著者
杉島 一郎 松田 瀬菜
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.103, 2014 (Released:2014-10-05)

本研究は,左右の指示をされてもとっさに反応できなかったり,場所を左右で答えるのが困難であったりする左右識別困難について,その原因として認知スタイル(言語優位,視覚優位)が関係あるのではないかとして質問紙による調査を行ったものである。質問紙は谷岡・山下(2005)の左右識別困難質問紙と荒木・木村(2005)のVVQ日本語版,および八田・中塚(1975)の利き手検査を用い,加えて左右識別能力への自信を2件法で質問したものである。99名の大学生を対象に調査を行った結果,左右識別能力に関して性差と認知スタイルの影響がみられた。男性では言語が優位ではなく視覚優位のものほど左右識別が困難で,女性では言語が優位でない方が左右識別困難になりやすいということが示唆された。
著者
木村 利昭 藤原 正弘 小川 敬子 藤野 良子 相良 康重 神武 正信 井筒 雅 中島 一郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.1343-1350, 1996-12-01 (Released:2008-02-14)
参考文献数
25
被引用文献数
2 3

A scanning electron microscope (SEM) was used to study the morphology of starch granules and the strength of market Udon (Japanese noodles), that is, fresh Udon, frozen Udon and cooled Udon after cooking. Udon samples were cooked for a given time and observed with SEM and also we measured the breaking strength. The following results were obtained. 1.The degree of swelling of starch granules in cooked Udon samples differed with the position from the surface. The starch granules near the surface swelled extremely and did not retain their original granular form. 2.A black ring was observed in the cross-section of all cooked Udon in SEM images. The black ring may be caused by the difference in the water content between near the surface and the core of cooked Udon. 3.The starch granules in the core of cooked Udon had a distinct form, but they were not a round shape. The shallow surface layer of each starch granule swelled and gave high contrast. The core of the each starch granule showed low contrast because of its compact structure, which looked black in the SEM images. The area of the black zone was different among Udon samples. 4.There was a correlation between the total area of low contrast zone in the starch granules and the breaking strength of Udon. The area of low contrast zone can be used for an evaluation scale of cooked Udon.
著者
木村 利昭 藤原 正弘 小川 敬子 藤野 良子 相良 康重 神武 正信 井筒 雅 中島 一郎
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.1343-1350, 1996-12-01
参考文献数
25
被引用文献数
7 3

A scanning electron microscope (SEM) was used to study the morphology of starch granules and the strength of market Udon (Japanese noodles), that is, fresh Udon, frozen Udon and cooled Udon after cooking. Udon samples were cooked for a given time and observed with SEM and also we measured the breaking strength. The following results were obtained. 1.The degree of swelling of starch granules in cooked Udon samples differed with the position from the surface. The starch granules near the surface swelled extremely and did not retain their original granular form. 2.A black ring was observed in the cross-section of all cooked Udon in SEM images. The black ring may be caused by the difference in the water content between near the surface and the core of cooked Udon. 3.The starch granules in the core of cooked Udon had a distinct form, but they were not a round shape. The shallow surface layer of each starch granule swelled and gave high contrast. The core of the each starch granule showed low contrast because of its compact structure, which looked black in the SEM images. The area of the black zone was different among Udon samples. 4.There was a correlation between the total area of low contrast zone in the starch granules and the breaking strength of Udon. The area of low contrast zone can be used for an evaluation scale of cooked Udon.
著者
谷口 洋 藤島 一郎 大野 友久 高橋 博達 大野 綾 黒田 百合
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.249-256, 2006-12-31 (Released:2021-01-10)
参考文献数
10

