著者
内山 直美 山田 博仁
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.71-76, 2020 (Released:2020-06-30)

近年、さまざまな種類の小型電子機器の普及に伴いワイヤレス充電(給電)の研究が盛んにおこなわれているが、新規手法として光ワイヤレス充電の研究が進められている。光ワイヤレス充電は、主に送信器にレーザーやLEDのような光源、受光器に太陽電池のような受光素子を用いる方式である。安全面に制約のないLEDの研究事例は少ない。本研究では、室内でよく使われる赤外線リモコンの光ワイヤレス充電の方式について検討した。その結果、小型の結晶Si太陽電池セルと蓄電デバイスを内蔵すれば、近赤外LEDからの光により室内においても動作可能となる十分な電力量が蓄電され、乾電池レスにできることがわかった。
著者
山田 博胤 田中 秀和 宮原 俊介 尾形 竜郎 楠瀬 賢也 西尾 進 鳥居 裕太 平田 有紀奈 大北 裕 佐田 政隆
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.581-586, 2016 (Released:2016-07-19)
参考文献数
16

症例は,46歳男性,循環器内科医師,主訴は左足関節内果部と上腕の疼痛である.僧帽弁逸脱症による僧帽弁逆流と発作性心房細動の既往がある.足関節の疼痛は蜂窩織炎を疑って,血液検査と表在エコー図検査を行った.疼痛部は皮下浮腫が著明であったが,軟部組織の血流シグナルが乏しく,後脛骨動脈の血管壁を主体とした炎症と,同動脈の閉塞が確認された.一方,左手関節近位の尺骨動脈は逆行性血流を示しており,左尺骨動脈分岐部直後で閉塞していた.これらの所見から多発性血管閉塞性動脈炎と診断し,その原因究明のために直ちに心エコー図検査を施行した.その結果,僧帽弁に可動性を有する棍棒状の異常構造物を認め,僧帽弁逆流は高度に増悪しており,感染性心内膜炎と診断された.頭部MRI検査で異常を認めなかったため,外科的加療(疣腫摘除術,僧帽弁形成術,左房縫縮術,左心耳閉鎖術,Maze手術)が行われた.血液培養は陰性であったが,摘出した疣腫の培養からStaphylococcus warneriが同定された.Staphylococcus warneriは皮膚常在菌であり,本病原体による自己弁の感染性心内膜炎は報告が少ない.術後の経過は良好であり,抗生剤を6週間静脈投与した後に社会復帰した.患者が循環器内科医であり,自身の足関節および上腕の疼痛を契機に,表在エコー図検査と心エコー図検査を用いることで,感染性心内膜炎を迅速に診断した稀有な症例であり,かつ,感染性心内膜炎の起炎菌としては稀なStaphylococcus warneriが同定されたので,文献的な考察を加えて報告する.
著者
冨田 紀子 山田 博胤
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.753-760, 2013-07-15 (Released:2014-09-16)
参考文献数
8
著者
百田 真史 射場本 忠彦 宮良 拓百 山田 博 村上 浩 今井 智将
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.83, pp.11-20, 2001
参考文献数
15
被引用文献数
3

地域冷房にブロックアイス(25mm角)を用いた氷水搬送による高密度熱搬送システムを提案した.このシステムは需要家からの還水と地域主配管内の氷を直接配管内で熱交換させるもので,従来の二管式と比較して管路が短縮できるという利点を持つ.このシステムのかなめとなる氷水圧力損失特性把握,管内IPFの非可動・オンライン計測手法,及び管内氷粒径の推測手法について検討を行い,提案システムの可能性を示した.氷水圧力損失特性については流速,IPF,管径を変えた時の圧力損失特性が予測を基に最適制御が可能なことを,また管内IPF計測については超音波濃度計を用いたオンライン計測が可能であることを確認した.
著者
深澤 友里 倉田 勇 小暮 正晴 立石 秀勝 鈴木 裕 仲村 明恒 下山田 博明 望月 眞 柴原 純二 森 秀明 古瀬 純司 土岐 真朗 久松 理一 杉山 政則 後藤 知之 吉田 翼 太田 博崇 落合 一成 権藤 興一 渡邉 俊介 岡野 尚弘
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.129-136, 2017

