著者
浜本 哲郎 大谷 正史 松本 栄二 堀 立明 鶴原 一郎 八島 一夫 磯本 一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.114, no.12, pp.2134-2141, 2017-12-05 (Released:2017-12-05)
参考文献数
30

症例は42歳,男性.禁煙後に血便が出現し潰瘍性大腸炎と診断された.5-ASA,プレドニゾロンの投与で寛解導入したが減量にともなって再燃し,強力静注療法,白血球除去療法,抗TNF-α製剤,タクロリムスなどで加療したが,寛解導入できなかった.ところが,喫煙の再開で血便は消失し,内視鏡的にも粘膜治癒を確認した.禁煙後に発症し,喫煙の再開で寛解に至ったことから,ニコチンや一酸化炭素を介した抗炎症作用が考えられた.
著者
松本 理可子
出版者
一般財団法人 アジア政経学会
雑誌
アジア研究 (ISSN:00449237)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.16-32, 2016-10-31 (Released:2016-11-23)
参考文献数
42

How has Quanjude, a restaurant renowned for its Peking Duck—a local specialty of Beijing—developed in the wake of China’s economic reform? Although Quanjude is classified as a state-owned enterprise, it cannot be considered a brand that has developed only by virtue of this classification. Should the role of longstanding enterprises be considered similar to that of other state-owned enterprises? Along with many other longstanding enterprises, Quanjude was founded in the Beijing district of Qianmen, which is located in the jurisdiction of the city’s municipal government. Then, how is Quanjude viewed by the Beijing government? This study attempts to investigate the status given to longstanding enterprises by the Beijing government with reference to the two paradoxes proposed by Martin Whyte (2009) regarding “decentralization of authority” and “a return to matters rejected during the Cultural Revolution.” With a principal focus on four topics, this study undertook a detailed investigation of a broad range of materials that included statistical yearbooks as well as current articles and journals. It found that (1) brand value is protected as intellectual property through certification as a “China Time-honored Brand,” and this cultural resource is reflected in the policies of the Beijing government. (2) Apart from commercial activities, these enterprises are simultaneously engaged in activities that cannot be considered primarily profit-oriented. Although longstanding enterprises have developed on the basis of the principle of competition, they are grounded in the relationships of “mutual aid” by which large-scale enterprises drive SME firms through partnerships that enable omni-channel marketing through outlets such as brick-and-mortar stores and online shopping. (3) Areas with high concentrations of longstanding enterprises (and thus of tourism resources) represent a shared resource and therefore require certain macro controls that enable them to address the preservation of this resource. (4) Finally, the ownership and governance structure of longstanding enterprises include elements of a conglomerate structure that is conducive to effective policy implementation by the Beijing government. The Beijing government thus positions longstanding enterprises as both “commercial firms” and a “cultural industry,” while some of these firms also possess properties distinct from those of more conventional state-owned enterprises in terms of how they exercise influence by embodying businesses embedded in the community against a background of history, culture, and politics.
著者
松本 美富士
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.239-252, 2015-12-30 (Released:2016-03-31)
参考文献数
28

本邦の多くのリウマチ医は線維筋痛症(fribromyalgia; FM)の病名の認識はあるが,疾患の存在に否定的であり,診療に対して拒否的である.最近の脳科学の目覚ましい進歩を背景に,非侵害受容性疼痛,特に慢性疼痛の分子機序,脳内ネットワークの解明などから,FMの疼痛も脳科学から解明されつつある.また,本邦では2003年から厚生労働省の研究班が組織され,疫学調査,病因・病態研究,診断基準,治療・ケア,診療体制の確立,ならびに診療ガイドラインの作成など精力的にプロジェクト研究が行われ,疾患の全体像がかなり具体的に見えてきた.その中で,特筆すべきことはFMの疼痛を,他の慢性疼痛と同様にアロディニアを伴う痛みの中枢性感作によるものと説明し得ること,この現象に脳内ミクログリアの活性化が認められ,いわゆる脳内神経炎症(neuroinflammation)の概念で説明できる可能性である.これら所見は近未来的な病態発症機構を標的とした画期的治療法の開につながるものであり,今後のさらなる発展が多い期待されるところである.病態以外にも厚労省研究班で得られた知見を中心に解説し,またEvidence Based Medicine (EBM)手法を用いて厚労省研究班と学会が合同で作成した,診断,治療・ケアについてのガイドラインも概説した.
著者
大原 浩樹 伊藤 恭子 飯田 博之 松本 均
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.137-145, 2009-03-15 (Released:2009-04-30)
参考文献数
16
被引用文献数
24 27

