著者
森棟 隆弘 池田 正夫 島崎 利治 高畑 謙治 杉山 毅
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.7-13, 1973-03

In producing ferro-manganese we reduce Mn ore in electric furnace or high temperature blast furnace, the path of their chemical change of manganese oxide is not clearly known in raising the temperature. We tried to reduce them in the presence of CO or solid carbon in small muffle furnace from the temperature of 700℃ to 1500℃. And every 100℃ the sample were extracted and examined by X-ray. In these tests, the sample ores were pyrolusite (MnO_2) and contained small amount of braunite (MnO・3Mn_30_4・Si0_2) and Mn_30_4. Next results were known in reducing heating. At 700℃; Mn_20_3 and MnO appeared. At 800℃; No change. At 900℃; MnO increased, γ-Mn_20_3 appeared. At 1000℃; MnO a little increased. At 1100℃; Almost all structure w ere MnO, Mn_30_4 dicreased. At 1200℃; MnO increased. At 1300--1400℃; No change. At 1500℃; Mn_30_4 desappeared, MnO decreased and Fe-Mn solid solution appeared, but Mn carbides (Mn_3C, Mn_3C_4) were not formed.マンガン鉱を高温電気炉又は高温高炉で還元してフエロマンガンを造る場合に,マンガン鉱の化学変化はただ想像されるだけで,それについて調べたものが無い。これらのことから著者らはインド産マンガン鉱を使ってCOガス又は炭素の存在下で鉱石を700℃から1500℃迄の間で加熱還元し,100℃毎にサンプルを取りX線で調べ,マンガン化合物の変化と金属マンガン,マンガン炭化物となる温度を調べた。又各種の化合物の生成について熱力学的にも考察を加へたが,マンガン炭化物については足掛りが出来た程度でなお深い研究を要する。これ等のことについての今迄の研究者はT.Yagi・hashi,K.Asada らで,COガスを使いマンガン鉱の還元挙動を解析している。著者らも昭和15年に,マンガン鉱石が各種の形のものがあることを示し,その製練法に言及している。
著者
笹川 満広 池田 正和 島岡 伸旭 MITSUHIRO SASAKAWA MASAKAZU IKEDA NOBUAKI SHIMAOKA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大學學術報告. 農學 = The scientific reports of Kyoto Prefectural University. Agriculture (ISSN:00757373)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.42-45, 1969-10-15

クチナシの葉を食害するオオスカシバ幼虫の多型現象は幼虫期における生息密度に依存しておこり, また低温は褐色出現に影響を及ぼすことをさきに報告したが, 本実験では, 5令期幼虫体色, 発育期間および死亡率に及ぼす生息密度の累代的影響について検討した。その結果, 親世代の幼虫期における密度や5令期の体色型によって子世代の幼虫体色が決まるのでなく, むしろ子世代幼虫の発育初期における密度如何によって決定される。同一飼育密度を2代にわたって続けると, 子世代には黒化型幼虫の出現がやや増すが有意でない。それに反して, 同一密度での累代飼育によって, 子世代幼虫の発育は特に遅延し, 蛹の発育期間は著しく短縮する。さらに死亡率も累代的に増加する。しかし, 5令期幼虫の糞重量に及ぼす累代的影響はみられなかった。このように, 世代から世代への密度効果の伝達をみると, 幼虫期における環境条件に対する適応として多型が存在するといえる。The transmission of density effects to successive generations of the larger pellucid hawk moth was investigated. The larvae were reared at densities of one and two individuals per container, 12×3cm, at 24℃. The coloration of the F_1 generation larvae was not affected by both the parental density conditions during their larval periods and the parental colour types exhibited clearly in the fifth instar of larvae. It changed progressively from pale to dark, depending upon the population density in each generation. The transmission of density effects from one generation to another was concerned with the rates of the larval and pupal developments and mortality.
著者
山本 和義 西川 和宏 平尾 素宏 福田 泰也 中山 環 永妻 佑季子 谷川 清 前田 栄 原口 直紹 三宅 正和 濱 直樹 宮本 敦史 大宮 英泰 池田 正孝 高見 康二 中森 正二 関本 貢嗣
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.35-41, 2015 (Released:2015-05-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

胃癌患者は高齢者や低栄養症例も多いため,術前からサルコペニアの有病率が高いことが予想される.2012年7月~2014年2月の期間で当科にて行った65歳以上の胃癌手術症例69例中38例(55.1%)にサルコペニアを認めた.サルコペニア群で有意に摂取エネルギー量が少なく(25.6 vs. 29.9kcal/(IBW)kg, p=0.0060),摂取タンパク質量が少なかった(0.95 vs. 1.12g/(IBW)kg, p=0.0041).Clavien-Dindo分類Grade Ⅲ a 以上の重篤な合併症発生率はサルコペニア群で有意に高かった(23.7 vs. 6.5%, p=0.043).サルコペニア有りは重篤な合併症発生に関する独立した危険因子であった(OR 5.86, 95%CI 1.06? 51.65, p=0.042).サルコペニア合併高齢胃癌手術症例に対し,適切な栄養介入が重篤な合併症を回避するうえで有用であると考える.
著者
根本 正之 長崎 祐二 池田 正治
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.159-166, 1992-07-31 (Released:2009-12-17)
参考文献数
13