<p> 症例は,2016年1月に特発性脾被膜下出血後の膿瘍形成及び急性膵炎にて緊急入院となった50歳代男性。退院後,1ヶ月で膵炎の再燃がみられ,入院となった。膵炎に対しては禁食,補液, 抗菌薬, 蛋白分解酵素阻害薬の投与を行い軽快したが,造影CT,造影MRI検査で,膵体尾部に膵実質より造影・増強効果の乏しい腫瘤が認められ,超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)を施行した。病理所見は,腺癌であり,膵体尾部癌cT3N0M0 stage IIAの診断で,膵体尾部脾合併切除術を施行した。術後補助化学療法として,S-1を4 コース施行後,現在に至るまで約1年間再発なく経過している。本症例のように,短期間で膵炎を繰り返す症例では膵癌の合併を念頭に,様々なmodalityを用いて迅速な精査を行う必要があると考えられた。</p>
著者
清水 英樹 山田 明 吉澤 亮 福岡 利仁 平野 和彦 下山田 博明 今野 公士 駒形 嘉紀 要 伸也 有村 義宏
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.378a, 2012

[背景]近年IgG4関連疾患の診断基準が作成されているが,その病態,病像には不明の点も多い.<br> [目的と方法]2011年2月から2012年3月まで当科症例でIgG4高値を示した9症例を検討した.全例で口唇生検と障害臓器の組織生検を試み,臨床経過を腎症の有無・自己免疫疾患の有無に応じ比較検討した.<br> [結果]平均年齢68.1&plusmn;12.2歳(52-90),男女比は5:4.腎症ある症例は4例(うち2例は腎生検で診断)であった.ミクリッツ徴候を主体とした症例は3例(すべて女性)で,既存の自己免疫疾患合併症例は2例であった.9例ともに悪性腫瘍は除外され,8例でIgG4-RDと診断した(1例はRAと診断).IgG4-RDの診断には,口唇生検と涙腺生検を施行し,口唇生検の5/8例で,涙腺生検の2/2例でIgG4浸潤細胞を認めた.腎症のある症例は,多臓器障害を認め,抗核抗体高値と低補体血症とIgE高値を伴った.IgG4関連疾患否定のRA症例では,Th2サイトカインの上昇を認めなかった.全例で膵病変なく,IgG4関連疾患8例でステロイドに著効した.<br> [結論]IgG4関連疾患は症例ごとに多臓器障害を認めやすい.全身の臓器障害部位を評価の上,組織生検も施行すべきである.尿所見・CT所見から腎症を疑う際には,腎生検も考慮すべきである.<br>
著者
山田 博胤 玉井 利奈
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.001-007, 2012 (Released:2012-02-16)
参考文献数
9

手術患者の安全を確保することは,麻酔科医の最重要任務である.周術期におけるイベントを予知,そして予防すること,イベントが起きた際には適切に対処することが望まれる.この命題を完遂するにあたり,心エコー検査により得られる情報は非常に有用である.しかし,循環器内科医あるいは検査技師が施行した経胸壁心エコー検査(TTE)の報告書を読むことはしても,自らTTEを行う麻酔科医はまだ少数である.麻酔科医が術前に行うべきTTEは,循環器内科で行うfull studyとは異なるfocused studyである.一般的には,(1)左室収縮能,(2)大動脈弁狭窄の有無,程度,(3)右室負荷(肺高血圧)の有無,程度,(4)下大静脈の径と呼吸性変動の有無(静脈環流量の推定),(5)心不全(左室拡張不全)の有無,(6)心膜液貯留の有無およびその程度,の情報が取得できれば,周術期のリスクマネジメントに非常に有用である.
著者
大竹 美緒 山田 博之 小山 慎一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.444-445, 2018

