著者
手塚 一貴 別所 浩資 矢守 恭子 田中 良明
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.37(2008-IOT-001), pp.127-132, 2008-05-01

インターネットで映像コンテンツ配信を行う IP 放送が開始されているが,その視聴料金体系や視聴料金設定に関する議論は少ない.本稿では VOD 形の IP 放送サービスにおける定額制の視聴料金について,ゲーム理論の交渉問題を用いて,IP 放送事業者の収入とユーザ便益の妥結点を求めている.具体的には,IP 放送のサービス品質として呼損率に着目し,ユーザと事業者との交渉モデルを定義し,呼損率ごとの妥結点をエージェントシミュレータにより明らかしている.
著者
梅澤 克之 笈川 光浩 洲崎 誠一 手塚 悟 平澤 茂一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.625-634, 2007-02-15
参考文献数
18
被引用文献数
5

近年,インターネット環境においては,電子入札,電子納税,商業登記申請等の公共サービスや,社外から社内へのリモートアクセス等,不正行為を防止するためにPKI 技術に基づく認証機能を有するサービスが増加しており,そこで使われる証明書の厳密な検証を行うようになってきている.一方,モバイル環境においては,携帯通信事業者網内に閉じたサービスにとどまらず,インターネットを利用して一般のサービス提供者からサービスを享受する機会が急増している.このような状況から,インターネットの脅威がそのままモバイル環境においても成り立つ状況になってきており,モバイル環境においても証明書の利用によるPKI 技術を用いた認証方式の確立は必須であると考えられる.すでにモバイル環境でも証明書の利用が始まっているが,携帯電話端末側でサーバ証明書が失効されていないかを確認する有効性確認は行われていない.モバイル環境においても不正が許されないクリティカルなサービスが今後ますます増加することが予想でき,そのようなサービスでは有効性確認を含む厳密な証明書の検証を行うことが必要である.本論文では,有効性確認を第三者に依頼するCVS 方式に基づいて開発した携帯電話端末の処理時間や通信速度等のモバイル環境特有の制約を考慮したモバイル向け証明書検証システムを提案し,性能,安全性,利便性の観点で評価を行う.In the Internet environment in recent years, services having an authentication function based on PKI technology have been increasing in order to prevent unauthorized activities. Some examples are remote accessing, electronic bidding, electronic payment of taxes and so on. In such services, strict verification of the certificate has become more and more important. On the other hand, in a mobile environment, mobile service using not only service in the mobile carrier net but also the Internet has increased. It is thought that PKI technology is important in a mobile environment in such a situation. Two or more mobile carriers already support PKI technology. But strict verification that confirms whether the certificate was revoked or not is not done. In a mobile environment, it is necessary to carry out the verification of the certificate strictly. In this paper, we propose a certificate validation system for mobility. The system is based on the CVS method. And it corresponds to the peculiar restrictions of mobility and the environments of the processing speed and the transmission rate, etc. of the cellular phone terminal. Furthermore, we evaluate the performance, safety and the convenience of the system.
著者
手塚 昌行
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.78-90, 1963-09-20 (Released:2016-11-21)
著者
原 貴洋 照屋 寛由 塩野 隆弘 生駒 泰基 手塚 隆久 松井 勝弘 道山 弘康
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.151-158, 2008 (Released:2008-05-23)
参考文献数
36
被引用文献数
2 3

南西諸島に適した普通ソバ品種の導入,開発に資するために,沖縄本島の名護市において国内の普通ソバ5品種を11月上旬,12月下旬,3月上旬の3時期に播種して栽培し,成熟期に農業関連形質を調査した.いずれの作期においても,150粒 m-2 とした密播処理区の子実収量は50 粒m-2 とした粗播処理区に比べて1.3~3.4倍高かった.主茎長,初花節位,主茎花房数,花房あたり開花数は,日本の他地域での試験栽培で報告された値に比べて少なく,その一因として,栽培期間中の短日条件の影響が考えられた.主茎長,主茎花房数,花房あたり開花数,千粒重についての品種間差は,日本の他地域での試験栽培で報告された順序とほぼ一致していたため,他地域において認められる形質の品種間差は南西諸島においても類似していると考えられた.生育期間中に極度の短日条件が続く11月上旬播種,12月下旬播種の作期においては,子実収量と,主茎花房数および個体当たり花房数との間に有意な正の相関が認められた.
著者
松田 元彦 石川 裕 工藤 知宏 手塚 宏史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.83, pp.101-106, 2003-08-04
被引用文献数
1

