著者
小杉 千弘 安田 秀喜 幸田 圭史 鈴木 正人 山崎 将人 手塚 徹 樋口 亮太 平野 敦史 植村 修一郎 土屋 博紀
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.632-639, 2009-06-01
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

鼠径ヘルニア根治手術は若い外科医が基本手技を鍛錬する場であり,外科手術の入門編として位置していた.現在,初期研修医制度が実施され,外科系診療科志望でない研修医も外科をローテーションするカリキュラムが組まれている.今回,我々は鼠径ヘルニア根治術を初期研修医に執刀させる是非を検討する.方法:2005年4月から2007年12月に根治手術を施行した139例を対象とした.134例にmesh plug法が,5例にPROLENE hernia system法が行われた.初期研修医執刀例は72例(R群),外科医執刀例は67例(S群)だった.R群とS群において,患者背景,術中,術後因子を検討した.結果:患者背景においてR群とS群で有意差はなかった.術中因子として手術時間においてR群:S群に有意差を認めた(88.0分:64.2分,p<0.001).術後因子は,入院期間(3.8±2.1日:4.9±8.3日,p=0.14),合併症(9.8%:6.6%,p=0.64)に統計学的に有意差はなかったが,再発はR群7例(9.7%),S群1例(1.5%)で有意にR群において高かった(p=0.04).考察:入院期間,合併症には有意差はなく,再発率は初期研修医術者が外科医と比較し有意に高かったが,助手として外科専門医が指導することで,再発率が抑えられる.よって,現在の研修医制度において外科系研修カリキュラムの手術執刀についての指導指診作成が望まれる.
著者
掘 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.2072-2083, 1999-05-15
参考文献数
36
被引用文献数
2

本稿の貢献は2つある. 1つはギャングスケジューリングの高速化技法の提案である. もう1つはギャングスケジューリングの実践的なアプリケーションによる評価である. 提案された高速化技法により クラスタ並列計算機上でギャングスケジューリングによる時分割スケジューリングが実用になりうることを示すことが本稿の目的である. ネットワークプリエンプションによるギャングスケジューリングの実現は ユーザレベル通信による高性能な通信と 時分割スケジューリングによるマルチプログラミング環境を同時に実現する. 本稿では ネットワークプリエンプション方式におけるスケジューリングオーバヘッドの大半が ネットワークコンテキストのメモリへの退避およびメモリからの復帰にあることを示すと同時に 複数のネットワークコンテキストを単に切り替えることでネットワークコンテキストの切替え時間を短縮する方式を提案する. この高速化技法の効果は NAS並列ベンチマークプログラムを用いて評価され その結果 高速化技法によりスケジューリングオーバヘッドが半減され 同時に2次キャッシュのヒット率も向上することが確認された. 評価の結果では 64ノード 100 msecの時分割間隔において スケジューリングオーバヘッドは4%以下であった.There are two contributions in this paper. One is to propose an efficient gang scheduling implementation technique, and the other is to evaluate gang scheduling overhead using some practical application programs. The purpose of this paper is to demonstrate that the overhead of gang scheduling on a cluster using commodity computers can be low enough for its practical use. Network preemption technique for implementing gang scheduling realizes high-performance communication and multi-programming environment with time-sharing scheduling. In this paper, it is shown that the most of the scheduling overhead comes from saving and restoring network contexts when preempting network. And then, it is proposed to switch network contexts to avoid high-cost saving and restoring network contexts. This proposed technique is evaluated using NAS parallel benchmarks. The results show that the scheduling overhead is almost halved and secondary cache miss ratios are decreased. The evaluated gang scheduling overhead is less than 4% on 64 nodes with a 100 msec time slice.
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.2705-2717, 1998-09-15
参考文献数
25

