著者
松木 啓子 Keiko Matsuki
出版者
同志社大学言語文化学会
雑誌
言語文化 = Doshisha Studies in Language and Culture (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.[345]-368, 2009-12-31

本論の目標はコミュニケーションにおける儀礼理論の意義を再検討することであると同時に、コミュニケーションにおける儀礼的諸相の再考察である。デュルケムに大きく影響を受けた人類学の儀礼研究が今日のコミュニケーション研究に深く関わっているこを確認すると同時に、コミュニケーションにおける儀礼的諸相とそのような諸相を通して構築される社会的意味の重要性を指摘する。特に、儀礼の機能と意味の問題に注目しながら、人類学の儀礼研究を貫く「連帯」と「聖なるもの」の概念に注目する。
著者
藤野 浩子 田熊 大祐 戸野倉 雅美 馬場 亮 松木薗 麻里子 高橋 香 鴇田 真弓 笹原 沙衣子 市橋 弘章 伊藤 寛恵 佐藤 雅美 文原 千尋 押田 智枝 小暮 啓介 山地 七菜子 藤田 桂一
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-29, 2014-03-20 (Released:2016-02-05)
参考文献数
17

血便・粘液便を主訴に来院したミニチュア・ダックスフンド4例に対し,内視鏡下生検材料による病理組織検査にて,直腸炎症性ポリープと診断した。4例中1例では,内科治療にて症状の改善がみられ,現在プレドニゾロン,シクロスポリンの投与を継続し,良好な経過を示している。4例中3例では,最初に内科療法を行ったが,十分な症状の改善がみられなかったため,直腸粘膜引き抜き術による外科治療を実施した。いずれも,術後症状の改善がみられ,現在まで再発を認めず維持している。
著者
森谷 美穂 橋本 璃乃 前田 桜 松木 亨 関 健二郎
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第93回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.3-P-293, 2020 (Released:2020-03-18)

Re-experiencing trauma by overgeneralization is a hallmark of PTSD which is high comorbidity with depression. We thus studied the relation from overgeneralization to depression. Mice were subjected to context A with electric shock as a conditioning which was followed by unconditioned context B using a different, but similar box in 3h on Day1 and was followed by re-exposure to context A (Group ABA) or B (Group ABB) on Day2. Group ABA and ABB mice exhibited the longer freezing in context A and B on Day2. However, the mice which was not exposed to context B on Day1 (Group A-B) showed the shorter freezing time in context B on Day2, indicating that the overgeneralization was induced by experiencing the context B after the conditioning in 3 h. Group ABB mice exhibited the longer immobility time of tail suspension test (TST) than Group ABA and A-B. Freezing time in the first half of the test in context B and immobility time of TST in Group ABB were negatively correlated with the staying time of center zone in the box during the context B on Day1. In contrast, the freezing and immobility time of TST in Group ABA have positive correlation with the time of center zone during context B on Day1. These results suggest that the PTSD and depression may depend on the coping style during unconditioned context within a few hours after the trauma.
著者
熊谷 直憲 工藤 宏紀 力石 健 中山 真紀子 高橋 俊成 松木 琢磨 木越 隆晶 内田 奈生 呉 繁夫
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.68-72, 2017 (Released:2017-04-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

血清Na-Cl=36 からの乖離を契機に酸塩基平衡異常が疑われ,血液ガス分析を施行し臨床上有用であった症例を経験した。症例1:3 歳女児。3 か月時に脳腫瘍を発症し集学的治療を受けた。3 歳時に胃腸炎罹患時に低リン血症,低分子蛋白尿,代謝性アシドーシス,くる病から薬剤性Fanconi 症候群と診断された。血清Na-Cl は常に30 以下であり,長期間の代謝性アシドーシスの存在が示唆された。症例2:19 歳女性。9 か月時に横紋筋肉腫を発症し,集学的治療を受けた。治療終了後より血清マグネシウムは緩徐に低下し,19 歳時に低カルシウム血症,低カリウム血症,代謝性アルカローシスと診断された。血清マグネシウムの低下とともに血清Na-Cl は常に40以上であり,長期間の代謝性アルカローシスの存在が示唆された。血液ガス分析を行っていない場合,血清Na-Cl=36 からの乖離により酸塩基平衡異常を推測することは臨床上有用である。
著者
長谷部 靖子 尾上 秀彦 松木 直子 渡邉 早苗 八木 完
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.603-611, 2020 (Released:2021-03-31)
参考文献数
15

