著者
藤島 一郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Suppl.2, pp.S129-S141, 2009 (Released:2010-12-01)
参考文献数
47
被引用文献数
2
著者
山崎 貴子 伊藤 直子 大島 一郎 岩森 大 堀田 康雄 村山 篤子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.176-183, 2008-06-20

マイタケに含まれるプロテアーゼの作用と低温スチーミング調理の併用による牛肉軟化について検討した。マイタケ抽出液は50-70℃で最もカゼイン分解活性が高く,70℃で8h反応させたあとでも30-40%の活性が残っており,熱安定性が高かった。マイタケ抽出液とともに牛モモ肉を低温スチーミングすると,茹でた場合や,水またはしょうが抽出液を使った場合に比べて,溶出するタンパク量が多かった。しかしうま味に関係するグルタミン酸は特に溶出は増えておらず,むしろマイタケとともにスチーミングした肉で有意に増加していた。組織観察の結果,マイタケ抽出液で処理したものはタンパクが分解されている様子が観察された。破断測定および官能評価では,マイタケ抽出液とともにスチーミングしたものは有意に散らかく,噛み切りやすいという結果となった。マイタケと低温スチーミング調理を併用すると,効果的に食肉を軟化できることが示唆された。
著者
尾本 正 四津 良平 申 範圭 又吉 徹 三丸 敦洋 井上 仁人 長 泰則 茂呂 勝美 加島 一郎 中尾 佳永 堤 浩二 前原 正明 古梶 清和 川田 志明
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.56-58, 1998-02-15
被引用文献数
1

当施設で施行した高齢者(65歳以上)に対するMICSの手術成績について検討を行った。対象は96年12月より97年8月までに施行した65歳以上のMICS症例5例で内訳は、僧房弁置換術2例、僧房弁形成術1例、左房粘液腫腫瘍摘出術1例、大動脈弁置換術1例であった。全例に対し術前に自己貯血を行った。胸部切開線は7~10cmであった。大動脈遮断時間は127±29分で人工心肺灌流時間は240±49分であった。輸血は2名に対して行い、術後合併症、手術死亡、遠隔期死亡を認めず、平均術後在院日数は20±7日であった。手術に際しては、MICS用開胸器、MICS用人工心肺回路、IVC用デシャン、体外式除細動パッド、胸骨リトラクター、経食道エコー等工学的支援を必要とした。高齢化社会をむかえた現在、MICSの導入によって、術後疼痛からくる肉体的精神的負担の軽減、入院期間の短期化による経済的負担の軽減等が期待される。
著者
木村 正人 野矢 茂樹 早川 正祐 竹内 聖一 吉川 孝 古田 徹也 池田 喬 河島 一郎 星川 道人 島村 修平 筒井 晴香 八重樫 徹 萬屋 博喜
出版者
高千穂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

分析哲学者を中心に昨今注目を集めている共同行為論の諸理論について紹介・検討し、さらに現象学、社会学理論等による知見を加えて、共同行為の構成要件、共同行為特有の意図性の諸原理、還元主義アプローチの当否、共同行為論における因果的解釈の射程などについて明らかにした。若手研究者を中心として組織された「行為論研究会」は学問分野を越える各学会等で注目を集め、一般公開の研究大会において報告されたその成果は、雑誌『行為論研究』にまとめられた。
著者
西谷 修 中山 智香子 真島 一郎 土佐 弘之 崎山 政毅 森元 庸介
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

折からの東日本大震災と福島第一原発事故は研究課題を先鋭化するかたちで起こり、これを受けて、グローバル化した世界における〈オイコス〉再検討という課題を、 現代の文明的ともいうべき災害や核技術の諸問題、さらに近年注目されている「脱成長」のヴィジョンに結び付け、主としてフランスの論者たちとの交流を通じて〈技術・産業・経済〉システムの飽和の問題として明らかにした。その内容や、そこから引き出される展望については、下に列記した雑誌諸論文や以下の刊行物に示した。『〈経済〉を審問する』(せりか書房)、報告書『核のある世界』(A5、100p.)『自発的隷従を撃つ』(A5、121p.)
著者
加藤 智之 伊藤 公佑 越島 一郎 梅田 富雄
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.153-161, 2017 (Released:2017-10-12)
参考文献数
9

