著者
平沢 隆之 渡辺 翔 須田 義大 吉田 秀範 中野 公彦 水間 毅 長谷川 智紀 竹内 俊裕 栃岡 孝宏 山本 康典 岩下 洋平 藤元 秀樹 東 耕一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.177-182, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
7

車車間通信型ASV の普及スキームの一環として提案した路面電車と自動車の間での通信型ASV プロトタイプサービスを,実証実験への試供が可能となったASV 通信機を用いて構築した.両車両が見通し不良状況にて1 対1 で遭遇する基礎的なシーンを想定し,広島地区第二次ITS 公道実証実験デモに合わせて機能検証データを取得した.その結果,プロトタイプサービスが路面電車運転士の気づき支援に必要な機能を満たすことを確認した.
著者
岡 孝和
出版者
九州大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本年度は以下の2つの実験を行った.実験には雄ウイスターラット(300-350g)を用い,侵害受容閾値の測定にはプランターテストを用いた.[1] インターロイキン-1β(IL-1β)を視床下部視索前野(POA)に投与したときに生じる痛覚過敏におけるNOの関与の検討.実験1週間前に麻酔下でガイドカニューレとスタイレットをPOAの1.0mm上まで埋め込み,実験当日,薬物を目的部位に注入しpaw-withdrawal latencyの変化を観察した.IL-1β10pgをPOAに投与すると15-30分後にpaw-withdrawal latencyは短縮したが,IL-1β+N^G-monomethyl-L-arginin(10μg)を同時投与すると短縮効果が抑制された.POAにおいてIL-1βはNOを介して痛覚過敏を生じると考えられた.[2] Lipopolysaccharide(LPS)全身投与によって生じる痛覚過敏/鎮痛作用におけるプロスタグタンジン(PG)の関与の検討.LPS1-100μg/kgを静脈内投与したところ,投与45-60分後にpaw-withdrawal latencyが短縮した.一方,120分の観察時間内ではpaw-withdrawal latencyの延長はみられなかった.シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤であるNS-3981.0ng/0.3μlを両側POA内に局所投与したところpaw-withdrawal latencyの短縮が抑制されたが,腹内側核,室傍核内への投与では抑制効果がみられなかった.細菌感染症にかかった時に生じる痛覚過敏にPOAでのPG産生が関与すると考えられる.
著者
岡 孝和 小山 央
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.25-31, 2012-01-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1

自律訓練法は不安,抑うつ,怒りなどの陰性感情を低下させ,自己認知を積極的なものに変化させ自己受容を促すという心理的効果がある.練習中,中心後回などの手足の感覚に関連する部位に加えて,前頭前皮質や島皮質など,内部感覚や情動に関連する皮質機能の活動が亢進する.両腕が「重たい」,「温かい」という公式を裏づけるように,骨格筋の弛緩と末梢皮膚温の上昇が生じる.交感神経活動に対しては抑制的に作用する.迷走神経活動に関しては,心臓迷走神経活動を賦活する一方で,消化管を支配する迷走神経機能亢進状態に対しては抑制的に作用する.さらに視床下部-下垂体-副腎皮質系を抑制し,機械的疼痛閾値を上昇させる.
著者
冨岡 孝太 太刀川 純孝 長坂 雄次
出版者
日本熱物性学会
雑誌
熱物性 (ISSN:0913946X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.5-11, 2021 (Released:2021-10-04)
参考文献数
11

従来の宇宙機用ラジエータ材は太陽光を反射する目的で金属を含む材料を一般に用いていたため,電波透過面に適用することは出来ない.そこで,金属を用いず低太陽光吸収率を示し,かつ,高全半球放射率を示す新しい電波透過型宇宙用熱制御材COSF(Controlled Optical Surface Film)を開発している.本材料は,耐宇宙環境性に優れたポリイミドフィルムを基板とし,その表面には誘電体多層膜が成膜されている.多層膜の膜厚は遺伝的アルゴリズムを用いて設計し,低太陽光吸収率及び高全半球放射率となるように,評価関数を設定した.本論文では,熱光学特性に関する設計方法及び測定結果について報告する.
著者
岡 孝和 松浦 達雄 三島 徳雄
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.103-108, 1989-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12

いわゆる心臓神経症患者にみられる胸背部過敏点の臨床的意義を検討し, 以下の結論を得た。心臓神経症患者では, 第4, 5, 6胸椎棘突起上, 左第4, 5胸肋関節上に高頻度に過敏点を認めた。同部位は健常人においても出現頻度が高かったが, 患者群では有意に高頻度であった。また, 過敏点の出現頻度と神経症傾向, 顕在性不安との間に有意な相関関係は見出せなかった。胸部過敏点では, 圧迫により過敏性疼痛を示したにすぎなかったが, 背部過敏点では, 圧迫により胸痛, 動悸, 胸部圧迫感等の自覚症状を訴えた者が多く, 背部過敏点を検索することは, 患者の愁訴を理解する上で有用な身体所見であると考えられた。第4, 5, 6胸椎棘突起レベルには厥陰兪, 心兪, 督兪が配されていることと比較すると興味深い結果と考えられた。
著者
松岡 孝兒
出版者
京都帝國大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.416-433, 1928-09-01
著者
大穀 晃裕 中野 正嗣 谷 良浩 山口 信一 都出 結花利 有田 秀哲 吉岡 孝 藤野 千代
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.74-83, 2006-01-01
被引用文献数
10 3

