著者
石倉 彰 池田 正人 田口 博基 高畠 靖志 泉 祥子
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.307-311, 1996-04-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
14

SCCFの治療には沢山の報告があるが, いまだ議論のあるところである. 3例について報告する. 第1例は57歳女性, 右脳血管写で低還流CCF(BarrowのType B)をみた. Matas手技のみで消失した. 第2例は62歳女性, 両側血管写で低還流CCFをみ(Type D), Matas手技, 左外頸動脈の塞栓, 結紮にて軽快した. 第3例は66歳女性, 両側血管写にて高還流CCF(Type D)をみた. Matas手技と経静脈的塞栓術を行った. 塞栓は白金コイルを内頸静脈, 下錐体静脈を経て海綿静脈洞に充填した. まとあると, SCCFの治療は, 最初Matas手技を2から4週間行い, 効果がみられない場合, 経静脈的塞栓術を施行する. カテーテルと塞栓物質の技術的進歩によって, 経静脈的塞栓術はSCCFにとって最も効果的, 安全な方法の1つと考えられる.
著者
池田 正弘
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2-10, 2021-06-24 (Released:2021-09-30)
参考文献数
29

In the present paper, I review our recent two papers of the joint works with Atsushi Miyauchi (Tokyo Univ.), Yuuki Takai(KIT) and Yuichi Yoshida (NII). I mainly introduce the background of their papers and the fundamental notions for community detection of networks. First I review the notion of Laplacian and Cheegerʼs inequality for the usual undirected graph. After that, I introduce the definition of the (submodular) Laplacian for hypergraphs and the heat on them. Especially, I introduce several properties of the Laplacian and heat such as maximal monotonicity of the Laplacian and well-definedness of the heat and the Personalized PageRank respectively. Moreover, I introduce the application of the properties to the community detection on hypergraphs.

1 0 0 0 OA ―大腸手術―

著者
内野 基 池内 浩基 堀尾 勇規 桑原 隆一 皆川 知洋 楠 蔵人 木村 慶 片岡 幸三 別府 直仁 池田 正孝
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.176-180, 2022-10-15 (Released:2022-11-15)
参考文献数
33

手術部位感染 (surgical site infection : SSI) の危険因子の一つに低栄養があげられる. その改善により合併症予防が期待できるが, 単独でのSSI対策よりもケアバンドル対策の方が有効である可能性もあり, 周術期管理プログラムとして行われることも少なくない. 今回, 本邦の消化器外科手術におけるSSI予防ガイドラインのクリニカルクエスチョンをもとに大腸手術における周術期代謝栄養管理について再考した. 結果的には大腸手術に限定しても周術期管理プログラムはSSI予防に有用であった. しかし術前炭水化物負荷の有効性やその他の周術期栄養管理対策に関してはエビデンス不足により言及できなかった. 大腸手術では閉塞性大腸癌や炎症性腸疾患など低栄養状態である病態も存在し, 個々に合わせた対策が必要である.
著者
高松 徹 大竹 はるか 上原 健志 新藤 雄司 池谷 敬 東海 浩一 池田 正俊 牛丸 信也 浅野 岳春 松本 吏弘 岩城 孝明 福西 昌徳 鷺原 規喜 浅部 伸一 宮谷 博幸 吉田 行雄
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.695-700, 2012 (Released:2012-11-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

症例は50歳の女性.繰り返す膵炎と心窩部痛の精査目的に当院紹介.造影CT,USで腫瘍や膵管・胆管拡張は認めなかったが,胆道シンチグラフィにて十二指腸への胆汁排泄遅延を認めた.入院時血液検査所見(無症状時)では肝胆道系,膵酵素,IgG4値の異常は認めなかった.ERCP所見は胆管挿管困難にてprecut施行後に胆管造影・IDUS実施したが器質的閉塞は認めなかった.主乳頭からは膵管像得られず,副乳頭からの膵管造影で背側膵管のみ造影された.膵炎の原因は膵管癒合不全と診断し,副膵管口切開術を施行した.また,biliary typeの十二指腸乳頭括約筋機能不全(SOD)も合併していると診断し,乳頭括約筋切開術も同時に施行した.その後,内視鏡的乳頭バルーン拡張術の追加を要したが,以後は膵炎の再燃も認めず自覚症状も改善している.膵管癒合不全を伴ったSODの報告は稀であり若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
加地 浩 森田 恵美子 池田 正人 日野 義之 筒井 隆夫 紙谷 尚子
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.549-554, 2001-07-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
12
被引用文献数
1

