著者
太田 出 神長 英輔 赤松 紀彦 河原 典史 土屋 由香 川島 真 奈良岡 聰智 下平 拓哉 石原 俊 浅野 亮 太田 淳 楊 名豪
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、従来の歴史学ではほとんど検討されることのなかった「海洋」問題を正面から取り上げ、新たな学問領域を構築することを目的とする。これまでも「海域アジア史」「海の帝国史」など「海(海洋)」を標榜した研究は少なくなく、興味深い歴史像が提出されてきたが、「海」それ自体、すなわち国家権力が「海洋」を囲い込む「領海主権」、そこで確保・利用される「海洋権益」、そこに形成される「海洋社会」を意識的に中心に据えたものはほとんどなかった。従って本研究では、歴史学・国際政治・海洋法・軍事・社会学・文化史などの諸方面から学問横断的に分析し、近代から現代までをも視野に入れた総合的な「海洋の歴史」研究を切り開く。
著者
楊 添翔 山下 遥 後藤 正幸
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.54-69, 2022-07-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
22

年間累積購買金額がある額を超えると顧客のステージが上位へ向上し,ポイントなどの特典を提供する会員ステージ制というマーケティング施策がある.この仕組みにより,企業側は,顧客の購買意欲を高めるだけでなく,その購買履歴データを得て優良顧客の特定などの分析に用いることが可能である.この仕組みのもと,会員ステージ間での購買特性の差異を明らかにすることは様々なメリットがある.一方,多様な嗜好を有した顧客が混在した対象データに対しては,クラスタリングモデルを構築することが顧客理解のために有用である.しかし,会員ステージ間で独立に顧客クラスタリングを適用した場合,得られたクラスタを会員ステージ間で紐付けて比較分析することができない.本研究では,会員ステージ間でクラスタ分布の差異が分析できるモデルとその学習アルゴリズムを提案する.
著者
楊 定 永冨 昭
出版者
The Japanese Society of Systematic Zoology
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.54-62, 1992-12-25 (Released:2018-03-30)

Suragina caerulescens(BRUNETTI,1912)はビルマ,ネパール,インド(W.Bengal),日本(北海道,本州,四国,九州)に広く分布し,従来Suragina属のatypicalな一員として知られていた.中国に近縁の別種が存在することがわかり,ここでyangiと命名するのを機会にしてAsuraginaという1新属を創設する.模式種はcaerulescensである.
著者
小田口 浩 日向 須美子 関根 麻理子 中森 俊輔 竹元 裕明 黄 雪丹 大嶋 直浩 嶋田 典基 楊 金緯 天倉 吉章 日向 昌司 内山 奈穂子 小林 義典 袴塚 高志 合田 幸広 花輪 壽彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.11, pp.1417-1425, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)
参考文献数
21
被引用文献数
8 13

Ephedra Herb is defined in the 17th edition of the Japanese Pharmacopoeia (JP) as the terrestrial stem of Ephedra sinica Stapf., Ephedra intermedia Schrenk et C.A. Meyer, or Ephedra equisetina Bunge (Ephedraceae). The stems of Ephedra Herb contain greater than 0.7% ephedrine alkaloids (ephedrine and pseudoephedrine). Despite its high effectiveness, Ephedra Herb exert several adverse effects, including palpitation, excitation, insomnia, and dysuria. Both the primary and adverse effects of Ephedra Herb have been traditionally believed to be mediated by these ephedrine alkaloids. However, our study found that several pharmacological actions of Ephedra Herb were not associated with ephedrine alkaloids. We prepared an ephedrine alkaloid-free Ephedra Herb extract (EFE) by eliminating ephedrine alkaloids from Ephedra Herb extract (EHE) using ion-exchange column chromatography. EFE exerted analgesic, anti-influenza, and anticancer activities in the same manner as EHE. Moreover, EFE did not induce adverse effects due to ephedrine alkaloids, such as excitation, insomnia, and arrhythmias, and showed no toxicity. Furthermore, we evaluated the safety of EFE in healthy volunteers. The number of adverse event cases was higher in the EHE-treated group than in the EFE-treated group, although the difference was not significant. Our evidence suggested that EFE was safer than EHE.
著者
楊 其琛 金 紅花 包 振山
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:24369977)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.47-60, 2022-04

