著者
西掘 研人 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1086-1097, 2008-07-01
被引用文献数
1 1

We propose a new method for determining the correspondence between audio and visual events based on the selective attention which is observed in a living organism. For auditory attention, our system recognizes a target sound in noisy environments using an auditory filter that focuses on a specific period corresponding to visual events. It was confirmed that the success rate of correspondence between audio and visual events increased from 78.6% without the auditory filter, to 95.2% with the auditory filter. This certifies the importance of visual information for auditory attention. We also realized a visual attention of localizing a sound source and adjusting the line of sight and the iris of a camera when the system perceived a sound, but could not obtain visual information. The success rate of experiments based on visual attention is 93.3%. These results show the effectiveness of the proposed method.
著者
平尾 努 磯崎 秀樹 前田 英作 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2230-2243, 2003-08-15
参考文献数
29
被引用文献数
10

文書から重要な情報を持った文を抽出する重要文抽出技術は,文書要約技術の1つであり,より自然な文書要約を実現するための基盤技術である.重要文の抽出精度を高めるためには,複数の手がかりを統合的かつ効果的に扱うことが必要とされており,機械学習手法を取り入れた重要文抽出法が着目されつつある.本稿では,汎化能力の高い機械学習手法とされるSupport Vector Machine(SVM)を用いた重要文抽出手法を提案する.Text Summarization Challenge(TSC)のデータを用いて評価実験を行い,提案手法はLead手法などの従来手法と比較して統計的に有意な差で優れていることを実証した.また,野本らのデータを用いた評価実験でもこれに近い成績が得られた.さらに,文書のジャンルを考慮することで重要文の抽出精度が向上すること,重要文抽出に有効な素性のジャンルによる違いを明らかにした.Extracting from a text the sentences that contain important information is aform of text summarization.If done accurately, it supports the automatic generation of summaries similar to those written by humans.To achieve this, the algorithm must be able to handle heterogeneous information.Therefore, parameter tuning by machine learning techniques have received attention.In this paper, we propose a method of sentence extraction based onSupport Vector Machines (SVMs).To confirm the performance of our method, we conduct experiments on the Text Summarization Challenge (TSC) corpus and Nomoto's corpus.Results on the former show that our method is better (statistically significant) than the Lead-based method.Moreover, we discover that document genre is important with regard to extraction performance; the effective features of each genre are clarified.
著者
神代 知範 大和 正武 門田 暁人 松本 健一 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.722, pp.37-44, 2000-03-21
被引用文献数
6

本稿では, 計算機のGUIの操作効率の向上を目的として, ユーザの視線の動きとマウスを併用したGUI操作方法を提案する.対象とするGUI操作には, 日常的に行われる操作の一つである「ドラッグ&ドロップ操作」を選んだ.提案方式ではドラッグ&ドロップに含まれる操作を(1)選択対象であるアイコン付近への大まかなカーソルの移動, (2)アイコンへのカーソル位置の微調整, (3)アイコン選択の確定操作, の3つの基本操作に分け, (1)には視線を, (2)(3)にはマウスを用いる.さらに, (2)の微調整の方式としてAuto, Manual, SemiAutoの3方式を提案する.評価実験の結果, SemiAuto方式が従来のマウスだけの操作方式と同程度にミスが少ない上, より高速であることが分かった.
著者
大和 正武 門田暁人 松本 健一 井上 克郎 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1320-1329, 2001-06-15
被引用文献数
11

本稿では,一般的なGUI上でのターゲットのポインティング操作(ターゲットへマウスカーソルを移動し指し示す操作)に視線を利用することを目的として,ユーザの目の固視微動と視線の計測誤差の発生を考慮した3つのターゲット選択方式(Auto方式,Manual方式,SemiAuto方式)を比較検討する.(1) Auto方式では,ターゲットのサイズを仮想的に拡大する.(2) Manual方式では,ユーザが視線によるおおまかなポインティングを行った後で,ポインティング操作用デバイスをマウスに切り替える.(3) SemiAuto方式は,Auto方式とManual方式を組み合わせた方式である.一般的なGUIを想定した環境で評価実験を行った結果,SemiAuto方式による操作は従来のマウスのみを用いた操作に比べて,選択誤りを大幅に増やすことなく,操作時間は同程度かより短くなることが分かった.特に,非連続操作(カーソルの初期位置が不定の場合の選択操作)においては,操作時間を約2/3に短縮できた.The purpose of this paper is to increase the efficiency of pointingoperation --- an operation that moves and points a mouse cursor onto atarget item.We examined three pointing methods (Auto method, Manualmethod, and SemiAuto method) under the general GUI environment.By using the three examined methods, the computer user can select atarget even if jittery motions of user's eye and the measurementerror of an eye-tracking device occurred. (1) Auto method enlarges thetarget virtually. (2) Manual method switches the input device from theeye to the mouse after the user roughly pointed the target. (3)SemiAuto method is a method that combined Auto method and Manualmethod.The result of an experiment to evaluate three methods showedthat the efficiency of operation with SemiAuto method is same as orfaster than the mouse only operation without increasing errors largely.Especially, in the discontinuous selection situation (atarget selection whose cursor position is unpredictable), SemiAutomethod needed only about 2/3 of time of the mouse only operation.
著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.4, pp.73-79, 2003-01-20
被引用文献数
2