我々はシステムコールのオーバヘッドを削除したユーザレベル通信と,並列処理に有効とされるギャングスケジューリングに着目し,時分割多重並列プログラミング環境を構築した.本稿では,そのような並列プログラミング環境を構築する際の問題点を明らかにし,ユーザレベル通信とギャングスケジューリングという両者の利点を最大限に活かす手法として,「ネットワークプリエンプション」を提案する.ネットワークプリエンプションとは,並列プロセス切替え時に,プロセスのコンテキストのみならずネットワークのコンテキストをも退避/復帰しようとするものである.PCクラスタ上の評価結果では,500msecの時分割間隔において約2%のスケジューリングオーバヘッドであることが判明した.本稿で提案されたネットワークプリエンプションは,ギャングスケジューリングだけでなく,分散プロセスの大域状態検出などへの応用が考えられる.The goal of this research is the implementation of high-performance and easy-to-use parallel programming environment. We focus on the user-level communication technique and gang scheduling.In this paper,first we clarify some problems when implementing the user-level communication and gang scheduling,and then we propose network preemption that can extract the both benefits of the user-level communication and gang-scheduling.The network preemption is to save and restore network context when switching parallel processes.The proposed scheme is implemented on our PC cluster.On our evaluation on the PC cluster,gang-scheduling overhead is about 2% when the time slice interval is 500 msec.The proposed network preemption can be applied for not only gang scheduling,but also global state detection.
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.75, pp.79-84, 1997-08-19
参考文献数
13
被引用文献数
4

我々は,メッセージ通信型のプログラミングを対象としたギャングスケジューラを開発した.本稿は,開発したギャングスケジューラのスケジューリングオーバヘッドについて,PCクラスタ上で評価した結果について報告するものである.評価の目的は,アプリケーションの通信特性の違いがギャングスケジューリングのオーバヘッドに与える影響,実装された方式のスケーラビリティ,および co?scheduling skewの3点に注目した.今回の評価の結果,通信の量による違いよりも.co?scheduling skewの影響が大きいことが判明した.スケーラビリティの面においては,2プロセッサで動作する並列アプリケーションで比較的大きなオーバヘッドが見られたが,多くの場合,100 msecの量子時間でオーバヘッドは10%以下であり,4台以上の場合では,スケーラビリティに問題は見られなかった.We have developed a gang-scheduler for message passing programs. This paper reports on evaluation results of our gang-scheduler running on a PC cluster. We focus on, i) how communication patterns affects gang scheduling overhead, ii) scalability, and iii) co-scheduling skew. Through the evaluation, we found that effect of co-scheduling skew can be larger than effect of the amount of messages communicating. Also we found larger overhead with applications running on two processors, however, we could not find any scalability problem with applications running more than two processors. In most cases, implemented gang scheduling overhead is less than 10% with 100 msec time quantum.
著者
古田島 信義 鈴木 雅文 中出 剛 片山 政弘 手塚 仁 木佐貫 浄治
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.469-478, 2017 (Released:2017-12-31)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本減水対策を実施した北薩トンネルは,鹿児島県北薩地域と鹿児島空港を結ぶ北薩横断道路に建設中の,紫尾山を貫く延長4,850mの山岳トンネルである。トンネル中央付近の低速度帯からは,高濃度のヒ素を含む地下水が時間当たり約300t湧出し,地域の水環境への影響が懸念された。そのため,ダムのグラウチング工法により減水対策工を実施した結果40 t/h以下に減水することができた。
著者
手塚 和彰
出版者
有斐閣
雑誌
ジュリスト (ISSN:04480791)
巻号頁・発行日
no.1083, pp.61-67, 1996-02-01
著者
井上 美保 手塚 信夫 森 章一
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.56, pp.17-19, 2009 (Released:2010-12-28)
参考文献数
5

アブラナ科野菜黒腐病菌およびネギとニラの種子から検出されるFusarium属菌を対象に,70%エタノールに汚染種子を浸漬し,消毒効果と発芽への影響を調査した。ハクサイとチンゲンサイの黒腐病菌自然汚染種子およびチンゲンサイの人工汚染種子をエタノールに浸漬,風乾後,本菌の検出と発芽試験を行なった結果,10分間以上の浸漬では本菌は検出されなかった。また,15分間以内の浸漬では正常に発芽したが,30分間の浸漬では発芽がやや遅れた。また,ネギおよびニラのFusarium属菌自然汚染種子を用いた試験では,1分間以上の浸漬で本菌は検出されなかった。3分間以内の浸漬では正常に発芽したが,10~15分間の浸漬では発芽がやや遅れ,30分間の浸漬では根の先端が褐変した。以上の結果,黒腐病菌汚染種子のエタノール消毒には10~15分間,Fusarium属菌汚染種子の消毒には1~3分間の浸漬処理が適切である。本エタノール消毒法は,種子の乾燥が非常に早く簡便なため,少量の種子消毒に有効である。
著者
手塚 竜麿
出版者
日本英学史学会
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.7, pp.105-112, 1974-09-30 (Released:2009-09-16)
著者
足立 馨 手塚 育志
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.709-715, 2007 (Released:2007-11-30)
参考文献数
35
被引用文献数
1 4

