著者
久保 達也 木原 武士 平林 利郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.305-310, 2002-05-15
参考文献数
23
被引用文献数
11

ヒ酸鉛処理がナツダイダイ(Citrus natsudaidai Hayata)砂じょうのクエン酸シンターゼ(CS), NAD依存性イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(NAD-IDH)およびホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)活性に及ぼす影響について調査した.6月4日および7月2日の2回, 樹全体にヒ酸鉛処理を行うことによって, 9月上旬から1月にかけて明らかに砂じょうにおけるクエン酸蓄積が抑制された.ヒ酸鉛処理によって, CS活性は7月下旬から11月にかけて増大し, またNAD-IDH活性は8月上旬以降増大した.しかしヒ酸鉛はPEPC活性には影響しなかった.これらのことから, ヒ酸鉛処理によってTCAサイクルの回転は促進されるが, TCAサイクルへの基質補充量は変化しないために.結果としてミトコンドリアから液胞へのクエン酸輸送量が低下し, クエン酸蓄積が抑制されると考えられた.
著者
林水月著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1911
著者
高橋 啓一 小林 巌雄
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.39-46b, 1986-01-25
被引用文献数
2

Three elephant molars from the Pleistocene were found in Niigata Prefecture and reported by MATSUMOTO et al. (1968) have been re-examined. These molars were identified by MATSUMOTO et al. (1968) as Loxodonta (Palaeoloxodori) yabei, L. (P.*) tokunagai junior (=Palaeoloxodon naumanni), but morphological and stratigraphical studies have identified these molars as being from an archtipal mammoth. Specifically, this morphological study identified the Monzen specimen as Mammuthus protomammonteus. In comparison with the measurement of molars of the genus Mammuthus in Europe by MAGLIO (1973), the Monzen specimen is similar to M. armeniacus. This shows that the progression of stages in the development of genus Mammuthus is similar to Europian counterpart. Meanwhile a geological survey has revealed that the Mitama specimen occured in a SK030 bed (1.30 m. y. B. P.), which is the key bed of the most upper part of the middle Formation in the Uonuma Group. Therefore the importance of this specimen to discussion is that the meridionalis type shifted into the armeniacus type in Japan.
著者
前島 伸一郎 大沢 愛子 林 健 棚橋 紀夫
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.187-194, 2013-05-20 (Released:2013-05-24)
参考文献数
21

要旨:【目的】嚥下造影検査(VF)の実施に合わせて,5 mlと60 mlの段階的飲水試験を施行し,誤嚥の検出や経口摂取の可否,選択された食形態との関連について明らかにする.【対象と方法】経口摂取開始時の適切な食材を選ぶことを目的にVFを施行した183名(男性107,女性76)の脳卒中患者を対象とした.平均年齢は66.9±12.1歳で,原因疾患は脳梗塞98名,脳出血49名,くも膜下出血23名,その他の脳血管疾患13名,発症からVFまでの期間は18.0±12.0日であった.方法は,まず,VF実施の直前に段階的飲水試験にて臨床評価を行い,次にゼリーや粥などの模擬食品に加え,5 mlと60 mlの液体にてVFを行った.その後,段階的飲水試験の結果と実際のVF結果との関連について検討した.【結果】臨床所見の異常にて段階的飲水試験を途中で中止したのは46名(第1段階43名,第2段階3名)であった.段階的飲水試験での異常所見はVFの液体誤嚥と有意な関連を認め,VFにて観察される誤嚥に対する段階的飲水試験の感度は85.2%,特異度は41.8%であった.飲水速度(ml/秒)や1回嚥下量(ml)と誤嚥に明らかな関連はなかった.経口摂取の可否や選択された食形態は,VFの液体誤嚥との間に関連を認めたが,段階的飲水試験の臨床評価との間には関連はなかった.【まとめ】段階的飲水試験の臨床評価は液体誤嚥の検出には有用ではあるが,その結果と誤嚥予防のための適切な食形態との間には明らかな関係を見いだせず,経口摂取の開始前には嚥下造影検査などの詳細な評価を合わせて行うべきである.
著者
林宝 謙治 賀川 由美子 山上 哲史
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-5, 2013-05-31 (Released:2013-05-30)
参考文献数
12