近年, 沖繩本島や八重山群島においてオガサワラスズメノヒエが優占する荒廃草地が増加してきた。オガサワラスズメノヒエは, 周年に亘って成長する, 生育型が叢生-ほふく型のイネ科多年生雑草で, 家畜に対しても有害である。したがってその防除法の確立が望まれるが, オガサワラスズメノヒエの生理・生態や防除に関する研究は殆どないので, オガサワラスズメノヒエが発生したいくつかの人工草地で生態学的調査を行った。オガサワラスズメノヒエは草地内で純群落を形成するまでには至らないが, 採草地周辺部あるいは刈り取り作業機の横すべりや, 牧草の取り残し等によって生じた裸地にいったん侵入すると, その形態的可塑性を有効に発揮し, 確実に空間を占有した。一度草地内に侵入したオガサワラスズメノヒエの防除は極めてむずかしいが, オガサワラスズメノヒエより草丈が高く, かつ, ほふく型で地表面を被覆する性質をそなえたジャイヤントスターグラスの牧草としての導入はオガサワラスズメノヒエ群落の抑制に有効であるらしいことがわかった。
著者
田中 俊輔 市川 信一郎 川田 恭裕 池田 正文 峰 正弥 曽我 広志 山口 慶剛 棚町 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.571-572, 1995-03-27

大型衛星バス技術確立を目的として開発された技術試験衛星VI型(ETS-VI)の姿勢制御系(ACS)は、国産衛星として初めての三軸トランスファ制御等、新しい機能の他、大型太陽電池パドル、大型アンテナ等の柔軟構造物を搭載し、従来衛星以上の高精度化(姿勢制御精度=ロール/ピッチ0.05(deg)、ヨー0.15(deg):3σ)、耐故障性の要求を満たすよう設計・製造され、サブシステム試験、及びシステム試験にて十分に検証されている。ETS-VIは、昨年(平成6年)の8月28日16時50分、H-IIロケット2号機で打ち上げられ、約28分後に計画通り第2段ロケットから分離され「きく6号」と命名された。ETS-VIは分離後、初期太陽捕捉モードにて正常に太陽捕捉、太陽電池パドル部分展開を予定通り実施し、ロール軸回りに0.2(deg/sec)のレートをもったクルージング状態が17時50分に確認された。衛星は、アポジエンジンの不調により、遠地点高度39000km、近地点高度7800km、周期14時間、軌道傾斜角13度という楕円軌道に投入されたが、バス/ミッション系機器のチェックアウトの結果、ACSを含め衛星機能は全て正常に動作していることが確認された。その後、各種通信実験を最大限に実施すべく、軌道上再プログラミング機能により姿勢制御系搭載ソフトウェアを変更して、この楕円軌道上での三軸地球指向制御、ハドル自動太陽追尾、及び通信実験時のアンテナ指向精度を向上させるための姿勢バイアス制御等を実現させた。又、実験の実施が容易になるように、ペリジ高度を700km上げる軌道修正を実施して、3日毎に同一地点の上空を通過する回帰軌道に衛星を乗せた。本報告では、これまでに得られている姿勢制御系フライトデータの速報を中心に報告する。ETS-VIの軌道上コンフィギュレーションを図1に示す。[figure]
著者
西阪 眞一 宇戸口 和子 溝上 哲也 徳井 教孝 荻本 逸郎 池田 正人 吉村 健清
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.119-131, 1996-06-01
被引用文献数
3

健康度自己評価が,死亡に関わる様々な要因の影響を除いてもなお,独自に将来の死亡に関係するか否かを明らかにするために本研究を行った。対象は福岡県Y市の30-79歳の地域住民4,046名である。調査開始時に健康度自己評価と生活習慣に関する健康調査を行い,7年間の追跡調査を実施した。全解析集団を用い,性,年齢,喫煙,治療状況,肥満度,日常生活動作能力を調整して,自己評価が「健康でない」集団の,「健康である」集団に対する死因別の相対危険度を比例ハザードモデルを用いて算出すると,全死因,がん,循環系疾患,他死因の相対危険度はそれぞれ2.95 (95%CI; 1.93-4.50),2.96 (1.53-5.73),2.32 (0.86-6.26), 4.09 (2.12-7.89)であった。集団選択による偏りを除くために,追跡開始時に疾患をもっている者また追跡開始後最初の3年間の死亡者を除いて解析しても,前述の相対危険度のほとんどが若干低くなるが,実質的に大きな差はみられなかった。さらに前述の有病者,早期死亡者を同時に除いた解析でも,全死因の相対危険度は1.89 (0.91-3.94)と,自己評価による健康度と死亡リスクの関連がうかがえた。このことから健康度自己評価それ自体が死亡リスクに独自に影響する健康指標となり得ることが示唆された。
著者
高橋 友継 榎本 百利子 遠藤 麻衣子 小野山 一郎 冨松 理 池田 正則 李 俊佑 田野井 慶太朗 中西 友子 眞鍋 昇
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.551-554, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1 5

