著者
森田 秋子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.287-291, 2018-09-30 (Released:2019-10-02)
参考文献数
3

多職種連携を進めるために, 高次脳機能障害に関わる専門職は適切な情報を発信する役目を持つ。 情報はしばしば特徴的な個別症状の説明に重きが置かれることが多いが, むしろ「患者は何ができ何ができないか, どこまでわかっているか」につながる総合的な重症度を示す, 全般的認知機能に関する情報の重要性が高い。認知関連行動アセスメント ( Cognitive-related Behavioral Assessment: CBA) (森田ら 2014) は, 行動観察をもとに全般的認知機能を評価する評価表であり, わかりやすい概念や用語を用い, 専門知識のない職種でも評価や議論に参加しやすい利点を持つ。そのため職種を越えた障害像の共有につながり, 多職種連携のツールとなる可能性がある。   コミュニケーションを専門とする言語聴覚士は, 高次脳機能障害のリハビリテーションに, 会話を活用できる可能性がある。会話による自己の行動や思考を言語化する過程が, 患者の自己意識への働きかけとなり, 病識向上などへの効果が期待される。
著者
森田 正輝 永吉 由香 木村 淳志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ce0121, 2012

【はじめに、目的】 ランニングやボールキック等により、脛骨前方移動量(以下、移動量)が増加するという諸報告がある。しかし、それらは単的な運動にすぎず、実際のスポーツ活動中に測定した報告は無い。また、前十字靱帯(以下、ACL)損傷が試合・練習の後半で発生しやすいという報告もあり、その原因の解明は意義があることだと考える。今回、女子バスケットボールにおいて、ACL損傷についての教育を受け予防トレーニングを行っているチームと教育・トレーニングを行っていないチームに対して練習中の移動量を経時的に測定し練習量と移動量の関係を中心に調査することでACL損傷予防を検討した。【方法】 高校女子バスケットボール部のチームC(19名・平均年齢15.9±0.7歳)とチームN(14名・平均年齢16.5±0.5歳)の2チームに所属する部員で、当日の練習に全て参加し、且つ膝に愁訴の無い者を対象とした。測定は、利き足・非利き足の移動量をロリメーター(日本シグマックス社製)にて3回ずつ測定した。以上の測定を、練習前・練習中間・練習後(以下、前・中・後)にそれぞれ実施した。チームCは当院スタッフが帯同し、ACLについての講義を受け予防トレーニングを行い3年間ACL損傷が発生していない。チームNはACLについての知識が無く予防トレーニングも行っておらず3年間で2例2膝のACL損傷が発生している。当日はこの2チームが4時間半の合同練習を行った。得られた測定値はWilcoxon符号付順位和検定を用い有意水準を5%未満として統計学的処理を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者にはヘルシンキ宣言に基づき、あらかじめ本研究の内容・個人情報の保護を十分に説明し、参加に同意を得て行った。【結果】 チームCの利き足は、前4.39mm・中5.31mm・後5.42mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.60)、非利き足は、前4.16mm・中5.41mm・後5.66mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.27)であった。チームNの利き足は、前4.14mm・中5.31mm・後5.55mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.37)、非利き足は、前4.33mm・中5.29mm・後5.61mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.08)であった。いずれのチームにも同様の結果が得られた。【考察】 移動量はACLの緊張だけでなく関節包・筋などの軟部組織の柔軟性も関与している。バスケットボールに多いダッシュ・ターン・ジャンプ動作は、膝関節に前後方向・回旋ストレスを与え、それらに対し直接的なストレッチとなることで、軟部組織の柔軟性が向上し、移動量の増加が認められたと考える。しかし、どちらのチームも同様の結果であったにも関わらずチームCにはACL損傷が発生していないことから、選手に対しACLについての教育や予防トレーニングを行うことが重要であることを示唆している。また、今回の研究では練習中間までの移動量の増加が著しく、中間からは時間経過とともに起こる上昇はゆるやかになるが、頭打ちにはならなかった。試合・練習の後半に受傷が多いという報告もあり、移動量の増加がこの一因となっている可能性が示唆されるため、これを念頭に置いて予防トレーニングをする必要がある。【理学療法学研究としての意義】 我々理学療法士としてはACL再建術後等の患者に対し動作指導を行う際に、疲労を起こさないように配慮することが多い。しかし、今回の研究結果により練習・試合の後半を見越しての確実な動作を獲得するためのアスレチックリハビリを実施し、競技復帰を許可することの重要性を示した。

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著者
河辺 達也 森田 日出男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.863-869, 1998-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
5 2
著者
長井 紀乃 島 正吾 森田 邦彦 栗田 秀樹 吉田 勉 鵜飼 弥英子 森 紀樹 荒川 友代 谷脇 弘茂
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.1014-1020, 1989-12-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