【目的】ワレンベルグ症候群(WS)による嚥下障害はしばしば左右差を認める.本研究ではWSにおける食塊の下咽頭への送り込み側と食道入口部の通過側について検討した.【対象と方法】対象は嚥下造影検査(VF)を施行したWSの24症例で,24症例はVFを平均2.0回おこなっており,各検査を独立した47施行として後方視的に検討した.頸部正中位での嚥下を正面像で観察し,下咽頭(梨状窩のレベル)への食塊の送り込みを左右差なし,患側優位,健側優位に,食道入口部の通過を左右差なし,患側優位,健側優位,不通過に分類した.下咽頭へ患側優位に送り込まれた例では,健側に食塊を誘導する目的で健側を下に側臥位をとるか(一側嚥下)患側へ頸部回旋しての嚥下(嚥下前横向き嚥下)をおこない咽頭通過の改善を評価した.【結果】下咽頭への送り込み側は左右差なし15施行(32%),患側優位24施行(51%),健側優位8施行(17%)であった.食道入口部の通過側は左右差なし6施行(13%),患側優位9施行(19%),健側優位16施行(34%),不通過16施行(34%)であった.食塊が患側優位に下咽頭へ送り込まれた15施行に一側嚥下か嚥下前横向き嚥下をおこない,12施行(80%)で食塊が健側の下咽頭へ誘導されることで咽頭通過の改善をみとめた.【考察】従来の報告と同様に食道入口部の通過は健側優位が多かったが,下咽頭への送り込みは患側優位が多く対照的な結果となった.これまでWSにおける食塊の咽頭への送り込み側の報告はない.患側の下咽頭に送り込まれやすい機序として,健側の口蓋筋群がより強く収縮して食塊が患側に偏筒して口峡を通過することや,咽頭収縮筋が健側でより強く収縮して食塊が患側に送り込まれることが推察された.WSではこれらのことを考慮して体位調節により下咽頭への送り込みをコントロールすることが時に重要であると思われた.
著者
髙山 耕二 中村 南美子 園田 正 冨永 輝 石井 大介 柳田 大輝 飯盛 葵 松元 里志 片平 清美 大島 一郎 中西 良孝 稲留 陽尉 塩谷 克典 赤井 克己
出版者
Japanese Soceity for Animal Behaviour and Management
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.134-141, 2018-09-25 (Released:2018-11-28)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究では,明暗条件下でニホンジカ(Cervus nippon nippon;以下,シカ) 2頭(雄雌各1頭)の有彩色(赤,緑および青色)と無彩色(灰色)の識別能力を明らかにした.試験にはT字型迷路を用い,各有彩色と無彩色を対比させ,シカが有彩色を選ぶと報酬(飼料)を与えた.実験室内の色パネル中央部の照度は,LED電球を点灯した試験1で200lux,点灯しなかった試験2で0.1luxであった.1セッションを20試行とし,80%以上の正答率(χ2検定,P < 0.01)が3セッション連続で得られた場合,提示した有彩色をシカが識別したと判定した.試験1:点灯下で,2頭のシカは有彩色(緑,赤および青色)と無彩色(灰色)をいずれも4セッション目までに識別した.試験2:非点灯下で,シカ2頭は緑および青色を3セッション目まで,赤色を6セッション目までに識別した.以上より,シカは明暗に関係なく,各有彩色と無彩色を識別出来ることが示された.
著者
三島 一郎
出版者
日本コミュニティ心理学会
雑誌
コミュニティ心理学研究 (ISSN:13428691)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.82-93, 1997-03-20 (Released:2020-09-17)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Self-Help Groups are organized voluntarily and intentionally by people who suffer from common problems, to solve these problems or to acquire power to live with these problems. These groups are independent from profesionals and managed independently. And they develop regular and lasting activity.Self-Help Groups are system which have functions of lasting community. People who participate in the system change their own system.This paper descrives,(1)Definition of Self-Help Groups. (2)Ideological background of Self-Help Groups. (3)Conditions to be organized for Self-Help Groups. (4)Specific characteristics of help by Self-Help Groups. (5)Functions and roles of Self-Help Groups. (7)Possibility and limitations of Self-help Groups. (6)Future and left problems of Self-Help Groups.
著者
大熊 るり 藤島 一郎 武原 格 水口 文 小島 千枝子 柴本 勇 北條 京子 新居 素子 前田 広士 宮野 佐年
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.21-27, 1999-12-30 (Released:2019-06-06)
参考文献数
15