製品イノベーションマネジメントの領域では、製品を生み出すプロセスをいかにマネジメントするかという問題を基盤として議論されている。しかしながら、製品ライフサイクルが短縮化され、顧客価値が多様化されている状況下において、製品開発のマネジメントをするだけでは顧客に価値を伝達できないこともある。そこで、製品が提供する価値を顧客が享受できるよう仕向けることが必要となる。本論文では、顧客に価値を享受するよう仕向けることをユーザーイノベーションと定義し、ユーザーイノベーションのために検討しなければならない問題意識とマネジメントするための前提となる考え方について議論する。
著者
佐藤 啓介 大島 一郎 中野 久松
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.12, pp.797-804, 2023-12-01

本論文は,28 GHz帯用の高利得マルチビーム誘電体ロッドアンテナシステムを提案している.本アンテナは,扇形に配置された四つの誘電体ロッド部と,4素子リニアパッチアレーによる励振部とから構成されている.4方向高利得マルチビームの27 GHz~29.5 GHzにおいてVSWR = 2以下,利得19 dBi以上のアンテナ特性が得られるように設計する.試作機のVSWRと指向性はシミュレーションと良く一致する特性を示している.
著者
中村 南美子 冨永 輝 石井 大介 松元 里志 稲留 陽尉 塩谷 克典 赤井 克己 大島 一郎 中西 良孝 髙山 耕二
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.343-349, 2021-08-25 (Released:2021-10-08)
参考文献数
32

3色覚であるヒトの色覚異常(2色覚)のうち,Protanopia(P),Deuteranopia(D)およびTritanopia(T)型の場合にはそれぞれ赤と青緑,赤紫と緑および青と緑の色が識別困難とされる.本研究では生理学的に2色覚とされるニホンジカ(Cervus nippon;以下,シカ)がこれらを識別可能か否かについてオペラント条件付けにより検証した.シカ2頭(推定3歳:オス・メス各1頭)を試験に用いた.1セッションを20試行とし,正刺激として提示した色パネルの選択率80%以上(χ2検定,P<0.01)が3セッション連続でみられた場合,シカは2つの色を識別可能と判定した.オスは18,5および3セッション目,メスは12,14および4セッション目でそれぞれの色の組み合わせを識別できた.以上より,供試したシカはP, DおよびT型のヒトで区別し難い色の組み合わせをすべて識別可能であり,行動学的手法によって導き出されたシカの色識別能力はヒトの2色覚と一致しないことが示された.
著者
川島 一郎 日向 英人 中楯 礼人 細川 恵理子 坂本 勇磨 鈴木 潤 熊谷 拓磨 輿石 めぐみ 鈴木 愛 山本 健夫 中嶌 圭 桐戸 敬太
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.83-90, 2023 (Released:2023-03-29)
参考文献数
18

同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation, allo-HCT)時には低K血症を高頻度に認め,非再発死亡(non-relapse mortality, NRM)との関連も報告されている。しかし,日本のK注射製剤の添付文書を厳格に遵守すると,補正が困難な場合が多い。今回我々はallo-HCTにおける低K血症とK補充療法について検討した。当科で施行したallo-HCT症例75例を後方視的に解析した。低K血症は92%に認め,grade3以上は40%であった。Grade3以上の低K血症を認めた症例は有意にNRMが高く,予後不良であった(1年:30% vs 7%,p=0.008)。75%の症例で,添付文書の範囲を超える補充療法が必要であった。K注射製剤の添付文書の基準は1988年以降見直されておらず,現状に即した改定が望まれる。
著者
木口 らん 藤島 一郎 松田 紫緒 大野 友久
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.179-186, 2007-12-31 (Released:2021-01-17)
参考文献数
28