The effects of cobalt (Co) and nickel (Ni) on the humoral immune response were studied by two indexes of specific IgM antibody production against sheep red blood cells (SRBC) and polyclonal IgG antibody production in the spleens of mice intraperitoneally injected with cobalt chloride or nickel chloride.An experiment for the effect of both metals on specific IgM production was carried out by measuring IgM plaque-forming cells in the spleens of mice intraperitoneally injected with both metal salts using 1/10, 1/100 or 1/200 of LD50 for i. p. injection three times every other day and were immunized with SRBC on the day of the last injection of each metal salt. The other experiment for the effect of both metals on polyclonal IgG production was done by measuring, on days +3 or +6 in relation to the last injection of metal salts, polyclonal IgG-forming cells in the spleens of mice injected with both metal salts using 1/10 or 1/100 of LD50 for i. p. injection three times every other day by the reverse plaque-forming method.The following results may be drawn from this study:1. Co may cause changes in the homeostasis of humoral immune response even more than affecting the immune system with immunotoxicity as antigenicity.2. On the other hand, Ni may have antigenicity even more than an acting as immunomodulator influencing the immune system.
著者
小森田 龍生
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.3, pp.117-126, 2013-03

日本の自殺は1998年に前年比およそ3割増しの大幅な増加を示して以降、特に男性においては自殺者数、自殺率ともに統計史上もっとも高い水準で今日に至っている。近年では若年~中堅層(20~39歳)の自殺増加が顕著な傾向として現れており、本稿では既存統計資料の整理を通じてこの現象の追求すべき課題を探っていく。統計資料の整理から見出されるのは、 ①98年以降、若年~中堅層の自殺率が増加傾向にあるということは統計上間違いなく、この点は他の年齢層に比較して近年の特徴の一つとして捉えることができる。 ②若年~中堅層の自殺増加傾向は男女に共通するものであるが、男性の自殺率は女性に比べて約2倍と大きな差がある。 ③原因・動機別では、男性は女性に比べて、「経済・生活問題」、「勤務問題」といった経済的な要因の占める割合が大きい。 ④都道府県単位で見たところによれば、若年~中堅層の自殺率に地域差は少なく、この年齢層の自殺増加が全国的な現象であるといえる、といった点となる。これらのことから、自殺増加の社会的背景・その影響力は若年~中堅層に広範囲かつ性別を超えて作用しているが、とりわけ同年齢層の男性に強く作用しているということがわかる。最後にBaudelot & Establet(2006=2012)の議論を参照しながら、短い考察を加えた。
著者
梅野 貴裕 細川 忍 森田 絢子 中村 尚季 塩尻 正明 佐久川 亮 小倉 里奈 林 栄子 斎藤 利江子 増田 雅史 林 敦志 高橋 友香 田村 麻衣子 別所 昭宏
出版者
岡山赤十字病院
雑誌
岡山赤十字病院医学雑誌 (ISSN:09158073)
巻号頁・発行日
no.30, pp.14-19, 2019-11

肺クリプトコッカス症は髄膜炎発症例では重症化の恐れもあり,早期診断・治療が重要である.本疾患における早期診断や診断精度の向上に対する気管支鏡検査時のrapid on-site evaluation(ROSE)の有用性について後方視的に検討を行った.2015年4 月から2019年6 月の間に当院において,気管支鏡検査時にROSE を併用して診断した肺クリプトコッカス症の 8 例を対象とし,臨床像や臨床経過とともに気管支鏡検査時のROSE 結果と病理学的・真菌学的所見との比較を検討した.ROSE の所見は8 例全ての症例で莢膜を有する菌体と多核巨細胞を確認できており,組織診の所見と一致していた.1 例を除く7 例で培養陽性であった.また,基礎疾患を有する症例では気管支鏡検査後1 ~14日(中央値3 日)で治療導入を行っていた.本疾患において,ROSE の併用は診断精度の向上のみならず,早期の診断や治療に対しても有用である可能性が示唆された.
著者
森田 直久
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.218-239, 1990-03-25 (Released:2018-04-03)
被引用文献数
1