胃切除者におけるOGTTではしばしば急峻高血糖型の血糖曲線oxyhyperglycemiaを示すことが知られている. 職域の定期健康診断でスクリーニングされ, 75g-OGTTを受けた2257名の中に胃切除術を受けた者が60名見出された, 今回, これら症例の糖尿病関連諸検査指標と日本糖尿病学会新診断基準 (1999年) との関係で, 診断上の特殊性につき再検討した.平均血糖値は前値 (FPG) 96.9, 1時間値 (PG-1) 179.1, 2時間値 (PG-2) 86.6mg/dlであったが, 血糖値から糖尿病型と判定された者は6名, 境界型6名, 正常型47名であった.血糖以外の指標ではHbA1cは平均6.896と高値を示したが, FRA, 1, 5-AGの平均値は各々256μmol/l, 16, 2μg/mlと基準範囲内にあった.またこれらの指標はFPG, PG-2のみならずPG-1との間にも有意の相関を示した. OGTTを用いるこれらの症例の最終診断は困難な場合があり, 関連する各検査値に力口え, 常に糖尿病家族歴, 胃手術歴を問診しておく必要がある.
著者
池田 正春 南里 宏樹 姫野 悦郎
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.227-236, 1993-09-01 (Released:2017-04-11)

成人病予防に必要なことは今や早期発見, 早期治療(二次予防)でなく, さらに一歩進めて発病の原因を絶つことや体力づくりをすることにより発病を予防する(一次予防)ことにある. 厚生省, 労働省より健康増進政策が相次いで出され, 栄養, 運動, 休養のバランスのとれた健康的なライフスタイルの確立を目指しているが, この中でも運動を重視し, 健康づくりの大きな柱として位置づけている. この背景には運動不足, 相対的なエネルギー摂取過剰, 労働時間の短縮による余暇活用の問題また一般の人々の健康への関心の高まりなどがあげられ, 一方運動生理学の発展も大きく寄与している. しかし我が国では運動と健康や成人病の予防効果に関する科学的な報告などは乏しい状況にあり, 今後はこれらに関する研究を推進していく必要性がある. 本論では運動の健康に及ぼす効果を運動生理化学の面より述べ, 次いで高血圧の運動療法, 運動の降圧のメカニズムに言及し, 運動の生理的効果や成人病予防に対する効果について考察する.
著者
池田 正人
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.313-319, 2009-10-15 (Released:2016-09-30)
参考文献数
5

航空機事故においては,数年事故がない状態が続き,一度事故が発生するとしばらくの間,事故が頻発傾向になり,この傾向に周期性があることが知られている1).化学工業の工場の労働災害においても同様の傾向が見られる.長期間無災害が続いた後に,一度労働災害が発生するとしばらくの間,労働災害が頻発傾向となり,この傾向を繰り返す. 長期間の無災害継続日数を記録した後に労働災害が頻発する傾向があるのは,長期の無災害継続期における「安全意識の緩み」などがおもな原因と思われる.また,われわれ日本人の一般的な気質として,「危険に対する感性が低い」,「当事者意識が希薄」なども作用していると思われる. 日本曹達(株)高岡工場の労働災害の周期性について分析した.労働災害が発生,頻発している間は安全意識の活性化策としての安全活動などが緊張感を持って行われるが,やがて無災害継続日数が1 年以上になるとあたかも安全な工場になってしまったかのような錯覚に陥り,緊張感が途切れ,安全活動は行ってはいるが全員の意識に届いていない.つまり,本来,無災害継続日数が多くなるにつれて安全意識の活性化活動を強化しなければならないが,現実には無災害継続日数が多くなると安全意識の活性化活動は低調になっていく傾向にあることがわかった. 本稿では労働災害の周期性とその原因,そして,無災害継続日数をより延ばすにはどうすべきかについて報告する.
著者
江藤 一洋 太田 正人 井関 祥子 飯村 忠彦 池田 正明 中原 貴
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

1.神経堤細胞の細胞増殖/細胞死制御の分子機構Twist遺伝子を欠失したマウスは胎齢12日にて胎生致死となることが報告されている。しかしながら、頭部神経堤細胞が遊走を開始し最終到達部位にて細胞増殖および細胞分化を解析することは可能である。そこで、Twist-/-胚を用いて細胞増殖、細胞死、細胞分化、パターニングへの影響を解析したところ、細胞増殖の抑制及び細胞死の亢進、細胞分化の抑制、神経分布パターニングの異常を観察した。特に、細胞死の亢進は顕著であり、その影響で細胞分化の抑制が生じる可能性が強く示唆された。2.頭部神経堤幹細胞による組織再生への応用の可能性の検討細胞とscaffoldによる歯周組織のin situ tissue engineering近年、医学研究では細胞移植が注目を浴び、今後自家の細胞を利用したcell-based-therapyは、臨床医学において中心的な役割を担うと考えられている。われわれは、歯周組織のcell-based therapyの可能性を検討するため、自家の歯根膜細胞とcollagen sponge scaffoldを組み合わせて、歯周組織のin situ tissue engineeringを試みたところ、これまでに行われている細胞播種実験に比較して有意に実験的に作製した露出歯根面周囲の歯周組織における新生セメント質の形成が確認された。3.頭部神経堤幹細胞の遺伝子プロファイリングの試み分離細胞の潜在的分化能や、微小組織における多数の遺伝子発現を同時に解析することにより、頭蓋顎顔面領域の間葉に存在すると考えられる頭部神経堤幹細胞を同定する方法の開発が必要となった。現在、マウスの神経上皮の初代培養による頭部神経堤細胞の分離法とマイクロアレイ解析法を組み合わせ、神経堤幹細胞で発現する遺伝子のプロファイリングを行っているところである。
著者
池田 正澄 田村 恭光
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.10-21, 1980-01-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
78
被引用文献数
6 10