魚鱗コラーゲンペプチド(2.5g, 5g, 10g)の3用量の用量設定と豚皮コラーゲンペプチド(10g)の有効性確認を目的に,プラセボ群を設定して各々を4週間摂取して摂取前後の皮膚状態の変化を二重盲検法で比較した.その結果,魚鱗コラーゲンペプチド摂取によりその用量に応じて角層水分量の増加傾向が見られ,特に,30歳以上を対象とした層別解析で魚鱗コラーゲンペプチド5g以上の摂取により角層水分量の有意な増加が認められた.一方,豚皮コラーゲンペプチド摂取では有意な変化は得られなかった.この結果から,魚鱗コラーゲンペプチドの摂取は角層水分量の増加に有効であると考えられた.また,その他の評価項目(経表皮水分蒸散量,皮膚粘弾性,皮膚所見)に関しては,コラーゲンペプチド摂取に起因すると推定される変化は認められなかった.
著者
松本 敏治 崎原 秀樹 菊地 一文 佐藤 和之
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.263-274, 2014 (Released:2015-11-19)
参考文献数
20

本研究では、自閉症スペクトラム児(ASD)・知的障害児(ID)・定型発達児(TD)の方言使用について、国立特別支援総合研究所の研修受講者、および近畿・四国・九州の特別支援教育関係教員を対象にアンケート調査を実施した。さらに、高知市内の特別支援学校(知的障害)の教員に、担当する個別の児童生徒の土佐弁語彙と、対応する共通語語彙の使用程度の評定を求めた。また、調査1の回答者に対してASD・ID・TDへの自身の方言使用程度についてアンケート調査を行った。結果は、1)すべての調査地域でASDの方言使用はID・TDにくらべ少ないと評定された。2)高知においてASDの方言語彙使用は非ASDに比べ顕著に少なかった。3)教師による方言は私的な場面でのTDへの話しかけで多用され、学校場面でのASDおよびIDへの話しかけにおいては減少していた。これらの結果について、方言の社会的機能の側面から考察を加えた。
著者
松本 和也 マツモト カツヤ
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 = Studies in humanities (ISSN:02877074)
巻号頁・発行日
no.201, pp.1-42, 2020-09-25

The aim of this paper is to examine the stage version of The Curtain Rises from multiple perspectives such as plays and performances. In particular, I focused on Oriza Hirata, who was involved in writing the script. In Chapter 1, I introduce his work and organize the comments of the people involved in the workshop that took place prior to the movie and the stage play. In Chapter 2, I examine how the transition from novel to film, and from film to theater, was based on the mixed media of The Curtain Rises. In Chapter 3, I discuss the story, pointing out theatrical features based on particular scenes, and highlight the theme of the growth of the characters. Finally, in Chapter 4, I focus on the episode dealing with the Great East Japan Earthquake and the characters of Nakanishi, which were added in the stage version of The Curtain Rises, and consider its effects on the entire play.
著者
坪内 佑樹 古川 雅大 松本 亮介
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.64-71, 2019-11-28

Web サービスの利用者による多様な要求に応えるために,Web サービスを構成する分散システムが複雑化している.その結果,システム管理者が分散システム内のプロセス間の依存関係を把握することが難しくなる.そのような状況では,システムを変更するときに,変更の影響範囲を特定できず,想定よりも大きな障害につながることがある.そこで,システム管理者にとって未知のプロセス間の依存関係を自動で追跡することが重要となる.先行手法は,ネットワーク接続を終端するホスト上で Linux のパケットフィルタを利用してトランスポート接続を検知することにより依存関係を発見する.しかし,Linux カーネル内のパケット処理に追加の処理を加えることになるため,アプリケーションの通信に追加の遅延を与えることになる.そこで,本論文では,サーバ用途で広く利用されている Linux を前提に,TCP/UDP 接続の終端点であるネットワークソケットに含まれる接続情報を監視することにより,未知のプロセス間の依存関係を網羅的に追跡可能なアーキテクチャを提案する.このアーキテクチャにより,プロセスが Linux カーネルの TCP/UDP 通信機構を利用する限り,未知のプロセスの依存を見逃さずに追跡できる.また,接続情報の監視処理は,ソケットがすでに保持する接続情報を読み取るだけとなり,アプリケーションの通信処理とは独立するため,アプリケーションの通信遅延に影響を与えない.最後に,先行手法との比較実験を行い,応答遅延オーバーヘッドとリソース負荷を評価した結果,応答遅延オーバーヘッドを 13-20%,リソース負荷を 43.5% 低減させていることを確認した.
著者
松本 敏治 菊地 一文
出版者
植草学園大学
雑誌
植草学園大学研究紀要 (ISSN:18835988)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.5-15, 2019