本稿では千葉市におけるコンビニエンスストアと高齢人口との空間的自己相関関係性を明らかにするために、空間的自己相関分析を行った。まず、カーネル密度分析を用いて千葉市におけるコンビニエンスストアの分布方向と地理的中心を把握した。次は、Global Moranʼs I 指数により千葉市のコンビニ商圏内65歳以上人口密度(町丁単位)は空間的にクラスタ化の有無を示し、ホットスポットあるいはコールドスポット分析を行って具体的な出店・立地の特徴を明らかにした。この分析を通して、千葉市のコンビニ商圏内65歳以上人口密度(町丁単位)と店舗数は正の相関関係あり、空間的に正の空間的自己相関関係性があると言える。
著者
岡本 悳也 楊枝 嗣朗
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.20-31, 2014-10-20 (Released:2017-04-25)

The Lehman Shock prompted the Marx tenet school and the Left-wing liberal group to contemplate if capitalism has reached its demise or whether the Shock was a general crisis of capitalism. However, I do not believe either of these phenomena. This is because most of the advanced nations escaped from this crisis and have now started to recover. The Lehman shock was "only a shock" and was not the sort of crisis that would shake the capitalistic organization. Historically, capitalism became increasingly more flexible and tough as a counterbalancing force and a system against the communism. This is maybe a historical paradox or a dialectical development of the history. As for contemporary capitalism, the role of the financial system overwhelmingly bears an important impression under the name of "financial capitalism". It is an anachronistic point of view to define "financial capitalism" as "casino capitalism" & "avaricious capitalism". It is the same kind for Lenin to give similar superficial evaluations as "parasitic" & "rot characteristics "on Imperialism. It could be argued that the intellectual weakening of the Marx tenet school and the Left-wing liberal group could be in a critical situation. As Marx has taught, we should today face squarely what "financial capitalism" is. It is important to clarify the structure and historical phase of "financial capitalism", as well as to reach an ideological connotation. The era of "financial capitalism" is a new era when the public is able to save positively and spontaneously, from the time in which the public enjoys consumption. Savings at the household level is the significant foundation of "financial capitalism", and it is on this firm basis that the financial system generates funds for the improvement of living standards of the public and economic growth of developing countries. However, sometimes this approach could be prone to risk and vulnerability. This is the reality of the principle of "financial capitalism".
著者
楊 川 野間口 隆郎 高 鶴 谷口 洋志
出版者
経済研究所
雑誌
経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.53, pp.333-354, 2021-10-05

本稿では,コロナ禍における日本と中国の大学でのオンライン授業の比較を通じて,政府の支援策,オンライン授業のためのインフラ,オンライン授業の方式,オンライン授業の教育効果について考察した。 コロナ禍前には,日本の大学生は,他国の大学生と比べると勉強意欲が低いとされる一方,教師による学生評価は不透明で,学生同士の競争も少ないといわれてきた。コロナ禍発生後は,オンライン授業の導入により,教師と学生の間での情報共有が進展し,学生の学習意欲や姿勢も情報として把握されるようになったことから,学習への意欲や姿勢が強まった。こうした教育過程の可視化は学生間の競争を促し,教育効果の向上につながることが期待される。 以上の考察を通じて,本稿では,オンライン教育を通じて日本の大学の教育効果が上がっているという仮説を提示した。今後は,対面授業とオンライン授業を組み合わせたハイブリッド型授業とオンラインだけの授業との比較考察,とくに教育効果の違いについて検討する必要がある。
著者
林 海平 楊 舒淇 山田 宏 粟野 隆 Hai-ping Lin Suchi Yang Hiroshi Yamada Takashi Awano
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 = Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.47-56, 2020-09

本論文では,日本統治時代における台湾の日本人住宅・宿舎の庭園の保存・修復の今後に資することを目的に,残存事例が台湾でも数多い台北の日本人住宅・宿舎の庭園について調査した。その結果,以下のことを明らかにした。庭園規模は,建物面積の2~7倍が理想とされ,現地調査では多くの庭園が2倍程度であり,平均では2.2倍であったこと。庭園配置は,台北市内の風向きと住宅への通風が考慮された結果,南北方向,あるいは南西・北東方向に前庭・主庭を配置する傾向があったこと。庭園構成は,芝生が太陽の輻射熱を緩和し,植栽は建物の壁体への直射日光を緩和する役割を担い,ベランダ,テラス,パーゴラが防暑のための特徴的な施設であったこと。外囲いは住宅敷地内の通風を考慮して生垣が推奨されたこと。床下通風の観点から床は高床に設定され,沓脱には自然石ではなく人造石が多用されたこと。
著者
楊 禾 衣 犁
出版者
多文化関係学会
雑誌
多文化関係学 (ISSN:13495178)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.99-110, 2009 (Released:2017-03-28)