本発明の目的は, 鋳造床程度の大きさの純チタンを電解研磨により鏡面にまで仕上げることである.従来から, チタンの電解研磨は, その強い酸化傾向のために困難とされてきたが, 今回非水系の電解液を用い, 被研磨体の形状や電解条件などに工夫を加えた結果, 30cm2程度の大きさの純チタン板を電解研磨により鏡面仕上げすることができた.まず, 小型試片の電解研磨条件を見いだした.しかし, 大型試片の場合には同じ条件では, 研磨面の中程に顕著な梨地を生じ, 均一な研磨はできなかった.梨地部分は, 表面あらさ値が大きく, このままでは生体材料に適さない.このような梨地は電解液面を貫く被研磨体の面積を小さくすることで阻止できることを見いだした.また, 純チタン鋳造体の電解研磨は, 加工材の場合と同一の研磨条件で可能であった.さらに, アルコールを主成分とする電解液の溶媒成分の配合を変えることによって, より安全で, ふかみのある鏡面研磨が可能で, 疲労しにくく, 使用回数などの制限の比較的緩やかな優れた電解液を開発した. 例 エチルアルコール70ml iso-プロピルアルコール30ml 塩化アルミニウム6g 塩化亜鉛25g 電解条件 電圧30V 通電時間6分 電解液温25℃
著者
森田 都紀
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

昨年度までの史料調査をふまえ、今年度は、主に一噌流宗家伝来の史料から重要と思われるものの解析を進めた。具体的には、『一噌流笛秘伝書』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『矢野一宇聞書』(早稲田大学図書館蔵)、『笛の事』(法政大学鴻山文庫蔵)、『一噌流笛唱歌付』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『貞享三年符』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『順勝院噌善手記』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『能学(ママ)秘伝書』(早稲田大学中央図書館蔵)、『寛政三年平政香笛唱歌』(法政大学鴻山文庫蔵)などをはじめとする、初世から八世までの代々の宗家の影響下にて成立した諸史料である。役者個人の忘備録として記されたものと、子孫や弟子に伝承するために記されたものとがあり、史料により性格は異なっている。またその内容も、由緒や芸談を記すものから、唱歌付や頭付等の演奏を記した楽譜の類まで幅広い。そこで、研究対象史料の性格を明らかにするために、史料の基本事項のデータベース入力を進めた。また、それと平行して、由緒や芸談等に記された記事の内容と、唱歌付や頭付を読み解くことで明らかになった演奏実態とを照合し、両者の記述を相互補完する形で演奏技法の具体相を総合的に検証しようとした。以上により、流儀としての演奏技法が成立する道筋の一端を窺えたが、一方で、史料数に制約があることと、伝書によっては記述が断片的であることなどによって、歴史的変化を体系的に考察できず、まとまった成果につながらなかった。
著者
植木 寛 三樹 修一 川嶋 善仁 本屋敷 敏雄 森田 哲生
雑誌
福山大学薬学部研究年報 = Annual report of the Faculty of Pharmacy & Pharmaceutical Sciences, Fukuyama University
巻号頁・発行日
no.16, 1998