<p> 松本・崎原・菊地・佐藤(2014)は,「自閉症は方言を話さない」とする印象が全国で普遍的であることを報告している。しかしながら,共通語を使用してきたASD が学齢期あるいは青年期において方言を使用するようになる事例が存在するとの報告が教員・保護者からあった。該当する5 事例について,方言使用開始時期および対人的認知スキルに関する55 項目についての質問紙を実施した。方言使用開始時期は,7 歳,9 歳,16 歳,16 歳,18 歳で事例によって差がみられた。獲得されているとされた対人的認知スキルのうち,方言使用開始前後の時期に獲得されたとする項目数の割合は,26%〜97%であった。また,それ以前に獲得されていた項目数と方言使用開始時期に獲得された項目数の割合を領域別で求めたところ,意図理解および会話の領域での伸びが顕著であった。これらの結果にもとづいて,ASD の方言使用と対人認知の関連について議論した。</p>
著者
鶴田 博文 松本 亮介
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.87-94, 2019-11-28

Web サービスを支えるインフラは,ユーザからの多様な要求に応えるために,ユーザにシステムの構成情報やその変更を意識させることなく,迅速かつ柔軟にシステム構成を変更することが求められる.一方,サーバへのリモート接続サービスとして利用されている SSH では,ユーザが利用するサーバの IP アドレスまたはホスト名を指定して接続要求を送るため,サーバの IP アドレスまたはホスト名に変更があった場合,ユーザは変更後の情報を知る必要がある.この問題を解決するために,gcloud コマンドのようなクライアントツールがサーバごとの一意のラベル情報をもとに接続先の IP アドレス等を取得する手法があるが,この手法ではユーザに用いるツールの制限や変更を要求する.別の手法として,SSH Piper のようなプロキシサーバがユーザ名をもとに接続先の IP アドレス等取得する手法があるが,既存のプロキシサーバではその動作を変更するためにはソースコードを直接変更しなければならない.本論文では,ユーザに用いるクライアントツールの制限や変更を要求せず,システム管理者が組み込み可能なフック関数を用いてシステム変化に追従できる SSH プロキシサーバを提案する.提案手法は,組み込むフック関数のみの修正でプロキシサーバの動作を自由に変えられるため,システムの仕様変更に対して高い拡張性を有している.さらに実験から,提案手法を導入した場合の SSH セッション確立のオーバーヘッドは 20 ミリ秒程度であり,ユーザがサーバに SSH ログインする際に遅延を感じないほど短い時間であることを確認した.
著者
松本 宗太郎 南出 靖彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.39-54, 2008-03-15
参考文献数
9

本研究では,多相レコード型に基づいてRubyプログラムの型推論ツールを設計,実装した.型推論ツールは,組み込みライブラリの型を記述したシグネチャとRubyプログラムを入力とし,プログラムの型を推論し,誤りを検出する.しかし,Rubyの柔軟性を表現できる,実用的で健全な型体系を設計しようとすると,体系は非常に複雑になる.それを避けるため,多相レコード型によって拡張されたMLの型推論アルゴリズムを,直接,Rubyに適用した.型体系は,非常に制限されたRubyプログラムに対しては,健全になるように設計した.Rubyにおいては,組み込みクラスなどの既存のクラスを拡張することが許されており,実際に多くのプログラムで既存のクラスが拡張されている.このようなプログラムを処理するために,シグネチャとプログラムを分離して型推論するのではなく,プログラムの一部としてシグネチャが含まれるよう型体系を設計した.実際のRubyプログラムを型付けする場合には,多相レコード型の表現力やMLの型推論アルゴリズムにおける再帰的な定義の型推論に関する多相性の制限から,いくつかの問題が生じることが分かった.これらの制限は,特に組み込みライブラリの型付けにおいて問題になることから,クラス定義を複製し展開することによって型推論を行った.We design and implement a type inference tool for Ruby programs. The type system is based on polymorphic record types of Garrigue. The tool takes two inputs, a type signature of the built-in classes and a Ruby program, and then infers the type of the Ruby program and detect type errors. The type system is a direct adaptation of that of ML with polymorphic records, and designed to be sound only for a restricted tiny subset of Ruby. Ruby allows programmers to modify existing classes and many programs actually modify existing (built-in) classes. Thus we design our type system so that type signatures and method implementation coexist in a class definition. We encounter difficulties when typing common Ruby programs, since polymorphic methods are not expressible in our type system and the ML type inference does not infer polymorphic types in recursive definitions. We alleviate these difficulties by introducing transformations that duplicate class definitions.
著者
松本 正和 矢ケ崎 琢磨 平田 雅典
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.410-415, 2020-07-05 (Released:2020-11-01)
参考文献数
43