単環状および多環状構造をはじめとする高分子のさまざまな「かたち(トポロジー)」の設計および合成に関する最近の研究成果を,国内外の関連研究とともに解説する.環状アンモニウム塩を末端または主鎖中に導入した直鎖状および分岐状高分子前駆体(テレケリクス)を多官能カルボン酸対アニオンと組合せると,静電相互作用によって希釈下で自己組織化イオン性高分子集合体が形成する.さらに環状アンモニウム塩基の開環または脱離反応に基づく共有結合変換によって,多様な単環状・多環状高分子の効率的合成が達成される.また,このプロセス(Electrostatic Self-assembly and Covalent Fixation)に特徴的なイオン性高分子集合体の動的平衡や,得られる環状テレケリクスのメタセシス反応を利用することによって,さらに精密な高分子トポロジー設計も実現する.
著者
清河 幸子 手塚 聡
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

本研究では,酢,醤油,砂糖から構成される調味料を材料として,言語的符号化が味の記憶に及ぼす影響を検討した。具体的には,32名の大学生に対して,ターゲットとなる調味料の味を記憶するよう求めた後,一方の群では,その調味料の味について言語的に記述することを求めた。もう一方の群では,味とは無関係なクロスワードパズルを解くよう求めた。その後,強制2肢選択型の再認課題を実施し,判断に対する確信度を7段階で回答するよう求めた。なお,ターゲットとディストラクタの類似度の影響を検討するために,砂糖の量を操作し,両者の類似度が高い条件と低い条件の2条件を設定した。結果として,ターゲットとディストラクタの類似度にかかわらず,正しい判断を行った場合の確信度が言語的符号化を行った群で有意に低くなることが示された。この結果は,味を言語的に捉えることがその記憶を妨害することを示唆するものとして解釈された。
著者
高橋 健太 比良田真史 三村 昌弘 手塚 悟
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.3016-3027, 2008-09-15
被引用文献数
1

銀行ATMや入退管理などへ生体認証技術の導入が進み,今後はインターネット決済などにおけるリモート認証への適用が期待される.しかし指紋や静脈などの生体情報は,プライバシ情報であると同時に一生涯変更できない情報であり,厳密な保護が要求される.本稿ではリモート生体認証における脅威を分析してセキュリティ要件を明確化するとともに,これを満たすリモート生体認証プロトコルを提案する.提案プロトコルは,キャンセラブルバイオメトリクスとゼロ知識証明を組み合わせることで,生体情報の漏洩やなりすましといった脅威に対抗する.提案プロトコルにより,ネットワークを介したセキュアな生体認証システムが実現可能となる.Due to the high security and convenience, biometric authentication is used for access control, ATM and many kinds of identity verification. However, biometric data such as fingerprint and vein pattern is permanent feature which cannot be changed like passwords, and so must be protected securely. In this paper we analyze the threats to remote biometric authentication systems such as impersonation and compromise of biometric data, and specify security requirements. Then we propose a novel protocol scheme based on &ldquo;cancelable biometrics&rdquo; and zero knowledge interactive proof. The proposed protocol satisfies all the specified requirements and enables secure online biometric authentication.
著者
手塚 亜聖 砂田 保人 李家 賢一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 = Journal of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.57, no.665, pp.258-265, 2009-06-05
参考文献数
20
被引用文献数
5

In the Reynolds number region lower than approximately 1.0 × 105, which corresponds to the Reynolds number region of a Micro Air Vehicle, thinner and sharper leading edge airfoil performs better than thicker and blunter one. This research focuses on the difference in flowfields which are clarified by means of streamline calculation and surface pressure distribution measurement. Numerical studies were performed to the blunt type NACA0012 airfoil and both numerical and experimental studies were performed to the thinner type 4% cambered-plate airfoil. The performance of the NACA0012 airfoil is deteriorated with decreasing Reynolds number, whereas that of the 4% circular arc cambered-plate airfoil is not affected. The deterioration of the NACA0012 airfoil performance is mainly due to the laminar boundary layer separation near the trailing edge; such phenomena are not essential to the performance in the cambered-plate airfoil results. This paper also demonstrates that the flow separation at the trailing edge can be estimated from the temporal amplification factor of the oscillatory mode which is calculated by the global linear stability analysis.
著者
手塚良道編
出版者
英進社
巻号頁・発行日
1941