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.In this research, we propose a method of calculating the similarity between documents for identifying the imitated document. Many of imitated documents consist of the sentences similar to the sentence contained in an original documents, and their surface-expression changes by transposing to a synonym etc. Then, our method compares two documents in the sentence unit that constitutes each document by using term frequency and concept dictionary. We show that we can distinguish clearly the document described by the same theme, and the imitated document by using our method.
著者
石田 拓也 松本 直文
出版者
足利工業大学
雑誌
足利工業大学研究集録 (ISSN:0287086X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.71-78, 2007-03-20

In this paper, it aims to construct a tele-baptic VR system that does not cause sense of incompatibility between users who share sense of touch. First, we constructed the system that caused the network delay and packet shortage. In this system, we changed a variety of set numerical values and experimented. In the experiment, we confirmed that the network congestion problem had been solved by a data compensation method. Next, we constructed the system using a haptic device PHANToM for the VR system. We constructed the system that can do tele-hatics sharing haptic by way of the Internet. Finally, we conducted a preliminary experiment concerning the cooperation working and remote teaching on this system. In the experiment, we confirmed the effectiveness of the tele-haptic system.
著者
舘下 八州志 王 俊利 長野 香 平野 智之 宮波 勇樹 生田 哲也 片岡 豊隆 菊池 善明 山口 晋平 安藤 崇志 田井 香織 松本 良輔 藤田 繁 山根 千種 山本 亮 神田 さおり 釘宮 克尚 木村 忠之 大地 朋和 山本 雄一 長濱 嘉彦 萩本 賢哉 若林 整 田川 幸雄 塚本 雅則 岩元 勇人 齋藤 正樹 門村 新吾 長島 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.504, pp.5-8, 2007-01-19

ダマシンゲート構造を有するMetal/High-kゲートスタックとeSiGe S/Dを用いた歪みSiチャネルを組み合わせたMOSFETの試作にはじめて成功した。ゲート電極材料には、nFET用にHfSix、pFET用にTiNを採用した。その結果、Vd=1 V, Ioff=100nA/um, Tinv=1.6nmで、nFET: 1050uA/um、pFET: 710uA/umの特性が(100)基板上で得られた。さらに(110)基板上のpFETのインテグレーションにも成功し、830uA/umの特性が得られた。これらの特性は0.03A/cm^2以下の低ゲートリークの条件下で実現した。
著者
岸 勇希 江川 純雄 若原 俊彦 松本 充司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.667, pp.15-20, 2003-02-24

近年Webベースのグループウェアシステムには様々な種類と形態があり,組織や企業で幅広く導入されている.しかしこれらは組織で管理している業務フローやワークフローの効率化を目指すケースが多く,グループメンバー間のコミュニケーション,コラボレーション,或いはナレッジシェアの場として活用されるのは少ない.そこで,ユーザーの行動特性,および心理的作用を考慮したグループウェアシステムを提案し,これに必要な機能とその構成について述べる.実際にプロトタイプシステムを構築し,大学内の学生コミュニティサイトで実験稼働させ,そこで得られたデータを元にシステムの有効性および効用について分析し,評価する.
著者
松本和幸
雑誌
信学技報
巻号頁・発行日
2003
被引用文献数
1
著者
帆足 啓一郎 上向 俊晃 松本 一則 菅谷 史昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.281, pp.87-92, 2007-10-18

本研究では,近年活発になっている動画像共有サービスにおいて,一般ユーザが撮影しているCGM(Consumer Generated Media)動画像コンテンツを対象とした動画像検索手法の提案と評価を行う.CGM動画像コンテンツの多くは,カメラ付携帯電話などで撮影されていることもあり,テレビ番組などのプロ製作コンテンツと比較してショットなどの編集効果が少なく,かつ画質が悪いという特性がある.そのため,カット点検出を適用してから特徴抽出を行う従来の検索手法では高精度な検索結果が得られない.そこで,本研究では,CGM動画像コンテンツの各フレームの色配置特徴量に基づき,フレームをクラスタリングした結果を「疑似ショット」とみなし,Earth Mover's Distance(EMD)を利用した動画像検索手法を提案する.正解ラベルが付与されたCGM動画像コンテンツに対する評価実験の結果,従来手法を上回る検索精度が得られることが実証された.
著者
松本 雅義
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.10-15, 2006-04-15