マクロな単成分系では,温度,圧力が指定されれば,熱力学的に最も安定な相が一意に定まり,その構造は分子(の相互作用)のみに依存する.つまり,結晶構造は分子そのものにエンコードされていると言える.では,我々は分子を見ただけで,「ああ,この分子は結晶の種類が多いな」「この分子の相図は単純にちがいない」と判断できるだろうか? この質問に答えるためには,さまざまな物質で相図をくまなく描き,分子間相互作用と相図の複雑さの一般的な関係を導く必要があるが,現状ではこの問題はほとんど手つかずと言ってもさしつかえないだろう.水に関していえば,分子はもうこれ以上ないほど単純であるにもかかわらず,これまでに実験で17種類もの結晶形が見つかっている.しかも,おそらく最も研究されてきた物質なのに,今も次々に新たな結晶形が発見されているのである.近年の傾向として,計算機シミュレーションが実験に先立って氷の結晶構造とその物性を予測するようになったことが挙げられる.計算機を使えば,極端な熱力学条件を扱いやすいし,安定相だけでなく,競合する準安定相の安定性を見積もることもできる.2014年に合成された第16番目の氷結晶形(氷XVI)は,2001年にはその物性や安定条件が理論的に予測されていた.次に合成される結晶形も,シミュレーションですでに予測されているかもしれない.水は分子が極めて単純なので,最もシミュレーションしやすい物質のひとつである.水分子は原子3つが共有結合でつながった小分子で,ごく単純化されたモデルを使って近似計算すれば,さまざまな熱力学的な物性を短時間で再現できる.そのため,極めて早い時期(1970年代初頭)には分子動力学シミュレーションが実施され,以来計算機の発展とともに大規模なシミュレーションが行われ,相互作用モデルも精密化されてきた.では,計算機を使えば,冒頭に書いたように,分子間相互作用の知識だけから氷の相図を描けるのか.これまでにさまざまな結晶予測手法が提案されているものの,決定打と言うべき方法はまだ見つかっていない.分子間相互作用が弱く,精密な相互作用計算が必要であること,氷の単位胞が大きく,探索すべき構造の多様性が膨大であることがこの問題を難しくしている.我々は,はじめから新しい氷を探しだすことを狙っていたわけではなく,また,結晶構造を探索する革新的な手法を見つけたわけでもない.既知のさまざまな氷の結晶形の相転移過程(融解・凍結)を計算機シミュレーションで再現したい,という目的で計算をはじめたが,その過程で期せずして新奇な氷の形成に次々に遭遇し,結晶構造探索の奥深さと困難さを思い知ることになった.一方で,水素結合ネットワークが形作る結晶構造の面白さと可能性を知ることができた.分子が多数集まることではじめて生じる面白い現象を,水分子を先鋒として探っていこう,そこでの発見や経験がゆくゆくはもっと複雑な分子で起こる現象,ひいては新しい物理の発見にもつながるだろう,というのが我々の研究の目指す方向である.
著者
松本 良 青山 千春
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.141-146, 2020-02-25 (Released:2020-03-17)
参考文献数
5
被引用文献数
3 5

