著者
小野塚 亮 淺見 知秀 東 宏一 三谷 繭子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.134-138, 2023-06-09 (Released:2023-06-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

まちづくりにおいて参加プレーヤーの固定化や多様な市民の参加を促す難しさといった問題点が指摘されている。そこで、栃木県小山市における住民参画型まちづくりプロジェクトを事例に、共創まちづくりデジタルプラットフォームへの利用意向を調査した。コミュニティエンパワーメントに関する理論から導かれた質問項目で半構造化インタビューを実施し、そのコーディング結果の示唆を一般化するためにアンケートを実施、統計分析を行った。その結果、デジタルプラットフォームは市民参加の裾野を広げるものであることが確かめられ、「地域につながりがあって行政と関わる意義を感じている人ほどデジタルプラットフォームを利用しやすい」、「コミュニティ感覚の低い利他的な人ほどデジタルプラットフォームを利用しやすい」という2つの命題が導かれた。
著者
伊東 宏樹
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.361-374, 2016 (Released:2016-08-24)
参考文献数
25
被引用文献数
6

状態空間モデルを使用した統計解析をおこなうためのソフトウェア環境として、dlm・KFAS・BUGS言語・Stanを紹介する。dlmおよびKFASはRパッケージであり、比較的簡単に利用可能である。dlmは誤差分布に正規分布のみ利用可能であるが、KFASではポアソン分布なども利用可能である。一方、パラメーター推定に関してはdlmでは最尤推定のほか、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)によるベイズ推定が可能である。BUGS言語は、MCMCによるベイズ推定のためのモデリング言語であり、実行処理系としてはWinBUGS、OpenBUGS、JAGSがある。柔軟なモデリングが可能であり、状態空間モデルを記述することもできる。Stanは比較的新しいソフトウェアであるが、ハミルトニアンモンテカルロ法を使ってベイズ推定をおこなえる。Stanにはgaussian_dlm_obsという分布が用意されており、この分布を使用して、誤差分布が正規分布の状態空間モデルのパラメーター推定がおこなえる。また、gaussian_dlm_obs分布を使用せずに、状態空間モデルを記述することも可能である。複雑なモデルのパラメーター推定は、BUGS言語またはStanによりベイズ推定でおこなうことになるだろうが、dlmやKFASで最尤推定が可能なモデルであればそれらを使用する方が実用的であろう。
著者
中山 泰一 坂東 宏和 鈴木 貢 Yasuichi Nakayama Hirokazu Bandoh Mitsugu Suzuki
出版者
情報処理学会
雑誌
2017年度情報処理学会関西支部.支部大会講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.E-06, 2017-09-15

2017年度 情報処理学会関西支部.支部大会 2016年9月25日(月) 大阪大学中之島センター
著者
上田 明良 日野 輝明 伊東 宏樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.111-119, 2008 (Released:2009-07-22)
参考文献数
35
被引用文献数
5 12

ニホンジカによる森林衰退が進む奈良県大台ヶ原では, 防鹿柵によるシカの排除が行われているが, これが節足動物の多様性に与える影響は不明である。本研究では, ニホンジカによるミヤコザサの採食とオサムシ科甲虫の群集構造との関係を調べるため, シカの主要食物であるミヤコザサの現存量を防鹿柵や刈り取りにより操作した実験区を設け, ピットフォールトラップによる捕獲調査を行った。また, オサムシ科甲虫の食物となる地表性小動物を捕獲するため, 粘着トラップを各実験区に設置した。オサムシ科甲虫の総捕獲数, 種数と多様度指数はササ現存量と明確な関係がなかった。最優占種オオクロナガオサムシ捕獲数はササ現存量とバッタ目捕獲数に対して正の関係があった。2番目に多いフジタナガゴミムシは, ササ現存量との関係はなく, 開空度と負の関係があった。3番目に多いコガシラナガゴミムシ捕獲数はササ現存量と負の関係があり, トビムシ目, ハエ目, ハチ目と正の関係があった。これらの結果から, ニホンジカの採食によるミヤコザサの減少は, オサムシ科甲虫の多様度には大きな影響を与えないが, 群集構造には影響すると考えられた。
著者
伊東 宏樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.97, no.6, pp.304-308, 2015-12-01 (Released:2016-02-02)
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