The synthetic utility of the Polonovski reaction has recently been widely explored. Besides classical use in dealkylation of tertiary amines and in the preparation of enamines, it can also be used in the syntheses of a Mannich reagent and many indole alkaloids. Success in the syntheses of vinblastine and related compounds is one of the most important developments. The present review summarizes the synthetic applications of this reaction.
著者
池田 正明 熊谷 恵 中島 芳浩
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.44, pp.S13-2, 2017

概日リズムは、地球が24時間で自転しながら太陽の周りを回ることにより地球上に起こる明暗の光環境リズムを、地球上の生物が体内に取り込む形で形成されたと考えられている。地球上の生物は、生体内に概日リズムシステムを獲得したことにより、24時間周期の明暗変化を予測して体内を変化させ、恒常性の維持や環境適応を有利にしていったと考えられている。概日リズムが遺伝子レベルで制御されていることは、1971年にベンザーらがショウジョウバエからリズム変異体<i>period</i>を発見したことを端緒に、これが1984年の<i>period</i>遺伝子の発見へつながり、1997年の<i>Clock, Bmal1, Per</i>などの哺乳類の時計遺伝子の発見、1998年のCLOCK/BMAL1/PER時計遺伝子群の転写翻訳によるフィードバック機構からなるコアフィードバックループの同定へと続き、20世紀末に明らかにされた。コア時計遺伝子であるCLOCK/BMAL1/PERは転写因子として機能しているが、これらの分子にはPASドメインというドメイン構造があり、PASドメインは転写因子間の相互作用のインターフェースとして機能している。CLOCK/BMAL1はこのPASドメインを介してヘテロダイマーを形成し、<i>Per, Cry</i>時計遺伝子のプロモーターにあるE-boxに結合してこれらの遺伝子の転写を促進、産生された産物はCLOCK/BMAL1の転写促進活性を抑制することによって約24時間のリズムを形成している。時計遺伝子は概日リズムの発振という機能を生体内の殆どの細胞で発現することに加えて、CLOCK/BMALが、時計制御遺伝子(<b>clock controlled genes</b> (CGG))を直接転写制御することにより、生体内の代謝リズム発現を起こし、生体内の恒常性維持に働いている。本シンポジウムでは概日リズムの分子機構を概説するとともに、毒物代謝との接点についても論考したい。
著者
池田 正人
雑誌
歯科審美 = Journal of esthetic dentistry (ISSN:09161945)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.47-54, 2002-09-01
参考文献数
6
著者
野村 幸世 川瀬 和美 萬谷 京子 明石 定子 神林 智寿子 柴崎 郁子 葉梨 智子 竹下 恵美子 田口 智章 山下 啓子 島田 光生 安藤 久實 池田 正 前田 耕太郎 冨澤 康子
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.187-195, 2015

日本では外科を選択する医師は減少していますが,日本外科学会に新規入会する女性医師は年々増加しており,2008年新入会の22%が女性でした.ところが,日本の女性の年齢別就労人口をみると,M字カーブを描き,30,40代での離職が目立ち,医師も例外ではありません.この現状を打破するために必要な支援を探るため,日本外科学会女性外科医支援委員会と日本女性外科医会が中心となり,2011年6月下旬~8月末に日本医学会分科会に対し,専門医,認定医制度,評議員,役員,委員会委員,男女共同参画,女性医師支援に関しアンケートを行いました.その結果,多くの学会で女性医師支援の活動は行われつつあることがわかりました.しかし,役員,評議員,委員会委員といった意志決定機構における女性の割合は低いままにとどまっています.あらゆる意思決定機関に女性を参入させることが,女性外科医の活動を,ひいては我が国の外科医療そのものを加速させるのではないかと思われました.
著者
池田 正道 小沢 隆二 波多 和人 篠崎 善治 飯塚 義助
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-117, 1964-03-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
3
被引用文献数
3

トリチウムガス刺激による螢光体の励起発光について, 2種の螢光体の発光強度特性を測定し, トリチウム量と発光強度の関係を検討した。ガラス管球内壁に螢光体結晶を1層になるよう塗布し, この中にトリチウムガス2キュリーを導入して, トリチウムガス圧に対する発光強度を測定した。トリチウムガス圧に対する発光効率は, ガス圧が上がると次第に減少する。これは, トリチウムガス自体によるβ線の自己吸収として説明され, 実験結果とよく一致する関係を導き出した。この自発光光源は, 標示用光源のほかに, 比較標準光源としても利用できると期待される。
著者
池田 正義
出版者
The Society for Psychoanalytical Study of English Language and Literature
雑誌
サイコアナリティカル英文学論叢 (ISSN:03866009)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.3, pp.59-62, 1980

lago, one of the greatest characters that Shakespeire has created is said to have two sides: buffoonery and devilism. On this viewpoint, this thesis is an attempt to shed light upon his character.