他者からの視線は人に様々な影響をもたらすが、それは本物の人間の目に限ったことではない。イラストや作り物など、人工的な目をも人は他者からの視線だと認識する傾向がある。人工的に作られた目は状況や使い所によって、不快・恐怖などの負の印象から、愛らしさなどの正反対の印象を与えることも出来る。目単体に対する不快感を検証した例として、人間の目の写真を利用した研究は存在するものの、人工物の目を主題とした研究は今のところ見られない。また、実物・人工物に限らず、顔や身体全体の印象評価を行う為に目を主題として扱う研究は多数存在するが、目のみを対象とした研究は少ない。本研究の目的は、人工的な目が配置された空間が、そこに置かれた人々にどのような影響や効果をもたらすかを明らかにする事である。しかし本研究に関連する事象は未だ解明されていない事が多く、要因をひとつずつ検証していく必要がある。本実験では、先行研究である目の写真に対する不快感を検証した実験を、イラストの目に置き換えて実験を行った。その結果、実写の目とイラストの目が与える不快感には差があるという事が示された。
著者
山田 喬 佐藤 豊彦 平田 守男 山田 博
出版者
The Japanese Society of Clinical Cytology
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.98-102, 1974

To stain the nuclei in the cytologic specimen and the histologic section, two synthesized basic dyes, Gallein-alminium and Pyrocatechol violet alminium, were found to be substituted for Hematoxylin. Since these dyes have also o-hydroxy quinoid ring in molecular structure and are lacked with alminium, their staining mechanisms might presumablly simulate the one of Hemato xylin.
著者
升田 隆雄 坂口 啓二 竹内 光治 鈴木 啓仁 山田 博史 黒田 智枝 野口 紀子 小菅 邦義
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.263-268, 1994-04-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
18

当院の医師92名, 看護婦380名, 看護助手24名, 看護学生30名を対象としてMRSAの鼻腔内保菌の調査を行った. 陽性率は各4.4%, 11.6%, 8.3%, 3.3%であった. 看護婦の保菌は救命センター(37.0%), 脳外科神経内科病棟(30.4%)で高率であり, 病棟でのMRSA検出患者数と平行していた. 除菌処置としてポビドンヨードゲルを1日2回1週間鼻腔内塗布し61%が陰性化した. 除菌困難例にはバシトラシン・フラジオマイシン軟膏を使用し54%が陰性化した. 耐性の誘導を考慮するとこれら抗生剤の局所使用は合理的であると考えられる.同一病棟同一時期での職員由来株と患者由来株のコアグラーゼ型は一致傾向はみられなかった. また除菌処置の励行により職員のMRSA保菌は激減したが, その後もMRSA検出患者は増加している. これらから職員の鼻腔内MRSA保菌に起因する患者への伝播の可能性は低いと推測される.
著者
松永 康志 大田 涼子 坂東 信行 山田 博章 湯浅 宏 金谷 芳雄
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.720-724, 1993-04-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
10
被引用文献数
6 13

(E)-4-[1-[4-[2-(Dimethylamino)ethoxy]phenyl]-2-(4-isopropyl)phenyl]-1-butenyl]phenyl monophosphate (TAT-59) is a new drug for the treatment of breast cancer. Physical and chemical stability of a tablet consisting of TAT-59 powder and a few excipients (Formulated tablet), a tablet consisting of only TAT-59 power (TAT-59 tablet) and TAT-59 powder itself itself was evaluated based on water content, tensile strenght, porosity, the amount of TAT-59 and its hydrolysis product, DP-TAT-59.The water content of Formulated tablet increased with relative humidity (RH), whereas that of TAT-59 tablet and TAT-59 powder scarcely changed. The equilibrium water content of Formulated tablet was much greater than that of the TAT-59 tablet or TAT-59 powder due to adsorbed moisture by the excipients. The tensile strength and porosity of Formulated tablet decreased and increased linearly, respectively, with increasing water content. The degradation rate of TAT-59 decreased in the following order : Formulated tablet>TAT-59 tablet>TAT-59 powder. The relationship between equilibrium water content and degradation rate of the Formulated tablet was determined by the Carstensen equation, in which the interaction order between the durg and water content was 1.9, and the degration of TAT-59 in Formulated tablet was related to water content. Thus, it was found that the degradation of TAT-59 was accelerated by compression and addition of excipients.
著者
佐藤 睦智 佐々木 剛 山田 博之 下村 浩一 矢嶋 航 丸谷 良 山内 伸二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.293-298, 2012-04-01