京都市内の広葉樹二次林において,ナラ類集団枯損(ナラ枯れ)が発生した後の森林の動態に対して,ニホンジカ(以下「シカ」)がどのような影響を及ぼすのかを調べた。幹密度および胸高断面積合計が,ナラ枯れ発生の前後でどのように変化したのか,また下層木の樹種構成が,ナラ枯れにより形成されたギャップの内外でどのように異なるのかを検討した。その結果,シカによる剥皮は発生しているが,それによる上層木の枯死でギャップがさらに拡大しているという現象は認められなかった。また,ナラ枯れ跡のギャップ内でも,更新木は少ないものの,まったく更新していないということはなかった。ただし,下層木の状況からみると,主に更新している樹種は,クロバイ,ナンキンハゼといったシカの不嗜好性樹種か,もともと数の多いアラカシ,サカキ,ヒサカキといった樹種に限られていた。
著者
伊東 宏樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.172-175, 2017-08-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ナラ枯れ跡地の更新に対するニホンジカの影響を明らかにするため,京都市内のナラ枯れ跡ギャップ内に設置された防鹿柵と,その外のギャップ内とで更新状況を比較した。樹高1.3m 以上にまで成長していた更新木としては,防鹿柵内ではカラスザンショウ・アカメガシワ・アラカシ・ウワミズザクラなど14種が確認された。一方,柵外で1.3m 以上にまで成長していたのは,シカの不嗜好性樹種であるナンキンハゼおよびクロバイのみであった。また,樹高1.3m 未満の下層木については,防鹿柵内では,ニガイチゴ・イヌシデなど34種が更新していた。柵外では7種が確認されたが,樹高10cm を超えるものはなかった。ただし,柵外でもヒサカキなどの新規の実生は認められた。これらの結果から,シカの採食圧下にあるナラ枯れ跡では,特定の少数の樹種のみが更新する場合があることが示唆された。
著者
土屋 賢治 松本 かおり 金山 尚裕 鈴木 勝昭 中村 和彦 松崎 秀夫 辻井 正次 武井 教使 宮地 泰士 伊東 宏晃
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

背景と目的自閉症スペクトラム障害(ASD)の危険因子として父親の高年齢が指摘されている。今年度の本研究では、父親の高年齢が児の認知発達にどのような影響を与えるかについて、本研究では、父親の年齢という非遺伝的要因の発症への寄与を、関連因子の評価を交えて、prospectiveおよびretrospective二つの方向を交えた疫学的探索的研究を行った。方法(1)Retrospective研究:自閉症・アスペルガー障害または特定不能の広汎性発達障害(ASD)と診断され総IQが70以上の84名(5~27歳、女性14名)、精神科診断を持たない208名(5~34歳,女性104名)から、臨床情報を取得するとともに、母子手帳を通じて両親の生年月日を確認し、出生時の父親・母親の年齢とASD診断との統計学的関連をロジスティック回帰分析を用いて検討した。(2)Prospective研究:浜松医科大学医学部附属病院産婦人科(静岡県浜松市東区)および加藤産婦人科(静岡県浜松市浜北区)の2病院を2007年11月19日より2009年7月1日までに妊婦検診を目的に受診し、研究への参加の同意が得られた全妊婦780名と、その妊婦より出生した児809名を対象とした。この児を最長3年3ヶ月追跡し、Mullen Scales of Early Learningを用いて、運動発達および認知発達(視覚受容、微細運動、受容言語、表出言語)を3~4ケ月ごとに繰り返し測定した。また、父親の年齢と関連する生物学的要因として、生殖補助医療に関するデータを収集し、関連を解析した。結果とまとめ(1)出生時の父親の年齢が高いほど、児のASD診断のリスクが高いことが示された。母親の年齢には同様の関連は見られなかった。出生時の父親の年齢とASD診断のリスクとの関連の強さは、母親の年齢や出生順位、性別、自身の年齢を考慮に入れても変わらなかった。(2)粗大運動、視覚受容、微細運動、表出言語の発達、発達指標の到達、ASD疑い診断に、出生時の父親の年齢は統計学的に有意な関連をしていなかった。しかし、生殖補助医療の有無(なし、IVF、ICSI)は、いずれの発達変数においても、なし-IVF-ICSIの順に発達が遅れる傾向が認められた。欠損値に対する配慮からStructural equation modelingによって解析を進めたが、サンプル数の限界のため、父親の年齢と生殖補助医療の交互作用については言及できなかった。結論父親の年齢とASD発症リスクの生物学的基盤としての生殖補助医療の関与を確定することはできなかった。しかし、その可能性が示唆されるデータが一部から得られた。
著者
伊東 宏
出版者
日本プランクトン学会
巻号頁・発行日
no.1, pp.53-63, 2006 (Released:2011-03-05)
著者
大東 宏 小野 祐幸 冨永 茂人 森永 邦久 工藤 和典
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.331-346, 1980

