを明らかにした。これらの挙動の違いはそれぞの元素の酸化状態の違いによって説明される。(4)アイリッシュ海に放出された上記核種の沿岸帯への移行には主として2つのメカニズム,すなわち,溶存状態として海流・潮汐にのって拡散(solution transport)する場合と放出口近傍で高濃度に汚染された堆積物粒子が拡散(particle transport)する場合がある。どちらかと言うと,^<99>Tc,^<137>Csは前者,^<237>Np,^<239,240>Pu,^<241>Amは後者のメカニズムで移動し空間的・時間的分布を規定していることを明らかにした。
著者
山本 政幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.266, 2019 (Released:2019-06-27)

明朝体とゴシック体の読みやすさについて、書体サイズ12Q(18H送り)、16Q(24H送り)、24Q(36H送り)における比較実験を行った上で、ゴシック体の本文(400字の本文横組み)への適性を検証することを目的とした。12Qと24Qでは明朝体の読了時間が短かったが、16Qではゴシック体がわずかに短かかった。
著者
長尾 誠也 山本 政儀 福士 圭介 桐島 陽 井上 睦夫 富原 聖一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2011年3月11日に発生した福島原発事故により環境中に放出された放射性核種の陸域と沿岸域での影響評価を行うために、主に福島県浜通りを調査地域に設定し、沈着した放射性セシウムの河川流域から沿岸域への二次的な移行動態を調べた。2011年5月から2014年12月までの観測結果では、河川水中の放射性セシウムの放射能濃度は、降雨時に一時的に増加するが、平水時には時間の経過とともに指数関数的に減少した。また、2011年度には、粒子態に含まれる放射性セシウムの存在割合が、それ以降の観測試料に比べて20~30ポイント低く、放射性セシウムの河川への流出挙動が事故初期時とそれ以降では異なることが明らかとなった。
著者
山本 政宏 横山 純子 永田 諒子 竹下 朱美
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成25年度大会(長野)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.105-108, 2013 (Released:2017-11-18)

学校などの公衆トイレでは尿由来の不快な臭いが問題となっている。本研究では、学校トイレの臭気発生メカニズムを検証し、臭気発生における床材と清掃方法の影響について調査した。実使用を想定した再現試験の結果、湿式清掃の場合、床タイルの目地に染み込んだ尿が腐敗することによって臭気が発生した。学校トイレ現場の調査結果でも、湿式清掃トイレで目地のある和式便器回りの菌、アンモニア量、臭気強度が高く、再現試験と同様の結果であった。
著者
山本 政幸
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.126, 2005 (Released:2005-07-20)

日本語タイポグラフィに不可欠な和欧書体の混植の調和について考察した。平成明朝W3、ヒラギノ明朝体W3、小塚明朝R、游明朝体Rの4フォントの従属欧文書体を対象とし、1)各欧文書体のアウトラインデータを用いてデザインの特徴を考察、2)SD法を用いた調査から各フォントの和欧書体間における印象評価の差を検証した。
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.E07-E07, 2010

和文ゴシック体は、創出に関して不明なことが多い。本研究において、その書体はいつ出現したかを調査し、その書体の形態についても考察した。その結果、最初期の和文ゴシック体活字は、明治19年6月1日の官報で使用された。官報の編纂や印刷は、国の機関によって行われた。最初の和文ゴシック体は、官製の活字書体で、明治19年あるいはそれ以前に作られたことが分かった。このタイプフェイスは、漢字のみである。さらに明治19年と明治24年から使われた最初期の和文ゴシック体の形について考察した。その2書体の共通した特色は、直線により構成されている。それらは曲線が少ない。また、文字の水平線が傾いており、左右対称の箇所が非対称であるなど、書体としての完成度は高くない。
著者
星 正治 山本 政儀 坂口 綾 大瀧 慈 岡本 哲治 川野 徳幸 豊田 新 今中 哲二 遠藤 暁 木村 昭郎 片山 博昭 ズマジーロフ カシム ステパネンコ ヴァレリー シンカレフ セルゲイ 武市 宣雄 野宗 義博
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

放射線の危険度(リスク)はほぼ広島・長崎の被ばく者の調査を元に決められてきた。そして国際放射線防護委員会(ICRP)での議論を経て放射線障害防止法で規定され、被ばくの限度を定めてきた。原爆の放射線は一瞬の被ばくである。セミパラチンスクやウラン鉱山の被曝は長時間被曝である。そのリスクは異なっていると考えられ本研究を推進した。内容は線量評価と共同研究によるリスク評価である。測定や調査は以下である。1.土壌中のセシウムやプルトニウム、2.煉瓦による被曝線量、3.歯から被曝線量、4.血液の染色体異常、5.聞き取り調査による心理的影響、6.データベースの整備とリスクなどであり、被爆の実態を解明した。
著者
井口 壽乃 児玉 幸子 伊原 久裕 井田 靖子 山本 政幸 暮沢 剛巳 佐賀 一郎
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

