著者
松本 有史 金子 仁彦 高橋 利幸 中島 一郎 久永 欣哉 永野 功
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.729-732, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

症例は発症時65歳の男性.右肩・上腕の感覚障害が一過性に出現し,MRIにて頸髄C2/3右背側に1椎体程度の小病変を認めた.約1年3か月後に右頬・後頸部・後頭部に電撃痛が出現し,MRIにて頸髄C1右背側に後索と三叉神経脊髄路核に及ぶ卵円形の病変を認めた.視神経や中枢神経の他の部位には病変を認めなかった.血清の抗aquaporin 4抗体が陰性,抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体が陽性であった.ステロイドの投与で症状は改善した.視神経脊髄炎spectrum disordersの診断基準は満たさず,抗MOG抗体陽性の再発性脊髄炎として貴重な症例と考えた.
著者
加藤 勇夫 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.65-84, 2018 (Released:2018-10-16)
参考文献数
34

日本社会が現在の生活の質を維持し、今後、深刻化する少子高齢化社会に対応するためには、既存社会システムの破壊と再生(革新)による労働生産性の向上と、この革新を支えるイノベーターの育成が急務である。また、イノベーターの育成には、プログラムを機敏にマネジメント(機敏に意思決定)するための基盤となるマネジメント方法論として、リーン&アジャイルプログラムマネジメントの開発と実施が必要であると考えている。本稿では、このリーン&アジャイルプログラムマネジメントを実現するために、これまでのイノベーションプロセスを再考し、イノベーターが革新を完遂するためのマネジメントフレームワークを提案する。
著者
加藤 勇夫 紫垣 ジェフェルソン 進一 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.229-248, 2018 (Released:2018-10-09)
参考文献数
20

プログラムマネジメントは、プロジェクトが創出する価値を新規及び並行稼働するプロジェクトに継承し継続的に活用して、新価値の創造に資することが求められる。しかしながら、プロジェクトが創出する継続性価値(知識や経験など)は無形価値であるため、プロジェクトに関わる人々の頭の中にある仮想空間に集約される。筆者らは、この仮想空間を複数接続したネットワークを伊丹の「場」と捉え、プログラムにおけるプロジェクト価値継承が、場の基本要素(アジェンダ、解釈コード、情報のキャリアー、連帯欲求)で変換し、写し取ること(価値変換)に相当すると考えた。本稿では、この価値変換の構造やプロセスについて議論したので報告する。
著者
加藤 勇夫 紫垣 ジェフェルソン進一 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.233-242, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
14

プログラムマネジメントは、プロジェクトが創出する価値を新規及び並行稼働するプロジェクトに継承し継続的に活用して、新価値の創造に資することが求められる。しかしながら、プロジェクトが創出する継続性価値(知識や経験など)は無形価値であるため、プロジェクトに関わる人々の頭の中にある仮想空間に集約される。筆者らは、この仮想空間を複数接続したネットワークを伊丹の「場」と捉え、プログラムにおけるプロジェクト価値継承が、場の基本要素(アジェンダ、解釈コード、情報のキャリアー、連帯欲求)で変換し、写し取ること(価値変換)に相当すると考えた。本稿では、この価値変換の構造やプロセスについて議論したので報告する。
著者
加藤 勇夫 紫垣 ジェフェルソン 進一 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.294-313, 2018 (Released:2018-10-09)
参考文献数
20

筆者らは、既報で企業ビジョン達成のための枠組みについて議論してきた。しかしながら、プロジェクトが有する有期性に起因する課題である「獲得した知識や経験などのプロジェクト価値継承」に関して具体的に説明ができていない。今後、本研究をプログラム・エンジニアリングに発展させるために、組織における顧客視点(プロジェクト組織)と業務プロセス視点(専門部門)の関係から、プロジェクトが創出するプロジェクト価値の継承を確実にするために、プロジェクト価値継承をマネジメントする方法論について提案し議論した。また、日本のエンジニアリング企業を一例にして、提案するマネジメント方法論によって、プロジェクト価値継承に関する「プロジェクト組織」と「専門部門」の役割について議論し、説明を試みた。
著者
加藤 勇夫 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.70-86, 2017 (Released:2017-10-30)
参考文献数
14

筆者らは、既報で企業ビジョン達成のための戦略フレームワークとしてマルチ・プログラム・プラットフォームを提案し、オーケストレーションおよび戦略の動的アライメントと、これらを円滑に機能させるための意思決定プロトコルについて説明した。企業の永続的発展のためには、企業ビジョンの継続的革新が必要であるため、本稿では、スーパー・プログラム構造のオーケストレーションが、単に、顧客視点と内部プロセス視点間で相互の戦略同期をはかるばかりでなく、視点間の円滑な意思疎通と動的な戦略整合を促進するために意思決定プロトコルを含意すること、スーパー・プログラムが、企業ビジョン革新のドライバとして機能することについて述べる。
著者
加藤 勇夫 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.85-98, 2017 (Released:2017-05-12)
参考文献数
14