【目的】梨状窩の形状に個人差があることに注目し,誤嚥との関連について,内視鏡的嚥下検査(VE)および嚥下造影(VF)所見を用いて検討した.【対象・方法】1997年4月~98年3月の1年間にVFおよびVEを行った患者82名のうち,VFにて明らかな嚥下反射の遅延または造影剤の著明な梨状窩への残留を認めた31名(球麻痺14名,仮性球麻痺17名)を対象とした.内視鏡を経鼻的に挿入して梨状窩を観察し,録画したものを計測した.咽頭後壁正中部から梨状窩の外側端までの距離が最大となる距離を長径,長径と直交する形で梨状窩の内側縁と外側縁の間隔が最大となる距離を短径とし,短径/長径の値を求めた.この値が大きいほど梨状窩の幅が広いことを示し,小さいほど幅が狭いことを示す.【結果】披裂喉頭蓋皺襞の腫脹が著明な症例が6名あり,これらは最も梨状窩の幅が狭い症例とも考えられたが,計測困難なため比較の対象からは除外した.また梨状窩の形状に左右差が認められる症例が9名あった.短径/長径の値について,VF所見上の誤嚥あり群(14名)と誤嚥なし群(11名)とで比較した.左右差のある場合は値の大きい側を用いて比較すると,誤嚥あり群では平均0.296,なし群では0.370と,誤嚥なし群で有意に値が大きかった(p<0.05).すなわち,誤嚥のない症例は誤嚥のある症例と比べて梨状窩の幅が広いと考えられた.【考察】梨状窩の幅が広いと,嚥下反射の遅れや嚥下後の咽頭残留があっても,梨状窩に食塊が貯留できるスペースがあるため,気道への流入を防ぐのに有利と思われた.梨状窩の形状に個人差がある原因として,一つには生来の個体差が挙げられるが,咽喉頭粘膜,特に披裂部の腫脹が大きく影響していると思われた.内視鏡で梨状窩の形状を観察することは,誤嚥の危険性を予測する上で有用であると考えられた.
著者
中村 南美子 萩之内 竹斗 浅野 陽樹 池田 充 龍野 巳代 赤井 克己 大島 一郎 中西 良孝 髙山 耕二
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Kagoshima University (ISSN:24321885)
巻号頁・発行日
no.71, pp.23-30, 2021-03-30

都市部でのニホンアナグマ(以下,アナグマ)の生息実態に関する基礎的知見を得ることを目的とし,地方都市における大学キャンパスでのアナグマの出現状況とそれによる農作物への被害発生状況について検討した。2019 年1~12 月に自動撮影カメラ4 台を教育学部実習地,農学部附属農場(研究圃場ならびに動物飼育棟)および植物園内に設置し,アナグマの出現状況については静止画,農作物への被害発生状況については動画でそれぞれ撮影した。自動撮影カメラで野生哺乳類は計302 枚撮影され,そのうちタヌキは147 枚(48.7%)と最も多く,次いでアナグマは113 枚(37.4%),ノネコは41 枚(13.6%)およびイタチは1 枚(0.3%)の順であった。場所別ではアナグマが教育学部実習地で最も多く観察された。月別にみたアナグマの撮影頻度指数は,5~7 月で高く,1~3 月および8 月で低かった。しかしながら,その出現は年間を通じて認められ,5 月には教育学部実習地でビワの実の採食被害が認められた。以上より,地方都市にある大学キャンパスでアナグマは年間を通じて生活しており,農作物の一部に採食被害が起きていることが明らかになった。
著者
神津 玲 藤島 一郎 朝井 政治 俵 祐一 千住 秀明
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.93-96, 2007-08-31 (Released:2017-04-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1

摂食・嚥下障害例では誤嚥,特に唾液誤嚥(不顕性誤嚥)が問題になることが少なくない.その予防のために,呼吸理学療法の一手段である体位管理が臨床的に有用であることを経験する.今回,唾液誤嚥に及ぼす体位の影響について検証を行った.重度嚥下障害例を対象に,仰臥位,後傾側臥位,前傾側臥位の各体位での唾液誤嚥の動態を喉頭内視鏡を用いて観察した.その結果,仰臥位および後傾側臥位では,唾液の著明な咽頭貯留,吸気時の喉頭侵入や呼気時の吹き出しを認めたが,前傾側臥位では咽頭貯留,喉頭侵入ともに認めなかった.唾液誤嚥の予防に前傾側臥位の有用性が示され,臨床現場における患者管理の一環として積極的に導入する価値があるものと考えた.
著者
小山 秀美 加世田 景示 上西 愼茂 今村 清人 坂元 信一 大島 一郎 片平 清美 河邊 弘太郎 岡本 新 小林 栄治 下桐 猛
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物遺伝育種研究 (ISSN:13459961)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.3-7, 2019 (Released:2020-01-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

黒毛和種で発生する白斑は、品種の特性に負の影響を与え、一部で経済的損失となる損徴の1 つである。本研究では、Fontanesi ら(2012)によって西欧品種で白斑の有無と関連があると報告されたMITF 遺伝子の変異(g.32386957A&gyT )が黒毛和種でも存在することを確認し、白斑の有無との関連性を検討した。材料には鹿児島県産黒毛和種79頭(正常40 頭および白斑39 頭)のゲノムDNA を供し、ダイレクトシークエンス法および対立遺伝子特異的PCR法(AS PCR)により当該変異の確認および遺伝子型判定を行った。その結果、黒毛和種でも当該変異の存在を確認できた。さらに、これらを白斑群と正常群に分け、遺伝子頻度についてカイ二乗検定を試みた結果、両群間の遺伝子型構成に高度な有意差があり(P = 1.53 × 10-6)、当該変異が黒毛和種の白斑の有無にも強く関連することを示した。しかし、一部で例外が確認されたことから、当該変異だけでは白斑発生の全てを説明できないことも示唆された。
著者
大熊 るり 植松 海雲 藤島 一郎 向井 愛子
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.180-185, 2002-04-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
18
被引用文献数
5 2

