著者
楊 華 汪 霞琴
出版者
日中言語文化教育推進会
雑誌
日中言語文化 (ISSN:2435273X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-6, 2021 (Released:2021-12-29)
参考文献数
14

要旨 新世紀以来、司馬遼太郎及びその文学作品に関する研究は多様化してきたが、これまで司馬の日露戦争認識に対する検討は数少ない論文だけにかぎり、まだ深く研究されていない。長篇小説『坂の上の雲』では、司馬が秋山好古、秋山真之兄弟、正岡子規などの主人公の生い立ちを通して、明治時代の日清戦争、日露戦争を述べている。小説の中で、日露戦争がロシアの脅威による「国民戦争」と「祖国防衛戦」であると司馬は主張している。史実に基づく分析により、その戦争認識は極めて間違っていることが分かり、批判すべきである。また、司馬遼太郎の日露戦争観の形成原因について、本稿では司馬が受けた『教育勅語』の影響、本人の軍人体験、明治時代への憧れなどから探し求める。
著者
山田 玲子 石川 保茂 宮森 吉昌 山田 恒夫 山本 誠子 水口 志乃扶 立石 浩一 伊庭 みどり 北村 美里 江口 小夜子 楊 シュイ 飯野 義一
出版者
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

音韻、語彙、構文といった様々な要素に分けて外国語の学習実験を行う環境を構築し、要素間の相互関係、特に学習の順序効果を調査した。その結果、同一処理レベル内では順序効果はなかったが、処理レベルが異なる音韻学習と語彙学習の間で有意な順序効果があり、学習初期段階に低次処理を習得することの重要性が示された。この結果に基づき、低次から高次へと習得していく「ボトムアップメソッド」を学習モデルとして提案する。また、その学習モデルの効果を最適化するためのカリキュラムモデルとして「反転学習の概念モデル」を作成し、効果があることを確認した。さらに、学習解析の手法で個別に最適化する方略について整理、考察を行った。
著者
楊 曄 松野 良一
出版者
中央大学国際情報学部
雑誌
国際情報学研究 (ISSN:2435855X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.167-193, 2021-03-25

A boy who lived in a poor area of China walked 4.5 km to school even on cold days. On a frigid day in 2018 winter, the boy had his hair and eyebrows whitened by frost when he reached the school. The teacher took the boy’s picture and posted it to social media. In the blink of an eye, the boy was nicknamed“Ice Boy” and became famous online. This paper focuses on the“Ice Boy” case and analyzes what kind of online public opinion was formed, and how it was formed on Sina Weibo. The analysis clarifies the following four points. First, the Chinese Communist Party’s official Weibo account,“@ People’s Daily,” played an important role in disseminating information about the“Ice Boy” case. Second, the “Ice Boy” case was related to the Chinese government’s education policy for poor areas. For this reason, @ People’s Daily delivered repeated news about the incident, following which the government announced a series of education policies for poor areas. @ People’s Daily took the initiative in forming public opinion by handling the case carefully. Third, the online debate expressed interest in and sympathy for“Ice Boy” while critically discussing the government policies. Fourth, @ People’s Daily did not address topics that could lead to the government’s criticism, such as the uncertainty in donation flows. In addition, @ People’s Daily positively evaluated the“Ice Boy” case and led to the formation of online public opinion.
著者
楊 應吟
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.191-195, 2006-05-01 (Released:2011-03-18)
被引用文献数
1 1

過去、台湾の鍼灸術は「師徒伝承」の個別伝授法だったが、1955年に台北市鍼灸学会が政府機関の認可を獲得した後, 研修会を介した体系的な習得法にかわった。20年のうちに鍼灸学を学習する者も増えて、一般民衆にも鍼灸に対する効果を認められ、徐々に鍼灸治療を受ける患者さんも増えてきた。1975年やっと鍼灸療法が受け入れられるようになってきた矢先に、「新医師法」が実施され、今までの鍼灸師は無資格となり、数多くの鍼灸師は台湾から国外へ流出してしまった。国外では資格試験の制度があるが、台湾には鍼灸に関する資格制度が無く「中医師」の試験に合格した者は、 “漢方薬の処方も、鍼灸師の資格と開業を許される” と言う摩詞不思議な制度が出来てしまったのである。中医師の試験に鍼灸の科目が加わったのは1989年になってからで、筆記試験だけで実技試験はない。だからこの間、中医病院の鍼灸治療はバリ専門の実技研修を受けたベテラン達が担当していて中医師ではない。この様にこの道に精通しない者が指導的な役割を担っていることは、鍼灸界の発展はおろか阻害となり、台湾における鍼灸に対する研究の遅れは、この不当な制度の為である。過去30年間も、「鍼針灸の合法化」の抗議運動を起こしてきたが、衛生署と中医師公会の反対に逢い、いまだに混沌たる時代にいる。日本に於いては、電子顕微鏡、コンピュータ等のハイテクを駆使して針灸に取り組んでいるのである。政府はいち早くこの事に目覚めて、早急に針灸の発展に切り替える政策こそが衛生署主管の急務だと思う。いまや鍼灸術は国際的になり、WFASは毎年国を変えて学術大会を行っている。もし先進国の日本に、世界各国から鍼灸の勉強が出来る環境をもつ国際的な鍼灸大学が出来れば、鍼灸を通して国際交流が出来, 若き未来の医師たちに切れ掛かった親日の絆を挽回してもらえると思う。
著者
楊 曉光 飯田 恭敬 宇野 伸宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.597, pp.113-126, 1998-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

