著者
亀岡 慎一 礒田 修平 橋本 篤 伊藤 良栄 宮本 哲 和田 弦己 渡辺 直樹 亀岡 孝治
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.11-25, 2017

<p>高品質ワイン生産を目的とした最適ブドウ栽培管理のためには,ワイン用ブドウ栽培における科学的な理解に基づいた栽培環境の長期的なモニタリングが必要と考えられる.本研究ではワイン用ブドウ圃場の既設無線センサネットワーク(WSN)のシステム更新を行い,WSNによる圃場の生育環境情報取得と,生産者がその栽培環境情報を栽培に活かせるようなWebアプリケーション開発を行った.システムに関しては,無線規格の2.4 GHz帯からWi-SUN規格に準ずる920 MHz帯への変更とウェザーステーション・土壌水分センサの変更を伴う無線ネットワークシステムの抜本的な更新を行い,WSNからのデータ取得では,共通基盤クラウドを経由した圃場生育環境情報取得による観測項目名と単位名の標準化を行った.また,隣接して設置した気象庁の検定付きウェザーステーションのデータと比較することで,ウェザーステーションデータの精度検定を行った.開発したWebアプリケーションでは,栽培管理に有効な生育環境情報の二次栽培指標である有効積算温度(AGDD),Growing Season Temperature(GST),Coolnight Index(CI),Heliothermal Index(HI),Biologically Effective Degree-Days(BEDD),Dryness Index(DI)を求めることにより,科学的根拠に基づいた栽培管理に寄与する定量的指標の提供を可能とした.</p>
著者
蝦名 崇宏 斎藤 和也 松岡 孝明 伊藤 克己
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1184-1189, 2016 (Released:2017-12-01)
参考文献数
2

仙台市地下鉄東西線は,宮城県仙台市太白区の八木山動物公園駅から同市若林区の荒井駅までを結ぶ事業延長14.38km(地下式13.83km,地表式0.55km)の路線であり,平成27年12月6日に開業している。広瀬川地区橋梁は,仙台市中心部を流れる広瀬川に位置し,広瀬川橋りょう(渡河橋)と,西公園高架橋とからなる。土木工事施工期間は,平成20年12月仮桟橋の施工開始から,平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震による工事中止期間3カ月を経て,平成25年6月付属物設置までの4年7カ月を要した。本稿では,広瀬川地区橋梁の構造や施工概要について記載する。
著者
中岡 孝剛
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.177-227, 2019-03-25

[要旨]企業のバランスシートを見ると,多額の現金が積み上がっており,キャッシュリッチな企業が増えている。企業の現金保有行動の決定要因に関する実証研究は,Opler et al.(1999)を嚆矢として研究の蓄積が急速に進んでいる。本稿では,我が国企業における現金保有の状況を定量的に確認したうえで,企業の現金保有行動に関する理論と実証研究を整理する。保有動機の考察を行った結果,主な現金保有の動機として,取引的動機,予備的動機,エージェンシー動機,そして節税動機が存在することが明らかになった。また,近年の現金保有行動は予備的動機によってよりよく説明できることがわかった。[Abstract]In the past two decades, companies in many countries around the world have stockpiled considerable cash on their balance sheet. Corporate cash holding behavior is one of the hot issues in both of the academic and practical world. After the pioneer empirical work of Opler et al.(1999)was published, many studies have been devoted to shed light on the determinants of cash holdings behavior. The aim of this paper is, reviewing previous paper, to summarize motives for corporate cash holdings. I argue that there exists mainly four cash holding motives; the transaction motive, the precautionary motive, the agency motive, and tax motive. The precau-tionary motive has much explanatory power for the recent cash holding behavior.
著者
池辺 孝 西岡 孝芳 真弓 勝志 寺倉 政伸
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.84-87, 2011-01-25
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

症例は43歳,女性.激しい性行為の後,腹痛を自覚し近医を受診した.イレウスを疑われたため当科に紹介,救急搬送された.腹部造影CT検査で腸間膜の引きつれ像(radial distribution)を伴うイレウス像と小腸の虚血像を認め,小腸軸捻転症による絞扼性イレウスと診断した.発症後約11時間で緊急開腹手術を行った.Treitz靱帯より約2m肛門側の小腸が時計回りに180度捻転し,約80cmにわたり壊死を認めた.解剖学的異常,腫瘍,異常策状物等なかったため,原発性小腸軸捻転症と診断した.壊死小腸を切除し,端々吻合した.術後15日目に軽快退院した.<BR>成人における原発性小腸軸捻転症はまれで,腹部CT検査でのwhirl signが特徴的とされるが,自験例のように,whirl signを呈さない場合もあることを念頭に置き,早期診断,治療を行うことが重要であると考えられた.また,激しい性行為後の発症という点でも自験例はまれな例と考えられた.
著者
蔵岡 孝治 矢澤 哲夫
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
pp.452, 2002 (Released:2003-10-30)