大規模クラスタ計算機やグリッドに向けたMPIを実装するための通信機構としてO2Gドライバの設計・実装を行なった.O2Gは通信レイヤ自体を変更することなく,オーバーヘッドが大きいと考えられるソケットAPIをバイバスする.それにより性能問題が懸念されるselect&readによるポーリングを排除し非同期通信処理の効率化を狙う.そのためO2GではMPIで必要になる受信キュー操作をすべてプロトコル処理ハンドラ内で実装する.O2Gは現在Linuxのローダブル・ドライバとして提供される.評価として,NAS並列ベンチマークを用いたMPICHとの比較を行なう.非同期通信が重要となるISベンチマークではO2Gを用いた実装はMPICHの2.8倍の性能を示す.他のベンチマークの結果も互角の性能であり,O2Gを用いる実装に無駄なオーバーヘッドがないことを示す.O2G is a messaging kernel interface designed to implement MPI for large-scale clusters and networks in the Grid environment. O2G cares asynchronous communication primitives, and totally avoids the select&read system call loops. For this purpose, O2G provides the message queue management of MPI in the driver, where all message processing is completed in the protocol handler. Currently, O2G is provided as a loadable driver module of the Linux kernel. Evaluation using NAS Parallel Benchmarks shows that an MPI implementation with O2G performs better than MPICH for all benchmarks. Especially, it performs 2.8 times faster than MPICH for the IS benchmark. The results show that the O2G's approach is efficient and has no excessive overheads.
著者
手塚 慶太 天野 光一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-7, 1999-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
8

This study regards the reconstruction planning as a conflict between the plan for the future and the recovery of people's livelihood, and reviews the process of reconstruction after the 1976 SAKATA Big Fire in detail. This viewpoint is very important to make good use of the experience. Generally, the process of past reconstruction planning was not clear because the viewpoint was ambiguous and the reconstruction report only scratched the surface of the process. SAKATA Big Fire is a quite recent example of fire disaster, and therefore we were able to interview directly the planners of the reconstruction and review the report carefully from this viewpoint.As a result of this study, we were able to clarify that the planners put a lot of stress on the plan for the future in the reconstruction planning, and that they considered the recovery of people's livelihood the key to rapid reconstruction. Urban planners in Sakata city had a future vision before the occurrence of SAKATA Big Fire and they lead the project team consisting of officials of the Ministry of Construction, Yamagata Prefecture, and Sakata city. They made a lot of effort for the realization of rapid reconstruction, and this rapidness minimized the conflict.
著者
鈴木 陽彦 菅野 信之 赤澤 明彦 早川 陽子 手塚 あさみ 森 啓太 松浦 功泰 奥中 麗衣 白石 陽造
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.33-37, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
8

15歳3ヶ月齢の未去勢雄のミニチュア・ピンシャーが摂食困難を主訴に来院した。口腔内検査にて舌小体付着部正中にSCCを認め、腫瘍の完全切除を目的に舌全摘出術を実施した。術後は胃瘻チューブによる補助的な飲水管理を必要としたが自力採食は可能であり、術後18ヶ月生存した。悪性度が極めて高い舌SCCに対しても舌全摘出術を行うことで局所再発を防ぎ、飼主が満足できるQOLを維持することが可能であった。
著者
大熊 守也 栗本 圭久 高橋 喜嗣 手塚 正
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.794-796, 1981

6才男児の右頬部,外陰部,右下肢に生下時よりみられたリンパ浮腫で,<SUP>131</SUP>I·RISA組織クリアランスは患側下腿で155時間,健側で9時間と半減時間の延長がみられた。blue dyeテストも患側足背のリンパ管は認知できなかつた。脳波,染色体検査も異常はなかつた。治療は,波動型マッサージ,弾性靴下着用,メリロート草製剤内服により2年6ヵ月経ているが,安静にすると下肢の太さが一時減少するのみである。また,包皮のcircumcisionにより排尿障害が解消された。
著者
中西 哲也 井関 和夫 宮下 幸久 小池 一彦 浜口 昌巳 手塚 尚明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.21-30, 2010