目的:近年,我が国における急速な高齢化や生活様式の欧米化により,脳心血管病(cerebral cardiovascular disease: CVD)が増加しており,CVDへの取り組みは喫緊の課題になっている.今回,腹部超音波検査で得られた腹部血管の所見について調査し,今後の健診における課題を検討した.方法:2015年度から2017年度に健診腹部超音波検査を受検した10,594名を対象とし,腹部動脈の所見と背景因子を調査した.結果:腹部超音波検査にて指摘した所見は,腹部大動脈瘤8名(0.08%),総腸骨動脈瘤4名(0.04%),内臓動脈瘤6名(0.06%)(脾動脈2名,腎動脈3名,右胃大網動脈1名)であった.また,腹部大動脈の穿通性アテローム性潰瘍(penetrating atherosclerotic ulcer: PAU)は10名(0.09%)に認めた.粥状硬化は腹部大動脈と腸骨動脈病変で強く,内臓動脈瘤では目立たなかった.結論:健診腹部超音波検査で動脈疾患を指摘することは,CVDによる死亡率の減少と健康寿命の延伸のために意義がある.内臓動脈瘤の指摘には嚢胞と確信の持てない無エコー腫瘤に対して,カラードプラやFast Fourier Transform 解析(FFT解析)を行うことが重要である.腹部大動脈の走査では,腹腔動脈,上腸間膜動脈,腎動脈の起始部や腸骨動脈の狭窄評価,特に粥状硬化が目立つ症例では血管内膜下の低エコーの有無を確認しながら可能な限り腸骨動脈末梢まで走査することがPAUの前駆病変やPAU,動脈瘤の評価には必要である.
著者
國崎 貴嗣 白旗 学 松木 佐和子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.401-404, 2021-12-01 (Released:2022-04-08)
参考文献数
26

過密なスギ若齢,壮齢林計5林分を対象に,樹冠長と直近5年間の平均胸高直径成長量との対応関係を調べた。林木の胸高直径成長がほぼ停止する胸高直径の閾値は林分で異なるのに対し,樹冠長の閾値はいずれの林分でも4.0 mとなり,樹冠長4.0 m未満の平均胸高直径成長量は0~0.04 cm/年と,全く,あるいはほとんど成長していなかった。樹冠長が4.0 m以上の林木を対象に,樹冠長から4.0 mを減じた差引き樹冠長と直近5年間の平均胸高直径成長量との関係を共分散分析で解析し,胸高直径を共変量とした共分散分析モデルと比較した。その結果,後者の自由度調整済み決定係数は前者のそれより明らかに高かった。スギ過密林での間伐木選定にあたっては,樹冠長4.0 m未満の林木を胸高直径成長停止木,樹冠長4.0 m以上の林木については胸高直径が大きいほど活力のある林木として判断すれば良いと考えられる。
著者
松木 順子 熊倉 克元 石橋 晃
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.463-467, 2010-04

飼料学。飼料原料。イネ科スズメガヤ属の一年生作物。エチオピア独特の雑穀で、栽培起源も同国である。祖先野生種は世界の温帯、亜熱帯、熱帯に広く分布するオオニワホコリであるという説が最も有力である。これは日本でも平地の草原や畑地に雑草として生えている。草丈は30〜150cm、穂はよく分枝して広がるものからコンパクトなものまで、様々な型のものが見られる。8週間から約6ヵ月程度で成熟する。脱粒性のものが多い。種子は非常に小さく、長さ1〜1.5mm、幅0.8〜1mm程度で、イネ科穀物のうちで最小である。テフの呼び名はアムハラ語で「見失ってしまう」のという意味の語に由来する。2n=40の四倍体である。種皮色によって白色種子と赤色種子の品種群に分類される。エチオピアでは、製粉してインジェラと呼ばれる半発酵の薄焼きパンにする。わらは牧草としての利用があり、ケニア、南アフリカ、オーストラリアでも栽培される。鉄分、マグネシウム、リンなどのミネラル分が豊富で、セリアック病を起こすグルテン画分を含まないことから注目されている。
著者
松木 順子
出版者
日本応用糖質科学会
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.284-290, 2018 (Released:2019-05-17)
著者
松木 洋人
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.52-63, 2013-04-30 (Released:2014-11-07)
参考文献数
38
被引用文献数
4