ウンシュウミカンの栽植様式. 樹形. 整枝並びにせん定などの樹形管理技術の合理化と品質向上対策を図るための基礎資料を得る目的で, 1977年の7月から同年12月にかけて, 開心自然形と柵仕立ての杉山系普通ウンシュウミカン成木の異なる着果部位における受光量, 気温及び果実温の日変化を調査した. 結果は以下のとおりである.<br>1. 各月の1日の総全周短波放射量は, 開心自然形樹では樹冠の南側上部において最も高く, 他の着果部位でも概して上部において南側とほぼ同じであったが, 柵仕立て樹では樹冠上部でも少なかった. この相違は, 柵仕立て樹が南北方向の生垣状樹形で, 日射程度が午前と午後とでかなり異なるためであり, 開心自然形樹では半球状樹相のため, 終日平均的に日射を受けることによるものであろう. 樹冠下部の1日全周短波放射量はかなり少なく, 特に北側下部では, 秋季には南側上部の2%程度に落ち込み, 夏季においても45%程度となった. 樹冠内部における1日の総全周短波放射量は低く, 特に柵仕立てでは南側上部の10~20%程度であった.<br>2. 開心自然形樹の着果部位ごとの気温は, 樹冠南側, 東側上, 下部, 内部では, 日の出から正午過ぎにかけて西側上, 下部, 北側上, 下部よりも早く昇温したが, その後日没まで, 西側上, 下部よりも低くなって徐々に下降した. 西側上, 下部では14時頃までは, 昇温が遅れぎみとなったが, その後16時頃までにかなり高くなり, 更に日没まで他の部位よりも高く, 特に東側上, 下部よりも明らかに高温で推移した. 北側上部では日の出から時期にもよるが16~18時頃まで昇温は遅れたが, その後日没まで東側上, 下部よりも高くなった.内側では午前中西側上, 下部, 北側上, 下部より昇温は早かったが, その後16~18時頃まではほぼ一定気温で推移し, 概して16時以降東側上, 下部よりも高かった.<br>柵仕立て樹の着果部位ごとの気温は, 午前中は樹冠の東側上, 下部の昇温が顕著であり, 西側上, 下部では東側よりも遅れて昇温した. 正午になると, 西側上, 下部において高くなり, その後日没に向って下降するものの, 他の部位よりも明らかに高く, 特に, 東側よりも西日の影響が強く現れ, 長く高温が持続するものと思われる. 樹冠内側では東西から太陽の影響を受けているため, 各部位の同時刻の気温の昇降変化のなかで常に中間的な推移を示した. ところが, 東側上, 下部では時期にもよるが14時頃から気温の低下が速くなり, 日没まで各部位中最低の気温を示した. このように, 柵仕立て樹では午前と午後とで気温分布がかなり異なっていることが明らかである. その理由として, 同樹形樹は南北方向の壁様樹相を呈し, しかも樹冠幅は狭いものの枝葉の着生密度が高いため, 大気が枝葉間を流れにくい状態となっていることから, 午前中は東側が, 午後は西側の気温が高まりやすくなると考えられた. そのため, 特に西側では西日の受熱量が貯えられやすいものと思われた.<br>3. 開心自然形樹の果実温は, 午前中, 東側上, 下部の温度上昇が早く, その後西側上, 下部が高くなった. 南側の果実温は午前中は, 東側よりも, また, 午後には西側よりもそれぞれ低くなった. 北側上部の果実温は, 午前中低かったが, 午後かなり過ぎると, 南側よりもむしろ高くなった. 北側下部では果実温の昇温は著しく遅れ, 日中は低かった. 内部でも北側下部とほぼ同様に果実温の上昇は遅れ, 午後も低くなった. 柵仕立て樹では午前中, 東側上, 下部, 西側上部の果実温は早く上昇し, 東側下部ではその後急下降したが, 正午以降再び上昇した. そして, 日没に向って下降した. 西側下部, 内部の果実温は正午過ぎまで他の部位よりも上昇は遅く,しかも最高温度も低く, 更に, 夕刻近くなると, 内部の低下は特に早かった. 西側下部では西日を受け, しかも地表面温度の影響を受けるためか, 果実温度の下降は遅れぎみとなった.
著者
伊東 宏
出版者
人間環境大学
雑誌
人間と環境 : 人間環境学研究所研究報告 : journal of Institute for Human and Environmental Studies (ISSN:13434780)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.11-26, 1998-07-31