線形計画法を用いた都市高速道路の流入制御モデル (LP制御モデル) は, 理論的に明快であり, かつモデルの操作性, 実用性の点でも優れているが, 基本的には交通状態の定常性を仮定できる場面への適用に限定されている. 本研究では, 流入交通需要と本線上の交通状態の時間変化を考慮可能な流入制御モデルを構築するため, LP制御モデルを基礎として, その動学化を図る. 渋滞予防の制約条件としてリンク容量制約に加えてリンク走行速度制約を導入し, 交通状態が非定常な場合あるいは本線上に軽微な渋滞が存在している場面にも適用可能な制御モデルとする. 提案した動的制御モデルを用いた数値計算を通して, モデルの挙動を確認するとともに, 動的流入制御手法の役割を明確にする.
著者
金子 洋子 楊川 堯基 林 苑子 張 紅 塚原 知樹 松永 恒明 多留 賀功 石津 隆 小林 正貴 野口 雅之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.999-1006, 2019-05-10 (Released:2020-05-10)
参考文献数
6

53歳,男性.浮腫にて受診.蛋白尿,心肥大,四肢疼痛ならびに腎不全を認め,αガラクトシダーゼA(α-galactosidase A:GLA)酵素活性の低下,腎生検にて糸球体上皮細胞内に高電子密度物質の沈着,責任遺伝子変異を認め,Fabry病と診断した.末期腎不全のため透析導入し,酵素補充療法(enzyme replacement therapy:ERT)を開始したが,心肥大は進行し,心不全のため死亡した.病理解剖にて多臓器に高電子密度沈着物を認めた.近親者3症例にERTを継続している.本疾患は,早期に診断し加療介入することが重要である.
著者
楊 雪
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
文化交渉 : 東アジア文化研究科院生論集 : journal of the Graduate School of East Asian Cultures (ISSN:21874395)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.171-185, 2021-11-30

From 1895 to 1945, Japan established colonies in Taiwan and Korea. Japan adopted colonial assimilation policies in these colonies that were different from those of Western colonial powers. Japan's management of the colonies was not limited to the economy or politics but focused on assimilation policies based on language and culture. Through these policies, Taiwanese and Koreans were to become Japanese. This form of colonization is very special. Why did Japan choose to adopt this assimilation policy? The author analyzes this issue based on three aspects : possibility of realization, necessity of realization, and legitimacy of realization. A homogeneous race and culture make it possible to realize an assimilation policy. The important geographical locations of Taiwan and Korea also made it necessary for Japan to try to assimilate Taiwanese and Koreans, respectively, while political philosophies prevalent in Japan at the time provided the legitimacy for assimilation.
著者
金澤 真平 楊 添翔 後藤 正幸
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.47-64, 2021-06-15 (Released:2021-06-30)
参考文献数
12

中古ファッションアイテムの買取・出品・販売を行うECサイトではアイテムのブランドやカテゴリ,コンディションなど,商品情報が非常に多様であるため,出品価格の決定は重要かつ難しい課題の一つである.本研究の提案モデルでは,出品システムによって設定された出品価格を変更した場合の販売結果を観察するため,価格変更テストを設計する.一方,販売価格の予測精度を高めるため,アイテムの特徴と予測精度に関する情報をもとにアイテムのクラスタリングを行い,価格変更テストの結果データをモデルの検証データとして活用することで,高い精度で予測可能なアイテム群を発見する.そして,クラスタリングによって高い精度で予測可能であると特定されたアイテム群を提案モデルに適用可能なアイテム群と捉え,それらのアイテムに関して出品価格を変更した場合の販売価格を予測する.また,その予測結果に基づいてアイテムごとの出品価格と販売価格の関係性を捉え,適切な出品価格設定に関する分析を行う.
著者
野田 貴彦 野村 健太郎 小室 直之 鄭 韜 楊 深 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.81-89, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
13

本論文では,カクテルのアナロジを用いることにより風景画像を作成するシステムを提案する.このシステムではカクテルの材料を風景の要素とし,それらをシェーカで混ぜる事で風景を作成する事が出来る.作成される風景画像はシェーカを振ることでリアルタイムに変化し,体験者は風景画像を作成している感覚を持つことが出来る.また,風景の要素の組み合わせで,出来上がる風景画像は異なってくる.これにより,体験者はオリジナルの風景画像を作成する事ができる.