福島第一原子力発電所事故の2か月半後の2011年5月30日から直線距離で約130km南方に位置する東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場で栽培されていた牧草から調製したヘイレージを飼料として同場で飼養中の乳牛に2週間給与した後2週間福島第一原子力発電所事故に起因する放射性核種を含まない輸入飼料を給与し,牛乳中の131I,134Cs及び137Csの放射能濃度の推移を調べた。飼料と牛乳中の131Iは検出下限以下であった。飼料中の放射性核種(134Csと137Cs)は牛乳中に移行したが,ヘイレージ給与を停止すると1週間は3.61Bq/kg/day,1から2週間は0.69Bq/kg/day,平均すると2.05Bq/kg/dayの割合で速やかに減少した。なお試験期間中を通じて牛乳中の134Csと137Csの放射能濃度は国の暫定規制値及び新基準値(放射性セシウム:200及び50Bq/kg)以下であった。
著者
池田 正則 岩本 幸也 長嶋 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.190-196, 1999-04-25

NH_4F水溶液でエッチしたSi(100)表面におけるFの結合状態, 及び大気放置による自然酸化膜成長中のFの振舞いについて, X線光電子分光法により調べた. NH_4F水溶液でエッチしたSi(100)表面からのF1sスペクトルは, HF水溶液浸漬表面からのそれと同様に, Si-F及びSi-F_2結合に相当する二つのガウス型波形に分離できた. NH_4F水溶液でエッチした表面におけるFの大部分はSi-F_2結合として存在する. この表面を大気放置した場合, 表面の自然酸化膜成長とともに, F1sピーク強度は増大して極大に達した後, 減少した. また, 二つのF1s分離成分の結合エネルギーは高エネルギー側にシフトした. このことから, FはSi表面のみではなく, 深さ方向の分布をもって存在していると考えられる. また, 大気放置による自然酸化膜の成長によって, Fの位置は酸化膜表面へ変化するものと考えられる.
著者
池田 正雄
出版者
つくば国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13412078)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-17, 2007

In this text, first of all, an economic developmental process in the East Asian countries is clarified. Next, it considers why a violent currency crisis was generated in the latter half of the 1990's in Thailand, South Korea, and other East Asian countries. Finally, the historical meaning of the Asian currency crisis is clarified while examining various opinions concerning the crisis. The theory that valued vulnerability in the institutions of the East Asian countries is criticized ; and, the perspective that the financial globalization that progressed rapidly with financial deregulation was a factor of the crisis after the 90's is evaluated. However, it is discussed that it would have been necessary to value the decrease in global competitiveness in nations such as Thailand in the latter half of the 1990's and the burst of the economic bubble as factors to cause the rapid outflow of money.
著者
大西 晃生 山本 辰紀 村井 由之 池田 正人
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.235-240, 1992-09-01

末梢神経障害のない134(年齢11-87歳;男66,女68)名における四肢遠位部の冷覚および温覚弁別閾値を, Thermal Threshold Testerを用いて評価し, 患者の感覚障害の病態および重症度の把握に有用な基礎データを得ることを目的とした. 基礎データとして, 各年代毎に, 前腕遠位部(上肢)と足背部(下肢)における各弁別閾値の平均値およびその予測95%信頼限界の上限値を得た. 上・下肢のいずれの閾値も, 加齢とともに明らがな上昇を示した(P<0.0001). 感覚障害を呈する患者の感覚機能の評価には, 年齢に応じた正常対照値との比較検討が重要であると判断された. 6名の志願者(21-66歳)において, 各弁別闇値の評価を約3週間の間に6回繰り返し, 各人毎に繰り返し閾値評価のreliabilityが高い(級内相関係数0.78-0.96)ことを明らかにした.(1992年5月6日 受付,1992年6月15日 受理)
著者
中塚 晴夫 渡辺 孝男 池田 正之
出版者
東北大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1988