【目的】健常成人に唾液腺上皮膚のアイスマッサージを行い,唾液分泌が減少するかを検討した.【対象と方法】嚥下障害の既往がなく,唾液分泌に影響を及ぼす可能性のある薬剤を服用していない健常成人で書面にて本研究の目的を説明し同意を得たボランティアを対象とした.氷を入れた金属製の寒冷刺激器を用いて耳下腺,顎下腺,舌下腺各々の表面皮膚上を1分間ずつ合計10分間マッサージする方法を1クールとした。唾液測定は各々30分間とし,吐下法を用い重量計で測定し唾液分泌速度(SFR)ml/minを計算した.日内変動を考慮し測定は夕方に統一した.実験1:即時効果判定目的.健常成人36名(男性14名,女性22名,年齢29.2±6.5歳).唾液腺皮膚上のアイスマッサージ1クールを行い,前後のSFRを比較した.対照群として同一被験者でアイスマッサージをせずに10分間の休憩の前後でSFRを測定し,比較した.実験Ⅱ:長期効果判定目的.アイスマッサージ群:健常成人22名 (男性11名,女性11名,年齢30.4±5.8歳).10分間のアイスマッサージを1日3クール7日間行い,開始前と終了日のSFRを比較した.対照群:健常成人15名 (男性2名,女性13名,年齢26.9±5.0歳).アイスマッサージを行わず,7~8日の間隔をあけて2回のSFRを比較した,【結果】実験Ⅰ:アイスマッサージ後にSFRは有意に減少した (p = 0.002).アイスマッサージなしの休憩前後でSFRに有意差はなかった (p=0.120).実験Ⅱ:7日間のアイスマッサージ後のSFRは有意に減少した (p=0.033).対照群ではSFRに有意な減少はなかった (p=0.885).【考察】健常成人において,唾液腺上の皮膚アイスマッサージによりSFRが有意に減少し,即時効果と長期効果を認めた.流涎治療としてアイスマッサージ継続の有効性が示唆された.
著者
中野 雅徳 藤島 一郎 大熊 るり 吉岡 昌美 中江 弘美 西川 啓介 十川 悠香 富岡 重正 藤澤 健司
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.240-246, 2020-12-31 (Released:2021-04-30)
参考文献数
17

【目的】聖隷式嚥下質問紙は,摂食嚥下障害のスクリーニング質問紙であり,15 の質問項目に対して重い症状:A,軽い症状:B,症状なし:C の3 つの選択肢がある.「一つでも重い症状A の回答があれば摂食嚥下障害の存在を疑う」という従来の評価法は,高い感度と特異度を有している.本研究では,回答の選択肢をスコア化し評価する方法を新たに考案し,従来の評価法と比較する.また,本法を健常者に適用し,嚥下機能が低下した状態のスクリーニングツール開発のための基礎資料を得ることをあわせて行う.【方法】聖隷式嚥下質問紙開発時に用いた,嚥下障害があるが経口摂取可能な脳血管障害患者50 名,嚥下障害のない脳血管障害患者145 名,健常者170 名を対象に行った調査データを使用した.選択肢を,A:2 点,B:1 点,C:0 点,およびA の選択肢に重みをつけ,A:4 点,B:1 点,C:0 点としてスコア化した場合の合計点数に対して,カットオフ値を段階的に変えそれぞれについて感度,特異度を算出した.ROC 分析により最適カットオフ値を求め,このカットオフ値に対する感度,特異度を従来の方法と比較した.また,健常者170 名のデータについて,年齢階層ごとの合計点数に解析を加えた.【結果】ROC 分析の結果,A:4 点としてスコア化し,8 点をカットオフ値とする評価法が最適であることが示された.本評価法は,感度90.0%,特異度89.8% であり,従来法の感度92.0%,特異度90.1% に匹敵するものであった.健常者における年齢階層別の比較では,75 歳未満と75 歳以上で明確なスコアの差が認められた.【結論】スコア化による聖隷式嚥下質問紙の評価法は,A の回答が一つでもあれば嚥下障害の存在が疑われるという従来の評価法とほぼ同程度の感度,特異度を有していた.一般高齢者では,75 歳以上になるとスコアが有意に高くなることが確認され,嚥下機能が低下した状態を評価するためのスクリーニングツール開発の基礎資料が得られた.
著者
村田 典子 市石 慶子 江崎 順子 坂田 貴彦 中島 一郎 赤坂 守人
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.505-509, 1997-06-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
15