The magnetic properties of the magnetic steel sheets, which are used for the magnetic cores of motors, vary with stress. This variation affects the characteristics of motors, e.g. the cogging torque of permanent magnet motors. In this paper, a novel, highly precise motor analysis method is proposed, which consists of the combination of structural analysis and electromagnetic field analysis-that is, the electromagnetic field analysis considering the stress distribution in the stator core. The cogging torque, which arises from the stress by shrink fitting of the frame to the core, is estimated using the proposed method. The validity of the proposed method has been verified by comparing the calculated results to the experimental result. Moreover, the better expression of the stress distribution in the coupled analysis is examined, and the result is that the principal stress is suitable rather than the von-Mieses stress. The reason is that the principal stress can distinguish the magnetic properties under compressive stress from the properties under tensile stress, and it can also consider the magnetic anisotropy caused by the stress.
著者
岡 孝和 小山 央
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.25-31, 2012
参考文献数
30

自律訓練法は不安,抑うつ,怒りなどの陰性感情を低下させ,自己認知を積極的なものに変化させ自己受容を促すという心理的効果がある.練習中,中心後回などの手足の感覚に関連する部位に加えて,前頭前皮質や島皮質など,内部感覚や情動に関連する皮質機能の活動が亢進する.両腕が「重たい」,「温かい」という公式を裏づけるように,骨格筋の弛緩と末梢皮膚温の上昇が生じる.交感神経活動に対しては抑制的に作用する.迷走神経活動に関しては,心臓迷走神経活動を賦活する一方で,消化管を支配する迷走神経機能亢進状態に対しては抑制的に作用する.さらに視床下部-下垂体-副腎皮質系を抑制し,機械的疼痛閾値を上昇させる.
著者
松岡 孝一 小片 富美子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.391-398, 1984-04-15

抄録 甲状腺機能亢進症ないしバセドウ病に伴う精神症状はよく知られている。また,その病象は原因の如何にかかわらず,過活動を中心としたある共通した特徴を持っていることも周知の事実である。しかし稀にではあるが,本来の病像とは逆の,すなわち能動性が減退し,感情の表出に乏しく,挙動も遅鈍で活気を欠き,だらしなく無関心な生活態度を示すといったapathetic stateを示すものが存在するという。著者は若年者で,この稀な臨床症状を呈し抗甲状腺剤で精神身体症状の消失した2症例を経験した。症例を検討すると思春期という心身の発達的過程の時期でありapathetic stateの発症に心因あるいは心的外傷体験が状況因子として密接に関連していることが推測された。そこで症例を報告するとともに本来の過活動性を示す甲状腺機能亢進症との相違を検討し,若干の考察を加えた。
著者
倉 尚樹 岡 孝和 安藤 哲也 石川 俊男 久保 千春 吾郷 晋浩
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.297-303, 2004-04-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
18

症例は21歳女性,37℃台の微熱が主訴であった.諸検査で発熱の原因となる身体的疾患を認めなかったこと,心理的ストレス状況下で症状が出現・増悪したこと,慢性疲労症候群の診断基準を満たさないことから心因性発熱と診断した.治療としてtandospirone 60mg/dayの投与と自律訓練法などの心身医学的治療を併用したところ,体温は徐々に正常化した.serotonin(5-HT)作動性の抗不安薬であるtandospironeは,5-HT_<1A>受容体を刺激し,5-HT_<2A>受容体の密度を低下させることで抗不安・抗うつ作用を示すといわれている.これらの5-HT受容体に対する作用は,体温を低下させる方向にも作用すると推測され,tandospironeは心因性発熱の治療薬の1つとして有用である可能性が考えられた.
著者
大澤 絢子 加藤 友佳里 嶋谷 真理 野寺 和花 服部 菜里 眞岡 孝至 新藤 一敏
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.499-505, 2011-08-15 (Released:2015-03-11)
参考文献数
23

The coconut crab (Birgus Latro), the largest terrestrial arthropod in the world, contains carotenoid pigments mainly in the shell, although no previous studies have identified them. We isolated the pigments in this study, by EtOAc extraction, silica gel column chromatography, and GPC column chromatography.We identified them as astaxanthin [optical isomeric ratio: (3R, 3’R), 9%; (3R, 3’S; meso), 41%; (3S, 3’S),50%] and diacyl astaxanthins [fatty acid ratio: stearic acid (18:0), 46%; palmitic acid (16:0), 26%; and oleic acid (18:1n-9), 18%] by 1H-NMR, LRESI-MS, chiral phase HPLC and GC analyses. This is the first detailed analysis of the carotenoids contained in coconut crab. We also examined the antioxidative activity of isolated astaxanthin and diacyl astaxanthins in the singlet oxygen suppression model. These compounds showed equal antioxidative activities with an IC50 value of 4 μM.
著者
北村 千寿 吉岡 孝 石倉 秀樹 森脇 秀俊
出版者
島根県立畜産技術センター
雑誌
島根県立畜産技術センター研究報告 (ISSN:18821030)
巻号頁・発行日
no.41, pp.17-19, 2010-03