筆者らは、既報で企業ビジョン達成のための戦略フレームワークとしてマルチ・プログラム・プラットフォームを提案し、オーケストレーションおよび戦略の動的アライメントと、これらを円滑に機能させるための意思決定プロトコルについて説明した。企業の永続的発展のためには、企業ビジョンの継続的革新が必要であるため、本稿では、スーパー・プログラム構造のオーケストレーションが、単に、顧客視点と内部プロセス視点間で相互の戦略同期を図るばかりでなく、視点間の円滑な意思疎通と動的な戦略整合を促進するために意思決定プロトコルを含意するこ と、スーパー・プログラムが、企業ビジョン革新のドライバとして機能することについて述べる。
著者
加藤 智之 西田 絢子 越島 一郎 徳丸 宜穂 梅田 富雄
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20-29, 2013-04-20

既報では、3S(スキーム・システム・サービス)標準プロジェクトモデルに基づく価値創出モデルのための進化型イノベーションを課題とし、製品イノベーションを意図的に起こす手法論を進化ゲーム理論を援用し展開してきた。本論では、プログラムとしてプロジェクトサイクルを回す際、その引き金(ドライバー)となる要因(ヒト、モノ、カネ、情報)とイベントを進化ゲーム理論における戦略(現時点、将来、環境)に置き換えることによって事業ライフサイクルにおける3Sモデル間の接続をマネジメントする方法について説明する。更に、進化ゲーム理論による製品イノベーション・サイクルについて、進むべき方向性を決定する指標と共に提示し、マネジメントする方法を提案する。
著者
加藤 智之 西田 絢子 越島 一郎 徳丸 宜穂 梅田 富雄
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.21-33, 2013

既報では、3S(スキーム・システム・サービス)標準プロジェクトモデルに基づく価値創出モデルのための進化型イノベーションを課題とし、製品イノベーションを意図的に起こす手法論について進化ゲーム理論を援用し展開してきた。本論では、プログラムとしてプロジェクトサイクルを回す際、その引き金(ドライバー)となる要因(ヒト、モノ、カネ、情報)とイベントを進化ゲーム理論における戦略(現時点、将来、環境)に置き換えることによって事業ライフサイクルにおける3Sモデル間の接続をマネジメントする方法について説明する。更に、進化ゲーム理論による製品イノベーション・サイクルについて、進むべき方向性を決定する指標と共に提示し、マネジメントする方法を提案する。
著者
加藤 勇夫 紫垣 ジェフェルソン 進一 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.111-122, 2017 (Released:2017-10-12)
参考文献数
14

筆者らは、既報で、企業ビジョン達成のための枠組みについて議論してきた。しかしながら、プロジェクトのもつ有期性に起因する課題である「獲得した知識や経験などのプロジェクト価値継承」に関して具体的に説明ができていない。今後、本研究をプログラム・エンジニアリングに発展させるために、組織における顧客視点(プロジェクト組織)と業務プロセス視点 (専門部門)の関係から、プロジェクトが創出するプロジェクト価値の継承を確実にするために、プロジェクト価値継承をマネジメントする方法論について提案し議論した。また、日本のエンジニアリング企業を例に、提案するマネジメント方法論によって、プロジェクト価値継承に関する「プロジェクト組織」と「専門部門」の役割について議論し、説明を試みた。
著者
ダワードルジ ニャムバヤル 濱田 佑希 越島 一郎
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.229-237, 2014-04-19

プロジェクト・マネジメントでは、人材資源からプロジェクトで必要な技術者を使用して目的を達成する必要がある。そのためプロジェクトでは十分な知識と経験を持ってない新しいエンジニアを雇用するのは非常に難しいである。しかしながら、新興国ではプロジェクト・マネジメントに熟達した人材が限られている。このことから、プロジェクトを遂行しつつ人材育成を図らざるを得ない状況にある。人材教育にあって二つの方法がある。一つはOJT (On the Job Training), もう一つはOff-JT (Off the Job Training)である。プロジェクトの時間的な制約で教育する時間がない。そのため、教育に従事できる人材の不足を考慮したプロジェクトエンジニア育成のための教育方法の開発が望まれている。本論では本来のプロジェクトと教育プロジェクトを両立させる手法の開発を目指しているので紹介する。
著者
笠島 一郎 平林 孝之 川合 真紀
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.633-636, 2010-06

ワサビは日本料理(サシミ、すし、そば、漬物等)に独特の香辛料として用いられ、その歴史も古い。ワサビは我が国が原種と考えられる数少ない植物種である。すでに7世紀の飛鳥時代に登場し、江戸時代には静岡地方で栽培が推奨された。これまでいくつかの代表的栽培種が育成されているが、それらの遺伝学的類縁関係に関する知見は少ない。本研究ではRAPD法と呼ばれるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)多型解析により、栽培ワサビ品種及び野生種の類縁関係の解析を試みた。
著者
須藤 英一 前島 一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.84-85, 2011 (Released:2011-03-03)
参考文献数
5