An initial estimate of the amount of methane carried by a single methane plume was calculated to be 4 × 109 g (4,000 ton CH4) to 2 × 109 g (2,000 ton CH4) per year (Aoyama and Matsumoto, 2009), based on quantitative echo sounder measurements of the methane plume and bubble capture and release experiments. The estimate generated considerable interest because it suggested the potential importance of plumes as natural gas resources. However, a critical mistake in the calculations was found in converting mole amounts to weight of methane. Revised and corrected estimates of annual methane transported by a single plume are between 2.63 × 106 g (2.63 ton CH4) to 1.60 × 106 g (1.60 ton CH4), which are only 0.07% to 0.08% of the original estimates. For comparison, the revised amount of methane discharged from an individual methane seep is estimated based on direct measurements of gas bubbles from seep sites at Joetsu Knoll and Umitaka Spur, Joetsu basin. A total of 200 ml to 1,150 ml of bubbles were captured within 642 to 481 seconds. Total gas flux depends on the composition of the bubbles. Assuming pure gas, the annual discharge is estimated to be 0.71 ton to 4.84 ton CH4. If the bubbles consist of pure hydrate, the seepage is slightly higher at 1.15 ton to 8.83 ton CH4 per year.
著者
柳内 志織 松本 美鈴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.62, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】 天ぷら衣は、揚げ操作によって水分と油の交代が起こり、サクサクとした軽い食感になる。水よりも沸点の低いアルコールは、水分と油の交代を速やかにすることが期待される。本研究では、天ぷら衣に添加したアルコールが、揚げ衣の食感に及ぼす影響を検討することを目的とした。【方法】 <天ぷら衣の調製>薄力粉40gを、水、卵水およびアルコール水溶液(5、10、15,25v/v%)60gに篩い入れ、粉を水相に叩き落とすように菜箸で撹拌した。<揚げ衣の調製>紙片(2.5㎝角)を衣の中に潜らせ、180℃のサラダ油で2分間揚げ、測定に供した。官能評価用試料は、紙片の代わりに1cm角のじゃがいもを使用した。一般成分分析用試料は、衣をロートで直接油に滴下して3分間揚げた。<測定項目>紙片への衣付着量、揚げ衣重量、揚げ衣の破断試験(レオメーター)、官能評価(7段階尺度による評点法)、揚げ衣の水分量(常圧加熱乾燥法)・脂質量(酸分解法)、揚げ衣のアルコール残存量(F-キット)について測定した。【結果】 衣付着量および揚げ衣重量について有意差は見られなかった。揚げ衣の厚さはアルコール添加により増加し、破断応力はアルコール添加により減少した。揚げ衣の水分量は、15%および25%アルコール添加試料が水衣より有意に低かった。脂質量はアルコール添加にともない増加した。官能評価の結果、アルコール添加にともない衣は硬く砕けやすくなり、サクサク感が増すと判断された。これらの結果より、天ぷら衣にアルコールを添加することで、揚げ衣がサクサクとした歯脆い食感になることが明らかになった。また、10%および15%アルコール添加衣は、卵水衣より好ましいと評価された。
著者
松本 美富士
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.8, pp.1837-1844, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

線維筋痛症は実際には比較的頻度が高いにもかかわらず,これまで本邦ではあまり注目されてこなかった原因不明の機能性リウマチ性疾患である.本例では身体の広範な部位の慢性疼痛とこわばりを主症状とし,その他に多彩な身体,精神・神経症状を伴い解剖学的に明確な部位の圧痛を認める以外,身体所見,臨床検査,画像検査上明らかな異常を認めず,機能性身体症候群の一つに含まれ,診断は操作的であり,抗うつ薬や抗てんかん薬が治療の中心となる.
著者
松本 郁代
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.16-26, 2013-07-10 (Released:2018-07-13)

慈円『愚管抄』の歴史叙述を、慈円が構想した「末法」という一点の現実から生じた正統性のエクリチュールとして読み解いた。本稿で捉えた「定型」とは、慈円が叙述に構想した神話的身体としての天皇が、歴史的・社会的文脈、世界観を構築する正統性のベクトルとしてである。かかる意味世界における『愚管抄』とは、正統性を体現した神話的身体としての天皇が社会を開/閉した「定型」の叙述であり、愚管抄的世界を生んだ中世を開/閉する扉のような存在であった。
著者
松本 秀人
巻号頁・発行日
2010-03-25