上部消化管造影検査施行中に発生したバリウム誤嚥について調査を行い,誤嚥への対策について検討した.7年半の間に検査を受けた262,888名を対象に,誤嚥発生率の推移や誤嚥が確認された118名のプロフィール等につき調査した.誤嚥者の年齢は30~94(平均65)歳.70歳以上では誤嚥発生率が70歳未満の約10倍となっており,高齢受診者への配慮が必要と思われた.また誤嚥発生率が平成11年度から12年度にかけて上昇しており,これは検査に使用するバリウム製剤の粘性が低下した時期と一致していた.誤嚥対策として,検査前に嚥下障害に関するスクリーニングを行うこと,使用するバリウム製剤の粘性を検討すること等が考えられた.
著者
中島 一郎
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.60, 2022 (Released:2022-05-12)
参考文献数
21

【要旨】ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(myelin oligodendrocyte glycoprotein:MOG)は、中枢神経の髄鞘を構成する蛋白質の一つで、髄鞘の最外層に発現する免疫グロブリン構造を有する膜蛋白質である。近年、MOG を標的とする自己抗体、MOG 抗体が中枢神経に炎症性病変を生じるうることが報告されるようになり、MOG 抗体関連疾患(MOG-IgG associated disorders:MOGAD)として新たな疾患概念が確立しつつある。
著者
主税 裕樹 内富 大輔 溝口 由子 福永 大悟 大島 一郎 高山 耕二 中西 良孝
出版者
農業生産技術管理学会
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.41-47, 2014-09-15 (Released:2019-04-11)

セイタカアワダチソウ(Solidago altissima L.)が優占する耕作放棄水田跡地に山羊3頭を62日間定置放牧し,山羊による草種の選好性および除草効果について検討した.各野草の相対積算優占度(SDR_2')および山羊の採食植物頻度(GF)を調べ,山羊の各野草に対するIvlevの選択性指数に基づく指数(SI)を算出した.セイタカアワダチソウに対するSIは放牧5日目で有意な負の値を示し(P<0.05),山羊は忌避を示したものの,放牧32日目には有意でなくなり,忌避の程度は小さくなった.また,退牧時(放牧62日目)にセイタカアワダチソウの草高および植物地上部現存量は対照区と比べて試験区で半分以下となった(P<0.01).以上より,セイタカアワダチソウに対する山羊の選好性は必ずしも高くはないものの,セイタカアワダチソウが優占する耕作放棄水田跡地に山羊を放牧することで十分な除草効果が得られることが示された.
著者
中埜 拓 村上 雄二 佐藤 則文 川上 浩 井戸田 正 中島 一郎
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.37-42, 1995-02-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
22

カゼイン組成がカード形成状態や消化性に及ぼす影響を調べた。ウシα-カゼインに酸を添加すると粗大なカードが形成されたが, ウシβ-カゼインならびに人乳カゼインではカードが微細であった。乳児の消化管内を想定したpH 4.0のペプシン分解およびそれに引き続くパンクレアチン分解を行うと, ウシβ-カゼインがウシα-カゼインに比べ速やかに消化された。ラットによる消化試験では, ウシβ-カゼインがウシ全カゼインに比べ分解されやすく, 胃内滞留時間が短かった。以上のことから, カードはβ-カゼインのように微細であるほど, 消化されやすいこと, また胃から速やかに小腸に移行することが示唆された。
著者
中島 一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.8, pp.1470-1476, 2018-08-10 (Released:2019-08-10)
参考文献数
10

多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)の診断においては鑑別疾患の除外が重要であり,自己抗体が関与する脱髄疾患等を注意深く鑑別する必要がある.早期診断にMcDonald基準は有用であり,MRI(magnetic resonance imaging)や髄液所見を参考に早期の診断を心がける必要がある.急性期にはステロイドパルス療法が有用であり,寛解期には長期予後を考慮し,早期から疾患修飾薬を使用する.本邦でも使用可能な疾患修飾薬が年々増えてきており,それぞれの薬剤の特性を理解したうえで選択する.