視覚文化におけるデザイン資源に関する本研究では、国内外のデザイン・アーカイヴの調査を行った。視覚デザインの生産物、すなわち写真・映像、活字、タイポグラフィ、ピクトグラム、アイソタイプ、アイコン、ディスプレイなどは、デザインの潮流を生み出すデザイン思想やICOGRADAなどの国際組織と深い関わりがある。デザイン創造行為と生産物は、国際デザイン組織ICOGRADAを通じた人的交流によって世界規模で拡大・発展した。さらに新たなデザイン思想を構築し、継承と還流を繰り返していることが解明された。
著者
山本 政幸 ジェームズ モズリー ルース クリブ 指 昭博 後藤 吉郎 吉田 公子
出版者
多摩美術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、20世紀イギリスにおける近代的なグラフィックデザインの形成プロセスの一端を、タイポグラフィの視点から明らかにすることである。とくに1920年代後半から30年代にかけて流行した幾何学的な構造をもつ新しいサンセリフ体活字の設計手法に注目し、イギリスでこの活字書体を発展させたエドワード・ジョンストン(Edward Johnston, 1872-1944)とエリック・ギル(Eric Gill, 1882-1940)の制作活動を把握し、背後にあった造形思想の実態を探った。両者が継承したアーツ&クラフツ運動の精神性が、機械化と大量生産に対応してゆく独自のデザイン観に至る経過をたどり、イギリスにおけるモダン・タイポグラフィの発達に貢献したことを確認した。
著者
星 正治 山本 政儀 遠藤 暁 高田 純 吉川 勲
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

セミパラチンスク核実験場近郊住民の被曝の影響調査に関して、文部科学省の科学研究費補助金で平成7年度より継続した研究を行ってきた。本研究は平成13年度と14年度にわたって行われた研究である。この研究は平成6年に原医研が改組されその際に研究テーマの一環として組み込まれ、その後平成14年度の改組においても引き続き推進することが認められた。セミパラチンスクでの被曝の特徴は、1.外部と内部被曝をほぼ半分ずつ含むこと、2.線量的にドロン村で1Gyと大きいこと、それから3.数週間から数ヶ月の低線量率被曝であることである。今回の調査では、従来通り、プルトニウム、セシウムなどの土壌汚染の測定、人体の骨や臓器の汚染、人の歯を使った外部被曝線量評価、煉瓦を使った外部被曝線量評価のうち相互比較を進めるための準備を進めてきた。これらから、たとえばドロン村では1Gy相当の被曝があったことを証明した。また人体影響の調査も進め、甲状腺の検診、血液中の甲状腺ホルモンの測定、血液の染色体異常の検出、個人被曝線量の評価のための準備なども進めた。甲状腺の検診では放射線の感受性があるとされている結節を多く検診し、リンパ球については小核と染色体異常を観察している。また平成14年9月にはセミパラチンスクで開催された放射線量評価の国際会議を開催したことが特筆される。主催はセミパラチンスクの放射線医学環境研究所と医学アカデミーであり、ドイツ、ロシア、イギリス、フィンランド、アメリカ、インドなどの代表が参加した。広島大学は会議を主導し、従来の被曝線量評価があまりにも違いが大きいのでこれを国際的に解決する目標を提案し承認された。放射線被曝の線量評価は疫学調査と合わせて低線量率被曝のリスクを求めることにある。したがってこの直接的にリスクに影響する。
著者
小藤 久毅 山本 政儀
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.263-265, 1999-04-15
被引用文献数
2 2

<I>Uranium concentrations in some natural mineral waters sold in Japan (domestic 20 and foreign 9) were measured by ICP-MS. The</I> U <I>concentrations were found in a wide range, differing by a factor of 40000, about 0.4-1.6×10</I><SUP>4</SUP>ng/l. <I>The values over guidance level (2</I>μg/1) <I>were observed in two domestic samples and one foreign one. Occurrence of such a high</I> U <I>concentration indicates the need of further survey of</I> U <I>concentration of mineral water to consider uranium intake.</I>
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、未だ明らかでない和文ゴシック体成立とその書体が欧文書体とつながりが有るかを考察することである。研究の成果:1)和文ゴシック体成立に関して、最初の和文ゴシック活字書体は、明治19 年(1886)6月1日の官報の外報の小見出しに使われたことが分かった。その官報において、日本の記事と外国の報道を区別する目的があり、和文ゴシック体は、外報の小見出しのためにデザインされた。2)アメリカでの調査により、イギリスで創出されたサンセリフ活字書体は、アメリカでゴシックと命名されたことが分かった。それは、ボストンの活字鋳造所の1832年の活字見本帳に見られる。3)このような活字書体は、アメリカから日本に輸入され、明治9 年(1876)の東京築地活版製造所の活字見本帳に載った。以後、日本語ではこの欧文活字書体をゴシックと呼んだ。4)和文ゴシック体成立とゴシック体との関連性として、当時の外国の官報や新聞で使われた見出しゴシックは、和文ゴシックを生む発想の起源と見なされる。