司会は昨年に引き続き嵐のみなさんと連続テレビ小説「おひさま」のヒロイン役を務めた井上真央さん.出場者は55組で随所に5ヵ所の中継や企画コーナーが加わる内容である.放送時間は19時15分から4時間25分(途中ニュースで5分間中断)の生放送で,総合テレビとラジオ第一が同時放送された.舞台セットは,点と点が繋がりみんなが一つになっていくことをコンセプトとした三角形の骨組みと映像を映し出すLEDスクリーンが基本セットである.前回から始まったテレビ副音声での「裏トーク」は,NHKホールの2階席に実況席が設けられ,生のステージを見ながらテリー伊藤さんと,神田愛花アナウンサがゲストを交えながら自由に話すというコンセプトで放送された.その他,3Dやスーパーハイビジョンの制作も平行して行った.
著者
桂田 浩一 中村 有作 山田 真 山田 博文 小林 聡 新田 恒雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2681-2689, 2003-11-15
被引用文献数
17

本論文ではマルチモーダルインタラクション(MMI)記述言語XISLを提案する.XISLの目標は,(1) MMIで必要とされるモダリティの利用方法・対話の制御を記述可能にすること,(2)モダリティの拡張性を高めることである.これらを実現するために,XISLでは,(1) VoiceXML,SMILといった従来言語を参考に,モダリティの利用方法および対話制御の諸概念や命令を導入し,(2)入出力モダリティに関する記述に自由度を持たせている.本論文ではXISLの概略を説明するとともに,PC上に実装したXISLの実行システム,およびプロトタイプとして試作したオンラインショッピングアプリケーションについて述べる.またXISLを他の言語と比較することにより,XISLのMMI記述言語としての特徴を明らかにする.This paper provides a multimodal interaction (MMI) description languageXISL. XISL aims to be a language satisfying the following conditions: (1) it has enough power to describe MMI scenarios, (2) it has extensibility of input/output modalities. For this purpose, (1) XISL prepares a lot of commands and structures used in previous languages such as VoiceXMLand SMIL,and (2) XISL has flexibility of describing input/output modalities. In this paper, we outline the specification of XISL, and show its interpreter and an application implemented on PC. Moreover, we clarify advantages of XISL by comparing it with other MMI description languages.
著者
邵 桂鳳 姚 鳳会 山田 博章 加藤 清史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.1-11, 2001-01-18

我々はコンピュータによるジグソーパズルを解くための一方法を提案する。この方法では、ジグソーピースの形状情報と画像情報の両方を用いる。まず、入力画像からジグソーピースを切り出して、各ピースのコーナーポイントを検出する。次に、ジグソーピースモデルに基づいてジグソーピースの分類と認識を行う。そして、ジグソーピースの形状マッチングと画像融合に基づいてジグソーピース間の接続関係を計算する。最後にジグソーピース間の接続関係を復元する。本論文は、第1部としてジグソーピースの切り出し、ジグソーピースモデルの作成、コーナーポイントの検出、そしてジグソーピースの分類と認識について述べる。
著者
山田 博之 小木曾 力 寥 健源
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.473-479, 1986
被引用文献数
3

歯の大きさ,とくに歯冠近遠心径ならびに頬舌径に関する研究はこれまで数多く報告されている.しかし歯の大きさに関する相関係数は歯冠近遠心径と頬舌径が別々に記載されているか,あるいはある特定の歯群について報告されているもので,歯冠近遠心径と頬舌径の相関係数をすべての歯種について表記したものは少ない.<br>今回,日本人と福建系中国人の男性と女性について歯の大きさの基本統計量と相関係数とを将来の比較資料として掲載した.これらの資料は日本人については山田(1977),小木曾(1982),福建系中国人については廖(1984)の上下顎石膏模型による歯冠近遠心径と頬舌径のデータである.なお,第3大臼歯の計測値は含まれていない.ここに掲載した基本統計量と相関係数行列は上記に示した歯の大きさの28計測項目すべてを含んでいる個体を対象に算出したため,すでに報告された結果と多少数値を異にしている.