著者
武石 英二 林 良彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.300-301, 1991-02-25

マニュアル文書を対象とした日本文推敲支援システムの研究開発を進めている。これは文章中の推敲すべき表現(不適性表現)を検出するとともに、それに対する書換え候補を提示するシステムである。マニュアルに頻出する不適性表現の1つに長文があり、上記システムにおいては、形態素解析情報に基づく文分割機能の検討を進めている。従来の文分割方式では、基本的に(1)分割する文節(以下、分割点と呼ぶ)の接続形式と分割時に挿入する接続詞を一対一に対応させる、(2)分割点を終止形に変換する、という方式が多い。このとき連用中止表現や接続助詞「て」による接続(以下、本稿では両者を併せて連用中止表現と呼ぶ)は、通常並列接続として扱われるため、上記のような方式では「並列の接続詞の挿入(または接続詞なし)、分割点文節の終止形への書換え」という分割方法を採ると考えられる。しかし、連用中止表現はその前後に特定の意味関係(以下、連用中止表現の意味用法という)を担うことがあることが指摘されている。また実際にマニュアル文中の連用中止表現を収集した結果でも、単なる並列接続とみなし得ないものが比較的多く存在する[figure]1(1)。さらに連用中止表現は、述語に付加される付属表現(時制表現や様相表現)が省略された表現形式であるため、分割点文節を終止形に変換するという方法では有効な分割文候補を生成することができない場合がある[figure]1(2)(3)。本稿では、文分割の観点から連用中止表現の意味用法を整理するとともに、表現の形態的特徴と意味用法、分割時の接続詞、連用中止文節の形態素操作との関係に着目した連用中止表現を分割点とする文の分割方式について述べる。
著者
岡林 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.94, no.161, pp.55-61, 1994-07-21

1994年6月に米国San Joseで開催されたSID(Society for Information Display)大会では,Applied Vision, Human Interfaceに関連する論文はセッション数は6,ポスターセッションを含めると24件を超え,セッションも二日半通しで割り当てられ,従来同様多くの講演発表と活発な討議がなされた.講演全体は大まかに分類して,航空機や戦闘機用表示装置の視覚特性,コンピュータとのインターフェイスに関する考察,画質に関する基礎的な考察の三分野と言えよう.話題騒然となるある種の派手さはないが,表示システムと他学会とのまさしくインターフェイス的な役割としてエンドユーザからの観点での発言は本学会としても今後とも重要な分野であろう.
著者
三上 大季 林 弘樹 守屋 潔 山上 浩志 吉田 晃敏
雑誌
日本遠隔医療学会雑誌 (ISSN:1880800X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.273-274, 2008-10
被引用文献数
1

著者版遠隔医療における通信インフラとして、低コストであるインターネットが多く利用されている。インターネットは公衆網であるため、通信内容の暗号化と共にサービスシステムへの不正なアクセスを防ぐための利用者認証が必須となる。最も一般的な利用者認証方式はID/パスワードによる認証であるが、認証情報の漏洩による第三者の「なりすまし」が行われる危険性が高い。そこで本研究では、インターネットを基盤とした遠隔医療システムにおいて、本人が所有する携帯電話を利用者認証手続きに利用することで安全性を高め、且つ利用者認証と連動して通信端末間に安全なVPN通信路を動的に確立できる通信インフラシステムを開発した。医療従事者に本システムを体験してもらいアンケート評価を行ったところ、92%の評価者が本システムの有効性を認めた。
著者
阿部 敏彦 小林 隆夫 今井 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1771-1781, 1996-11-25
参考文献数
18
被引用文献数
27

本論文では,音声信号の瞬時周波数(IF)に基づき,雑音環境下においてロバスト性の高いピッチ推定を行う一手法を提案する.音声信号のピッチ推定において重要な要素は周期的成分であり,特に雑音が加えられている場合に,非周期的成分の存在はピッチ推定に悪影響をもたらす.まず,瞬時周波数に関する振幅スペクトルを定義し,そこでは周期的成分と非周期的成分の分布には明らかな違いがあることを示し,瞬時周波数の局所的分布(モーメント)に基づき音声信号の非周期的成分を抑圧する手法を提案する.次に,瞬時周波数に関する振幅スペクトルからピッチを求めるための評価関数を提案し,それに基づきDP(dynamic programming)を用いて連続的なピッチを求める手法を提案する.
著者
菅原 淳 リチャード ラン 小林 等 奥村 治彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.653, pp.13-17, 2000-02-24
参考文献数
6

携帯機機の普及や環境への配慮から、電力消費の少ない非発光型、すなわち反射型のディスプレイが注目されている。ディスプレイの画質としては、紙のような白さとカラー印刷並の色再現性が求められている。しかし、従来からある反射型液晶ディスプレイでは、偏光板や色素による光の吸収が反射率を低下させ、紙のような白さを実現することが難しい。本発表では、紙の白さとカラー表示か可能な可動フィルムディスプレイ(AFD:Actuated Film Display)の提案を行う。これは白色フィルムの上で、シアン・マゼンタ・イエローの色フィルムを静電力によって機械的に出し入れする方式であり、原理的に印刷物に迫る画質が期待できる。
著者
菅原 淳 ラン リチャード 小林 等 奥村 治彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.13-17, 2000
参考文献数
6