本研究の目的は,夜間睡眠時における筋活動の評価に機能的に異なった複数の筋の筋電図記録を行う意義を明らかにすることである.そこで我々は,夜間睡眠時における側頭筋と咬筋の筋活動発現時間および筋活動比において検討を行った.被験者は健康成人5名とした.夜間睡眠時の筋電図記録は,簡易型筋電計を用い側頭筋および咬筋から記録を行った.そして,夜間睡眠時における筋活動発現時間および咬筋・側頭筋比を検討した.その結果,夜間睡眠時における筋活動発現時間において,側頭筋活動が長い時間を示す者は3名,咬筋活動が長い時間を示す者は2名であった.咬筋・側頭筋比は側頭筋優位な者が3名,咬筋優位な者が2名であった.このことから,夜間睡眠中の筋活動は,側頭筋を主体とした筋活動を示す場合と咬筋を主体とした筋活動を示す場合があることがわかった.以上のことから,夜間睡眠時の咀嚼筋活動を記録し検討するには,複数の筋から筋電図記録を行う必要があり,その結果,筋活動の相違が認められることが示唆された.
著者
中村 道子 佐藤 薫 小泉 詔一 河内 公恵 西谷 紹明 中島 一郎
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-6, 1995-01-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
13
被引用文献数
8 12

WPI溶液を予め加熱処理し,室温で塩化ナトリウムを添加することによりゲル化する現象について検討し,以下のことが明らかとなった.(1) 80℃ 30分加熱処理した10% (w/w) WPI溶液に塩化ナトリウムを0.3-1.2% (w/w)添加すると,20℃において溶液は粘度の上昇をともないながら徐々にゲル化した.塩化ナトリウムの濃度が高くなるにしたがい粘度上昇は速く進み,ゲル化時間は短くなる傾向を示した.さらに,WPI溶液の加熱処理温度,塩化ナトリウムの濃度が高くなるにしたがい,ゲル強度は高くなることがわかった.(2) 電子顕微鏡観察の結果,WPI溶液を加熱処理することによりやや太く短い線状の可溶性凝集体が形成されることを確認した.さらに塩化ナトリウムの添加により,可溶性凝集体同士の会合が始まり,高分子化してゲルに至ることがわかった.塩化ナトリウム添加により得られたゲルは,GDL添加による酸性ゲルとよく似た網目状構造を呈していることがわかった.また,ゲルの網目状構造を形成している凝集体の太さは,塩化ナトリウム添加により得られたゲルの方がGDL添加による酸性ゲルよりもややランダムな構造をとることがわかった.
著者
大島 一郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.11, pp.841-851, 2021-11-01

メタマテリアルの研究開発は実用化のフェーズに入ったといわれている.本論文では,移動通信分野において,基地局アンテナへのメタマテリアル技術の応用と,電波伝搬環境の改善のためのメタサーフェスの応用に着目し,実用化の観点から現時点での応用可能性を検討する.そして,メタマテリアルを応用した基地局アンテナ,メタサーフェス反射板について,筆者らによる実現例を紹介する.
著者
糸井 達哉 内山 泰生 高木 政美 末田 隆敏 長島 一郎
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.16, no.33, pp.827-832, 2010-06-20 (Released:2010-06-18)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

An earthquake disaster prevention system was developed. It predicts ground motion intensity and building response just before the arrival of strong motion, using the information of P-wave observed by an onsite seismometer. The prediction accuracy of the system was evaluated and compared with that of Earthquake Early Warnings provided by Japan Meteorological Agency. The prediction errors of the two methods were comparable to each other. The best estimate combining the two methods was proposed. It was also confirmed that the system performs well under an assumed environment using numerical simulation.