徐福とその一行は、紀元前3世紀(日本における弥生時代の初め)、九州から東北までの日本の至る所に渡来したと考えられる。それらの伝承地には、ハタ・フク・ホウライ地名とか、ハタ氏とか、ハタ神社等が見られる。また、伝来の技術・習俗も見られる。彼等は、日本文化の起源でもある弥生文化をもたらしたと考えられるのである。その文化とは、稲作・金属器製造・機織・焼き物・捕鯨等である。特に、子供たちが金屋子神へのいけにえ(中国春秋戦国時代の製鉄習俗)とされていたことが、浦島・竜宮伝説から推測される。また、羽衣・七夕の伝承が、機織の渡来を立証しているのである。これらの伝説は、根底的に蓬莱信仰(不老不死の異郷を憧れる)に基いている。
著者
稲葉 利江子 坂東 宏和
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.342-346, 2022-06-15

第84回全国大会において,情報処理教育にかかわる企画セッションが開催された.本稿では,3月5日に開催された情報入試委員会が主催した「情報入試 -共通テストと個別試験」と初等中等教育委員会が主催した「初等中等教育研究発表セッション」について報告する.
著者
伊東 宏
出版者
人間環境大学
雑誌
人間と環境 : 人間環境学研究所研究報告 : journal of Institute for Human and Environmental Studies (ISSN:13434780)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.33-45, 1998-03-31

本学論集第2号(95年3月刊)の本論文前編で、私は、秦の徐福は『史記』によっても明らかなように実在し、その故郷は中国山東半島の北岸と南岸の二説に分れ、出航地も複数あることを述べた。そして、山東半島における研究者は、徐福は韓国経由渡航したであろうと言っていた。特に済州島では徐福に関する伝承があるので、それを確かめるため、95年3月済州島へ出かけた。そこで、次のようなことが分かった。済州島では、徐福がハルラ山(蓬莱山)に薬草を求めにやって来たが得られず、この土地を離れ日本に行った。のち、3人の男子を済州島へ置き去りにしたことに気付き、3人の女子を婚姻のため済州島に送ったという。この始祖伝説を示す三姓穴が、そして徐福渡来の伝承を示す地名が島内にある。日本側では、北九州をはじめ、20か所以上に及ぶ徐福上陸伝承地がある。なかでも中央日本には、紀元前3世紀渡来の徐福上陸伝承地である富士山麓や熊野・熱田など代表的な三蓬莱山があり、また、紀元後5世紀近畿地方へ渡来した秦氏がいる。日本では、共に秦氏と呼ばれ、彼らのルーツは始皇帝となると考えられるのである。
著者
坂東 宏和 杉崎 知子 加藤 直樹 澤田 伸一 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.804-814, 2002-03-15
被引用文献数
13

