著者
黒澤 俊 松本 大生 小西 剛 野中 勝利 楠見 浩二 松田 大 北島 宣
出版者
京都大学農学部附属農場
雑誌
京大農場報告 = Bulletin of the Experimental Farm, Kyoto University (ISSN:09150838)
巻号頁・発行日
no.22, pp.25-26, 2013-12

西南暖地で、無核短梢剪定栽培を行った場合に着色不良が問題となる四倍体ブドウ品種'巨峰'について,プラスチック製結束バンドを利用した結果枝の結縛処理の処理部位と処理時期の違いが果粒品質の及ぼす影響を調査した。調査の結果,いずれの処理も果粒サイズに影響を与えないこと,ベレーゾーン期1ヶ月前に節間に処理した場合には有意に糖度が高くなることが明らかとなった。また,ベレーゾーン期2週間以前の処理は,有意ではないものの,糖度や果皮色を改善する傾向にあることが示唆された。
著者
宮田 信輝 矢野 隆 井門 健太 松本 秀幸
出版者
愛媛県農林水産研究所果樹研究センター
雑誌
愛媛県農林水産研究所果樹研究センター研究報告 (ISSN:18837220)
巻号頁・発行日
no.1, pp.33-42, 2009-03

ブドウ'安芸クイーン'の着色向上技術として、プラスチック製の結束バンドを用いた結果枝基部への簡易結縛処理を検討した。1)結縛処理により、新梢生育は緩慢になり、果粒重は小さくなるものの、果皮色が有意に向上し、Brixは高くなる傾向であった。2)結縛処理の効果は処理時期によって効果に差が見られ、発芽後20〜30日頃に処理することで、その効果を高めることができた。3)結束バンド2本で結縛処理を行うと果粒重を著しく低下させる危険性があることから、結束バンドは3.6mmから4.8mm幅のものを1本で処理すべきであった。4)結縛処理により結縛部が折れやすくなるため、結果枝の棚への誘引は慎重かつ確実に行う必要があった。
著者
堀内 雅生 山口 隆子 松本 昭大
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.93, 2020 (Released:2020-03-30)

温暖な地域における風穴の研究事例は少ない。今回は,鹿児島の桜島において著者らが新たに確認した「黒神風穴」について報告する。風穴の気温は18.8℃で,外気温(23.8℃)と比べて5.0℃低温であった。風速は0.15ms-1であった。 清水・澤田(2015)の巻末資料より,全国の風穴情報をGIS上に取り込み,気象庁のメッシュ平年値(2010)より各風穴周辺の年平均気温を求めた。すると,黒神風穴は御蔵島の風穴(温風穴)と同率で,日本国内において現在確認されている風穴の中で最も周辺の年平均気温が高いことが分かった。
著者
松本 和也
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 (ISSN:02877074)
巻号頁・発行日
no.195, pp.1,3-40, 2018

This paper analyzes the screenplay of the TV drama Itsuka Kono Koi wo Omoidashite Kitto Naite Shimau(Love That Makes You Cry) by Yuji Sakamoto fro mmultiple viewpoints. This work is "Monday 9"(a television drama aired at 9 oʼclock on Monday) and is about young romance, but it also has a serious theme. Although this work is presented as being realistic, and appears on the surface to be so, there are also many fantasy elements. This paper follows the story, focusing on the heroʼs voice and the actions of the master. It also considers the dead and the "scenes" held by him // they, and "the dramaʼs lie" which exposes a fictional gimmick etc.
著者
松本 友香子
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.6, pp.234-240, 2001-03

「阿弥陀二十五菩薩来迎図(阿弥陀聖衆来迎図)」(以下「来迎図」とする)とは、臨終を迎えつつある人間の魂を阿弥陀如来が聖衆とともに西方浄土から迎えに来る様を描いた図のことである。その聖衆のなかに楽器を奏し舞を舞う一群(以下伎楽菩薩とする) があり、それはあたかも天上の舞楽団のようである。本論はこの伎楽菩薩とその持物である楽器に着目し、来迎図における彼らの役割、ひいては来迎図という仏教絵画のなかでの音楽表現の意味について、絵画的な観点からの考察を試みたものである。
著者
松本 恭幸
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.22-41, 2006-01-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
11

The citizen's participation in journalism has faced a big change due to the spread of the digital media after the 90s. This paper presents many concrete examples and analyzes the various aspects of the so-called "citizen journalism, " such as the Internet newspapers and the Internet broadcast, as well as the recent trend of the "blog journalism" in Japan. The relationship between this new kind of journalism and the existing mass media is also discussed. This paper also discusses the role of the NGO and NPO, which are increasingly taking the lead in the civic journalism.
著者
神谷 芳樹 バーカー マイク 松本 健一 鳥居 宏次 井上 克郎 鶴保 征城
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.2_26-2_37, 2006 (Released:2007-09-20)
参考文献数
29