オープンアーキテクチャの広がりに伴い,ITに対する社会の要求が厳しくなる中で,SIプロジェクトは難易度を増し,プロジェクトマネージャに対する期待感が高まっている.しかし,この領域でのプロジェクトマネージャは不足しており,早急な育成が求められている.本稿では,オープン系SIプロジェクトに携わるプロジェクトマネージャの育成について,システムエンジニアとしての技術力とマネジメント能力の両面を捉える.SIプロジェクトの特性と,それに求められる技術力やマネジメント能力との関係を整理し,双方をバランスよく習得するためのポイントや具体的な取り組みについて考察する.
著者
松本 圭祐 伊藤雄一 村上 礼繁 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.121-128, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では,テキストだけからなるコンテンツに,画像や音声を自動的に付加し,リッチなマルチメディアコンテンツを作り出すシステムについて検討する.まず,テキストを解析し,そのテキストで表現されている内容に適した語句を抽出し,その語句を用いてデジタルデータを取得,付加することで,その内容に最適なマルチメディアコンテンツを自動的に生成した上で利用者に提示する.その結果として,そのテキストの内容理解の促進を図ることができる.テキストとして文章構造に比べ内容が難解で多岐にわたる小説を対象とし,小説内で表現されているシーンに関する画像や音を動的に付加する手法を検討する.We propose a method for generating dynamic multimedia contents to assist users in context understanding.For this purpose,the proposed method enriches simple texts by adding appropriate digital data which are associated with phrases extracted from the context of the text.In this paper, we describe the algorithm of the proposed method and implementation details by utilizing images and sounds as digital data.We also describe an application example applied to novels because its contexts are difficult to understand in spite of their simple sentence structures.
著者
足立 由美 高田 茂樹 雄山 真弓 松本 和雄
出版者
関西学院大学
雑誌
教育学科研究年報 (ISSN:02889153)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.7-14, 2003-03-25
被引用文献数
1

近年,コミュニケーションメディアの多様化やその普及・影響について論じられているが,携帯電話の急速な変化・普及とそのことが与える影響については研究・議論が追いついていない感さえある.本稿では,2回の調査によって携帯電話コミュニケーションの実態から見えてきた大学生の対人関係について考察することを目的とする.特に携帯メール利用についての実態を報告するとともに,性別分析の結果も報告する.調査は関西学院大学の学生に対して,質問紙調査を行った.1回目の調査(以下調査1)では携帯電話の所有率や利用実態について,2回目の調査(以下調査2)では調査1の結果に基づき,携帯メールの利用実態についてより詳細に尋ねた.調査1は2000年6月中旬から8月末にかけて,調査員5名が大学内,または大学周辺で個別に調査を実施した.収集したデータ数は197名分であり,有効回答数は195名(男性94名,女性101名)となった.調査2は2002年1月中旬から1月末にかけて,調査員2名が学部の講義に出席していた学生を対象に集団または個別に調査を実施した.収集したデータ数は305名分であり,有効回答数は302名(男性161名,女性141名)となった.調査結果から,大学生にとって携帯電話は単なる情報伝達手段ではなく,最も身近なコミュニケーションメディアであることが明らかになった.特に携帯メールによる文字コミュニケーションは同世代の対人関係の絆や依存意識を高めるものとして機能していると考えられる.本研究から携帯電話の通話相手および携帯メール相手と普段の依存対象との正の相関が示された.携帯電話によるコミュニケーションの対象を見ると,音声通話ではほとんど出てこないきょうだいや先生が携帯メールでは挙げられている.このことは携帯メールコミュニケーションが対人関係を広げる可能性を示唆したものだと言えるだろう.その反面,不特定相手とのEメールへの希望は減少してきていること,恋人との音声通話および携帯メールの頻度の高さ,そして恋人への依存度との高い正の相関などから,狭い選択的人間関係の中で絆を深めるのに携帯メールが使用されていることも読み取れる.また,携帯メールは男性よりも女性に利用頻度が高いという先行研究の結果が再確認された.男性にとって携帯電話は積極的に新しい人間関係(特に異性関係)を広げるもの,女性にとっては親しい仲間(特に同性の友人と)の絆を強めるものとして機能する可能性が考えられる.携帯電話というメディアが対人関係に与える影響についてさらなる研究が期待される.