「中国音楽の生きた化石」といわれる納西古楽は、中国雲南省にある納西族の民間音楽である。経営会社化した「麗江大研納西古楽会」は、演奏会を観光客に向けて催し、また、国内外での公演や演説によって国際的認知度が高まっている。唐代の道教の読経音楽と宋元時代の儒家の細楽が納西族に伝承されてきたこと、中原で失われた工尺譜はまだ使われていることは、国内外の研究者や旅行者に注目されている。しかし、納西古楽は漢族の音楽学者の間では受け入れられず、様々な論争が起きている。 2003年10月に発行されたC研究院主催の『芸術評論』創刊号には、音楽理論家B氏が執筆した「『納西古楽』とは何ものだ」という文章が掲載された。文章に言及された納西古楽会長A氏は名誉毀損を理由にB氏と『芸術評論』雑誌社を訴えた。本論文は、納西古楽に関する当事者各自の主張と裁判所の判断について記述し、観光少数民族音楽が、商業的伝承活動の実践家や民族音楽学家によってどのようにみられているかを探る。そして、本案の考察により、多民族国家である中国において、少数民族と漢民族同士がいかに協力し、多文化の「共生」・「共栄」を構築していくのか、また消滅の危機に瀕している伝統芸能はどのような形で、どのような方法で残されていくのかなどの課題を提起する。
著者
楊 華 汪 霞琴
出版者
日中言語文化教育推進会
雑誌
日中言語文化 (ISSN:2435273X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-6, 2021

要旨 新世紀以来、司馬遼太郎及びその文学作品に関する研究は多様化してきたが、これまで司馬の日露戦争認識に対する検討は数少ない論文だけにかぎり、まだ深く研究されていない。長篇小説『坂の上の雲』では、司馬が秋山好古、秋山真之兄弟、正岡子規などの主人公の生い立ちを通して、明治時代の日清戦争、日露戦争を述べている。小説の中で、日露戦争がロシアの脅威による「国民戦争」と「祖国防衛戦」であると司馬は主張している。史実に基づく分析により、その戦争認識は極めて間違っていることが分かり、批判すべきである。また、司馬遼太郎の日露戦争観の形成原因について、本稿では司馬が受けた『教育勅語』の影響、本人の軍人体験、明治時代への憧れなどから探し求める。
著者
楊 曄 Ye YANG
出版者
神戸女学院大学研究所
雑誌
神戸女学院大学論集 = Kobe College studies (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.153-166, 2017-06

国際商事仲裁判断の承認・執行に関する拒否事由を規定した最初の条約は、ジュネーブ条約である。しかし、ジュネーブ条約の規定では、申立人に対し厳しい挙証責任を課しているため、裁判の過程において申立人に不利が及ぶ恐れを排除できなかった。この問題点はその後ニューヨーク条約の規定により、大幅に修正され、現在では、世界のほとんどの国が当該条約に署名している。その結果国際商事仲裁裁判の承認及び執行において、申立人の挙証責任問題は解消されたと考えられる。さらに、UNCITRALモデル法の誕生をきっかけにして、これを国内法化する国が増加しつつあるため、国際商事仲裁判断の承認及び執行は一層容易になっている。
著者
楊 子震
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (国際政治経済学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第5980号)
著者
楊 志剛
出版者
関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター
雑誌
国際シンポジウム報告書 人びとの暮らしと文化遺産 : 中国・韓国・日本の対話
巻号頁・発行日
pp.10-13, 2008-11-30

補助事業 文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業(平成17年度~平成21年度)なにわ・大阪文化遺産の総合人文学的研究
著者
楊 亜麗
出版者
大東文化大学
巻号頁・発行日
2019

本論文は、正徳二年(一七一二)自序、同五年(一七一五)跋、寺島良安の撰になる江戸前期の百科事典『和漢三才図会』一〇五巻の引用書目(略称、撰者名等を含む)970種の悉皆調査を基盤とした、主たる典拠、明・李時珍撰『本草綱目』を軸とする出典研究である。これによって、『和漢三才図会』動植物部のうち、「葷草」類・「水草」類・「魚」部の部立の構成と配列の体系、掲出語の分類意識をあきらかにした。また、『和漢三才図会』の独自性を部立末尾の増補に見いだし、本文における増補部分の典拠が多く引用書目としては3度しか書名が掲出されない、元禄十年(一六九七)刊人見必大撰『本朝食鑑』であり、その本文を、書名を掲出せずに引用路襲していることを明らかにしたものである。