右下顎リンパ節の腫脹を主訴に6歳齢、去勢雄のラブラドール・レトリーバーが来院した。腹部エコー検査では脾臓の腫瘤と腰下リンパ節の腫脹が認められた。右下顎リンパ節は、多数の小型の非腫瘍性T 細胞(CD3陽性)と組織球(CD18、MHC class ⅡおよびIba-1陽性)に混じて大型の腫瘍性B 細胞(CD20およびCD79a 陽性)が混合した細胞集団からなり、これらの特徴によりT-cell-rich B-cell lymphoma と確定した。細胞学的評価では、脾臓と腹腔内リンパ節にも腫瘍細胞が浸潤していた。この犬は化学療法による治療を受けたが、十分な反応が見られず第54病日に死亡した。
著者
羽尾 邦彦 松田 健 宮下 正夫 林 哲弘 中川 義宏 鈴木 英之 恩田 昌彦
出版者
日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.718-722, 1991-08-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
8

Three cases of colorectal foreign bodies are presented and the literature is reviewed. Case 1: A 47-year-old man, who had inserted a seasoning bottle in his rectum on January 3, was admitted to National Yokosuka Hospital on January 5, 1990. A pelvic x-ray film showed the object in the sigmoid colon, and an emergency operation was performed. The bottle (11cm in length) was removed from the sigmoid colon. The patient was discharged 16 days after the operation without complications. Case 2: A 40-year-old man presented with a self-inserted seasoning bottle in his rectum that he was unable to remove and was admitted to the hospital on July 24, 1990. Edema of the rectum precluded manual removal of the object. At laparotomy, the bottle (7.5cm in length) was removed from the rectum. The patient's postoperative course was good and he was discharged on August 26. Case 3: A 62-year-old man was admitted on December 12, 1990 for evaluation of a one-day history of a foreign body in the anorectum following autoerotic transanal manipulation with a vibrator. The 6×3×3cm object was removed manually after a spinal anesthetic. The patient was discharged on the third postoperative day.
著者
小林 昌敏
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.126-133, 1962-04-01

従来も種々の加速器を用いた核反応を利用して放射化分析法の研究が行なわれてきたが,原子炉の完成により,熱中性子による核反応を利用してきわめて感度の高い分析が行なえるようになった.筆者は,放射化法を応用した金属および合金の研究を行なっているので,これについて解説する.
著者
林 英子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.451-457, 2012-03

青色顔料であり混合原子価錯体であるプルシアンブルーの色の変化を用いて,酸化還元反応において以下のことを体験・認識できる実験ワークシートを作成した。 試験管内での反応と,乾電池を使った直接の電子授受としての反応の両方を観察することができる。 酸化と還元は同時に起こる反応であることが確認できる。 「酸化剤・還元剤」,「電気分解」,「電池」を統一的に電子の授受として実感できる。 鉄イオンの価数が酸化数に相当することから,酸化数の増減で酸化還元を説明できる。作成したワークシートを用いて,高校生,中学生への実践を行った。
著者
林 英子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.451-457, 2012-03

青色顔料であり混合原子価錯体であるプルシアンブルーの色の変化を用いて,酸化還元反応において以下のことを体験・認識できる実験ワークシートを作成した。 試験管内での反応と,乾電池を使った直接の電子授受としての反応の両方を観察することができる。 酸化と還元は同時に起こる反応であることが確認できる。 「酸化剤・還元剤」,「電気分解」,「電池」を統一的に電子の授受として実感できる。 鉄イオンの価数が酸化数に相当することから,酸化数の増減で酸化還元を説明できる。作成したワークシートを用いて,高校生,中学生への実践を行った。
著者
江幡 敦子 竹川 英宏 大門 康寿 小林 祥泰
出版者
獨協医科大学
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.105-110, 2006-03-25

脳梗塞の早期治療は重要だが,超急性期のtissue plasminogen activator (t-PA)の他に,早期治療の有効性は証明されていない.われわれは,t-PA適応のないアテローム血栓性梗塞の早期治療の有効性について検討した.対象はJSSRS脳卒中急性期患者データベースに登録された127例のアテローム血栓性梗塞で,発症から当院到着までを発症一来院時間とし,発症3〜6時間の早期来院,6時間以降の非早期来院に分類し,退院時のmodified Rankin Scale (mRS)およびNIHSS改善度を求めた.退院時mRSに差はなかったが,NIHSS改善度はそれぞれ1.9±3.5,1.6±6.4であり,早期来院で有意に改善した.近年,"Brain Attack"の重要性が唱えられているが,t-PA適応に外れた場合でも早期に来院,治療をすることの重要性の一部を裏付けたものと考えられた.