本論文では,一般的な教室環境における黒板の発展型として対話型電子白板を設置した環境を想定し,対話型電子白板上に複数の専用電子教材を起動し,それらのウインドウ領域にまたがって,かつ,それら電子教材の実行と並行して画面全体へ自由に板書が行える機能を提供する電子黒板ミドルウェアの基本構成について述べる.さらに,本ミドルウェア上で動作しているすべての電子教材の実行状態を一括して保存する機能や,一括してスクロールする機能などの,情報化の利点をより簡便に活かすための付加機能も提案する.従来のデスクトップ環境では,黒板のように画面全体への自由な板書を行うことはできない.画面全体に手書きで描画できるようにするソフトウェアも開発されているが,既存のソフトウェアでは板書内容を表示したまま起動されている他のソフトウェアに対する操作をしたり,動画表示を行ったりすることができなかった.そこで,本論文ではこれらの問題をミドルウェアレベルで解決する方法を提案するものである.また,一斉授業の中で利用しやすい電子教材を開発するための方針を明確化し,その方針に従って設計した複数の専用電子教材の試作例を提示する.このミドルウェアと専用電子教材を教育現場で試用したところ,電子教材と板書を組み合わせることで,従来の教室環境で教師が培ってきた授業経験と情報化による利点の両方を活かした授業が実現できることが示唆された.This paper presents a middleware architecture for an electronic whiteboard so that the user can run multiple educational applications on it, while being able to draw and make annotations on the whiteboard at the same time. On conventional desktop environments, one can draw lines or make annotations within a single window but cannot do so over multiple windows across a whole screen. Although some softwares allow the user to draw lines over the snapshots of multiple applications across a whole screen, it disables each application to accept users control or to change its display dynamically while showing drawn lines. The middleware we propose does not suffer from such restrictions. Moreover, it also provides features such as freezing the execution of education applications at any time and saving the state of each application so that their execution can be resumed from the saved state at a later time; and scrolling the windows of all the running applications collectively. We also propose guidelines to design educational applications running on the electronic whiteboard, and describe some experimental applications developed according to these guidelines. The experimental use of the system in actual classes suggests that the middleware is quite useful for classroom teaching.
著者
安東 宏徳
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.45-53, 2018-04-13 (Released:2018-04-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1

潮間帯や浅海域に生息する海産生物の多くは,月齢に同調して産卵する。これらの動物は,月周期もしくは半月周期で生殖を繰り返すが,そのリズムの調節機構は現在のところほとんどわかっていない。我々はこれまで,日本各地の海岸で潮汐サイクルに依存しながら新月と満月の日に産卵するクサフグを用いて,その半月周性の産卵リズムの調節機構について研究してきた。フィールドの産卵回遊行動調査や水槽内行動実験,視床下部-下垂体系のホルモンの遺伝子発現解析,メラトニンの分泌やメラトニン受容体遺伝子の発現解析,概日時計遺伝子の解析など,さまざまな分子生理生態学的なアプローチを行ってきた結果,クサフグが生息環境の違いに応じて異なる産卵リズムを持つことや産卵期には内因性の半月周リズムを持つこと,また,半月周リズムを作る時計機構や生殖関連神経ホルモンの周期的発現調節には,クリプトクロームとメラトニンが関与していることがわかってきた。また,クサフグの松果体や間脳では,メラトニン受容体遺伝子が約15時間周期のウルトラディアン発現をすることが明らかになり,クサフグは概日時計と共に,概潮汐時計に関連する新規の時計を持つ可能性がある。概日時計と概潮汐時計があれば,半月周リズムを発振することができる。
著者
萩行 正嗣 上谷 珠視 東 宏樹 大竹 清敬
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.200-210, 2021 (Released:2021-12-01)
参考文献数
14

近年,ICT の発達に伴い,災害対応の現場でもこれらを活用した災害対応の効率化が行われている.特にTwitter やLINE に代表されるコミュニケーションツールは被災者一人一人と災害対応機関とのコミュニケーションを変えつつある.本稿では,現在コミュニケーションツールが災害対応の現場で活用されている例やその背景にある技術について紹介するとともに,我々が開発中の防災チャットボットSOCDA の機能と展望についても紹介する.
著者
松崎 秀夫 財満 信宏 岩田 圭子 小川 美香子 辻井 正次 瀬藤 光利 土屋 賢治 伊東 宏晃 間賀田 泰寛
出版者
浜松医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

自閉症者血清中の脂質VLDL分画の低下から(1)自閉症者血清中の脂肪酸解析、(2)脂肪酸所見に基づく自閉症動物モデルの確立とその解析、(3)動物モデルを用いた新規自閉症治療法を検討した。その結果、VLDL分画の低下に関連の深い脂肪酸としてω6脂肪酸を含む6種類の脂肪酸を見出した。ついでCD38KOマウスに自閉症者同様の血清中脂質VLDL分画・ω6脂肪酸の低下を認め、血中ω6脂肪酸の低下を出生直後に補うと社会認識行動の修復につながることを見出した。VLDLR-Tgラットにも多動と組織中のアラキドン酸の欠乏が示された。