1980年代後半以降,主観的家族論と構築主義的家族研究は人々が使用する日常的な家族概念に注目することの重要性を論じてきた.しかし,これらの研究に対しては,専門的な家族定義の意義や可能性を否定するものであるとの批判もなされている.本稿では,主観的家族論と構築主義的家族研究およびその批判のいずれにおいても看過されてきた日常的な家族概念の家族社会学研究にとっての含意を明らかにする.まず,主観的家族論と構築主義的家族研究およびその批判において論点となっていたのが,専門的な家族概念と日常的な家族概念との関係であることが確認される.そのうえで,この論点を社会科学における記述の適切性についての議論と関連づけることによって,日常的な家族概念は,家族定義の間の齟齬をめぐる問題を脱問題化するものとして,そして,個別の経験的研究においては専門的な家族定義の適切性の条件となるものとして理解できることを主張する.
著者
松木 浩子 森合 博一 小林 英樹 山田 裕輔 鈴木 妙子 竹村 真一 鈴木 勝男 野沢 佳弘
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.418-422, 2014-07-25 (Released:2014-09-10)
参考文献数
9

症例は29歳,男性,左側腹部から背部にかけての疼痛を主訴に当院受診.胸腹部CTにて腹腔内に多数の結節とリンパ節腫大,右胸水,腹水を認め,PET-CTで腹膜,胸膜に高度のFDGの集積を認めた.血清CEA,CA125,可溶性IL-2レセプター抗体が上昇していた.癌性腹膜炎,悪性リンパ腫,悪性中皮腫,結核性腹膜炎などとの鑑別を要したが,確定診断が得られず腹腔鏡下腹膜生検を施行した.大網,腹膜及び肝表面に白色の小結節が多数認められ,大網は腹壁に癒着していた.術中迅速病理診断にて,乾酪壊死とLanghans巨細胞を伴う類上皮性肉芽腫を認めたことから,結核性腹膜炎と診断した.結核性腹膜炎は稀な疾患で,臨床像および検査結果から癌性腹膜炎との鑑別が困難であるが,腹腔鏡下腹膜生検の術中迅速病理診断が有用であった.
著者
松木 明知
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.586-591, 2019-09-15 (Released:2019-10-29)
参考文献数
24

日本の麻酔科医の社会的地位について歴史的に論じた.1960年に麻酔科が特殊標榜科として認められた.麻酔科標榜医の資格は適当な指導者の下で2年間の訓練を受ける必要がある.このために日本麻酔学会は1962年には麻酔科標榜医を認定するために麻酔指導医認定制度を作った.わが国の医学界で最初の専門医制度であった.この制度によって麻酔科医の医学界における地位は向上したが,社会における認知度は依然として低いと言わざるを得ない.学会としても麻酔科医の情報を社会に向けて発信する必要がある.
著者
村上 広樹 松木 建二 西嶋 寛 中西 誠 久門田 俊治 宮本 一民 大川 満
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.240-249, 1992

We reported about mobility of implants by PERIO TEST<sup>®</sup> (Part 1, 2) on SUMICIKON. We took many measurements of Bonefit bioinart implants with PERIO TEST<sup>®</sup> (PT) by the same method. PT revealed that a relation between an implant and a bone can be understood by individual observation at chairside.<br/> Our Bonefit implant dates were reliable statistics, because we measured 205 cases. We had some interesting results about some methods. Those results were as follows;<br/> 1. Incisal lower edentulos arch use (n=19) PT average had the best level when compared to other methods.<br/> 2. Self-standing use (n=29) PT average had a good level but was impossible to use clinically.<br/> 3. Connected natural teeth and Molar lower arch use (n=113) was the most popular method in our experiments. The PT average was good. We thought, this method was safe and reliable.<br/> 4. Connected natural teeth and Molar upper arch use (n=41) PT average was alright for clinical use. But standard deviation was not better than the other methods<br/> 5. All experiments (n=205) PT average rose from immediate post operation to 30 days later. But it declined after 60 days later. The phenomenon was“ Tissue-integrate”.
著者
松木田 啓嗣 藤岡 寛之
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成25年度電気関係学会九州支部連合大会(第66回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.337, 2013-09-13 (Released:2016-01-17)

本研究では,手書き文字フォントの書体を整形および再設計する枠組みを開発する.まず,ペンタブレットを用いて書字運動を計測し,いわゆるダイナミックフォントと平滑化スプラインの理論を用いて文字フォントモデルを生成する.次に,そのような文字フォントの美的品質を向上させるために,文字書体を整形する方法を安本らにより提案されている非線形変換法を基礎に開発する.この変換法はBスプライン関数の制御点に対するオペレータとして定義され,書体整形に要す計算量が軽減できる.さらに,書体整形後の文字を書道で見られるような草書体文字へと再設計する方法を示す.その有用性は実験およびアンケートによる調査結果により示す.