シリカマトリックス中に液晶分子を分散した無機-有機ハイブリッドをゾル-ゲル法により作製した。作製した無機-有機ハイブリッドゾルは、π-π相互作用のため透明で均一であった。このゾルをゲル化後、焼成することにより、超微細孔(1nm以下の細孔)をもつことが窒素吸着の測定結果により明らかとなった。
著者
蔵岡 孝治 植田 剛士 佐藤 正昭
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.427, 2004

ポリエチレンテレフタラート(PET)基板上にシリカマトリックス有機-無機ハイブリッド膜をゾル-ゲル法を用いて作製した。作製した膜は主な成分がシリカであるため透明性を有し、有機高分子とのハイブリッド化により柔軟であり、SEMによる膜表面観察でもクラックは観察されなかった。この特性は無機成分と有機成分が分子分散しているためであると考えられる。また、包装材料としての適用性を評価するために、気体透過性、硬度などを測定した。得られたハイブリッド膜の酸素の透過係数はPET基材に比べて小さく、クラックのない緻密な膜が形成されていることがわかった。
著者
松岡 孝一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.126, no.11, pp.729-731, 2006-11-01 (Released:2007-02-06)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

本記事に「抄録」はありません。
著者
鈴木 研一 松岡 孝介
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.3-25, 2014-03-20 (Released:2019-03-31)
被引用文献数
1

本研究は,従業員満足度,顧客満足度,および財務業績の関係に関わる検証を,ホスピタリティ産業の一つであるホテル業を営む日本企業A社の,6年間に及ぶデータを用いて検証した.このような一連の関係を扱った研究は会計学の分野では非常に少ないために,マーケティング論および組織論まで含めて幅広く先行研究をレビューした.学際的な視点から見た本研究のオリジナリティは,(1)従業員と顧客が直接に相互作用する代表的な業種であるホスピタリティ産業において,(2)6年間もの長期間にわたって収集したデータを用いて,(3)従業員満足度→サービスの質→顧客満足度→稼働可能客室当り粗利益という一連の関係を同時に分析し示したことである.このことは,一連の関係を同時に明らかにした研究が限られている中で,実務がそのような関係を重視することの裏付けを与えたということだけでなく,サービス・プロフィット・チェーンやバランス・スコアカードといった多様な業績指標を含むフレームワークの妥当性を示す一つの実証的証拠を提示したという点で,一定の意義があると思われる.
著者
宮田 喜久子 冨岡 孝太 山岡 和貴
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.2_75-2_80, 2021 (Released:2021-03-28)
参考文献数
5

This paper reports the establishment and practical results of the first trial of the spacecraft thermal design hands-on training program for the general public. This training is part of the two-week educational program that aims to find and grow up the potential people who are interested in commercial space utilization. The thermal design and its evaluation are some of the most difficult points for novices of the space industry. The program consists of the basic classroom lecture focusing on the differences from the thermal design of the normal commercial equipment and two kinds of hands-on training helping the students understanding. The hands-on training aims to evaluate thermal radiation properties. The training consists of the measurement with the standard instruments and thermal-vacuum test. The effectiveness of the whole training program is evaluated based on the questionnaire results from the students.
著者
成田 正直 眞岡 孝至 蛯谷 幸司 西野 輔翼
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.48-54, 2013 (Released:2013-08-06)

ホタテガイの赤燈色貝柱における成分分析および色素の同定を行い,その抗酸化作用を調べた。赤燈色貝柱の一般成分,遊離アミノ酸は通常貝柱と有意差がみられなかった。MSおよびNMRスペクトルの結果から,赤燈色貝柱の主な色素はペクテノロンと同定した。ペクテノロンは,アスタキサンチンよりはやや弱いが,β-カロチンより強い抗酸化作用を示し,有用なカロテノイドと考えられた。
著者
福村 卓也 福谷 耕司 有岡 孝司
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.318-329, 2010 (Released:2012-02-08)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