本研究の目的は、日本の観光および日本の公共図書館を対象として、観光と図書館の融合の可能性について様々な角度から考察を行うことにより、こんにちの観光および図書館がそれぞれ持っている課題の解決に、観光と図書館の融合がはたす役割を示すことにある。そしてこれにより、観光や図書館の関係者をはじめ、地域住民や行政機関などに、観光の創出、図書館運営のあり方、まちづくりの実践活動について、新たな手がかりを提供する。全体の概略は、まず観光の課題と図書館の課題を述べ、この解決にあたって「両者の融合が双方の課題解決に役立つ可能性がある」という仮説を立て、予備的な考察をふまえた上で、観光と図書館の融合の可能性を具体的に考察し、さらに観光者と地域とを結ぶコミュニケーションの媒介役として図書館をとらえた「観光者と地域とのコミュニケーションモデル」を試案として提示する、という構成とした。こんにちの日本の観光における主な課題として、(1)地域主導による観光振興、(2)観光の多様化・高度化への対応、の2点をあげることができる。本研究では、これらの課題を解決するために公共図書館に着目した。なぜなら、公共図書館は地域によって運営され、地域の情報拠点であり、多様な資料を所蔵している、などの特徴を持っており、これが前述した課題に対応しうる可能性を持っていると考えられるからである。一方、日本の公共図書館も様々な課題を持っており、主な課題として、(1)新たなサービスをどう展開するか、(2)地域にどのように貢献するか、の2点をあげることができる。そこで、「新たなサービス=観光者へのサービス」、「地域貢献=地域情報の発信や観光振興を通して地域に貢献」という発想を導入してみると、図書館の課題に対して、観光を意識した活動を図書館が行うことが対応策のひとつとして考えられるのである。このように、観光の側からも図書館の側からも互いに着目する理由があるように考えられることから、「観光と図書館が融合することによって、双方にメリットがもたらされるのではないか」という仮説を立て、この仮説をもとに考察を進めた。本研究における「融合」という表現は、簡単にいうと、観光と図書館が様々な点で連携し合うこと、直接的あるいは間接的に利活用することなどを意味しているが、特に「融合」という表現を用いた理由は、「融合によって新たな価値がもたらされる」という点に注目したからである。次に、観光と図書館の融合について具体的な考察を進める前に、図書館の特性からみた観光との関連性、観光と図書館の社会対応にみられる類似性の2点について予備的な考察を行った。まず「図書館の特性」については、(1)社会的な記憶装置としての図書館、(2)地域文化の可視化装置としての図書館、(3)情報の濾過装置としての図書館、という観点から説明を行い、図書館の特性が地域文化や観光と関連があることを示した。また「観光と図書館の社会対応にみられる類似性」については、(1)(訪日・在日)外国人への対応、(2)滞在志向への対応、(3)専門性重視への対応、(4)学習重視への対応、という点をあげて、両者の類似性を述べ、ここにも両者に関連性があることを示した。これらの準備的考察をふまえたうえで、図書館の諸要素からみた観光との融合の可能性について、事例をあげつつ具体的な考察を行い、またそれらの整理と分類を試みた。考察にあたっては、図書館の側に視点を置き、図書館の基本的な要素(「資料」「サービス」「施設)について考察し、次に「図書館と地域社会」に関する要素について考察し、さらに「インターネット社会との関連」について考察し、これらに分類しにくいものを「その他」としてまとめた。それぞれの項目では、まず要素について説明を行い、参考となる事例を紹介し、その上で融合の可能性について分析を行った。この考察によって、観光と図書館が様々な点で融合する可能性があることを具体的に示すとともに、様々な要素を分類して列挙することで、今後の研究のためのチェックリストとなるよう配慮した。さらに、具体的な考察の中でみられる観光者と図書館のコミュニケーションの部分に注目し、図書館を媒介役とする「観光者と地域とのコミュニケーションモデル」を試案として提示した。このモデルを提示することにより、観光と図書館の融合において、図書館が観光者と地域とのコミュニケーションの媒介役として機能しうる点を強調した。最後にまとめとして、観光と図書館の融合によってもたらされる「新たな価値」について述べた。すなわち、図書館にとっては「新たな利用者の出現」をもたらし、観光にとっては「図書館も観光資源である」という認識をもたらし、地域住民にとっては「“まちづくり”という営為の記録を次世代に残す仕組み」として図書館をとらえる認識をもたらす。このように観光と図書館の融合は、これまでになかった価値が創出される可能性を持っており、さらに総体的にみれば、観光と図書館の融合によって観光創造に貢献する可能性もあると考えられる。