2009年の6月29日-7月2日と8月22-23日に,周防灘において水温,塩分,クロロフィルα(以下chl. α),濁度の鉛直分布を調べた。6-7月にはchl. αの亜表層極大と海底高濁度層がほぼ調査海域全体に形成されていた。8月にはchl. α の亜表層極大は弱くなり,6-7月と較べて海底高濁度層の発達が顕著で,chl. α濃度の増加も見られた。6-7月と8月の両観測期間は,それぞれ小潮と大潮の時期に相当していたことから,潮汐周期が海底高濁度層の発達に影響を及ぼしている可能性が示唆された。また,両観測期間中に,灘西部の2観測点(水深10mの浅海域と30mの沖合域)において1-3時間毎の連続観測を行って日周変動を調べた。海底高濁度層は水温・塩分(および密度)の急激な変化時に最大値を示し,濁度層の分布パターン・厚さは潮汐周期と底層の水温・塩分・密度分布によく対応していた。さらに,塩分-chl. α,塩分-濁度,chl. α-濁度の関係から,粒状懸濁物を陸(河川)起源,海底高濁度層,亜表層クロロフィル極大,異水塊に由来するものに分別することができた。During June 28 to July 2 and August 22 to 23 in 2009, we investigated the distributiosn and diurnal variations of temperature, salinity, chlorophyll a (chl.α) and turbidity in Suo-sound, Seto Inland Sea. In June to July observation, the subsurface chl.α maximum layer (SCM) and the bottom turbid layer (BTL) were found throughout the Suo-sound. In August, the SCM almost diminished but the BTL significantly developed compared to June to July observations and chl.α also showed a noticeable increase in the bottom layer. June to July and August observations corresponded with a neap and spring tides, suggesting a close relation between the development of the BTL and the tidal cycle. The turbidity values of BTL showed a maximum when temperature and salinity changed rapidly, and the distribution pattern of the BTL well-corresponded to those of temperature and salinity, particularly in spring tide in August. Particulate matter was classified into four groups such as terrigeous matter, BTL, SCM, and different water mass according to salinity-chl.α, salinity-turbidity, and chl.α-turbidity relationships.
著者
森下 敏和 山口 博康 出花 幸之介 手塚 隆久
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.335-344, 2006-07-05
被引用文献数
2

ダックンソバの農業関連形質および子実成分等の特徴を明らかにするために,九州(熊本県)と関東(茨城県)でそれぞれ2カ年圃場試験を実施した.その結果,草丈,主茎長,主茎節数,一次分枝数などの形態的な形質,および全重,収量などの生育量に関する形質の年次変動の程度は異なるが,品種間差が認められ,品種の序列も各年次でほとんど変化が無く,これらの形質は品種の特性を表す指標になると考えられた.草丈などの形態的な形質の年次変動は小さいが,全重,収量などの生育量に関する形質の年次変動は大きかった.さらに個体サイズや生育量の大きい品種が多収を得るのに有利であることが示された.早播と標播を比較した結果,播種日の移動に対する反応は品種により異なることが示された.子実成分を調査した結果,ダックンソバ子実のルチン含量は普通ソバの100倍以上であったが抗酸化能は普通ソバの3〜4倍であったことから,ダックンソバと普通ソバでは抗酸化能に寄与する主な物質が異なると推測された.

1 0 0 0 OA 絵本楠公記

著者
手塚盛寿 編
出版者
金松堂
巻号頁・発行日
vol.上ノ巻, 1883
著者
山内 重樹 手塚 研治
出版者
日本造船学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.178, pp.707-712, 1995
参考文献数
4
被引用文献数
4 6

Nesting in shipbuilding is work that complicated parts of various sizes are arranged in steel plate as many as possible. The work has been done by experts. We have developed the automatic nesting system by use of Genetic Algorithm (GA) and new algorithm which are introduced from heuristic rules which the experts have. We call the algorithm "geometrical simplification of parts pairing algorithm" and "grouping algorithm". This paper describes that the combination with GA and new algorithm which we propose is effective to the processing speed of the system and the scrap ratio of nesting and that the system is available for practical use.
著者
松田 元彦 石川 裕 工藤 知宏 手塚 宏史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.14-23, 2004-10-15

大規模クラスタ計算機に向けたMPIを実装するための通信機構であるO2Gドライバの設計・実装を行っている.O2Gでは,TCP/IPプロトコル通信レイヤ自体は変更せず,MPIの実装に必要となる受信キュー操作をプロトコル処理ハンドラに組み込んでいる.割込みで起動されるプロトコル処理ハンドラ内で,TCP受信バッファから受信データを読み出しユーザ空間にコピーする.これによって,TCP受信バッファの溢れにともなう通信フローの停滞が抑制され,通信性能を劣化させることがなくなる.さらに,従来のソケットAPIで必要だったポーリングが不要になり,システムコール・オーバヘッドが低減される.NAS 並列ベンチマークのISベンチマークでは,O2Gを使用することで従来のMPI実装に比べて3倍の性能が得られる.さらに,ソケットによるMPI実装ではコネクション数が増大すると通信バンド幅が低下するが,O2Gではコネクション数に関係なく高性能なデータ受信を達成していることが示される.In order to implement an efficient MPI communication library for large-scale commoditybased clusters, a new communication mechanism, called O2G, is designed and implemented. O2G introduces receive queue management of MPI into a TCP/IP protocol handler without modifying the protocol stacks. Received data is extracted from the TCP receive buffer and copied into the user space within the TCP/IP protocol handler invoked by interrupts. This avoids message flow disruption due to the shortage of the receive buffer and keeps the bandwidth high. In addition, it totally avoids polling of sockets and reduces system call overheads. An evaluation using the NAS Parallel Benchmark IS shows that an MPI implementation with O2G performed three times faster than other MPI implementations. An evaluation on bandwidth also shows that an MPI implementation with O2G was not affected by the number of connections while an MPI implementation with sockets was affected.