ソフトウェア工学の分野で計測に基づいて生産性や品質への貢献を目指すのがエンピリカルソフトウェア工学の立場である.そこでは研究対象としてのソフト開発現場の獲得が鍵となるがその実現は容易ではない.筆者らはこの立場から課題の解決を狙い,2003年からソフトウェア産業力強化を命題とする国の施策をトリガに新しい産学官連携の枠組みを構築した.本論ではこの試みの考え方と構成を示し,2年半余経過時の到達点,実現した産学での現場データ共有状況,明らかになった課題を報告する.そしてこの経験を一般化し,テクノロジー・アービトラージとマーケットメイクという金融界の概念に示唆を受けた産学の仲介者の役割に関する考察を示す.
著者
齋藤 智也 福島 和子 阿部 圭史 氏家 無限 梅木 和宣 大塚 憲孝 松本 泰治 難波江 功二 中谷 祐貴子 中嶋 建介
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.105-114, 2015

わが国では,エボラ出血熱は,感染症法の一類感染症に位置づけられている.しかしながら,平成11年の感染症法の施行以降,これまで一類感染症であるウイルス性出血熱の感染が疑われる患者検体の検査を国立感染症研究所で実施することはあったものの,国内で感染が確認された患者はいない.<BR> 平成26年の西アフリカでのエボラ出血熱流行に対しては,厚生労働省でも3月のギニアからの第一報から情報収集を継続して状況を注視し,対応を行っていたが,8月より検疫対応及び国内対応の強化を開始した.10月末にはエボラ出血熱等対策関係閣僚会議が設置され,政府一丸となった対応を開始するに至った.一連の対応は,国内発生が非常に稀なウイルス性出血熱のような輸入感染症に対する対応体制を大きく底上げした一方で,様々な教訓を残した.今回の流行が終息したとしても,国際的なウイルス性出血熱のアウトブレイク発生リスクは今後も変わらない.今回の知見と経験を踏まえ,国内対応の観点からは,マニュアル等の改善,継続的な訓練の実施による一類感染症等に対する感染症危機管理体制の維持・向上のほか,国際的な対応への貢献という観点からも,人材育成等を推進していくことが重要である.
著者
松本 義信 津崎 智之 奥 和之 小野 章史
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.147-152, 2017

日本食品標準成分表2015年版において,ひじきの項目は下処理の加熱時に用いる材質がステンレス 製と鉄製に分類されて表記された.しかし,この時の加熱時間は考慮されなかった.そこで,本研究 ではひじきの下処理時の加熱時間が鉄含有量に及ぼす影響について検討した.実験は鹿児島県沿岸 ならびに静岡県沿岸で収穫された下処理等が行われていない未加工のひじきを用い,加熱時間を30~360分間とした.その結果,鉄含有量は両ひじきともステンレス製に比べて鉄製の鍋を用いた方が 高値となった.また,鉄製の鍋を用いた場合,加熱時間が30分間に比べて360分間では30倍以上の高 値となった.日本食品標準成分表2015年版の値に比べてこれらの値は加熱時間が30分間では低値を,360分間では高値を示した.以上の結果から,本研究でひじきの鉄含有量がステンレス製より鉄製の 鍋で高値となったことは日本食品標準成分表2015年版と同様であったが,加熱時間によっても値が異 なることが明らかになった.
著者
酒向 健二 松原 孝祐 松本 真
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.284-292, 2021 (Released:2021-03-20)
参考文献数
22

Purpose: A volume scan can cover a range of 160 mm with a single gantry rotation. It can be performed sequentially (a wide volume [WV] scan) to cover more than 160 mm, and volume Xact+ (Xact+) can be used when volume scan is done to extend the reconstruction area. The purpose of this study was to investigate the dose distribution and organ doses for a WV scan during chest CT. Method: We arranged radiophotoluminescence glass dosimeters (RPLDs) linearly on the surface and inside of the phantom to evaluate the dose distribution along the z-axis. We also placed RPLDs at the lens, thyroid, and breast positions to evaluate organ doses. We performed WV and helical scans and WV scan using Xact+. Result: The absorbed doses increased at the borders of the volume scans, and dose peaks were observed there. The organ doses for the WV scan outside the acquisition range were lower than those for the helical scan. The organ doses inside the acquisition range changed by the locations of borders. Conclusion: The WV scan increases the absorbed doses at the overlapping scanned regions, which can be reduced by using Xact+.
著者
松本 和久 山内 達仁
出版者
中部大学現代教育学部
雑誌
現代教育学部紀要 = Journal of College of Contemporary Education (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
no.7, pp.73-83, 2015-03

本研究では、知的障害・発達障害のある人が旅行する際に必要としている支援についての調査をもとに、適切だと思われる支援を盛り込んだ旅行を企画・実施した。そして、その旅行への参加者に対する調査を通して、知的障害・発達障害のある人が旅行する際に必要な支援について明らかにすることを目的とした。日帰りバスツアーと、2014年世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間関連イベント「"ぼくらのA列車"に乗ろう!」という二つの旅行を企画・実施し、貸切車両の利用、車内にクールダウンエリアの設置、写真入りのしおりなど、参加者に対して通常のツアーにはない工夫や配慮をした。参加者に対する調査の結果、これらの支援は有効であったが、一般のツアーでは十分に提供されていないのが現状である。知的障害・発達障害のある人が旅行する際には、物理的な「バリアフリー」にとどまらない支援、言い換えれば一人一人の思いに応え、その人にとって必要な支援を提供することが望まれる。