携帯機器の普及や環境への配慮から、電力消費の少ない非発光型、すなわち反射型のディスプレイが注目されている。ディスプレイの画質としては、紙のような白さとカラー印刷並の色再現性が求められている。しかし、従来からある反射型液晶ディスプレイでは、偏光板や色素による光の吸収が反射率を低下させ、紙のような白さを実現することが難しい。本発表では、紙の白さとカラー表示が可能な可動フィルムディスプレイ(AFD:Actuated Film Display)の提案を行う。これは白色フィルムの上で、シアン・マゼンタ・イエローの色フィルムを静電力によって機械的に出し入れする方式であり、原理的に印刷物に迫る画質が期待できる。
著者
大津山 公平 Sergey V. Ten 小林 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.96, no.80, pp.113-118, 1996-08-27
参考文献数
11

パイプライン制御、スーパースカラ、分岐予測、多階層キャッシュなどを用いた最近の高速計算機の正確な性能評価を行うために命令トレース駆動シミュレーションはますます重要性を高めてきている。しかしながら命令卜レースの作成は多大な労力を必要とする。今回、我々はPowerPCの仮想計算機環境であるPVSにmallocなどの基本関数を追加することで、命令トレースを容易に採集することを可能にした。本論文ではPVSの機能拡張とSPEC92トレースの解析結果について報告する。
著者
林田 理惠
出版者
大阪外国語大学
雑誌
大阪外国語大学論集 (ISSN:09166637)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-25, 1992-09-16

笑い声、泣き声、叫び声、呻き声、話し声、あくび、いびき、くしゃみ……一言で人が発する音と言っても千差万別だ。その千差万別の音をどのように表現し分けるか--それはその言語の担い手である民族の歴史と文化に多くがささえられている。『ロシア語の音の世界(1)』(論集第5号(1991年)所収)では、ロシア語の音響意味場の全体的な構造分析と、小意味場のひとつである動物音響語の具体的分析、それらの語と、対応する日本語の語群との対照分析を試みた。本論文では以上の作業をさらに展開して、音響語の中でも最も重要な位置を占める、ロシア語の人間音響語(特に動詞を中心に)の小意味場の構造分析、さらに対応する日本語の人間音響語との(paradigmatic、syntagmatic両面からみた)対照分析を試みる。人間音警語は、他の意味場(「心の動き」「ことば」「からだ」等)との関わりが非常に深い。その関わりがパラダイムのみならず、連辞面でどのような表われかたをするかに特に注目したい。
著者
村北 宏之 林 守正 三上 博久 石田 泰夫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.236-240, 1986-03-05
被引用文献数
1 6

高速液体クロマトグラフィーによる血中薬物の分析において,カラムスイッチング法を用いた前処理の自動化を試みた.目的成分を前処理用カラムに保持させた後,流路切り換えにより分析用カラムに導入して定量する方法を採用した.前処理用カラムとしては,テトラメチロールメタントリアクリレート系樹脂を充てん剤とする逆相クロマトグラフィー用カラムを用いた.分析用カラムには,オクタデシル基化学結合シリカを用いた.前処理用カラムに対する血清中のタンパク及び薬物の溶離挙動を調べ,前処理用移動相,前処理用カラム洗浄液,分析用移動相,更に流路切り換えのタイミングを設定した.抗けいれん薬,テオフィリン,リドカインを対象とし,血清直接注入により良好な再現性が得られた.相対標準偏差値は,保持時間に対し0.3%以下,ピーク面積に対し1.2%以下であった.
著者
飯田 俊穂 熊谷 一宏 細萱 房枝 栗林 春奈 松澤 淑美
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.945-954, 2008-11-01
被引用文献数
2

動物とのふれあいが人によい効果をもたらすことは知られている.特に子ども・障害者・高齢者などによい効果をもたらすことが新聞,雑誌などで取り上げられており,不安やストレスの軽減効果が示されたとの報告や,ペットといるだけで精神状態が安定し自然治癒力が高まるなどの報告もある.そこで今回われわれは,学校不適応傾向の児童・生徒に対するアニマルセラピーの心理的効果についての分析を試みた.結果として3回以上のアニマルセラピーで,Profile of Mood States(POMS)(緊張-不安,活気,疲労,混乱),AN-EGOGRAM(NP,FC,AC)に有意な変化を認めた.POMS(抑うつ-落ち込み,怒り・敵意)の値は低下,AN-EGOGRAM(CP,A)の値は上昇したものの有意差は認めなかった.以上のことより,アニマルセラピーを3回以上施行した症例に対し,心理状態(緊張-不安,活気,疲労,混乱)の改善,自我状態の安定傾向を認めた.