一般家屋に於ける空気の汚染源としては、暖房装置と炊事用熱源が挙げられるが、本研究では前者に注目し、その種類によって自覚症状に変化が見られるか否かを調査した。対象は宮城県仙台市・涌谷および田尻町の3地区40歳以上の男女32124人(男14383人、女17741人)とし、この人達にアンケート調査をした結果の解析を行うとともに、これに同県白石市の8千人の対象者を加えるための調査を行った。暖房に関する質問として、(1)暖房しない(2)電気ストーブまたは電気ごたつ(3)エアコン、セントラルヒーティングまたはスチーム(4)クリーンヒータ(5)煙突付きのストーブ(6)煙突無しストーブ(7)炭や煉炭の火鉢やこたつなど、のどれを使うかを回答してもらい、汚染源となる(6)(7)のいずれか一つでも用いる群(I)と、いずれも用いない群(II)とに対象者を分けて自覚症状に差が見られるか否かを検討した。その結果、撹乱因子の少ないと思われる非喫煙者を見ると、男子では涙が出やすい(Iで13%、IIで10%、値はいずれも年齢訂正有症率、以下同様)と疲れやすい(I16%、II13%)という自覚症状が汚染源を使用する群に有意(P<0.05)に多く、女子では鼻汁がよく出る(I11%、II10%)と不眠(I10%、II8%)に有意の差が現れていた。それ以外では統計的に有意とはならないが、男子では、せき、たん、眼の充血、眼がコロコロする、女子では眼の充血、眼がコロコロする、涙が出やすいなどが増加する傾向を示した。また、生活環境に影響を与える道路に面した家屋に住んでいるか否かについても解析したが、この影響は明確で、非喫煙女子では「症状無し」も含め17項目中9項目に有意差が認められた。以上のことから、暖房にともなう屋内汚染の人体に対する影響は若干認められるが、その程度は道路に代表される屋外環境の影響よりは少ないと推定される。
著者
池田 正浩
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

Aquaporin (AQP)分子種とは、疎水性の脂質二重膜である生体膜を水分子が透過する通路として同定されたタンパク質分子種で、現在では、200以上のAQP分子種が、微生物から脊椎動物に渡って存在することが明らかにされ、生命を維持する上で根本的なタンパク質分子の一つであると見なされるようになった。申請者のグループは、最近新しいAQP分子種であるAQP11を世界に先駆けて発見した。しかしながらAQP11が細胞のどこに局在するのか、どのような分子形態で存在するのか、AQP11の生理学的意義付けは何かなどについては、全く明らかにされていない。本研究では、これらの点を明らかにすることを目的とした。(1)AQP11の細胞内局在GFPやmycなどのタグをAQP11に融合させて細胞に発現させ、イメージング法により細胞内の局在を調べた。その結果AQP11は主として小胞体に局在すること、そして少ないながら一部は核膜および細胞膜にも局在することを観察した。次に、小胞体局在に関係するアミノ酸配列について部位特異的突然変異法などの手法を用いて検討した結果、AQP11のC末端側に存在しているNKKEモチーフ、およびCys-101は、AQP11の小胞体局在には関係していないことが明らかとなった。また、AQP11のC末端側に存在しているNKKEモチーフが、ER exitシグナルとして働いている可能性を見出した。(2)AQP11の分子構造現在までに分子構造が明らかにされているAQP分子種は4量体を形成して、細胞膜に存在することが知られている。この点について、pull-downアッセイ法やタンパク質架橋法などを用いて検討した結果、AQP11が4量体を形成すること、この多量体形成にCys-101が関わっていることなどを見出した。(3)小胞体ストレスが生じた場合のAQP11の役割についてAQP11発現量が減少したマウスに、虚血再灌流による小胞体ストレスを負荷したところ、そのマウスの表現型には、変化は認められなかった。しかし、今回の系は、AQP11の発現を完全に抑えた系ではなかったため、小胞体ストレスが生じた場合のAQP11の役割については、今後も検討する必要がある。以上の成果の一部は論文としてまとめ、現在投稿中である。
著者
早渕 仁美 井上 厚美 池田 正人
出版者
福岡女子大学
雑誌
福岡女子大学家政学部紀要 (ISSN:02883953)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.41-50, 1985-12-25
被引用文献数
2

個人の平均的な食生活実態を, 簡便かつ数量的に把握する手段として, 簡易食生活実態調査票を考案した。調査内容は, 個人情報, 食事状況, 摂取状況に分かれており, 食事状況は10点満点で点数化し, 摂取状況は日頃よく使用する食品(76品目)の平均摂取頻度と1回当たりの目安摂取量から, 1日当たりの摂取栄養量および食品群別摂取量が推定できるようにした。なお, 塩分摂取量は調味や料理の好みなども考慮して推定している。本調査方法と思い出し法による食生活実態調査を行った佐賀県農村婦人(40歳代, No.=121)の事例を上げ, その簡便性と妥当性について, 若干の検討を加えた。