目的:高齢者の肺炎に関連する口腔内乾燥は日常介護でしばしば直面する問題である.この点で,保湿ジェルを用いた口腔ケアの効果を老人ホーム入所中の脳血管障害後遺症患者でみた成績を以前に報告したが,これを他の施設に広げて検討した.方法:対象は脳血管障害後遺症患者11例(男性4例,女性7例,平均年齢84.5±1.3歳).老人ホームの入居者を対象に,口腔ケア用品として,口腔内乾燥予防目的に保湿ジェルを用い,使用前年の6カ月間と使用中の6カ月間に於いて発熱を生じた日数,抗菌薬投与日数,抗菌薬投与回数,補液日数,補液回数を比較した.結果:使用前,使用中の6カ月間の発熱日数を比較検討すると使用前平均5.4±2.8日から使用中3.5±2.9日まで有意に(p<0.01)減少した.抗菌薬投与日数,抗菌薬投与回数,補液日数,補液回数はそれぞれ,使用前平均3.3±3.4日から使用中1.1±1.8日,使用前平均6.2±6.7回から使用中2.0±3.6回,使用前平均2.4±3.4日から使用中1.2±1.8日,使用前平均4.2±6.8回から使用中1.4±2.2回と全て減じたが有意差は認めなかった.結論:保湿ジェルを用いた口腔ケアは脳血管障害後遺症患者に生じる口腔内汚染を誘因とする気道感染や脱水予防に寄与できる可能性が示唆された.
著者
ダニエルス クリスチャン 宮崎 恒二 大塚 和夫 西井 涼子 眞島 一郎 関根 康正 河合 香吏 陶安 あんど
出版者
東京外国語大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本計画研究の最終年度に当たる本年度は、これまでの4年間の研究成果を踏まえて、総まとめと研究成果の公表に重点をおいた。これまでの研究活動においては、三つの基本課題に沿って知識が資源化される過程を検討してきた。第一課題は、知識の所有・占有・共有である。第二課題は、現代における前近代知識の読み直しであり、第三課題は、実体化された知識である。実践の中で生まれてくる知識がどのように資源化されるかが大きなテーマである。本年度は、領域研究全体のr資源」概念の再構成に貢献できるように、上記の三課題を視野に入れながら、資源化メカニズムの解明を継続・研究した。これまでに知識の「資源化」と知識の「商品化」とのあいだに本質的な懸隔のあることを明らかにした。本年度は、資源としての知識が拡散と流動のベクトルをもつのに対し、その商品化は固定と秘匿のベクトルをもつという分析指標から計画研究の総まとめを行った。班員がその立場を取り入れた形で成果論文の執筆に執りかかった。具体的な活動は(1)総括班主催で2006年12月9日-10日に開催した資源人類学国際シンポジウムでの発表、及び(2)2007年秋に刊行する予定の責任編集・全9巻からなる資源人類学成果論文集の1巻をなす第3巻「知識資源の陰と陽』に掲載する論文作成であった。(1)の国際シンポジウムでは、関根はハワイ南アジア系移民社会における伝統知識の再活性化(宗教・呪術の復活)の補充調査をした上で、「On the Shift from Knowledge as a Capital to Knowledge as a Resource」と題する発表を行った。(2)については、班員はそれぞれ上記の三課題を中心に5年間の研究成果を論文にまとめる作業を行った。ダニエルスは、上記の第3巻の責任編集に当たると同時に、雲南における伝統技術の補足調査をした上で成果論文集の第1巻に掲載する伝統技術の資源化過程に関する総論を準備した。
著者
香西 克之 鈴木 淳司 内川 喜盛 木本 茂成 田村 康夫 中島 一郎 小野 俊朗 有田 憲司 新谷 誠康 福本 敏 海原 康孝 林 文子 土屋 友幸
出版者
日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.517-523, 2008-12-25
被引用文献数
3

本邦における小児歯科学教育の現状を調査するために,全国29歯科大学・大学歯学部の小児歯科学担当講座(分野)に対してアンケート調査を行った.アンケートは小児歯科学授業(講義),基礎実習,臨床実習の3項目について行った.アンケートの結果から以下の実態が確認された.授業では,ほとんどの大学で小児歯科,あるいは成長,発達などの小児歯科学と関連のあるシラバスの科目名称を有していたが,小児歯科学単独のシラバスを持たない大学もあった.授業時問は平均55時間程度であったが,最も少ない大学と多い大学では6倍の差があった.基礎実習は平均35時間行われていたが,国公立大学の平均に比べ私立大学は有意に多かった.臨床実習実施期間は平均11.9か月で大学間の差は少なかったが,実施時期は国公立大学に比べ私立大学が約6か月程度早期に行われていた.また,臨床実習での学生の参加形態や評価方法などは大学問で大きな差があった.<BR>以上のことから,小児歯科学の教育は各歯科大学・大学歯学部で大きな差があることが確認された.特に授業時間や実習時間は私立大学が多い傾向にあった.また臨床実習の実習期問は大学問で大きな差はないが,開始時期は私立大学が国公立大学に比べ有意に早いことが示された.