Some pressurized water reactor (PWR) plants have switched secondary system feed water treatment to ethanol-amine (ETA) injection from all-volatile treatment (AVT) to reduce iron transfer in the steam generator (SG). However, the effect of ETA injection on FAC rate has not been studied systematically. To assess the effect of ETA injection on FAC rate, the water chemistries in secondary systems were calculated by considering the thermal decomposition of hydrazine in SG and the vapor/liquid partition of ammonia, ETA, and hydrazine in SG and in a moisture-separator-and-reheater (MSR). Then, we measured the FAC rate experimentally by rotation tests to examine the effect of ETA injection. The high pH condition of ETA injection reduced the FAC rate more than the low pH condition of AVT. No chemical effect on the FAC rate was observed between ETA injection and AVT at 180°C. We also evaluated the FAC rate using magnetite solubility with and without ETA injection. The evaluation showed that ETA injection reduces the FAC rate of the secondary system.
著者
高清水 康博 岡 孝雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.Supplement, pp.S65-S79, 2007 (Released:2009-01-27)
参考文献数
92

この見学旅行では,褐炭層を挟む地層で特徴づけられる十勝平野の下部更新統を観察する.とりわけ,芽登凝灰岩を鍵層としてその上下の堆積物の層相変化を観察する.ここで観察する地層は堆積学的解析から,後背湿地,潮汐干潟,内湾,バリアー,海浜-外浜環境で形成されたものである.露頭から不攪乱試料を採取し,室内透水試験を行った結果,堆積相と透水性に関連性があることが分かってきた.これらのことを合わせて十勝平野の下部更新統の堆積相と地下水帯水層として見た場合の評価を考える.
著者
玉川 弘幸 森岡 孝介 早崎 良祐 吉川 陽介 千葉 しおり 平澤 駿之
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集 16(1999) (ISSN:24330655)
巻号頁・発行日
pp.84, 1999-08-09 (Released:2017-07-20)

デパートなどでエレベーターに乗ったとき、身体が重くなったり、軽くなったりする感覚になる。それが感覚的なものか、物理的なものかを実際に体重計を用いて調査した。エレベーターで上昇するとき、下降するときで特徴的な結果が得られたので報告する。
著者
細田 雅洋 松岡 孝介 鈴木 研一
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.122-134, 2013

本稿では,CSR促進のためのマネジメント・コントロール・システム(MCS)の実態を明らかにすることを目的として日本企業12社とインタビュー調査を行い,その結果を考察した。調査結果から,CSRと財務的成果の両立を図るためのMCSのアプローチについての示唆が得られた。
著者
市岡 孝朗
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.431-437, 2005
参考文献数
25
被引用文献数
1

熱帯域には、アリ植物と呼ばれる、アリと密接な相利共生系を形成するように独特の進化をとげた植物種が多くの分類群にみられる。アリ植物は、茎などの組織を変型させて空洞を形成し、そこを巣場所として共生するアリに提供する。アリ植物に営巣する共生アリは、植食者からアリ植物を防衛する。東南アジア熱帯を中心に分布するオオバギ属植物には何種類ものアリ植物種が含まれており、広い地域で複数のアリ植物種が共存する。オオバギとアリとの間に成立する相利共生系には、パートナーシップに強い特異性が見られ、両者の関係のあり方や相互依存度の強さは、オオバギの種ごとに異なっている。そうした二者間の関係性の種間変異は、特に、アリによる対植食者防衛(アリ防衛)の強さとそれと相補的にはたらく植物の物理的化学的防衛(非アリ防衛)の強さのバランスに顕著にあらわれることが近年明らかになってきた。アリ防衛と非アリ防衛のバランスの種間変異は、オオバギをとりまく植食者群集や共生アリを捕食する動物の群集の多様化をもたらすことが考えられる。本稿では、現在までの研究をふりかえって、これまでに明らかになったアリ-オオバギ共生系の多様性を紹介するとともに、アリ-オオバギ共生系の多様性が、それをとりまく生物群集にどのような影響をあたえているのかといった問題を議論した。筆者とその共同研究者によるこれまでの研究の結果は、アリ-オオバギ共生系にみられる多様性が、この系に関連する生物群集の多様性を増大させる効果をもっていることを示唆している。
著者
杉岡 孝紀
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-15, 2020-03-31 (Released:2020-07-09)

Although the relationship between nembutsu (or true practice) and shinjin (or true entrusting) is said to constitute the center of Shinran Pure Land Buddhism, research from the modern period up to the present has focused mainly on studies of shinjin. In recent years, there have been attempts to elucidate Shinran’s concept of shinjin using a psychological perspective on the Buddha’s teachings, or through the application of counseling theory, and this trend is growing stronger. There are very few new understandings and interpretations of Shinran’s Buddhist thought. However, from among these, I would like to focus on a unique perspective that views Buddhist thought in Shinran Pure Land Buddhism as a symbolic act. This paper discusses the understandings of the philosopher Yoshinori Takeuchi and the Shin Buddhist scholar Ryoji Oka. Their approaches are used to clarify the characteristics of Buddhist thought based on the 17th Amida’s vow in Shinran.