バナデートは、摘出ラット脂肪組織の穎粒画分に存在するチロシンキナーゼ(PTK)、ミエリン塩基性蛋白質キナーゼ(MBPK)、cAMPホスホジエステラーゼ(PDE)の活性を促進した。部分精製PDE活性はPTKやMBPK画分の添加によって増強した。MBPK画分はウエスタンプロット解析によってMAPキナーゼ(MAPK)を含むことが確認された。これからの結果は、バナデートがバナデート感受性PTKによるMBPK、恐らくMAPK、の活性化を介してPDEの活性を増強することを示唆する。
著者
浅海 靖恵 森田 喜一郎 松岡 稔昌 小路 純央 中島 洋子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A4P2028, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】事象関連電位のP300成分は、認知機能を反映する精神生理学的指標として、統合失調症などの精神障害者様をはじめとし多くの研究がなされてきた。一般に、アルツハイマー型認知症患者様のP300潜時は延長すると報告されている。我々もアルツハイマー型認知症患者様では、P300振幅の低下と潜時の延長という特徴があると報告してきた。今回、もの忘れ外来に受診された方を対象に、泣き、笑い写真提示時のP300成分の解析を行うと共に、HDS-R、MMSEおよびMRIの検査を実施し認知症患者様群の特性を検討したので報告する。【方法】久留米大学もの忘れ外来に受診された被験者34名(72.73±7.51歳)を対象とした。総ての被験者は、非認知症群(HDS-Rが21点以上、MMSEが24点以上)20名、認知症群(HDS-Rが20点以下あるいはMMSEが23点以下)14名であり、2群間の年齢に有意差は観察されなかった。総ての被験者は右ききで、脳梗塞、脳出血等の既往が無く、言語機能・聴覚機能にも障害はなかった。P300測定には日本光電NeuroFaxを使用した。事象関連電位は、視覚オドボール課題を用い、標的刺激(20%の出現確率)として、赤ん坊の「泣き」または「笑い」写真を、非標的刺激(80%の出現確率)として、赤ん坊の「中性」写真を用いた。総ての被験者に、「赤ん坊の泣いている写真または笑っている写真が出たら直ぐ、ボタンを押すように」教示した。「泣き」写真、「笑い」写真は、被験者ごと順序を変更した。脳波は、国際10-20法に基づき、両耳朶を基準電極として18チャンネル(F3,F4,C3,C4,P3,P4,O1,O2,F7,F8,T3,T4,T5,T6,Fz,Cz,Pz,Oz)から記録した。P300成分は、Fz,Cz,Pz,Oz から最大振幅、潜時を解析した。P300振幅は、時間枠350-600 msの最大陽性電位とした。P300潜時は、P300最大振幅の時点とした。眼球の動きは、日本光電の修正ソフトを使用し、さらに±50μV以上の振れは除外した。認知症症状評価尺度として、スクリーニングテストは、HDS-R,MMSEを用い、MRI検査はVSRADのZスコアを用いた。統計処理は、群間比較に2元配置分散分析および1元配置分散分析、多重比較検定にFisherのPLSD、相関の検定にピアソンの積率相関係数を使用、いずれも危険率5%未満を有意とした。【説明と同意】総ての被験者には、当研究を書面にて説明し同意を得たのち施行した。尚、当研究は、久留米大学倫理委員会の承認を得て行っている。【結果】P300最大振幅は、認知症群が非認知症群より有意に低下し、「泣き」「笑い」の表情間における差はなかった。P300潜時は、認知症群が非認知症群より有意に延長し、認知症群でFz,Czにおいて、非認知症群では、Cz,Pz,Ozにおいて「泣き」が「笑い」より有意に短かった。P300成分と症状評価尺度との関係では、年齢と潜時の間に、被験者全体において「泣き」Fz、Czで、非認知症群において「泣き」「笑い」全チャンネルで正の相関が見られた。HDS-Rと最大振幅の間に、被験者全体において「泣き」「笑い」Cz,Pzでやや正の相関が見られ、 HDS-R、MMSEと潜時の間に、被験者全体において「泣き」Pz「笑い」Czでやや負の相関が見られた。VSRADのZスコアとP300の間には、被験者全体において「泣き」「笑い」全チャンネルで潜時との間に正の相関が、Fz,Czで最大振幅との間に負の相関が見られた。なおVSRADのZスコアは認知症群が非認知症群より有意に大きい値であった。【考察】今回の結果において、P300最大振幅が、認知症群で有意に低下したことは、認知症群では非認知症群に比べ、注意資源の分配量が低下していることを示すものであり、P300潜時が有意に延長したことは、認知症群の注意資源の分配速度が低下し、刺激の評価時間が延長していることを示すものである。またP300潜時が、認知症群でFz,Czにおいて非認知症群でCz,Pz,Ozにおいて「泣き」が「笑い」より有意に短かったことは、非認知症群同様、認知症群においても「泣き」提示に強く情動が喚起し注意分配機能を増大させたと考える。認知症症状尺度とP300の関係において、年齢と潜時の間、VSRADのZスコアと潜時との間に被験者全体において有意な正の相関が見られた。このことより、情動関連視覚課題を用いた視覚誘発事象関連電位P300の測定は、侵襲もほとんど無く、いずれの場所でも検査が可能で認知症の早期発見に有用な精神生理学的指標となりえる。【理学療法学研究としての意義】今後、さらに症例数を増やし、非認知症群をより詳細にMCI等のように分類し、認知症への移行が懸念されるハイリスク中間群の早期発見・予防に役立つP300の有用性を検討していきたい。
著者
安部 力 森田 啓之
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.95-100, 2021 (Released:2021-04-15)
参考文献数
24

内耳(骨迷路)にある前庭系の末梢器官は耳石器と半規管で構成されている.耳石器(球形嚢と卵形嚢)は重力や頭位を,また半規管は回転加速度を認知する.これらの末梢器官は眼球運動(前庭動眼反射)や姿勢(前庭脊髄反射)を制御している.興味深いことに,末梢前庭器への刺激は交感神経を介した動脈血圧応答を引き起こすことも明らかになってきた(前庭動脈血圧反射).さらに,この応答性は重力環境変化による前庭系の可塑により低下することがわかってきた.本稿では,起立耐性に対する前庭動脈血圧反射の役割について説明する.また,高齢者や宇宙飛行士の前庭機能低下に対する末梢前庭器電気刺激法の可能性についても述べる.
著者
森田 猛
出版者
弘前学院大学文学部
雑誌
紀要 (ISSN:13479709)
巻号頁・発行日
no.47, pp.21-35, 2011-03-25
著者
森田 猛
出版者
弘前学院大学文学部
雑誌
紀要 (ISSN:13479709)
巻号頁・発行日
no.47, pp.21-35, 2011-03-25