2009年8月までに収集した黒毛和種の枝肉記録36,871件を用いて枝肉重量及び脂肪交雑基準値の育種価を推定した。推定した育種価を用いて2008年1月から2009年12月までに島根県内市場に上場した子牛の父牛(種雄牛)と母牛(繁殖雌牛)の平均育種価を求めた結果、父牛が母牛に比べて枝肉重量及び脂肪交雑基準値ともに高かった。枝肉重量育種価のバラツキは父牛が母牛に比べて大きく、脂肪交雑基準値育種価のバラツキは、母牛が父牛に比べて大きかった。繁殖雌牛の母方祖父牛の生年別平均育種価は、1989年以降(平成)生まれが1988年以前(昭和)生まれに比べて枝肉重量、脂肪交雑ともに高かった。2009年3月の島根中央子牛市場名簿から求めた繁殖雌牛の父牛、母方祖父牛及び曾祖父牛の平均年齢は、それぞれ21.3才、28.4才、34.3才であり、2009年3月のM県、2009年9月のT県及びO県の子牛市場名簿から求めた平均年齢に比べていずれも高かった。
著者
朝岡 孝平
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-8, 2021 (Released:2021-04-09)
参考文献数
49

本論文では,消費文化理論(CCT)の諸文献をレビューし,CCT研究の射程の広がりや消費者行動/マーケティング研究者や実務家にとってCCTが持つ意義を検討する。CCTとは,製品やサービスにまつわる様々な文化的側面を持つ消費者の行為とそれに関わる現象について,それが生じるメカニズムや消費者にとっての意味を明らかにし理論化しようとする研究領域である。本論文ではまず,既存研究で整理されたCCTの4つの研究プログラムについて概観する。次に,近年のCCT研究の射程の広がりとして,(1)市場システムダイナミクス,(2)消費のポリティクス,(3)技術への注目という3つの研究群について紹介を行う。これらを踏まえて,CCT以外の研究者やマーケティングの実務家にとってCCTが持つ「消費者やマーケティング現象を理解することに役立つ」という意義を説明し,今後の研究課題についても述べる。
著者
三小田 亜希子 高橋 健二 松岡 孝
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.143-151, 2016-04-25 (Released:2016-05-31)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

目的:高齢者に新規発症した1型糖尿病の報告が増加している.高齢発症1型糖尿病の臨床的特徴を明らかにすることを目的に,1型糖尿病の自験新規発症例において,1型糖尿病の臨床的特徴を65歳以上とそれ未満の発症年齢群に分けて分析した.方法:【分析I】2000年7月から2013年6月までの間に当科へ入院した65歳以上で新規発症(病歴1年未満)した糖尿病199名(65~92歳)を対象に糖尿病の病型,すなわち1型(1A/1B)・2型・膵性(悪性/良性)・その他の糖尿病,の頻度を調査した.さらに全例を75歳未満と以上で分けた群間比較を行った.【分析II】同じ期間に当科へ入院した全年齢域での新規発症1型糖尿病118名のうち,未成年例,緩徐進行1型糖尿病,劇症1型糖尿病,データ欠損例を除外した85名(20~92歳)を対象に,発症様式・BMI・ほか臨床背景・C-peptide(CPR)値・膵島関連自己抗体・HLA DR抗原を,65歳未満(n=71)と65歳以上(n=14)の2群間で,さらに後者を75歳未満と以上で分けた2群間(各n=7)で群間比較した.結果:【分析I】199名の糖尿病の病型は,1型糖尿病(1A/1B,n=12/4),2型糖尿病(n=155),膵性糖尿病(悪性/良性,n=16/6),その他の糖尿病(n=6)に分かれ,1型糖尿病は全体の8.0%(16/199),65歳~75未満で6.5%(9/139),75歳以上で11.6%(7/60)を占めた.【分析II】65歳未満と以上の2群間で,臨床背景,CPR値に差はなく,GAD抗体,ICAおよびIA-2抗体の頻度にも有意差はなかった.75歳未満と以上で分けた2群間でも各指標に差はなかったが,IA-2抗体の陽性率は65歳未満群48.5%(32/66),65歳以上群35.7%(5/14),75歳以上群では57.1%(4/7)の頻度を示した.HLA DR4/DR9抗原の保有率に2群間で差はなかった.結論:高齢者において1型糖尿病新規発症はまれではなく,IA-2抗体測定は高齢1型糖尿病の診断に寄与する.